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第50回 アルゼンチン共和国杯(G2)

11月4日(日)東京競馬場 芝2500m

 東京競馬場の芝2500mを舞台に争われるG2のハンデキャップ重賞。この東京芝2500mはレース数が少なく、今年は春に行われた同じG2・ハンデ戦の目黒記念と、このレースの2レースのみの施行である。84年のグレード制導入から96年まではジャパンCの前週に行われており、当時は天皇賞組の中からジャパンCに出走できなかった馬の活躍も見られた。しかし97年に秋の天皇賞翌週へ移動すると、ここからジャパンC出走を目指す馬も見られるようになり、そんな中から08年には格上挑戦のスクリーンヒーローが優勝次走では一気にジャパンC制覇を成し遂げている。ほかにも、年末の有馬記念出走を目指す馬、G2~G3のハンデ重賞の常連馬、そしてオープン特別や重賞の長距離戦に的を絞るステイヤーなど、さまざまな路線を進む馬が激突するハンデ重賞らしい一戦。そんなアルゼンチン共和国杯の過去の傾向を見てみよう。
2011年11月ア共和国杯(G2)

写真:競馬ブック

Check1ハンデ戦でも上位人気は安定

 荒れる印象の強いハンデ戦だが、このレースの過去10年では1、2番人気が連対率50.0%、3番人気も連対率40.0%と、上位人気馬がかなり堅実な走りを見せている。勝ち馬10頭中8頭、連対馬20頭中14頭が3番人気以内だ。ただ、3着には8~10番人気から5頭が出ており、特に3連複や3連単の相手候補には人気薄にも警戒が必要になる。
 また、単勝オッズ別では、2倍台の馬が04年のグラスポジション10着、08年のアルナスライン3着と、1番人気でもこのレースとしては人気を集めた馬が連対できていないという結果になっている。その下の3倍から6.9倍あたりは安定した成績。また、穴では複勝率20%台の10倍台後半から30倍未満あたりが良い。なお、30倍以上の好走馬1頭は30倍台前半・32.2倍のコスモヘレノスで、それ以上の人気薄からは好走馬が出ていない。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 2-3-1-4 20.0% 50.0% 60.0%
2 2-3-2-3 20.0% 50.0% 70.0%
3 4-0-1-5 40.0% 40.0% 50.0%
4 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
5 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
6 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
7 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
8 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
9 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
10 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
11~ 1-1-0-57 1.7% 3.4% 3.4%
【単勝オッズ別成績(過去10年)】
オッズ 成績 勝率 連対率 複勝率
2.0~2.9 0-0-1-1 0.0% 0.0% 50.0%
3.0~3.9 1-2-1-2 16.7% 50.0% 66.7%
4.0~4.9 2-3-0-3 25.0% 62.5% 62.5%
5.0~6.9 3-1-1-6 27.3% 36.4% 45.5%
7.0~9.9 2-1-1-13 11.8% 17.6% 23.5%
10.0~14.9 0-0-0-14 0.0% 0.0% 0.0%
15.0~19.9 0-1-3-14 0.0% 5.6% 22.2%
20.0~29.9 2-2-2-18 8.3% 16.7% 25.0%
30.0~49.9 0-0-1-22 0.0% 0.0% 4.3%
50.0~ 0-0-0-36 0.0% 0.0% 0.0%

Check2ハンデは56キロ台、57キロ台が中心に

 ハンデ別で出走数が多いのは53キロ台から57キロ台あたりまでで、中でも好走馬が多いのは5連対の56キロ台、57キロ台。また、58キロ台は頭数が少なく勝ち馬は出ていないが、複勝率は27.3%で56~57キロ台と互角の成績を残している。逆に53~54キロ台あたりは出走数の割に好走馬が少なく、その間にあたる55キロ台は56キロ以上には見劣るものの、軽量馬よりは悪くない。全体的には重めのハンデを背負った馬の好走確率が高い傾向だ。なお、好走馬はすべて牡馬で、牝馬は【0.0.0.9】。50キロ(04年3歳テンジンムサシ)など軽量の好走馬も牡馬である。

【負担重量別成績(過去10年)】
ハンデ 成績 勝率 連対率 複勝率
49kg台 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
50kg台 0-1-0-8 0.0% 11.1% 11.1%
51kg台 0-0-2-6 0.0% 0.0% 25.0%
52kg台 0-0-1-10 0.0% 0.0% 9.1%
53kg台 2-1-0-20 8.7% 13.0% 13.0%
54kg台 1-0-1-20 4.5% 4.5% 9.1%
55kg台 1-2-1-18 4.5% 13.6% 18.2%
56kg台 2-3-1-16 9.1% 22.7% 27.3%
57kg台 4-1-3-21 13.8% 17.2% 27.6%
58kg台 0-2-1-8 0.0% 18.2% 27.3%
59kg台 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

Check34歳馬優勢、3歳馬も参戦があれば要注目

 好走馬はすべて牡馬のため、以下の年齢別成績は牡・セン馬について記している。活躍が目立つのは4歳で、【5.4.4.20】で最多の9連対。連対率27.3%、複勝率39.4%と、好走確率でも5歳や6歳に大きな差をつけている。07年以降は、その4歳馬が5年連続で連対馬を輩出、そして08年以降は2頭以上が3着以内に食い込んでいる。また、3歳も【0.2.1.7】で、参戦馬こそ少ないが連対率や複勝率は4歳と互角。今年はこれまで古馬相手での活躍が大いに目立つ3歳馬、このレースでも出走があれば要注意だ。なお、7歳以上は【0.0.1.29】と苦戦傾向にある。

【年齢別成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン 3歳 0-2-1-5 0.0% 25.0% 37.5%
4歳 5-4-4-20 15.2% 27.3% 39.4%
5歳 3-2-2-35 7.1% 11.9% 16.7%
6歳 2-2-2-31 5.4% 10.8% 16.2%
7歳上 0-0-1-29 0.0% 0.0% 3.3%
3歳 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
5歳 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
6歳 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
7歳上 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

Check4京都大賞典組は近年不振、条件戦組の活躍が目立つ

 過去10年の前走レース別では、京都大賞典組が【4.3.3.30】。ほかに3連対以上のレースや、3着以内4頭以上のレースはなく、京都大賞典組が他を圧倒している。ただ、過去10年を5年ごとに区切ると、前半の02~06年は【4.2.2.12】、後半の07~11年は【0.1.1.18】。ここ5年は条件戦組が【3.2.2.14】連対率23.8%を記録するなど、京都大賞典組の好走馬が減り、別路線から上位を争う馬が多く出るようになっている。この5年を見ると、重賞組は前走3着以下からしか好走馬が出ていないのに対し、前走条件戦・オープン組の好走馬はすべて前走連対馬である。また、前走距離は条件を問わずすべて2000m以上だ

【3着以内馬の前走(過去5年)】
馬名 人気 着順 前走 クラス 距離 人気 着順
07 アドマイヤジュピタ 2 1 鳴滝特別 1000 2200 1 1
トウカイトリック 10 2 宝塚記念 G1 2200 14 9
リキアイサイレンス 9 3 オクトーバーS 1600 2400 7 1
08 スクリーンヒーロー 3 1 オクトーバーS 1600 2400 2 2
ジャガーメイル 2 2 オクトーバーS 1600 2400 1 1
アルナスライン 1 3 京都大賞典 G2 2400 1 5
09 ミヤビランベリ 11 1 札幌記念 G2 2000 3 14
アーネストリー 4 2 大原S 1600 2000 1 1
ヒカルカザブエ 10 3 天皇賞(春) G1 3200 7 7
10 トーセンジョーダン 1 1 アイルランドT OP 2000 2 1
ジャミール 2 2 オールカマー G2 2200 2 5
コスモヘレノス 9 3 本栖湖特別 1000 2000 8 1
11 トレイルブレイザー 3 1 古都S 1600 2200 1 2
オウケンブルースリ 1 2 京都大賞典 G2 2400 3 3
カワキタコマンド 8 3 アイルランドT OP 2000 4 2

第3回 みやこステークス(G3)

11月4日(日) 京都競馬場 ダ1800m

 今年で3回目を迎えるダートの重賞レース、みやこS。ジャパンカップダートの開催場所が08年に東京から阪神に変更になったため、関西地区のステップレースとして設けられた。もともとはオープン特別だったトパーズステークスが、重賞に格上げされた形だ。第1回を制したトランセンドは続くジャパンカップダートも勝利し、昨年のジャパンカップダート2、3着馬はこのレースに出走していた。過去2回にトパーズSを加えた過去10年のデータからレースの傾向を探る
2011年9月京成杯オータムH(G3)

写真:競馬ブック

Check1連対馬は上位人気

 1番人気と2番人気はどちらも【3.3.0.4】と好成績。最近5年では1番人気は【3.2.0.0.】とほぼパーフェクトで、信頼できる。連対馬20頭中17頭が1~4番人気で、上位人気が強い。11番人気以下は【0.0.0.47】で、期待できそうにない。3連単を買うなら、1、2着を上位人気にして、3着をやや穴狙いがよさそう。

【人気別成績(過去10年(トパーズS含む))】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 3-3-0-4 30.0% 60.0% 60.0%
2 3-3-0-4 30.0% 60.0% 60.0%
3 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
4 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
5 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
6 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
7 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
8 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
9 2-0-2-6 20.0% 20.0% 40.0%
10 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
11~ 0-0-0-47 0.0% 0.0% 0.0%

Check2外枠はかなり不利

 京都ダート1800mは、スタートしてから1コーナーに入るまでの距離があまりないため、内枠が有利になる。このレースでも内枠の成績がよく、7、8枠は苦戦している。馬番では、連対馬を1~11番が占めており、12番より外は3着が最高成績だ。

【枠番別成績(過去10年(トパーズS含む))】
枠番 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 3-0-1-11 20.0% 20.0% 26.7%
2枠 1-2-1-13 5.9% 17.6% 23.5%
3枠 2-3-1-12 11.1% 27.8% 33.3%
4枠 0-3-1-15 0.0% 15.8% 21.1%
5枠 3-0-2-14 15.8% 15.8% 26.3%
6枠 1-1-2-15 5.3% 10.5% 21.1%
7枠 0-0-2-18 0.0% 0.0% 10.0%
8枠 0-1-0-19 0.0% 5.0% 5.0%

Check3交流重賞組に要注意!

 前走のレース別成績ではG3の武蔵野Sが【4.2.0.9】と好成績を残している。重賞になったここ2年は、昨年の優勝馬エスポワールシチーが南部盃、一昨年の優勝馬トランセンドが日本テレビ盃と、交流重賞を使った馬が勝利している。また、1600万下が【1.4.3.22】と比較的健闘している。

【主な前走のレース別成績(過去10年(トパーズS含む))】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
武蔵野S 4-2-0-9 26.7% 40.0% 40.0%
エニフS 1-2-0-6 11.1% 33.3% 33.3%
1000万下(特別含む) 1-0-0-3 25.0% 33.3% 33.3%
エニフS 1-0-0-4 20.0% 20.0% 20.0%
日本テレビ盃 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
マイルCS南部盃 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
1600万下(特別含む) 1-4-3-22 3.0% 16.7% 26.7%
シリウスS 0-2-1-6 0.0% 22.2% 33.3%
ブラジルC 0-0-1-13 0.0% 0.0% 7.1%
ブリリアントS 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
白山大賞典 0-0-1-5 0.0% 0.0% 16.7%
アルデバランS 0-0-1-6 0.0% 0.0% 14.3%
大沼S 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
ペルセウスS 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%

Check4久々の馬は来ない

 秋が深まり、やや肌寒い時期に行われるみやこS。暑い季節は休み明けでも好走する馬が多いが、この時期は厳しいようだ。半年以上の久々だった馬は全滅中9週~半年も【0.0.2.23】と成績が悪い。夏以降に少なくても1度は使っている馬を狙いたい。

【前走からの間隔別成績(過去10年(トパーズS含む))】
間隔 成績 勝率 連対率 複勝率
連闘 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
中1週 2-1-1-17 9.5% 14.3% 19.0%
中2週 4-2-3-25 11.8% 17.6% 26.5%
中3週 1-2-0-10 7.7% 23.1% 23.1%
中4~8週 3-5-3-32 7.0% 18.6% 25.6%
中9週~半年 0-0-2-23 0.0% 0.0% 8.0%
半年以上 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%