牝馬三冠の第一関門となる桜花賞。近年では10年アパパネ、12年ジェンティルドンナの２頭が牝馬三冠を達成。さらに、03年のスティルインラブも加え、ここ11年で３頭の牝馬三冠馬が誕生している。また、近年は一線級の牡馬と互角以上の戦いを見せる牝馬が続出しており、桜花賞馬からも、前述のジェンティルドンナのほか、09年のブエナビスタ、07年のダイワスカーレットといった名馬が誕生。ほかに07年２着のウオッカなどの名前もあり、単なる牝馬三冠の「１冠目」という以上の重みを持つレースとなっている。そんな桜花賞の、過去の傾向を見てみよう。

　ヴィクトリアマイルの前哨戦、阪神牝馬ステークス。58年に阪神牝馬特別として創設され、距離や開催時期などの条件が何度も変更された後、06年にヴィクトリアマイルが創設されると、４月に芝1400ｍの距離で行われるようになった。08年の優勝馬エイジアンウインズがヴィクトリアマイルを勝利したのをはじめ、06年２着のエアメサイア、07年８着のアサヒライジング、10年13着のヒカルアラマンサス、13年14着ホエールキャプチャがいずれもヴィクトリアマイルで２着に入るなど、多くのヴィクトリアマイル好走馬を輩出している。現在と同じ条件になった06年以降、過去８回の阪神牝馬ステークスの傾向についてデータを検証する。

　83年に４歳（現３歳）馬による重賞レース「ニュージーランドトロフィー４歳ステークス」として新設。当初は５月末か６月頭に東京競馬場の芝1600ｍで行われていた。96年にＮＨＫマイルＣが設立されると、そのトライアルレースとして４月に移行し、距離が芝1400ｍに変更された。その後、00年からは現在と同じ「ニュージーランドトロフィー」の名称で中山競馬場の芝1600ｍで行われている。３着までに入ると、ＮＨＫマイルＣの優先出走権が与えられる。
　過去10年の出走馬からは06年のロジック、09年のジョーカプチーノ、11年のグランプリボスが、いずれも本競走３着から、ＮＨＫマイルＣを制覇。また、12年はカレンブラックヒルがニュージーランドトロフィーとＮＨＫマイルを連勝して、無敗で３歳マイル王に輝いた。今年も出走馬には注目が集まりそうだ。そんなニュージーランドトロフィーの過去10年のデータから傾向を占う。