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ヴィクトリアマイル
京王杯ＳＣ

第10回ヴィクトリアマイル（Ｇ１）

５月17日（日）　東京競馬場　芝1600ｍ

　古牝馬にとっての春の大目標となる一戦・ヴィクトリアマイル。2006年に創設され、第１回のダンスインザムード以来、ウオッカやブエナビスタ、アパパネといった名牝がこのレースを制してきた。近２年は、12年の牝馬三冠全２着馬・ヴィルシーナが連覇を達成。２着にもホエールキャプチャ、メイショウマンボと、やはり牝馬Ｇ１路線の実績馬が入っている。今年はどの馬が春の女王に輝くのか、過去の傾向を見てみよう。

写真：競馬ブック

１番人気は上々、11～12番人気馬にも注意

　創設以来の過去９年、１番人気は【3.2.0.4】連対率55.6％と上々の成績。しかし、それ以外の人気で３連対以上を記録したものはない。特に、６～10番人気の勝ち馬は不在で、連対馬も３頭だけである。11番人気以下からは好走馬５頭は、11番人気【1.1.1.6】、12番人気【1.1.0.7】。13番人気以下は【0.0.0.53】で、同じ２桁人気でも狙いは12番人気までになる。なお、６番人気以下の馬が馬券に絡んだ年（９年で６回）は、いずれも２着以内に入っている。１～３着が人気→人気→穴の組合わせで決着した年はない。

【人気別成績（過去９年）】
人気	成績	勝率	連対率	複勝率
1	3-2-0-4	33.3%	55.6%	55.6%
2	2-0-0-7	22.2%	22.2%	22.2%
3	0-2-2-5	0.0%	22.2%	44.4%
4	1-0-2-6	11.1%	11.1%	33.3%
5	1-0-1-7	11.1%	11.1%	22.2%
6	0-0-1-8	0.0%	0.0%	11.1%
7	0-1-1-7	0.0%	11.1%	22.2%
8	0-1-1-7	0.0%	11.1%	22.2%
9	0-1-0-8	0.0%	11.1%	11.1%
10	0-0-0-9	0.0%	0.0%	0.0%
11～	2-2-1-66	2.8%	5.6%	7.0%

【上位馬の人気と主な配当（過去９年）】
年	06	07	08	09	10	11	12	13	14
１着人気	2	12	5	1	1	2	4	1	11
２着人気	3	9	1	11	8	1	7	12	3
３着人気	4	8	4	7	11	3	3	5	6
単勝	390円	6,030円	1,340円	170円	150円	410円	720円	310円	2,830円
馬連	1,000円	30,740円	1,670円	5,310円	2,490円	230円	5,510円	8,030円	8,450円
馬単	1,860円	73,240円	4,520円	6,410円	2,780円	740円	10,720円	12,600円	28,050円
３連複	2,770円	235,020円	3,240円	19,770円	29,700円	620円	10,790円	35,770円	50,720円
３連単	11,650円	2,283,960円	23,000円	80,580円	85,770円	3,620円	75,320円	193,570円	407,940円

６歳以上は連対なし

　年齢別の成績では、４歳が【6.7.3.66】連対率15.9％、５歳が【3.2.4.39】同10.4％で、まず４～５歳馬が馬券の中心になる。６歳は【0.0.2.20】と連対なし。６歳で上位人気に推された馬でも、07年スイープトウショウが９着、09年カワカミプリンセスは８着、そして14年ホエールキャプチャが４着に敗退（いずれも２番人気）。ほかに５～６番人気でも【0.0.0.4】に終わっており、６歳馬を買うとしても穴の３着候補までになる。

【年齢別成績（過去９年）】
年齢	成績	勝率	連対率	複勝率
４歳	6-7-3-66	7.3%	15.9%	19.5%
５歳	3-2-4-39	6.3%	10.4%	18.8%
６歳	0-0-2-20	0.0%	0.0%	9.1%
７歳～	0-0-0-9	0.0%	0.0%	0.0%

阪神牝馬Ｓ組の取捨は？

　前走は阪神牝馬Ｓ組の出走が多いものの、その成績は【2.4.2.45】連対率11.3％と今ひとつ。これに次ぐ出走馬を出す福島牝馬Ｓは【0.1.1.36】同2.6％と大苦戦だ。その他で馬券圏内に３頭が絡むのはマイラーズＣ【2.0.1.8】同18.2％、中山牝馬Ｓ【1.1.2.10】同14.3％になる。
　このうち、好走確率は低いものの、出走馬も好走馬も多い阪神牝馬Ｓ組を見てみたい。該当馬８頭のうち、４頭は阪神牝馬Ｓの連対馬。残る４頭は８着以下から巻き返しており、阪神牝馬Ｓ３～７着馬は【0.0.0.19】。この中には12年のアパパネ（１番人気５着）、13年のハナズゴール（２番人気６着）などが含まれる。また、この阪神牝馬Ｓ組は、Ｇ１出走経験があれば連対しているのが理想だ（６頭中５頭）。

【前走阪神牝馬Ｓ組の好走馬（過去９年）】
年	馬名	人気	着順	前走人気	前走着順	Ｇ１最高着順
06	エアメサイア	3	2	2	2	秋華賞１着
07	アサヒライジング	9	2	2	8	秋華賞２着
08	エイジアンウインズ	5	1	5	1	未経験
08	ブルーメンブラット	4	3	1	2	ヴィクトリアＭ８着
10	ヒカルアマランサス	8	2	3	13	未経験
12	マルセリーナ	3	3	2	2	桜花賞１着
13	ホエールキャプチャ	12	2	6	14	ヴィクトリアＭ１着
14	ヴィルシーナ	11	1	5	11	ヴィクトリアＭ１着

美浦は坂路、栗東はコース追いに注目

　過去７年の出走馬の追い切りを、パソコン用調教分析ソフト「競馬道調教マスター」で分析すると、美浦で追い切った馬は坂路組が優勢で、好走馬５頭中４頭が南坂路での追い切り馬。コース追いで馬券に絡んだ馬は、13年・南Ｗのマイネイサベル３着１頭のみである。
　一方、栗東は坂路、コースとも連対馬が出ているが、坂路組は【2.2.1.36】で連対率9.8％と、美浦南坂路（同18.8％）と比較しても今ひとつ。栗東ならCW【3.3.3.16】連対率24.0％が好成績。また、該当馬が少ないとはいえＰコースも【0.1.1.4】で複勝率は33.3％を記録する。「競馬道調教マスター」について詳しく知りたい人はコチラまで。

【追い切りコース別成績（過去７年）】
追い切りコース		成績	勝率	連対率	複勝率
美浦	南坂路	2-1-1-12	12.5%	18.8%	25.0%
美浦	その他計	0-0-1-30	0.0%	0.0%	3.2%
栗東	坂路	2-2-1-36	4.9%	9.8%	12.2%
	CW	3-3-3-16	12.0%	24.0%	36.0%
	P	0-1-1-4	0.0%	16.7%	33.3%
	旧DW	0-0-0-6	0.0%	0.0%	0.0%

第60回　京王杯スプリングカップ（Ｇ２）

５月16日（土）東京競馬場　芝1400ｍ

　安田記念の前哨戦として行われる京王杯ＳＣ。１着馬には安田記念の優先出走権が与えられる。距離が1400ｍのためマイラーとスプリンターの双方が参戦し、また安田記念の叩き台としてレースに臨む馬もいるため、一筋縄ではいかない傾向にある。１番人気が長い間勝てないレースとして知られていたが、13年にダイワマッジョーレが勝利して、連敗を13でストップした。過去10年では、05年の優勝馬アサクサデンエンが続く安田記念を制して春のマイル王になり、12年の４着馬ストロングリターンも安田記念を優勝している。今年はどんなレースになるだろうか。過去のデータからレースの傾向を探る。

写真：競馬ブック

栗東坂路組の一桁人気

　ＰＣ用調教分析ソフト「競馬道調教マスター」で、追い切りのコース別成績を調べたところ、栗東坂路組が【4.4.3.32】と成績が良かった。不振だったのは栗東ＣＷ組【0.0.0.11】で、美浦南Ｗ組【1.0.0.13】や美浦南坂路組【1.0.1.20】もあまり良い成績ではなかった。
　もっとも馬券に多く絡んでいた栗東坂路組の共通点は「人気」。栗東坂路で追い切った馬は43頭おり、その内一桁人気が25頭で、二桁人気は18頭。栗東坂路組で馬券に絡んだ11頭はすべて一桁人気だった。栗東坂路組で一桁人気の馬が狙い目といえる。「競馬道調教マスター」について詳しく知りたい人はコチラまで。

【追い切りコース別の成績（過去7年）】
場所	コース	成績	勝率	連対率	複勝率
栗東	坂路	4-4-3-32	9.3%	18.6%	25.6%
	ＣＷ	0-0-0-11	0.0%	0.0%	0.0%
	Ｐ	0-1-0-2	0.0%	33.3%	33.3%
	旧ＤＷ	0-1-1-2	0.0%	25.0%	50.0%
美浦	南坂路	1-0-1-20	4.5%	4.5%	9.1%
	南Ｗ	1-0-0-13	7.1%	7.1%	7.1%
	南Ｐ	1-1-2-12	6.3%	12.5%	25.0%
	南Ｄ	0-0-0-1	0.0%	0.0%	0.0%
	南芝	0-0-0-1	0.0%	0.0%	0.0%

単勝４倍以上の２、３番人気が中心

　平均配当は馬連が8058円、３連単は27万8576円と荒れている。１番人気は【1.0.1.8】と不振。２番人気と３番人気は複勝率が50～60％とまずまず。１～３番人気が揃って馬券圏外に敗れたのは12年の１回のみで、そのときは４番人気が勝利しており、上位人気のいずれかは押さえておきたい。７番人気以下が馬券に絡んだのは計７回と少なく、荒れているわりには人気薄の出番はあまりない。
　単勝オッズ別の成績は、3.9倍以下が【0.0.1.5】と不振。人気を背負った馬は疑ったほうがいい。４倍台が複勝率57.1％と最も高く、そこから人気が下がれば下がるほど、複勝率も下っていく傾向にある。単勝オッズで考えるなら、４倍を切っているかどうかが重要だ。

【人気別の成績（過去10年）】
人気	成績	勝率	連対率	複勝率
1	1-0-1-8	10.0%	10.0%	20.0%
2	1-1-4-4	10.0%	20.0%	60.0%
3	1-2-2-5	10.0%	30.0%	50.0%
4	2-0-0-8	20.0%	20.0%	20.0%
5	1-4-0-5	10.0%	50.0%	50.0%
6	1-1-1-7	10.0%	20.0%	30.0%
7	0-0-1-9	0.0%	0.0%	10.0%
8	1-0-0-9	10.0%	10.0%	10.0%
9	0-1-0-9	0.0%	10.0%	10.0%
10～	2-1-1-73	2.6%	3.9%	5.2%

【単勝オッズ別の成績（過去10年）】
単勝オッズ	成績	勝率	連対率	複勝率
1.5～1.9	0-0-1-0	0.0%	0.0%	100.0%
2.0～2.9	0-0-0-3	0.0%	0.0%	0.0%
3.0～3.9	0-0-0-2	0.0%	0.0%	0.0%
4.0～4.9	1-1-2-3	14.3%	28.6%	57.1%
5.0～6.9	2-2-2-8	14.3%	28.6%	42.9%
7.0～9.9	3-1-2-10	18.8%	25.0%	37.5%
10.0～14.9	1-2-1-17	4.8%	14.3%	19.0%
15.0～19.9	1-1-1-10	7.7%	15.4%	23.1%
20.0～29.9	0-2-0-13	0.0%	13.3%	13.3%
30.0～49.9	2-1-0-20	8.7%	13.0%	13.0%
50.0～99.9	0-0-1-19	0.0%	0.0%	5.0%
100.0～	0-0-0-32	0.0%	0.0%	0.0%

高松宮記念で好走して人気になると飛ぶ

　ステップレースは高松宮記念、マイラーズＣ、東京新聞杯、ダービー卿ＣＴ、そして条件戦の1600万下が中心だ。その中でも１番出走馬のレベルが高いはずのＧ１高松宮記念組は【3.1.4.26】で複勝率が23.5％とやや苦戦している。しかも高松宮記念組の１番人気は【0.0.1.6】と不振で、高松宮記念１～３着馬も【1.0.1.9】と成績が悪い。条件戦の1600万下組は１～３着が５頭おり、人気の内訳は５、８、４、11、13。人気薄で狙いたい。

【主な前走のレース別成績（過去10年）】
前走レース名	成績	勝率	連対率	複勝率
高松宮記念	3-1-4-26	8.8%	11.8%	23.5%
1600万下	2-2-1-8	15.4%	30.8%	38.4%
マイラーズＣ	2-1-2-17	9.1%	13.6%	22.7%
東京新聞杯	1-2-0-3	16.7%	50.0%	50.0%
ダービー卿ＣＴ	1-1-2-20	4.2%	8.3%	16.7%
阪神牝馬Ｓ	1-1-0-4	16.7%	33.3%	33.3%
オーストラリアＳ	0-1-1-3	0.0%	20.0%	40.0%
谷川岳Ｓ	0-1-0-16	0.0%	5.9%	5.9%

前走着順が悪くても大丈夫

　前走の着順はあまり気にする必要はない。前走６着以下は計12頭も馬券に絡んでおり、大敗からの巻き返しの可能性は十分にある。前走６～９着で馬券に絡んだ６頭のレースの格は重賞が３頭でオープン特別が３頭。前走10着以下から巻き返した６頭はすべて重賞。前走10着以下の場合は重賞でないと難しいが、前走６～９着はオープン特別でも大丈夫といえる。

【前走の着順別成績（過去10年）】
前走着順	成績	勝率	連対率	複勝率
１着	3-3-1-20	11.1%	22.2%	25.9%
２着	1-0-0-10	9.1%	9.1%	9.1%
３着	1-2-1-13	5.9%	17.6%	23.5%
４着	0-2-0-8	0.0%	20.0%	20.0%
５着	1-0-3-10	7.1%	7.1%	28.6%
６～９着	1-2-3-34	2.5%	7.5%	15.0%
10着～	3-1-2-42	6.3%	8.3%	12.5%

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第10回 ヴィクトリアマイル（Ｇ１）