春の天皇賞へ向けたステップレース・阪神大賞典。97年（マヤノトップガン）から00年（テイエムオペラオー）にかけて、このレースの勝ち馬が４年連続して天皇賞を制するなど、数多くの天皇賞馬を輩出してきた。近年は以前ほど直結しなくなっているが、それでも過去10年では06年のディープインパクト、08年のアドマイヤジュピタが両レースを連勝。そして12年にはこのレース10着だったビートブラックが、14番人気で天皇賞を制して大波乱を演出している。そんな阪神大賞典の、過去10年の傾向を振り返ってみよう。

　上位３頭に皐月賞への優先出走権が与えられる皐月賞トライアル・スプリングＳ。一時は他のトライアルに押され気味の時期もあったが、03年に優勝馬のネオユニヴァースが春二冠を制すると、その後はメイショウサムソン、アンライバルド、オルフェーヴル、そして昨年のロゴタイプがこのレースと皐月賞を連勝。また、04年３着のダイワメジャーも皐月賞を制しており、04年以降の10年間では皐月賞馬の半数をスプリングＳ出走馬が占めている。今年はどの馬が１冠目へ向けてトライアルで結果を残すのか、過去の傾向を見てみよう。

　桜花賞を目指す３歳牝馬にとって、トライアル的な意味を持つフラワーカップ。以前は出走馬のレベルがあまり高くなかったが、最近は好メンバーが揃うことが多く、優勝馬が後にＧ１レースを勝利するケースが多い。04年のダンスインザムードと06年のキストゥヘヴンは続く桜花賞を勝利。また、05年のシーザリオはオークス、08年のブラックエンブレムは秋になって秋華賞を優勝している。今年はどんなメンバーが出走して、勝利するのはどの馬か。過去10年のデータから、レースの傾向を導く。

　スピード自慢の３歳馬が数多く出走するファルコンＳが行われる。05年までは６月に1200ｍの距離で実施されていたが、06年に開催時期が３月に変更され、５月に行われるＮＨＫマイルＣのステップレースとなった。さらに中京競馬場がリニューアルした12年からは、距離が1400ｍに延長されて実施されている。最近の優勝馬のＮＨＫマイルＣの成績は、09年のジョーカプチーノが優勝、13年のインパルスヒーローが２着、08年のダノンゴーゴーが３着に入るなど、なかなか好成績を残している。そんなファルコンＳの傾向を、３月開催となった06年以降、８年間のデータから検証する。