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アイビスサマーダッシュ
クイーンＳ

第15回アイビスサマーダッシュ（Ｇ３）

８月２日（日）　新潟競馬場　芝1000ｍ

　新潟競馬場に日本初の直線コースが新設された01年に、その直線1000ｍを舞台としたＧ３の重賞競走として創設。初年度の優勝馬・メジロダーリングが次走のスプリンターズＳで２着に好走すると、以降もカルストンライトオやカノヤザクラ、ハクサンムーンといった快足馬・実力馬たちが、このレースの勝ち馬に名を連ねている。また、06年に創設されたサマースプリントシリーズの第３戦（11年までは第２戦）に組み込まれており、本競走の優勝馬から６頭がシリーズの王座に就いている。今年、そのサマースプリントシリーズ制覇や、秋のスプリンターズＳへ向けて前進するのはどの馬か。過去の傾向を見てみよう。

写真：競馬ブック

中位人気馬には要注目

　荒れる印象もあるレースだが、過去10年で３連単が大波乱となったのは07年の40万馬券、10年の84万馬券の２回のみ。１番人気と３番人気が連対率40.0％とまずまずの成績を残し、２桁人気の好走は４頭にとどまっている。注目したいのは中位人気馬。５～７番人気の合計で【3.4.4.19】複勝率36.7％と安定した成績を残し、過去10年で馬券に絡まなかった年は、大荒れだった10年の１回のみである。極端な穴馬の好走はあまり期待できないが、このあたりを絡めて好配当を狙いたいレースだ。

【人気別成績（過去10年）】
人気	成績	勝率	連対率	複勝率
1	3-1-0-6	30.0%	40.0%	40.0%
2	1-1-1-7	10.0%	20.0%	30.0%
3	1-3-1-5	10.0%	40.0%	50.0%
4	0-0-2-8	0.0%	0.0%	20.0%
5	0-3-1-6	0.0%	30.0%	40.0%
6	0-1-3-6	0.0%	10.0%	40.0%
7	3-0-0-7	30.0%	30.0%	30.0%
8	1-0-0-9	10.0%	10.0%	10.0%
9	0-0-0-10	0.0%	0.0%	0.0%
10	0-1-0-9	0.0%	10.0%	10.0%
11～	1-0-2-61	1.6%	1.6%	4.7%

【上位馬の人気と主な配当（過去10年）】
年	05	06	07	08	09	10	11	12	13	14
１着人気	7	7	13	2	3	8	1	7	1	1
２着人気	2	3	1	10	6	3	5	5	3	5
３着人気	4	6	5	6	2	16	11	4	6	3
単勝	2,270円	1,690円	7,710円	540円	750円	1,300円	340円	1,160円	210円	350円
馬連	4,660円	5,560円	22,990円	6,140円	4,150円	4,800円	1,410円	3,450円	1,000円	2,320円
馬単	11,600円	13,460円	66,170円	10,100円	7,780円	10,410円	2,180円	7,600円	1,510円	3,840円
３連複	6,890円	8,970円	50,310円	21,110円	9,460円	153,890円	11,870円	12,280円	2,840円	4,000円
３連単	54,240円	58,790円	404,290円	120,810円	67,570円	848,340円	45,750円	80,960円	10,140円	21,450円

３～４歳の牝馬が好成績も……

　牝馬の好走が目立つレースで、過去10年では【7.4.5.50】連対率16.7％。特に３～４歳の牝馬が計【4.3.2.6】複勝率60.0％と、素晴らしい成績を残しており、今年も該当馬がいれば見逃せない。
　しかし表の右に記したように、過去３年の優勝馬はいずれも牡馬。この３年間にかぎれば牡・セン馬【3.1.1.21】、牝馬【0.2.2.18】と逆転している点には注意したい。ただ、近３年でも３～４歳の牝馬にかぎれば【0.1.1.1】複勝率66.7％である。

【性齢別成績（過去10年）】
性別	年齢	成績	勝率	連対率	複勝率	過去３年
牡・セン	３歳	0-0-1-7	0.0%	0.0%	12.5%	0-0-0-2
	４歳	1-2-1-8	8.3%	25.0%	33.3%	1-0-0-1
	５歳	1-2-2-14	5.3%	15.8%	26.3%	1-1-1-3
	６歳	0-2-1-19	0.0%	9.1%	13.6%	0-0-0-5
	７歳～	1-0-0-36	2.7%	2.7%	2.7%	1-0-0-10
牝馬	３歳	2-2-1-3	25.0%	50.0%	62.5%	0-1-0-1
	４歳	2-1-1-3	28.6%	42.9%	57.1%	0-0-1-0
	５歳	2-1-3-22	7.1%	10.7%	21.4%	0-1-1-7
	６歳	1-0-0-15	6.3%	6.3%	6.3%	0-0-0-7
	７歳～	0-0-0-7	0.0%	0.0%	0.0%	0-0-0-3

外枠に加え、２枠にも好走馬多し

　新潟直線芝1000ｍといえば外枠有利。このレースもその例に漏れず、７～８枠が優勝馬10頭中６頭を占めるなど、全体的に外枠優勢だ。しかしそんな中、内でも好成績を残しているのが２枠で、特に過去５年では【2.1.2.4】複勝率55.6％と、外枠を上回る安定感を見せている。この５年間の好走馬15頭中14頭は２枠か６～８枠から出ており、「２枠＋６～８枠」を引いた馬に注目したい。

【枠番別成績（過去10年）】
枠	成績	勝率	連対率	複勝率	過去５年
1	0-0-1-17	0.0%	0.0%	5.6%	0-0-0-9
2	2-1-3-12	11.1%	16.7%	33.3%	2-1-2-4
3	0-1-0-16	0.0%	5.9%	5.9%	0-0-0-8
4	0-0-0-20	0.0%	0.0%	0.0%	0-0-0-10
5	2-1-0-17	10.0%	15.0%	15.0%	1-0-0-9
6	0-2-1-17	0.0%	10.0%	15.0%	0-2-0-8
7	3-2-4-17	11.5%	19.2%	34.6%	1-1-3-8
8	3-3-1-18	12.0%	24.0%	28.0%	1-1-0-10

近年の連対馬は大半が前走逃げ・先行

　以前は、08年優勝のカノヤザクラ（前走４角12番手）など、差し・追い込み型の好走も見られたこのレース。しかし過去５年にかぎると、連対馬10頭中９頭が前走の４角を３番手以内で通過しており、うち６頭は４角先頭。近年は明らかに逃げ・先行型の好走が増えている。唯一の例外、昨年１着のセイコーライコウは、前々走で同じ新潟1000ｍのオープン特別を、道中９番手から差し切っていた。このコースで差し切った実績を持つ馬以外なら、連対候補は逃げ・先行勢から探したい。
　ほかに過去５年の連対馬の共通点としては、前走が芝1200ｍだった馬が10頭中９頭。そして前走５着以内だった馬が同じく10頭中９頭を占める。

【連対馬の前走成績（過去５年）】
年	馬名	通過順	人気	着順	前走	通過順	人気	着順
10	ケイティラブ	1	8	1	テレビユー福島賞	1-1-1	9	3
10	ジェイケイセラヴィ	2	3	2	バーデンバーデンＣ	3-3-3	6	5
11	エーシンヴァーゴウ	7	1	1	ルミエールＳ（新芝10）	1	1	1
11	エーブダッチマン	1	5	2	バーデンバーデンＣ	2-2-2	8	2
12	パドトロワ	3	7	1	函館スプリントＳ	1-3-1	3	4
12	エーシンダックマン	2	5	2	ＣＢＣ賞	1-1	5	7
13	ハクサンムーン	1	1	1	ＣＢＣ賞	1-1	2	2
13	フォーエバーマーク	1	3	2	函館スプリントＳ	1-1-1	3	3
14	セイコーライコウ	7	1	1	函館スプリントＳ	10-9-10	5	4
14	フクノドリーム	2	5	2	バーデンバーデンＣ	2-2-2	5	5

栗東坂路が中心も、美浦コース追いにも注目

　パソコン用調教分析ソフト「競馬道調教マスター」を利用して、過去７年の出走馬の追い切りを調べると、栗東の坂路コースで追い切られた馬が４勝を挙げ、３着以内には計９頭。好走馬の半分近くを栗東坂路組が占めている。　その一方、同じ坂路でも美浦は【1.2.1.31】連対率8.6％とひと息。南Ｗが【0.3.1.5】複勝率44.4％、南Ｐが【0.1.1.4】同33.3％と、勝ち馬こそ出ていないものの、美浦ではコース追いの馬が高複勝率を記録している。「競馬道調教マスター」について詳しく知りたい人はコチラまで。

【追い切りコース別成績（過去７年）】
追い切りコース		成績	勝率	連対率	複勝率
美浦	南坂	1-2-1-31	2.9%	8.6%	11.4%
	南Ｗ	0-3-1-5	0.0%	33.3%	44.4%
	南Ｐ	0-1-1-4	0.0%	16.7%	33.3%
	北Ｃ	0-0-0-1	0.0%	0.0%	0.0%
	南芝	0-0-0-2	0.0%	0.0%	0.0%
栗東	坂路	4-1-4-34	9.3%	11.6%	20.9%
	ＣＷ	1-0-0-5	16.7%	16.7%	16.7%
	旧ＤＷ	0-0-0-1	0.0%	0.0%	0.0%
	Ｐ	0-0-0-2	0.0%	0.0%	0.0%
	芝	0-0-0-2	0.0%	0.0%	0.0%
	Ｂ	0-0-0-2	0.0%	0.0%	0.0%
その他		1-0-0-5	16.7%	16.7%	16.7%

第63回クイーンＳ（Ｇ３）

８月２日（日）札幌競馬場　芝1800ｍ

　開設当初は秋の中山や東京で行われていたが、00年に古馬混合戦に変更されると同時に夏の札幌競馬へ移動。秋の大レースを目指す牝馬の一戦として定着してきたクイーンＳ。05年の２着馬ヘヴンリーロマンスが天皇賞（秋）を優勝、11年の優勝馬アヴェンチュラは続く秋華賞でＧ１制覇を達成するなど、このレースの好走馬はその後、大輪を咲かせる傾向にある。昨年はキャットフィーユが勝利して重賞初制覇を成し遂げた。今年勝利して秋への飛躍を果たすのはどの馬か。過去のデータから傾向を探る。

写真：競馬ブック

札幌ダ組で助手か池添騎手が騎乗していた馬

　ＰＣ用調教分析ソフト「競馬道調教マスター」で、過去７年の追い切りのコース別成績を調べたところ、函館Ｗ組【4.4.0.21】と札幌ダ組【1.2.4.29】が好走馬の数が多かった。この２コースの比較では、函館Ｗ組が勝率、連対率、複勝率のすべてで札幌ダ組を上回っていた。
　やたら３着が多い札幌ダ組の傾向は、調教に騎乗していた人がポイントだ。馬券に絡んだ７頭中３頭は「助手」、同じく３頭は「池添騎手」で、残りの１頭は「荻野琢騎手」。つまり札幌ダ組は基本的には助手が買いで、騎手は池添騎手のときだけ買うのでよい。「競馬道調教マスター」について詳しく知りたい人はコチラまで。

【追い切りコース別の成績（過去7年）】
コース	成績	勝率	連対率	複勝率
函館Ｗ	4-4-0-21	13.8%	27.6%	27.6%
函館ダ	1-0-0-5	16.7%	16.7%	16.7%
札幌ダ	1-2-4-29	2.8%	8.3%	19.4%
函館芝	0-0-2-3	0.0%	0.0%	40.0%
札幌芝	1-0-1-9	9.1%	9.1%	18.2%
美南Ｗ	0-1-0-1	0.0%	50.0%	50.0%

【札幌ダで追い切って馬券に絡んだ馬（過去7年）】
日	馬名	性齢	厩舎	レース騎乗	人	着	調教騎乗	6F	5F	4F	3F	1F	位置	脚色
08	レジネッタ	牝３	浅見秀一	小牧太	1	2	助手	85.7	69.3	53.4	39	11.9	6	馬ナリ
08	フミノサチヒメ	牝５	西浦勝一	長谷川	12	3	助手	82.3	66.7	52.1	38.1	11.7	6	一杯
09	アメジストリング	牝５	浅見秀一	池添	6	3	池添		67.2	52.5	39.3	12.5	8	一杯
10	プロヴィナージュ	牝５	小島茂之	佐藤哲	3	2	荻野琢		66.5	51.4	38.4	12.1	6	一杯
10	カウアイレーン	牝４	和田正道	横山典	6	3	助手	86	69.7	54.9	40.6	13	7	馬ナリ
12	アイムユアーズ	牝３	手塚貴久	池添	1	1	池添		67.2	52.3	39	11.8	8	末強目
14	スマートレイアー	牝４	大久保龍志	池添	1	3	池添		73	56.3	41.2	12.4	6	馬ナリ

上位人気２頭と下位人気１頭で決まる

　平均配当は馬連が5898円、３連単は７万9435円。馬連は2000円以下が４回あるが、5000円以上も５回あり、堅いか荒れるかの極端な結果に終わることが多い。馬券圏内30頭中16頭が１～３番人気で、上位人気は安定している。馬券に絡んだ３頭の内訳が１～５番人気から２頭、６番人気以下から１頭というケースが、過去10年で９回もあり、今年もそのパターンになる可能性が高そうだ。

【人気別成績（過去10年）】
人気	成績	勝率	連対率	複勝率
1	3-2-1-4	30.0%	50.0%	60.0%
2	4-1-0-5	40.0%	50.0%	50.0%
3	1-1-3-5	10.0%	20.0%	50.0%
4	0-0-1-9	0.0%	0.0%	10.0%
5	1-0-1-8	10.0%	10.0%	20.0%
6	0-2-2-6	0.0%	20.0%	40.0%
7	0-0-1-9	0.0%	0.0%	10.0%
8	0-1-0-9	0.0%	10.0%	10.0%
9	0-0-0-9	0.0%	0.0%	0.0%
10～	1-3-1-37	2.4%	9.5%	11.9%

３歳馬が人気なら買い

　年齢別では、３～５歳が中心で６歳以上は厳しい。５歳は馬券に絡んだ馬が14頭と多いが１着が２頭と少なく、２、３着で狙いたい。４歳は最多の４頭が勝利しているが、複勝率がやや低い。３歳は勝率と連対率がもっとも高い。３歳が１or２番人気に支持されると【3.1.0.1】と好成績を残している。

【年齢別の成績（過去10年）】
年齢	成績	勝率	連対率	複勝率
３歳	3-2-1-18	12.5%	20.8%	25.0%
４歳	4-1-3-30	10.5%	13.2%	21.1%
５歳	2-7-5-37	3.9%	17.6%	27.5%
６歳	1-0-1-14	6.3%	6.3%	12.5%
７歳	0-0-0-2	0.0%	0.0%	0.0%

マーメイドＳは危険!?

　前走からのレース間隔別成績は、ゆったりめがよい。連闘～中３週の間隔が詰まった場合が【1.2.0.29】と成績が良くない。中９週～半年が【7.4.6.34】で複勝率33.3％と好走確率が高い。
　ステップレースはＧ１のヴィクトリアマイル【4.2.2.10】やオークス【2.1.2.9】が中心。また、条件戦の1600万下も【2.2.3.16】と健闘している。マーメイドＳは【1.2.2.18】とそれなりだが、ここ５年馬券に絡んでおらず、あまり期待できそうにない。

【前走からのレース間隔別成績（過去10年）】
間隔	成績	勝率	連対率	複勝率
連闘	0-0-0-1	0.0%	0.0%	0.0%
中１週	1-0-0-7	12.5%	12.5%	12.5%
中２週	0-1-0-15	0.0%	6.3%	6.3%
中３週	0-1-0-6	0.0%	14.3%	14.3%
中４～８週	2-4-4-37	4.3%	12.8%	21.3%
中９週～半年	7-4-6-34	13.7%	21.6%	33.3%
半年以上	0-0-0-1	0.0%	0.0%	0.0%

【前走のレース別成績（過去10年）】
前走レース	成績	勝率	連対率	複勝率
ヴィクトリアマイル	4-2-2-10	22.2%	33.3%	44.4%
オークス	2-1-1-9	15.4%	23.1%	30.8%
1600万下	2-2-3-16	8.7%	17.4%	30.4%
エプソムC	1-0-0-1	50.0%	50.0%	50.0%
マーメイドS	1-2-2-18	4.3%	13.0%	21.7%
巴賞	0-1-0-5	0.0%	16.7%	16.7%
福島牝馬S	0-1-0-3	0.0%	25.0%	25.0%
ラジオNIKKEI賞	0-1-0-0	0.0%	100.0%	100.0%
七夕賞	0-0-1-2	0.0%	0.0%	33.3%
愛知杯	0-0-1-0	0.0%	0.0%	100.0%

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第15回 アイビスサマーダッシュ（Ｇ３）