春の天皇賞へ向けたステップレース・阪神大賞典。現在の時期になった87年以降、メジロマックイーンやスペシャルウィーク、テイエムオペラオー、そしてディープインパクトなど、平成の多くの名馬がこのレースと天皇賞（春）を連勝している。近年はやや別路線組に押され気味で、過去５年の天皇賞馬では12年のビートブラック（阪神大賞典10着）１頭にとどまるが、本番にもっとも近い距離・3000ｍのステップレースとして見逃せない一戦であることに変わりはない。今年はどの馬が大一番への足がかりとするのか、過去の傾向を見てみよう。

　３着以内の馬に皐月賞への優先出走権が与えられる皐月賞トライアル・スプリングＳ。今年は前々週の弥生賞に豪華メンバーが集結したが、過去10年の皐月賞では弥生賞組が３勝に対し、このスプリングＳ組は４勝と上回る結果を残している。近年では、一昨年に２歳王者のロゴタイプが、ここを制して皐月賞まで連勝。11年にはオルフェーヴルがここで重賞初制覇を果たし、年末の有馬記念まで連勝街道を突き進んだ。また、12年２着のディープブリランテはダービーを制するなど、クラシックへ向けて注目の欠かせないこのレース。過去の傾向を見てみよう。

　桜花賞を目指す３歳牝馬にとって、トライアル的な意味を持つフラワーカップ。以前は出走馬のレベルがあまり高くなかったが、最近は好メンバーが揃うことが多く、優勝馬が後にＧ１レースを勝利することもある。最近10年では06年のキストゥヘヴンが続く桜花賞を勝利。05年のシーザリオはオークス、08年のブラックエンブレムは秋になって秋華賞を優勝している。また、10年のオークスで同着優勝を果たしたサンテミリオンも、フラワーＣに出走していた。今年はどんなメンバーが出走して、勝利するのはどの馬か。過去10年のデータから、レースの傾向を導く。

　スピード自慢の３歳馬が数多く出走するファルコンＳ。05年までは６月に1200ｍの距離で実施されていたが、06年に開催時期が３月に変更され、５月に行われるＮＨＫマイルＣのステップレースとなった。さらに中京競馬場がリニューアルした12年からは、距離が1400ｍに延長されて実施されている。最近の優勝馬のＮＨＫマイルＣの成績は、09年のジョーカプチーノが優勝、13年のインパルスヒーローが２着、08年のダノンゴーゴーが３着に入るなど、なかなか好成績を残している。昨年はファルコンＳ５着のタガノブルグがＮＨＫマイルＣで２着に入った。そんなファルコンＳの傾向を、３月開催となった06年以降、９年間のデータなどから検証する。