秋のマイル王決定戦・マイルＣＳ。84年のグレード制導入と同時に創設され、その第１回、２回を連覇したニホンピロウイナーを筆頭に、タイキシャトルやデュランダル、ダイタクヘリオスといった、名マイラーが優勝馬には多く名を連ねている。ほかにも、中距離やダートなど別路線でも結果を出したオグリキャップやダイワメジャー、ニッポーテイオー、アグネスデジタルといった名馬がずらりと揃う。
　ただ、ここ３年のエーシンフォワード、エイシンアポロン、サダムパテックはこのレースがＧ１初制覇。春のマイル決戦・安田記念も同様に10～12年の優勝馬はＧ１初制覇だったが、今年は名スプリンター・ロードカナロアが優勝している。マイルＣＳも再び実績馬が制することになるのか、それとも４年連続で新たなＧ１ホースが誕生するのか。過去10年の傾向を見てみよう。

　この時期の２歳馬にとっては比較的長い距離の芝1800ｍで行われる重賞レース、東京スポーツ杯２歳Ｓ。仕上がりの早い短距離馬ではなく、翌年のクラシックを見据えた素質馬や古馬になっても活躍する馬が数多く出走する。過去10年の勝ち馬では、05年のフサイチリシャールと09年のローズキングダムが、ともに次走の朝日杯フューチュリティＳも優勝して２歳チャンピオンに輝いている。また、08年のナカヤマフェスタが宝塚記念、10年のサダムパテックがマイルＣＳ、11年のディープブリランテがダービーを制するなど、最近の勝ち馬のほとんどがその後ビッグレースを勝利している。そんな出世レースともいえる東京スポーツ杯２歳Ｓの過去10年のデータから傾向を占う。

　福島開催のフィナーレを飾る伝統の重賞レース、福島記念が行われる。ローカルのＧ３、ハンデ戦、馬場状態の悪い開催終盤に行われるなど、荒れる要素が満載のレースだ。昨年は１番人気のダイワファルコンが人気に応えて完勝。一昨年に続き、２年連続で１番人気が勝利している。果たして今年はどんな結果になるだろうか。過去のデータから傾向をひも解いていく。