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第146回 天皇賞・秋(G1)

10月28日(日)東京競馬場 芝2000m

 ジャパンCから有馬記念へと連なる、いわゆる「秋の古馬三冠」の開幕を飾る天皇賞(秋)。過去には00年のテイエムオペラオー、そして04年のゼンノロブロイが、このG1・3連勝を達成している。また、今年は「古馬三冠」といっても、その初戦となるこのレースから早くも有力候補と目される3歳馬が参戦してくる。長く古馬限定で行われていた時代があったため3歳馬の優勝は少ないが、再開放後は96年のバブルガムフェロー、そして02年のシンボリクリスエスが優勝。今年は10年ぶりに3歳馬による天皇賞制覇があるのかにも注目が集まる。そんな天皇賞(秋)の過去の傾向を見てみよう。
2011年9月セントウルステークス(G2)

写真:競馬ブック

Check1牡馬の1番人気は崩れない

 以前は1番人気の連敗が話題にもなったレースだが、過去10年では【5.1.1.3】と上々の成績。特に牡馬の1番人気4頭にかぎれば【3.1.0.0】と崩れてない。また、勝ち馬10頭中8頭が5番人気以内。6番人気以下からの好走も多いが、【2.4.5.113】と好走しても2~3着止まりが多くなっている。なお、11番人気以下の【1.1.1.71】のうち、好走は13~14番人気【1.1.1.17】のみ。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 5-1-1-3 50.0% 60.0% 70.0%
2 0-3-2-5 0.0% 30.0% 50.0%
3 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
4 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
5 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
6 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
7 1-3-0-6 10.0% 40.0% 40.0%
8 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
9 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
10 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
11~ 1-1-1-71 1.4% 2.7% 4.1%
1~5 8-6-5-31 16.0% 28.0% 38.0%
6~ 2-4-5-113 1.6% 4.8% 8.9%
【1番人気馬の成績(過去10年)】
馬名 性別 人気 着順
02 テイエムオーシャン 1 13
03 シンボリクリスエス 1 1
04 ゼンノロブロイ 1 1
05 ゼンノロブロイ 1 2
06 スイープトウショウ 1 5
07 メイショウサムソン 1 1
08 ウオッカ 1 1
09 ウオッカ 1 3
10 ブエナビスタ 1 1
11 ブエナビスタ 1 4

Check23歳馬も要注意、6歳以上はひと息

 今年は牝馬の登録がないため、牡・セン馬(セン馬は08年から出走可能)の年齢別成績を見ると、3歳馬が【1.1.2.8】で勝率から複勝率まですべて1位。特に複勝率では好走馬の多い4~5歳とも大きな差があり、あえてこのレースで古馬との対戦を選択してくる以上はチャンスは十分にあると考えられる。4、5歳はほぼ互角。6歳以上になると複勝率でもひと桁台と、苦戦を強いられる馬が多くなっている。

【牡・セン馬の年齢別成績(過去10年)】
年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
3 1-1-2-8 8.3% 16.7% 33.3%
4 3-2-2-34 7.3% 12.2% 17.1%
5 2-4-2-40 4.2% 12.5% 16.7%
6 0-1-1-27 0.0% 3.4% 6.9%
7~ 1-0-0-27 3.6% 3.6% 3.6%

Check3先行して残れるのは実績馬

 競馬道GT8による脚質成績(10年前の中山除く)では、「差し」に分類された馬の好走が圧倒的に多く、【8.4.7.66】と好走馬のほぼ3分の2を占めている。後方からの「追込」になると2着2回のみで、「差し」以外なら、どちらかといえば前で勝負できる馬のほうが良い。
 ただ、3コーナーを4番手以内で通過した好走馬7頭を見ると、10年3着のアーネストリーを除く6頭はG1馬。そのアーネストリーも同年の宝塚記念で3着の実績を持っており、G1実績をまったく持たない馬の前残りは期待薄である。対して中団以降からなら、G1初挑戦のダークシャドウ(昨年)やアグネスアーク(07年)、出走経験があって馬券圏内がかった馬でも昨年のトーセンジョーダンなどが好走している。

【脚質別成績(過去9年、東京)】
脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 0-1-0-8 0.0% 11.1% 11.1%
先行 1-2-2-23 3.6% 10.7% 17.9%
差し 8-4-7-66 9.4% 14.1% 22.4%
追込 0-2-0-31 0.0% 6.1% 6.1%
【3コーナー4番手以内の好走馬(過去9年、東京)】
馬名 通過順 位置 人気 着順 主なG1実績
04 ダンスインザムード 3-3-3-3 最内 13 2 桜花賞1着
05 ダンスインザムード 4-3-3-3 最内 13 3 同上、前年天皇賞秋2着
06 ダイワメジャー 2-2-2-2 4 1 皐月賞1着
07 メイショウサムソン 5-5-4-4 1 1 ダービー1着、天皇賞春1着
08 ダイワスカーレット 1-1-1-1 最内 2 2 女王杯1着、有馬記念2着
09 スクリーンヒーロー 2-2-4-4 7 2 ジャパンC1着
10 アーネストリー 4-3-4-4 2 3 宝塚記念3着

Check4前走の人気の着順に注目

 前走レース別で3頭以上の好走馬を出しているレースは、毎日王冠【3.3.3.53】、宝塚記念【3.2.0.15】、そして札幌記念【2.0.2.6】の3レースのみ。それぞれの好走パターンは、主に前走の着順から比較的はっきりとしている。
 まず毎日王冠組は、好走馬9頭すべてが毎日王冠で5着以内で、8頭は毎日王冠5番人気以内でもあった。宝塚記念組は好走馬5頭すべて5着以内で、その宝塚記念以外にG1連対実績(うち4頭はG1勝ち)があったことも共通点。そして最後に札幌記念組は、4頭がすべて札幌記念の優勝馬。また、牡馬の3頭は札幌記念1番人気馬だった。

【前走毎日王冠組の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走人気 前走着順
02 サンライズペガサス 4 3 1 4
03 テンザンセイザ 10 3 8 5
06 ダイワメジャー 4 1 3 1
07 アグネスアーク 7 2 5 2
08 ウオッカ 1 1 1 2
09 カンパニー 5 1 4 1
ウオッカ 1 3 1 2
10 ペルーサ 4 2 1 5
11 ダークシャドウ 2 2 1 1
【前走宝塚記念組の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走人気 前走着順 前走以外のG1実績
03 シンボリクリスエス 1 1 1 5 前年天皇賞秋1着
ツルマルボーイ 5 2 8 2 前年宝塚記念2着
07 メイショウサムソン 1 1 2 2 天皇賞春1着
09 スクリーンヒーロー 7 2 6 5 ジャパンC1着
10 ブエナビスタ 1 1 1 2 ヴィクトリアM1着
【前走札幌記念組の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走人気 前走着順
05 ヘヴンリーロマンス 14 1 9 1
06 アドマイヤムーン 2 3 1 1
10 アーネストリー 2 3 1 1
11 トーセンジョーダン 7 1 1 1

第55回 スワンステークス(G2)

10月27日(土) 京都競馬場 芝1400m

 英語で「白鳥」を意味するスワンS。開催場所の京都競馬場の馬場中央の池を泳ぐ白鳥が同競馬場のシンボルのため、その名を取った重賞レースだ。マイルチャンピオンシップのステップレースで、距離が1400mのため、スプリンターとマイラーの双方からトップクラスが出走する傾向にあり、レースのレベルは比較的高い。過去10年の勝ち馬からは、07年のスーパーホーネットが続くマイルチャンピオンシップで2着に入ったが、スワンSとマイルチャンピオンシップの連勝はない。10年の8着馬エーシンフォワードがマイルチャンピオンシップで優勝した。そんなスワンSの傾向を過去10年のデータから探っていく。
2011年10月スワンS(G2)

写真:競馬ブック

Check1穴馬が必ず激走する

 1番人気は【1.1.1.7】と不振。ずっと敗れ続けていたが、昨年リディルが久々に勝利した。2番人気も【1.1.0.8】と成績が悪く、1、2番人気が計5頭しか馬券に絡んでいない。8番人気以下の人気薄が毎年最低1頭は好走しており、穴馬を積極的に狙いたいレースだ。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
2 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
3 2-2-2-4 20.0% 40.0% 60.0%
4 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
5 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
6 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
7 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
8 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
9 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
10~ 4-2-3-73 4.9% 7.3% 11.0%

Check2スプリンターズS好走馬は危険

 前走のレース別成績では、G1のスプリンターズS組を使った馬が圧倒的に多い。ただし、スプリンターズSの1~5着馬は【1.1.0.7】と不振で、スプリターズSで6~9着馬は【2.1.2.14】と好成績を残している。スプリンターズSで好走すると疲労が残り、このレースでは能力を発揮できないのかもしれない。
 前走の距離別の成績では、スワンSと同じ1400mが22頭全滅と大不振。1ハロン短い1200m【6.7.6.65】と1ハロン長い1600m【4.2.2.40】が、好走馬30頭中27頭しめており、この2つの距離が圧倒的に強い。

【主な前走のレース別成績(過去10年)】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
スプリンターズS 4-2-3-35 9.1% 13.6% 20.5%
ポートアイランドS 2-0-0-19 9.5% 9.5% 9.5%
函館スプリントS 1-1-0-1 33.3% 66.7% 66.7%
セントウルS 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
富士S 1-0-0-5 16.7% 16.7% 16.7%
米子S 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
京成杯オータムH 0-1-1-3 0.0% 20.0% 40.0%
高松宮記念 0-1-0-2 0.0% 33.3% 33.3%
関屋記念 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
キーンランドC 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
白山大賞典 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
セプテンバーS(1600万下) 0-0-1-1 0.0% 0.0% 50.0%
安田記念 0-0-1-5 0.0% 0.0% 16.7%
ダービー 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
エプソムC 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
CBC賞 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
【前走の距離別成績(過去10年)】
前走距離 成績 勝率 連対率 複勝率
1000m 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
1200m 6-7-6-65 7.1% 15.5% 22.6%
1400m 0-0-0-22 0.0% 0.0% 0.0%
1600m 4-2-2-40 8.3% 12.5% 16.7%
1700m 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
1800m 0-0-1-5 0.0% 0.0% 16.7%
2000m 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
2100m 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
2400m 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%

Check34歳中心で穴なら3歳

 年齢別の成績では4歳馬が【5.5.3.23】と強く、連対率27.8%、複勝率36.1%の成績を残している。3歳馬で好走したのは4頭おり、人気は11、1、10、16と穴馬がほとんど。3歳馬で1~3番人気に支持された場合は【0.0.1.7】と人気を裏切るケースが多い。

【年齢別の成績(過去10年)】
年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
3歳 2-1-1-27 6.5% 9.7% 12.9%
4歳 5-5-3-23 13.9% 27.8% 36.1%
5歳 0-3-4-36 0.0% 7.0% 16.3%
6歳 2-0-1-33 5.6% 5.6% 8.3%
7歳以上 1-1-1-23 3.8% 7.7% 11.5%

Check4極端な脚質の人気薄が買い

 脚質別の成績では、逃げ馬が強く、過去10年で5頭が馬券に絡んでいる。03年1着のギャラントアロー(11番人気)、08年1着のマイネルレーニア(5番人気)、10年3着のジョーカプチーノ(10番人気)など、人気薄で走るケースが多い。10番手以下から好走した馬は7頭おり、人気は7、9、10、13、3、9、10とほとんどが穴馬。逃げ馬と追い込み馬の人気薄が狙い目だ。

【4コーナー通過順別の成績(過去10年)】
4コーナー 成績 勝率 連対率 複勝率
1番手 3-1-1-5 30.0% 40.0% 50.0%
2番手 1-1-1-12 6.7% 13.3% 20.0%
3番手 1-1-0-7 11.1% 22.2% 22.2%
4~6番手 2-3-1-33 5.1% 12.8% 15.4%
7~9番手 1-2-4-22 3.4% 10.3% 24.1%
10番手以下 2-2-3-63 2.9% 5.7% 10.0%