秋の天皇賞へ向けた一戦・毎日王冠。過去10年の天皇賞優勝馬のうち、最多の６頭を輩出する最重要ステップと言えるレースだ。06年のダイワメジャー、そして09年のカンパニーはこのレースと天皇賞を連勝。その一方で近３年は、エイシンフラッシュ（毎日王冠９着）、ジャスタウェイ（同２着）、そして昨年のスピルバーグ（同３着）が天皇賞で巻き返して優勝している。勝ち馬はもちろんのこと、敗れた馬でもそのレースぶりには注目が欠かせない。そんな毎日王冠の、過去の傾向を見てみよう。

　天皇賞（秋）のステップレースである京都大賞典。以前は国内トップクラスの馬が出走して、このレースを使った後に天皇賞（秋）やエリザベス女王杯、ジャパンカップ、有馬記念などのＧ１レースで活躍する馬が多くいた。ところが最近は出走馬のレベルが下がっており、京都大賞典を使って天皇賞（秋）で馬券に絡んだのは04年のゼンノロブロイが最後で、最近10年は天皇賞（秋）で馬券に絡んだ馬を出していない。馬券も年々荒れる傾向になっており、今年も波乱となるのだろうか。過去のデータからレースの傾向を検証する。

　昨年から重賞に格上げされたいちょうＳが、今年からサウジアラビアロイヤルカップと改称されて行われる。いちょうＳは10月の後半に東京競馬場を舞台に、２歳馬によるオープン特別として行われていた。長い間距離1600ｍで実施されていたが、12～13年は1800ｍとなり、重賞になった14年から再び1600ｍに戻された。歴代の勝ち馬にはヤマニンパラダイス、エアグルーヴ、メジロドーベル、イスラボニータなどのＧ１馬が名を連ね、ハイレベルな争いが繰り広げられてきた。昨年はクラリティスカイが勝利し、その後ＮＨＫマイルＣを制して３歳マイル王になった。今年も優勝馬には注目が集まる。いちょうＳがオープン特別だった時期も含めて、レースの傾向を探る。