本番・皐月賞と同コースで行われるトライアル競走・弥生賞。これまで数多くの皐月賞馬を輩出しており、過去10年では05年のディープインパクト、そして10年のヴィクトワールピサがこのレースと皐月賞を連勝。ほかに08年４着のキャプテントゥーレが、皐月賞では巻き返して勝利を手にしている。昨年は、優勝馬・トゥザワールドが皐月賞で２着、ハナ差２着だったワンアンドオンリーは日本ダービーを制しており、今年もクラシックへ向けて見逃せない一戦となりそうだ。そんな弥生賞の過去の傾向を見てみよう。

　数多くの名牝を輩出してきた桜花賞トライアル・チューリップ賞。本番と同じ舞台で行われるため、毎年、世代のトップクラスが多数出走して、レベルの高いレースを繰り広げている。過去10年では、09年ブエナビスタと14年のハープスターがチューリップ賞と桜花賞を連勝している。ダイワスカーレット（07年）、アパパネ（10年）、ジェンティルドンナ（12年）、アユサン（13年）など、のちに名牝と呼ばれる馬はこのレースを取りこぼし、続く桜花賞を勝利している。今後を占う意味でも極めて重要なチューリップ賞を、過去10年のデータと、外回りコースになった過去８回のデータなどから検証していく。

　05年までオープン特別として行われていたオーシャンＳ。06年にＧ３の重賞競走に昇格し、春のスプリントチャンピオン決定戦・高松宮記念のステップレースとして位置づけられてた。10年１着、11年２着のキンシャサノキセキ、12年４着のカレンチャンが続く高松宮記念を勝利して短距離界の頂点に立った。また、13、14年もオーシャンＳ組から高松宮杯の上位馬が誕生している。高松宮記念と関連の深いオーシャンＳのＧ３になって以降、過去９年のデータを中心にレースの傾向を占う。