秋華賞からはじまった秋の京都開催におけるＧ１を締めくくるマイルＣＳ。その名の通りマイル王決定戦という位置づけだが、1200ｍのスプリンターズＳ、2000ｍの天皇賞（秋）が終わった後に行われるため、それぞれの路線で頂点を争った馬が参戦する例も数多い。過去10年では、全６勝中５勝をマイル戦で挙げていたハットトリック（05年）のようなマイラーはもちろん、スプリンターズＳの優勝馬デュランダル（04年）、天皇賞を制したダイワメジャー（06～07年）・カンパニー（09年）と、勝ち馬だけを見ても多彩な面々が並ぶ。そして昨年は、3200ｍの天皇賞（春）で２着だったトーセンラーが優勝した。今年はどんなタイプの「マイル王」が誕生するのか、過去の傾向を見てみよう。

　この時期の２歳馬にとっては比較的長い距離の芝1800ｍで行われる重賞レース、東京スポーツ杯２歳Ｓ。仕上がりの早い短距離馬ではなく、翌年のクラシックを見据えた素質馬や古馬になっても活躍する馬が数多く出走する傾向にある。過去10年の勝ち馬では、05年のフサイチリシャールと09年のローズキングダムが、ともに次走の朝日杯フューチュリティＳも優勝して２歳チャンピオンに輝いている。勝ち馬はその後ビッグレースを勝つことが多く、08年のナカヤマフェスタは宝塚記念、10年のサダムパテックはマイルＣＳ、11年のディープブリランテはダービー、そして昨年のイスラボニータは皐月賞を制している。出世レースともいえる東京スポーツ杯２歳Ｓの過去10年のデータから傾向を占う。