年明け最初のＧ２競走として行われる日経新春杯。00年より従来の１回開催最終週から１週繰り上がって１月中旬の施行になったが、ここ２年はルーラーシップ、トゥザグローリーが優勝するなど、有馬記念組の出走も見られる一戦だ。ほかに、04年にはここで重賞初制覇を飾ったシルクフェイマスが春の天皇賞で３着、宝塚記念では２着に好走。また、08年の優勝馬・アドマイヤモナークは年末の有馬記念で14番人気２着と波乱を演出、10年のメイショウベルーガはエリザベス女王杯で２着に好走した。こうした実績馬、期待馬の活躍がある一方で、09年には軽ハンデ49キロのテイエムプリキュアが11番人気で逃げ切り勝ち。後のＧ１をにらむと同時に、ハンデの長距離戦らしい側面も持っている。そんな日経新春杯の過去10年の傾向を見てみよう。

　61年に創設され、当初は中山競馬場の芝1600ｍを舞台に行われていた京成杯。99年に皐月賞と同じ中山の芝2000ｍに変更されると、クラシックを狙う素質馬が多く出走するようになり、ハイレベルの争いになった。歴代の勝ち馬は、10年のエイシンフラッシュが日本ダービーを制したのをはじめ、07年のサンツェッペリンが皐月賞２着、05年のアドマイヤジャパンが菊花賞で２着に入るなど、３歳クラシックレースとの結びつきが強い。また、09年２着のナカヤマフェスタが翌年の宝塚記念を優勝、04年の３着のキングカメハメハがＮＨＫマイルＣと日本ダービーを勝利するなど、歴史に残る名馬を輩出している。そんな京成杯の過去10年のデータを検証する。

　84年創設の「テレビ東京賞３歳牝馬ステークス」が前身で、94年に現在と同じレース名になったフェアリーステークス。２歳牝馬による12月の重賞レースとして芝1200ｍで開催されてきたが、09年から３歳牝馬による１月上旬に移設され、距離が1600ｍに延長された。同じ距離の桜花賞を目標とする馬が出走して、好レースを繰り広げている。過去４年の優勝馬の中には、09年に桜花賞とオークスでともに３着に入ったジェルミナルがいる。１月開催になって以降のフェアリーＳは４年分（09～12年）しかないので、08年以前の１月に中山芝1600ｍで行われていた牝馬限定のオープン特別の菜の花賞（06～08年）と合わせて、計７年間のデータから傾向を占う。