以前は中央競馬では貴重なダート重賞として行われていた札幌記念。札幌競馬場に芝コースが完成すると芝2000ｍ戦に衣替えし、札幌競馬の名物レースとして親しまれていたが、今年はスタンド改築のため函館競馬場で行われる。96年まではその函館で８月に函館記念が行われており、Ｇ３ながらもＧ１級の実力馬が秋の大レースをにらんで参戦する年もあった。その流れを受け継ぎ、97年に札幌記念が８月のＧ２となってからは、エアグルーヴやセイウンスカイなど多くのＧ１馬が優勝。また、近年は次走で秋の天皇賞馬に輝くヘヴンリーロマンスやトーセンジョーダン、そして翌年の宝塚記念を制するアドマイヤムーンやアーネストリーといった、後のＧ１馬が優勝馬に多く名を連ねている。そんな札幌記念の過去10年の傾向を振り返ってみよう。

　長い間、芝1800ｍの重賞として行われていた重賞レース、北九州記念。06年に「サマースプリントシリーズ」が設立されたことに伴い、芝1200ｍのハンデ重賞として生まれ変わり、サマースプリントシリーズの第３戦に組み込まれた。昨年からはサマースプリントシリーズの第４戦として行われている。これまで07年の７着馬サンアディユ、09年の３着馬カノヤザクラ、11年の３着馬エーシンヴァーゴウが、サマースプリントシリーズのチャンピオンに輝いている。また、07年の６着馬アストンマーチャン、08年の優勝馬スリープレスナイトは、続くスプリンターズＳを制し、スプリント界の頂点に上り詰めた。毎年短距離界の精鋭が数多く出走して、好レースが繰り広げられている。芝1200ｍになって以降の、過去７年の傾向を分析する。