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第29回 マイルチャンピオンシップ(G1)

11月18日(日)京都競馬場 芝1600m

 秋のマイル王決定戦・マイルCS。第1回、2回を連覇したニホンピロウイナーを筆頭に、このレースを2度制した馬はこれまで5頭。ダイタクヘリオスタイキシャトルデュランダルダイワメジャーと、名マイラーばかりが名を連ねている。また、春の安田記念とあわせ春秋マイルG1制覇を果たした馬もオグリキャップなど計8頭。ほかに、09年に秋の天皇賞とこのレースを連勝したカンパニーなど、複数のG1を制した名馬も多い一戦だ。過去10年ではどのような傾向が出ているのか、データを見てみよう。
2011年11月マイルチャンピオンシップ(G1)

写真:競馬ブック

Check1人気薄の連対にも注意

 過去10年の連対馬20頭中16頭は5番人気以内。上位人気の中では2番人気のみ【0.1.2.7】とひと息に終わっているが、その他は水準級以上の成績は残している。不振の2番人気馬を見ると、牡牝5頭ずつが該当するが、馬券に絡んだ3頭はすべて牝馬だった。
 上位人気以外では、6~10番人気が【0.0.4.46】と連対なし。それ以上の人気薄・11番人気以下は【2.2.1.72】と、3着以内の5頭中4頭が連対。人気薄は好走しても3着止まりのレースも多いが、このマイルCSは連対候補としても注意が必要である。また、その11番人気以下の好走馬5頭のうち、2頭は02年だったが、残る3頭はここ3年に1頭ずつ。4年前の08年も10番人気馬が3着と、近年は荒れ模様だ

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 4-2-0-4 40.0% 60.0% 60.0%
2 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
3 1-2-0-7 10.0% 30.0% 30.0%
4 1-3-1-5 10.0% 40.0% 50.0%
5 2-0-2-6 20.0% 20.0% 40.0%
6 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
7 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
8 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
9 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
10 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
11~ 2-2-1-72 2.6% 5.2% 6.5%
【2番人気馬の成績(過去10年)】
馬名 性齢 人気 着順
02 ブレイクタイム 牡5 2 11
03 ファインモーション 牝4 2 2
04 ファインモーション 牝5 2 9
05 ラインクラフト 牝3 2 3
06 コートマスターピー 牡6 2 7
07 アグネスアーク 牡4 2 4
08 カンパニー 牡7 2 4
09 サプレザ 牝4 2 3
10 サプレザ 牝5 2 4
11 リディル 牡4 2 14

Check23歳馬は今ひとつ

 今年は多くの3歳馬が古馬相手に活躍しているが、このレースの過去10年では3歳牡馬が【0.0.2.26】と連対なし3歳牝馬も【0.1.1.7】で連対率11.1%と、このレース全馬の成績(連対率11.3%)と変わりなく、特に3歳馬に注目できるレースではない。創設以来でも3歳の優勝馬はサッカーボーイ、タイキシャトル、アグネスデジタルの3頭しかおらず、過去10年で3歳馬3頭が優勝している有馬記念あたりと比べても、苦戦傾向にあるのは確かだ。
 好成績を残しているのは4歳牡・セン馬の【3.4.2.21】連対率23.3%、5歳牡・セン馬の【3.3.3.33】同14.3%あたり。そして6歳以上の牡・セン馬は連対率こそ6.5%だが、【3.0.0.43】と馬券に絡めば1着になっている。また、牡・セン馬と牝馬は連対率では互角。勝率は牡・セン馬が上回り、複勝率では牝馬が優勢だ。

【性齢別成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン 3歳 0-0-2-26 0.0% 0.0% 7.1%
4歳 3-4-2-21 10.0% 23.3% 30.0%
5歳 3-3-3-33 7.1% 14.3% 21.4%
6歳 2-0-0-26 7.1% 7.1% 7.1%
7歳上 1-0-0-17 5.6% 5.6% 5.6%
9-7-7-123 6.2% 11.0% 15.8%
3歳 0-1-1-7 0.0% 11.1% 22.2%
4歳 0-1-1-7 0.0% 11.1% 22.2%
5歳 1-1-0-7 11.1% 22.2% 22.2%
6歳 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
7歳上 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
1-3-3-24 3.2% 12.9% 22.6%

Check34枠が好成績、不振の内枠は人気馬か人気薄の両極端

 枠番別では4枠が【3.3.1.13】連対率30.0%の好成績。昨年は4枠に入った人気2頭・1番人気のリアルインパクトが5着、3番人気のイモータルヴァースが7着に敗れてしまったが、両馬とも好成績とは言えない3歳馬だった。
 また、1枠が【0.1.3.16】、2枠が【1.0.1.18】でともに連対率5.0%と、内枠は苦戦傾向。その1~2枠の好走馬6頭を見ると、2頭が1~2番人気で、残る4頭は10番人気以下。人気馬か、かなりの人気薄以外は好走していない。

【枠番別成績(過去10年)】
成績 勝率 連対率 複勝率
1 0-1-3-16 0.0% 5.0% 20.0%
2 1-0-1-18 5.0% 5.0% 10.0%
3 2-1-0-17 10.0% 15.0% 15.0%
4 3-3-1-13 15.0% 30.0% 35.0%
5 2-0-0-18 10.0% 10.0% 10.0%
6 1-1-1-17 5.0% 10.0% 15.0%
7 1-1-3-24 3.4% 6.9% 17.2%
8 0-3-1-24 0.0% 10.7% 14.3%
【1~2枠の好走馬(過去10年】
馬名 人気 着順
02 1 1 リキアイタイカン 15 3
03 2 3 ギャラントアロー 10 3
05 1 1 ラインクラフト 2 3
08 1 2 ファイングレイン 10 3
09 2 4 カンパニー 1 1
11 1 1 フィフスペトル 11 2

Check4秋の天皇賞組なら人気を上げてきた馬

 前走レース別でもっとも多くの好走馬を出しているのは秋の天皇賞組で、【4.3.1.22】連対率23.3%。好走馬8頭のうち、連対した7頭は天皇賞の人気より、マイルCSでの人気が上だった馬ばかり。3着だった04年のテレグノシスは、天皇賞が2番人気11着、このレースが5番人気3着と人気を下げていた。秋の天皇賞組を連対候補として狙うなら、まず天皇賞より人気を上げている馬になる。また、そんな傾向もあって、天皇賞組の好走馬はすべて5番人気以内だった。

【前走秋の天皇賞出走の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 天皇賞
の人気
天皇賞
の着順
02 エイシンプレストン 3 2 5 8
04 ダンスインザムード 4 2 13 2
テレグノシス 5 3 2 11
05 ハットトリック 3 1 11 7
06 ダイワメジャー 1 1 4 1
ダンスインザムード 3 2 5 6
07 ダイワメジャー 1 1 3 9
09 カンパニー 1 1 5 1

第17回 東京スポーツ杯2歳ステークス(G3)

11月17日(土) 東京競馬場 芝1800m

 この時期の2歳馬にとっては比較的長い距離の芝1800mで行われる重賞レース、東京スポーツ杯2歳S。仕上がりの早い短距離馬ではなく、翌年のクラシックを見据えた好素質馬が数多く出走する。05年の勝ち馬フサイチリシャールと、09年にこのレースを勝利したローズキングダムは、ともに次走の朝日杯フューチュリティSも優勝して2歳チャンピオンに輝いている。また、08年にこのレースを勝ったナカヤマフェスタは、古馬になって宝塚記念を制し、凱旋門賞で2着に入るなど、輝かしい実績を残した。昨年の優勝馬ディープブリランテは、翌年のダービーを制して、世代の頂点に立った。今後の競馬界を担う馬が多く出走する東京スポーツ杯2歳Sの過去10年のデータを調べる。
2011年11月東京スポーツ杯2歳S(G3)

写真:競馬ブック

Check11番人気は強いが

 1番人気が【7.1.0.2】と強く、2~5番人気も複勝率が30~50%と安定しており、上位人気馬同士の決着が多い。2ケタ人気はで馬券に絡んだのは2頭で、いずれも昨年。昔は堅い決着が多かったが、最近5年は荒れ気味で、3連単は14万、8万、5万、5万、52万。1番人気が強く上位人気もそこそこだが、なぜか荒れる傾向にある不思議なレースだ。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 7-1-0-2 70.0% 80.0% 80.0%
2 0-1-4-5 0.0% 10.0% 50.0%
3 0-4-0-6 0.0% 40.0% 40.0%
4 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
5 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
6 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
7 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
8 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
9 2-0-1-6 22.2% 22.2% 33.3%
10 0-1-0-8 0.0% 11.1% 11.1%
11~ 0-0-1-38 0.0% 0.0% 2.6%

Check2新馬勝ちの素質馬が勝利する

 前走のクラス別成績では新馬戦組が最多の6勝をマークしており、連対率が18.4%とまずまず。オープン特別組は【2.4.3.23】で、連対率18.8%。その中でも、いちょうSが【1.2.2.12】で好走馬を5頭輩出している。成績がよくないのは500万下で【0.2.0.14】。この時期に500万下を使う馬は、それほど強い馬ではない。
 キャリア別では1戦と2戦が強く、好走馬30頭中20頭を占めている。キャリア3戦以上は連対率が10%以下になり、キャリア6戦以上だと好走馬がいない。レース数が多ければ多いほど苦戦する傾向にある。

【前走のクラス別成績(過去10年)】
前走クラス 成績 勝率 連対率 複勝率
新馬 6-1-3-28 15.8% 18.4% 26.3%
未勝利 1-2-3-23 3.4% 10.3% 20.7%
500万下 0-2-0-14 0.0% 12.5% 12.5%
オープン特別 2-4-3-23 6.3% 18.8% 28.1%
G3 0-0-1-10 0.0% 0.0% 9.1%
G2 1-1-0-4 16.7% 33.3% 33.3%
【キャリア別の成績(過去10年)】
キャリア 成績 勝率 連対率 複勝率
1戦 6-1-3-27 16.2% 18.9% 27.0%
2戦 2-6-2-23 6.1% 24.2% 30.3%
3戦 1-2-1-28 3.1% 9.4% 12.5%
4戦 1-0-2-9 8.3% 8.3% 25.0%
5戦 0-1-2-11 0.0% 7.1% 21.4%
6戦以上 0-0-0-9 0.0% 0.0% 0.0%

Check3レース間隔は中3週がよい

 レース間隔別では中3週が最も成績がよく、中2週や中4~8週も結果を残している。連闘や中1週など、間隔が詰まった場合は、凡走する可能性が高い。また、中9週~半年と間隔があいた場合も厳しい結果になっている

【レース間隔別の成績(過去10年)】
間隔 成績 勝率 連対率 複勝率
連闘 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
中1週 0-0-1-15 0.0% 0.0% 6.3%
中2週 4-3-1-29 10.8% 18.9% 21.6%
中3週 2-4-3-17 7.7% 23.1% 34.6%
中4~8週 4-2-5-29 10.0% 15.0% 27.5%
中9週~半年 0-1-0-15 0.0% 6.3% 6.3%

Check4前で競馬をすると苦戦

 逃げ馬は05年にフサイチリシャールが勝ったのみで、それ以外は全滅。4コーナーを2番手で通過した場合は【2.2.0.10】とそれなりだが、3番手通過は【0.0.1.13】と悪く、前で競馬すると苦戦する傾向にある。7~9番手が複勝率34.5%、10番手以下の複勝率も19%あり、後方待機でも長い東京の直線なら十分届く

【4コーナーの通過順別の成績(過去10年)】
4コーナー 成績 勝率 連対率 複勝率
1番手 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
2番手 2-2-0-10 14.3% 28.6% 28.6%
3番手 0-0-1-13 0.0% 0.0% 7.1%
4~6番手 3-2-1-22 10.7% 17.9% 21.4%
7~9番手 2-3-5-19 6.9% 17.2% 34.5%
10番手以下 2-3-3-34 4.8% 11.9% 19.0%

第48回 福島記念(G3)

11月18日(日) 福島競馬場 芝2000m

 福島開催のフィナーレを飾る伝統の重賞レース、福島記念。ハンデ戦でかつ開催の終盤に行われるため、馬場状態が悪いことが多く、ひと筋縄ではいかないケースが多い。昨年は震災の影響で新潟競馬場での開催となり、1番人気のアドマイヤコスモスが人気に応えて勝利した。今年は福島に舞台を戻して行われる。果たしてどのような結果になるのか。過去のデータから傾向をひも解いていく。
2011年11月福島記念(G3)

写真:競馬ブック

Check3上位人気は信用できない

 1番人気は【2.1.2.5】で、勝利したのは03年のメイショウドメニカと、新潟で行われた昨年のアドマイヤコスモスのみ。2番人気は【1.0.0.9】と不振で、そのほかの上位人気馬の成績もあまりよくない。10番人気以下が6度も馬券に絡んでいる。3連単の配当は、新潟で行われた昨年は2万円台と平穏だったが、それ以前は4年連続で20万円オーバー。荒れるのが前提で馬券を組み立てよう。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 2-1-2-5 20.0% 30.0% 50.0%
2 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
3 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
4 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
5 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
6 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
7 1-2-0-7 10.0% 30.0% 30.0%
8 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
9 0-2-1-7 0.0% 20.0% 30.0%
10~ 1-1-4-64 1.4% 2.9% 8.6%

Check257.5キロ以上は危険

 57.5キロ以上のハンデを背負った馬は【0.1.0.9】とほぼ全滅。ローカルのハンデ戦らしく、重いハンデは苦戦傾向にある。もっとも好走しているゾーンは56~57キロで【5.1.4.34】。51~53キロあたりの軽いハンデも【2.4.3.46】と健闘している。1着はやや重いハンデ、2、3着は軽~普通のハンデのパターンが多い

【斤量別成績(過去10年)】
斤量 成績 勝率 連対率 複勝率
50kg 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
51kg 2-1-0-8 18.2% 27.3% 27.3%
52kg 0-0-2-13 0.0% 0.0% 13.3%
53kg 0-3-1-25 0.0% 10.3% 13.8%
54kg 1-2-1-18 4.5% 13.6% 18.2%
55kg 2-2-2-21 7.4% 14.8% 22.2%
56kg 4-1-1-19 16.0% 20.0% 24.0%
57kg 1-0-3-15 5.3% 5.3% 21.1%
57.5kg 0-1-0-4 0.0% 20.0% 20.0%
58kg 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%

Check3前走G2は疑うべし

 前走のレース別では富士Sが【2.0.2.7】と好走馬を多く輩出する傾向にあるが、さまざまなレースから出走してくるので、一概にはなんとも言えない。
 前走のクラス別だと1600万下が【2.3.0.6】で連対率45.5%とかなりの好成績を残している。成績がよくないのは【2.0.0.32】のG2組。G2を使った後にローカルG3に出走する馬は、状態か実力に問題がある場合が多く、凡走するようだ。

【前走のクラス別の成績(過去10年)】
前走クラス 成績 勝率 連対率 複勝率
1000万下 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
1600万下 2-3-0-6 18.2% 45.5% 45.5%
オープン特別 1-5-2-40 2.1% 12.5% 16.7%
G3 4-1-6-36 8.5% 10.6% 23.4%
G2 2-0-0-32 5.9% 5.9% 5.9%
G1 1-1-2-9 7.7% 15.4% 30.8%

Check4追い込み馬の大逆転に注意

 4コーナーを先頭で通過した馬は2勝しているが、純粋な逃げ馬はすべて着外。通常のレースなら成績がよい2、3番手もイマイチ。福島は直線が短いため、各馬スパートを仕掛けるのが速くなり、先行馬はつぶされるケースが多いようだ。10番手以下だった馬が6頭も馬券に絡んでおり、後方待機の追い込み馬に注意したい

【4コーナー通過順別の成績(過去10年)】
4角位置 成績 勝率 連対率 複勝率
1番手 2-0-0-8 20.0% 20.0% 20.0%
2番手 2-1-1-10 14.3% 21.4% 28.6%
3番手 1-0-0-17 5.6% 5.6% 5.6%
4~6番手 2-2-3-21 7.1% 14.3% 25.0%
7~9番手 0-6-4-24 0.0% 17.6% 29.4%
10番手以下 3-1-2-50 5.4% 7.1% 10.7%