２歳世代初のマイル重賞・新潟２歳Ｓ。以前は夏の新潟２歳王者決定戦の色合いが濃かったレースだが、近年は２歳戦のスタートが早まったことに加え、夏の新潟開催の短縮もあり、新潟以外でデビューした２歳馬の参戦も少なからず見られる。その一方、世代初のマイル重賞のため、早熟馬やマイラーばかりではなく、翌年の大レースをにらむ素質馬の参戦も増えている。近年では、一昨年の優勝馬・ハープスターが桜花賞を制し、同年２着のイスラボニータは皐月賞優勝。また、昨年の優勝馬・ミュゼスルタンがＮＨＫマイルＣで３着になっており、クラシックや、このレースと同じマイルのＧ１を目指す馬の戦いが注目される。そんな新潟２歳Ｓの過去の傾向を見てみよう。

　今年で10回目を迎える重賞レース、キーンランドカップ。歴史は浅いが、サマースプリントシリーズの第５戦として行われることに加え、約１カ月後に行われるスプリンターズＳ（Ｇ１）の前哨戦として出走する馬も多く、毎年なかなかのメンバーが揃って好レースが繰り広げられている。11年の勝ち馬カレンチャンと14年の８着馬スノードラゴンは、続くスプリンターズＳを制覇。08、09年のビービーガルダン、08年のキンシャサノキセキ、11年のパドトロワ、12年のドリームバレンチノ、14年のレッドオーヴァルが、このレースを使った後にスプリンターズＳで馬券に絡んでいる。また、10年のワンカラットと12年のパドトロワが、このレースを勝利してサマースプリントシリーズのチャンピオンにも輝いている。そんなキーンランドカップの過去のレースのデータを振り返り、今年の傾向を探る。