古馬の芝2000ｍ以下では、その年最初のＧ２競走として行われる中山記念。芝1600ｍの安田記念や、芝2200ｍの宝塚記念を目指す実力馬が駒を進めてくる一戦だ。10年にはこのレース３着のショウワモダンが安田記念でＧ１初制覇。09年には２着馬のドリームジャーニーが宝塚記念で優勝している。また、昨年は上位６頭のうち５頭が次走でドバイや香港に遠征。前年秋の天皇賞馬・ジャスタウェイがこのレースを勝ち、ドバイデューティフリー、そして帰国初戦の安田記念制覇へと繋げている。今年のＧ１戦線へ向けて注目の一戦を制するのはどの馬か、過去の傾向を見てみたい。

　これまで何度も条件が変化してきた阪急杯。06年からは距離が1400ｍになり、現在と同じ条件で行われている。06年以降の勝ち馬からは、13年ロードカナロアと14年のコパノリチャードが続く高松宮記念を制している。また、06年３着のオレハマッテルゼ、07年３着のスズカフェニックス、09年２着ローレルゲレイロも高松宮記念を勝利している。さらに10年の勝ち馬エーシンフォワードが秋にマイルチャンピオンシップを優勝するなど、このレースで好成績を残した馬はその後、ビッグタイトルを獲得することが多い。そんな阪急杯が距離1400ｍになった過去９年のデータなどから傾向を探っていく。

　87年に創設されたペガサスステークスが前身。92年にアメリカのアーリントン・インターナショナル競馬場（現アーリントンパーク競馬場）と阪神競馬場が提携をしたのを機に、現在の名称「アーリントンカップ」として行われるようになった。06年の２着馬ロジックがＮＨＫマイルＣを優勝、08年３着のディープスカイはＮＨＫマイルＣと日本ダービーを勝つなど、３歳春のＧ１戦線へ向けて要注目の一戦である。また、12年のジャスタウェイが翌年に天皇賞（秋）を制し、07年の２着馬ローレルゲレイロは古馬になってスプリントＧ１を２勝するなど、このレースの好走馬が後にＧ１を制するケースが多い。そんなアーリントンカップの過去の傾向に迫る。