クラシックへ向けたステップレースのひとつとなるきさらぎ賞。まだ２月上旬の一戦だが、既に実績を挙げ、クラシック路線で有力と目される馬には、このレース、あるいは翌週の共同通信杯あたりで始動する例も見られる。これらに加え、年末から年明けに新馬・未勝利や500万条件を勝ち上がり、クラシックへ向け賞金を加算したい馬も多く参戦する一戦だ。03年には、ネオユニヴァースがこのレースも含め５連勝で春二冠を制覇。また、昨年の勝ち馬・ワールドエースは皐月賞で２着に好走したほか、一昨年３着のオルフェーヴルなど、敗れた馬の中にも後のＧ１馬の名が見られる。今年もＧ１戦線へ向けて注目の欠かせないこのレースを、過去の10年の傾向から分析してみよう。

　84年に現在と同じ東京競馬場の芝1600ｍで行われるようになって以降、安田記念を目標とするマイラーが数多く出走いている東京新聞杯。東京競馬場のマイルという実力が存分に発揮される舞台のためか、過去10年の勝ち馬は、その後Ｇ１タイトルを手にすることが多い。05年のハットトリックがマイルＣＳと香港マイル、07年のスズカフェニックスが高松宮記念、08年のローレルゲレイロは翌年の高松宮記念とスプリンターズＳを勝利している。そんな東京新聞杯の過去10年の傾向を探っていく。