95年までは現在の秋華賞に相当するレースだったエリザベス女王杯。96年に古牝馬にも開放されて以来、秋の牝馬女王決定戦となり、数多くの名牝が優勝馬に名を連ねている。98～99年にはメジロドーベルが、そして03～04年はアドマイヤグルーヴが連覇を達成。また、宝塚記念の覇者・スイープトウショウ（05年）や、後の有馬記念馬・ダイワスカーレット（07年）など、牡馬相手のＧ１でも互角以上の勝負を繰り広げる馬も見られる。
　ただ、ここ５年の優勝馬は外国馬・スノーフェアリー（２勝）のほか、日本馬の３頭はすべてＧ１初制覇どころか初の３着以内と、以前とはやや様相が異なっている。今年は実績馬が勝つのか、またも新星が勝利を手にするのか、過去の傾向を見てみよう。

　朝日杯ＦＳへ向けたステップレースとなる京王杯２歳Ｓ。来年は２歳重賞の大幅な拡充、改変が発表されているが、このレースは施行時期が１週繰り上がるのみで、今後も２歳王者決定戦へ向けた関東の前哨戦という位置づけに変わりはなさそうだ。
　過去10年では、03年のコスモサンビームと10年のグランプリボスが、このレースと朝日杯ＦＳを連勝。そして04年には、ここで初の敗戦（５着）を喫したマイネルレコルトが巻き返して２歳王者の座に就いている。また、過去にはグラスワンダーやブルーコンコルドといった、古馬になってからも活躍した馬の名も見られ、近年でも09年の優勝馬・エイシンアポロンがマイルＣＳ（11年）を制している。今年はどの馬が２歳王者や後のＧ１馬へと前進するのか、過去10年の傾向を見てみたい。

　２歳牝馬の頂点を決める阪神ジュベナイルフィリーズのステップレースであるファンタジーＳ。将来性のある素質馬が数多く出走して、ハイレベルなレースが繰り広げられている。最近10年では、昨年の２着馬ローブティサージュが、続く阪神ジュベナイルフィリーズを制している。また、アストンマーチャン、ホエールキャプチャ、アイムユアーズなどが、このレースを使った後に、阪神ジュベナイルフィリーズで２着と好走している。ファンタジーステークスの優勝馬のレベルは高く、03年のスイープトウショウ、04年のラインクラフト、06年のアストンマーチャンなどが後にＧ１馬となっている。そんなファンタジーＳの傾向を占っていく。

　ジャパンカップダートの前哨戦という位置づけの武蔵野ステークス。05年２着、08年９着のカネヒキリがジャパンカップダートを勝利したのをはじめ、10年優勝のグロリアスノアや07年４着のフィールドルージュが、続くジャパンカップダートで２着に入っている。ダート界のトップクラスの馬や、勢いに乗る上がり馬、実力をつけてきた３歳馬など、毎年バラエティに富んだ顔ぶれが揃う。昨年は３歳馬のイジゲンとガンジスでワンツー決着となった。今年はどんなレースになるのか。傾向を過去10年の結果から検証する。