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ヴィクトリアマイル
京王杯ＳＣ

第８回ヴィクトリアマイル（Ｇ１）

５月12日（日）東京競馬場　芝1600ｍ

　今年で８回目を迎える春の古馬女王決定戦・ヴィクトリアマイル。秋のエリザベス女王杯は96年より古馬にも解放されたが、春シーズンの活躍の場を広げるために06年に創設された。その第１回・06年は牡馬相手のＧ１でも好走を重ねたダンスインザムードが優勝。その後もウオッカやブエナビスタと、牡馬にも優る実績馬が勝利を挙げた。その一方で、牡馬相手のＧ１では結果を出せていないコイウタやアパパネなどが、この牝馬限定Ｇ１という条件でしっかりと手中にする例も見られている。今年も牝馬戦中心の馬から、牡馬とのＧ１での対決を視野に入れる馬までさまざまなタイプが見られるが、どんな結果が待っているのか。過去の傾向を見てみたい。

写真：競馬ブック

印象ほどは荒れないレース

　コイウタが優勝した創設２年目、12→９→８番人気で３連単228万馬券の印象が強烈だが、過去７回の３連単で10万馬券を超えたのはこの年だけで、全体としてはその印象ほどは荒れていない。人気薄が２頭絡んだ09、10年は勝ったのが断然人気馬で８万馬券止まり。また、人気が割れた昨年は１、２番人気が揃って消えながらも７万馬券に収まっている。人気順では中位～下位まで警戒が必要なものの、配当面では極端な穴狙いに走るのは避けたい。上位人気では、１番人気が連対率57.1％、３～４番人気が複勝率42.9％を記録している。

【人気別成績（過去７年）】
人気	成績	勝率	連対率	複勝率
1	2-2-0-3	28.6%	57.1%	57.1%
2	2-0-0-5	28.6%	28.6%	28.6%
3	0-1-2-4	0.0%	14.3%	42.9%
4	1-0-2-4	14.3%	14.3%	42.9%
5	1-0-0-6	14.3%	14.3%	14.3%
6	0-0-0-7	0.0%	0.0%	0.0%
7	0-1-1-5	0.0%	14.3%	28.6%
8	0-1-1-5	0.0%	14.3%	28.6%
9	0-1-0-6	0.0%	14.3%	14.3%
10	0-0-0-7	0.0%	0.0%	0.0%
11～	1-1-1-52	1.8%	3.6%	5.5%

【上位馬の人気と主な配当（過去７年）】
年	06	07	08	09	10	11	12
１着人気	2	12	5	1	1	2	4
２着人気	3	9	1	11	8	1	7
３着人気	4	8	4	7	11	3	3
単勝	390円	6,030円	1,340円	170円	150円	410円	720円
馬連	1,000円	30,740円	1,670円	5,310円	2,490円	230円	5,510円
馬単	1,860円	73,240円	4,520円	6,410円	2,780円	740円	10,720円
３連複	2,770円	235,020円	3,240円	19,770円	29,700円	620円	10,790円
３連単	11,650円	2,283,960円	23,000円	80,580円	85,770円	3,620円	75,320円

今年は４歳馬の１、２着？

　年齢別では連対馬14頭中11頭を占める４歳馬が好走確率でも群を抜き、続いて５歳は好走５頭。そして６歳は好走２頭が３着にとどまり、７歳以上はすべて着外に終わっている。
　このうち、５歳の連対馬３頭を見ると、ダンスインザムード、ウオッカ（09年）、ブエナビスタ（11年）と、いずれも牡馬相手に同じ東京のＧ１で連対実績を持つ馬だった。今年の登録馬で牡馬相手のＧ１好走実績馬は、京都のマイルＣＳで昨年３着だったドナウブルーのみで、過去３頭の連対パターンからは外れている。

【年齢別成績（過去７年）】
年齢	成績	勝率	連対率	複勝率
4	5-6-3-53	7.5%	16.4%	20.9%
5	2-1-2-27	6.3%	9.4%	15.6%
6	0-0-2-17	0.0%	0.0%	10.5%
7～	0-0-0-7	0.0%	0.0%	0.0%

【５歳の連対馬（過去７年）】
年	馬名	人気	着順	主な牡馬相手Ｇ１成績
06	ダンスインザムード	2	1	天皇賞（秋）２着マイルＣＳ２着
09	ウオッカ	1	1	ダービー１着安田記念１着天皇賞（秋）１着
11	ブエナビスタ	1	2	天皇賞（秋）１着有馬記念２着

内・外枠に注目

　枠番別では１枠が【1.2.3.8】で複勝率42.9％をマーク。１枠で３番人気以内に推された馬は、06年のダンスインザムード（２番人気１着）、昨年のマルセリーナ（３番人気３着）と、２頭ともに好走した。また、７番人気以下からも３頭が２～３着に入っている。その他では、２枠が複勝率２位、８枠が同３位で、全体としては１～２枠か８枠、内か外が注目枠になる。

【枠番別成績（過去７年）】
枠	成績	勝率	連対率	複勝率
1	1-2-3-8	7.1%	21.4%	42.9%
2	1-1-1-11	7.1%	14.3%	21.4%
3	2-0-0-12	14.3%	14.3%	14.3%
4	0-0-0-14	0.0%	0.0%	0.0%
5	0-1-1-12	0.0%	7.1%	14.3%
6	2-0-0-12	14.3%	14.3%	14.3%
7	0-1-1-18	0.0%	5.0%	10.0%
8	1-2-1-17	4.8%	14.3%	19.0%

連対率は東西互角、関東馬の連対候補はＧ１好走実績馬

　東西別の成績では、関東馬が【4.1.1.39】で勝率8.9％、連対率11.1％、複勝率13.3％。関西馬は【3.6.6.65】で、順に3.8％、11.3％、18.8％。連対率は東西互角で、勝率では関東馬、複勝率は関西馬上位という傾向が出ている。
　特に連対馬に注目すると、関東馬で連対した５頭は、いずれもＧ１で３着以内の実績を持った馬だった。一方、関西馬は９頭中４頭をＧ１未経験馬が占めている。10年３着の関東馬・ニシノブルームーンは女王杯10着の１戦のみで、３着馬はこのかぎりではないが、連対候補としては関東馬ならＧ１実績が必須だ。

【東西別連対馬と主なＧ１実績（過去７年）】
所属	年	馬名	人気	着順	主なＧ１実績
関東馬	06	ダンスインザムード	2	1	桜花賞１着
	07	コイウタ	12	1	桜花賞３着
	07	アサヒライジング	9	2	秋華賞２着
	11	アパパネ	2	1	牝馬三冠
	12	ホエールキャプチャ	4	1	桜花賞２着
関西馬	06	エアメサイア	3	2	秋華賞１着
	08	エイジアンウインズ	5	1	未経験
	08	ウオッカ	1	2	ダービー１着
	09	ウオッカ	1	1	天皇賞（秋）１着
	09	ブラボーデイジー	11	2	未経験
	10	ブエナビスタ	1	1	オークス１着
	10	ヒカルアマランサス	8	2	未経験
	11	ブエナビスタ	1	2	天皇賞（秋）１着
	12	ドナウブルー	7	2	未経験

桜花賞好走実績馬に注目

　芝1600ｍの牝馬限定Ｇ１といえば、このレースのほかに阪神ＪＦ、そして桜花賞。このヴィクトリアマイルは、桜花賞好走実績馬の連対が毎年見られ、過去７回はすべて桜花賞３着以内馬が最低１頭は連対。そして、大波乱だった07年を除く６回では、桜花賞２着以内の実績馬が連対を果たしている。昨年は、前々年の桜花賞馬・アパパネが１番人気で５着に敗れたものの、勝ったのは前年の桜花賞２着馬・ホエールキャプチャで、３着にも桜花賞馬・マルセリーナが入っていた。今年の登録馬で桜花賞好走実績を持つのは、そのマルセリーナ、ホエールキャプチャのほか、昨年の桜花賞で２～３着だったヴィルシーナ、アイムユアーズの計４頭だ。

【連対馬の桜花賞実績（過去７年）】
年	馬名	人気	着順	桜花賞成績
06	ダンスインザムード	2	1	04年１着
06	エアメサイア	3	2	05年４着
07	コイウタ	12	1	06年３着
07	アサヒライジング	9	2	06年４着
08	エイジアンウインズ	5	1	不出走
08	ウオッカ	1	2	07年２着
09	ウオッカ	1	1	07年２着
09	ブラボーデイジー	11	2	不出走
10	ブエナビスタ	1	1	09年１着
10	ヒカルアマランサス	8	2	不出走
11	アパパネ	2	1	10年１着
11	ブエナビスタ	1	2	09年１着
12	ホエールキャプチャ	4	1	11年２着
12	ドナウブルー	7	2	不出走

第58回　京王杯スプリングカップ（Ｇ２）

５月11日（土）　東京競馬場　芝1400ｍ

　安田記念のステップレースである京王杯ＳＣ。距離が1400ｍのためマイラーとスプリンターのトップクラスが参戦し、さらに安田記念の叩き台としてレースに臨む馬も多く、毎年一筋縄ではいかないレースとなっている。過去10年で１番人気は勝利ゼロ。今年は勝つことができるだろうか。05年に優勝したアサクサデンエンが、続く安田記念を制して春のマイル王になり、昨年はサダムパテックが勝利し、秋にはマイルＣＳを制して秋のマイル王に輝いている。そんな京王杯ＳＣの傾向を、過去10年のデータからひも解いていく。

写真：競馬ブック

単勝５倍以下は危険

　平均配当は馬連が8322円、３連単は32万2000円と波乱。１番人気は【0.0.1.9】と壊滅的だが、２、３番手は複勝率が50～60％とまずまず。２桁人気は【1.1.1.72】とあまり出番はなく、人気から考えるとあまり荒れていないが、配当はつく。
　単勝オッズ別の成績は、５倍以下が計12頭いたが３着に３頭のみで連対馬はゼロ。勝ち馬は10頭中８頭が5.0～14.9倍。このあたりのオッズを軸馬として狙うと面白いかもしれない

【人気別の成績（過去10年）】
人気	成績	勝率	連対率	複勝率
1	0-0-1-9	0.0%	0.0%	10.0%
2	2-0-4-4	20.0%	20.0%	60.0%
3	1-2-2-5	10.0%	30.0%	50.0%
4	2-0-0-8	20.0%	20.0%	20.0%
5	2-4-0-4	20.0%	60.0%	60.0%
6	1-2-0-7	10.0%	30.0%	30.0%
7	0-0-0-10	0.0%	0.0%	0.0%
8	1-0-2-7	10.0%	10.0%	30.0%
9	0-1-0-9	0.0%	10.0%	10.0%
10～	1-1-1-72	1.3%	2.7%	4.0%

【単勝オッズ別の成績（過去10年）】
単勝オッズ	成績	勝率	連対率	複勝率
～1.9	0-0-1-0	0.0%	0.0%	100.0%
2.0～2.9	0-0-0-4	0.0%	0.0%	0.0%
3.0～3.9	0-0-0-2	0.0%	0.0%	0.0%
4.0～4.9	0-0-2-3	0.0%	0.0%	40.0%
5.0～6.9	3-2-2-9	18.8%	31.3%	43.8%
7.0～9.9	3-1-2-10	18.8%	25.0%	37.5%
10.0～14.9	2-2-0-14	11.1%	22.2%	22.2%
15.0～19.9	1-2-0-9	8.3%	25.0%	25.0%
20.0～29.9	0-2-2-15	0.0%	10.5%	21.1%
30.0～49.9	1-1-0-19	4.8%	9.5%	9.5%
50.0～99.9	0-0-1-20	0.0%	0.0%	4.8%
100.0～	0-0-0-30	0.0%	0.0%	0.0%

高松宮記念好走馬を疑え

　ステップレースはマイラーズＣ、ダービー卿ＣＴ、高松宮記念、そして条件戦の1600万下が中心だ。高松宮記念はＧ１で出走馬のレベルが高いはずだが【2.1.4.30】で複勝率が18.9％と凡走するケースが目立っている。高松宮記念３着以内で京王杯ＳＣに出走したのは13頭いるが、好走したのは06年１着のオレハマッテイルゼと08年３着のスズカフェニックスのみ。高松宮記念で好走して力を使ってしまうと、その反動が京王杯ＳＣに出るようだ。1600万下は好走馬が５頭おり、そのうち４頭が最近４年。今年も狙ってみるのも手だ。

【主な前走のレース別成績（過去10年）】
前走レース名	成績	勝率	連対率	複勝率
マイラーズＣ	2-2-2-15	9.5%	19.0%	28.6%
1600万下	2-2-1-9	14.3%	28.6%	35.8%
高松宮記念	2-1-4-30	5.4%	8.1%	18.9%
ダービー卿ＣＴ	2-1-1-21	8.0%	12.0%	16.0%
阪神牝馬Ｓ	1-1-0-4	16.7%	33.3%	33.3%
東京新聞杯	1-0-0-4	20.0%	20.0%	20.0%
オーストラリアＳ	0-1-1-3	0.0%	20.0%	40.0%
谷川岳Ｓ	0-1-0-15	0.0%	6.3%	6.3%
香港マイル	0-1-0-0	0.0%	100.0%	100.0%
ドバイＧＳ	0-0-1-0	0.0%	0.0%	100.0%

前走着順が悪く、着差の少ない馬

　人気薄が強いわけではないが、荒れる傾向があり、つかみどころのない京王杯ＳＣ。前走の着順別成績からも、そういった傾向が表れている。前走１着馬は【3.3.1.20】とまあまあだが、前走２着馬【0.1.0.13】と前走４着馬【0.2.0.10】の成績がよくない。
　前走６着以下から約半数の14頭も馬券に絡んでおり、ここに分類される馬から狙いが定まれば、穴馬券的中に近づきそうだ。前走の着差別では、前走１秒以上負けた馬は【1.0.3.32】で４頭しか馬券に絡んでいない。前走の着順が悪く、着差が１秒以内の馬を狙ってみたい。

【前走の着順別成績（過去10年）】
前走着順	成績	勝率	連対率	複勝率
１着	3-3-1-20	11.1%	22.2%	25.9%
２着	0-1-0-13	0.0%	7.1%	7.1%
３着	2-0-1-12	13.3%	13.3%	20.0%
４着	0-2-0-10	0.0%	16.7%	16.7%
５着	1-0-2-8	9.1%	9.1%	27.3%
６～９着	2-3-3-34	4.8%	11.9%	19.0%
10着～	2-1-3-38	4.5%	6.8%	13.6%

【前走の着差別成績（過去10年）】
前走着差	成績	勝率	連対率	複勝率
勝0.3～0.5	0-1-0-5	0.0%	16.7%	16.7%
勝0.1～0.2	2-2-1-6	18.2%	36.4%	45.5%
勝0.0	1-0-0-9	10.0%	10.0%	10.0%
負0.0	0-0-0-9	0.0%	0.0%	0.0%
負0.1～0.2	2-1-1-13	11.8%	17.6%	23.5%
負0.3～0.5	2-3-3-36	4.5%	11.4%	18.2%
負0.6～0.9	2-3-2-25	6.3%	15.6%	21.9%
負1.0～1.9	1-0-2-29	3.1%	3.1%	9.4%
負2.0～2.9	0-0-0-2	0.0%	0.0%	0.0%
負3.0～3.9	0-0-1-0	0.0%	0.0%	100.0%
負4.0～	0-0-0-1	0.0%	0.0%	0.0%

５歳馬が強い

　年齢別では５歳馬が強い。最多の５勝を挙げており、最近９年連続で馬券に絡んでいる。不振なのは４歳馬。２勝しているが、複勝率が7.5％と低い。７歳以上の高齢馬は【0.2.3.29】未勝利。牝馬は【1.1.0.11】とそれなり。

【年齢別の成績（過去10年）】
年齢	成績	勝率	連対率	複勝率
４歳	2-0-1-37	5.0%	5.0%	7.5%
５歳	5-5-3-29	11.9%	23.8%	31.0%
６歳	3-3-3-40	6.1%	12.2%	18.4%
７歳以上	0-2-3-29	0.0%	5.9%	14.7%

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第８回 ヴィクトリアマイル（Ｇ１）