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第46回 スプリンターズS(G1)

9月30日(日)中山競馬場 芝1200m

 秋のスプリント王決定戦・スプリンターズS。以前は春にG3やG2で行われていたが、90年にG1に格上げされて有馬記念の前週施行に。そして00年には現在の時期に移動して10年以上が経過し、秋シーズン最初のG1競走として定着してきた。特にサマースプリントシリーズが創設された06年以降は夏場のスプリント戦が充実し、夏に力をつけた馬と、シリーズ後半に復帰してきた実績馬の戦いが、前哨戦も含め一層白熱している。加えて香港を中心とした外国馬の参戦もあり、ここ3年を見ても、09年が高松宮記念の覇者・ローレルゲレイロ、10年は香港のウルトラファンタジー、そして昨年はサマースプリントシリーズ2連勝のカレンチャン優勝馬には多彩な面々が名を連ねている。今年はどんな馬が秋最初のG1タイトルを手中にするのか、過去の傾向を見てみたい。
2011年9月スプリンターズステークス(G1)

写真:競馬ブック

Check11~3番人気が安定した成績

 人気別では1番人気が【4.2.0.4】で連対率60.0%を記録するなど、1~3番人気は【6.8.3.13】連対率46.7%、複勝率56.7%の好成績。この人気上位3頭がすべて馬券圏外になった年は過去10年1度もない。一昨年には香港のウルトラファンタジーが10番人気で優勝したが、人気薄は好走しても2~3着が多いほか、11番人気以下になると【0.0.1.52】で、極端な人気薄になると2~3着に食い込むのも苦しい傾向だ。
 また、1番人気の成績を個別に見ると、馬券圏内を外した4頭中3頭は前走59キロ以上。今年はセントウルSの負担重量が最高でも58キロに改められるなどの変更もあり該当馬は香港のリトルブリッジのみで、この馬が1番人気にならないかぎり、今年の1番人気は信頼できる可能性はある。ただ、Check2で触れる枠番は要チェックだ。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 4-2-0-4 40.0% 60.0% 60.0%
2 0-4-2-4 0.0% 40.0% 60.0%
3 2-2-1-5 20.0% 40.0% 50.0%
4 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
5 2-0-1-7 20.0% 20.0% 30.0%
6 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
7 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
8 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
9 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
10 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
11~ 0-0-1-52 0.0% 0.0% 1.9%
【1番人気馬の成績と前走(過去10年)】
枠番 馬番 馬名 着順 前走 前走斤量
02 4 4 ビリーヴ 1 セントウルS・1着 54
03 6 11 ビリーヴ 2 セントウルS・2着 57
04 2 3 サニングデール 9 セントウルS・3着 59
05 7 13 サイレントウィット 1 安田記念・3着 58
06 7 13 テイクオーバーターゲット 1 セントウルS・2着 59
07 3 6 サンアディユ 2 セントウルS・1着 55
08 7 14 スリープレスナイト 1 北九州記念・1着 56
09 1 2 アルティマトゥーレ 5 セントウルS・1着 55
10 3 6 グリーンバーディー 7 セントウルS・2着 59
11 3 5 ロケットマン 4 クランジS・1着 59.5

Check2内枠は勝ち切れない

 新潟で代替された02年を除く9年間の枠番別成績では、1、2枠が合わせて【0.4.3.28】。連対率11.4%、複勝率20.0%はさほど悪くはないものの、1着候補にするのは疑問が残る成績だ。特に1番人気に関しては、Check1の表にあるように、馬券圏内を外した4頭すべてが1~3枠。3枠サンアディユの2着1回はあるものの、内の不振が3枠まで広がっていると言える。一方、好成績は7枠で【4.1.3.9】連対率29.4%、複勝率47.1%。ただ、両隣の6枠、8枠はともに2着1回で連対率5.6%に終わっており、外枠優勢とまでは言いがたい。

【中山開催時枠番別成績(過去9年)】
成績 勝率 連対率 複勝率
1 0-1-2-14 0.0% 5.9% 17.6%
2 0-3-1-14 0.0% 16.7% 22.2%
3 1-1-0-16 5.6% 11.1% 11.1%
4 2-0-0-16 11.1% 11.1% 11.1%
5 2-1-0-15 11.1% 16.7% 16.7%
6 0-1-3-14 0.0% 5.6% 22.2%
7 4-1-3-9 23.5% 29.4% 47.1%
8 0-1-0-17 0.0% 5.6% 5.6%

Check3サンデー系とバクシンオー産駒は不振

 一時、サンデーサイレンス産駒がスプリント戦では弱いと言われた時期もあったが、このレース過去9年(中山)では【1.3.2.10】でデュランダルなどが好走。ただ「サンデー系」として見ると、ほかにフジキセキ産駒【0.2.0.14】があるのみで、その2着2回もオーストラリア産馬のキンシャサノキセキ。サンデー直仔不在となり、日本産馬のサンデー系は結果が出ていない。また、9年で17頭が出走しているサクラバクシンオー産駒も【0.0.1.16】でカノヤザクラの3着1回に終わっている。
 一方、好走馬はさまざまな種牡馬、系統に分散しているが、そんな中でクロフネ産駒はスリープレスナイト、カレンチャンで2戦2勝。クロフネの父・フレンチデピュティ産駒も【0.1.0.1】でサンアディユの2着1回があり、相性は良さそうだ。

【中山開催時の種牡馬成績(過去9年)】
父馬名 成績 勝率 連対率 複勝率
クロフネ 2-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
サンデーサイレンス 1-3-2-10 6.3% 25.0% 37.5%
ウォーニング 1-0-0-4 20.0% 20.0% 20.0%
エルモキシー 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
キングヘイロー 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
アドマイヤコジーン 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
エンコスタデラゴ 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
ケルティックスウィング 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
フジキセキ 0-2-0-14 0.0% 12.5% 12.5%
チーフベアハート 0-1-1-1 0.0% 33.3% 66.7%
タイキシャトル 0-1-0-5 0.0% 16.7% 16.7%
フレンチデピュティ 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
スウェプトオーヴァーボード 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
サクラバクシンオー 0-0-1-16 0.0% 0.0% 5.9%
エルコンドルパサー 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
ブライアンズタイム 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
インチナー 0-0-1-1 0.0% 0.0% 50.0%
シンボリクリスエス 0-0-1-1 0.0% 0.0% 50.0%
ファルブラヴ 0-0-1-1 0.0% 0.0% 50.0%

Check4セントウルS組は掲示板、キーンランドC組は3着以内を目安に

 今年はセントウルS組とキーンランドC組の登録が非常に多い。その両レースを見ると、セントウルS組は好走馬12頭中、セントウルSで掲示板(5着以内)を外していたのはアドマイヤマックス、メイショウボーラー、ローレルゲレイロの3頭のみ(ほかにキンシャサノキセキは取り消し)。そしてキーンランドC組はより条件が厳しく、好走馬5頭はすべて前走3着以内で、負けていた場合はタイム差も0.2秒以内。いずれにしても両レースとも好走馬が中心になる。

【前走セントウルS組の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走人気 前走着順
02 ビリーヴ 1 1 1 1
03 デュランダル 5 1 4 3
ビリーヴ 1 2 1 2
アドマイヤマックス 2 3 3 4
06 テイクオーバーター 1 1 2 2
メイショウボーラー 10 2 5 7
07 サンアディユ 1 2 11 1
アイルラヴァゲイン 5 3 3 5
09 ローレルゲレイロ 6 1 4 14
カノヤザクラ 8 3 2 4
10 キンシャサノキセキ 3 2 取消
11 エーシンヴァーゴウ 7 3 2 1
【前走キーンランドC組の好走馬(過去6年)】
馬名 人気 着順 前走
人気
前走
着順
前走
タイム差
08 キンシャサノキセキ 2 2 1 3 0.2
ビービーガルダン 6 3 2 2 0.1
09 ビービーガルダン 2 2 2 1 -0.3
11 カレンチャン 3 1 1 1 0.0
パドトロワ 9 2 4 3 0.0

第16回 シリウスステークス(G3)

9月29日(土) 阪神競馬場 ダ2000m

 97年に創設されたハンデキャップのダート重賞レース、シリウスS。創設当初は12月上旬に阪神競馬場のダート1400mで行われていたが、何度か条件が変更され、07年からは現在と同じ阪神競馬場のダート2000mで争われている。08年にジャパンカップダートが阪神競馬場のダート1800mで開催されることになったため、このシリウスSの注目度も高くなっている。現在と同じ条件になった07年以降、過去5年のデータから傾向を見てみよう。
2011年10月シリウスS(G3)

写真:競馬ブック

Check1大波乱の可能性は低い

 荒れそうなハンデ戦だが、1番人気は【2.1.0.2】とまずまずの成績を残している。連対馬10頭中9頭が1~6番人気で、上位人気馬が安定している。3連単は07年が6000円台と堅く収まったが、その後は4、10、7、6万円台と、大荒れでもなく堅いわけでもない

【人気別の成績(過去5年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 2-1-0-2 40.0% 60.0% 60.0%
2 0-0-1-4 0.0% 0.0% 20.0%
3 1-0-0-4 20.0% 20.0% 20.0%
4 0-2-2-1 0.0% 40.0% 80.0%
5 1-0-1-3 20.0% 20.0% 40.0%
6 1-1-0-3 20.0% 40.0% 40.0%
7 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
8 0-1-0-4 0.0% 20.0% 20.0%
9 0-0-1-4 0.0% 0.0% 20.0%
10~ 0-0-0-24 0.0% 0.0% 0.0%

Check26歳が強いが5、7歳は苦戦

 年齢別の成績では6歳馬が5連対と最多の連対を誇るが、その前後の年齢は苦戦している。7歳以上の高齢馬は11頭すべてが馬券圏外で、5歳馬は連対率がわずかに4.3%と不振。3歳馬が最多の2勝を挙げており、勢いには要注意が必要だ。

【年齢別成績(過去5年)】
年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
3歳 2-0-1-7 20.0% 20.0% 30.0%
4歳 1-1-1-6 11.1% 22.2% 33.3%
5歳 1-0-3-19 4.3% 4.3% 17.4%
6歳 1-4-0-11 6.3% 31.3% 31.3%
7歳以上 0-0-0-11 0.0% 0.0% 0.0%

Check3重いハンデは2着まで

 トップハンデ馬の成績は【0.1.1.3】とあまりよくない。勝ち馬は53~56キロで、それ以上の重いハンデから勝ち馬は出ていない。また、52キロ以下は【0.0.1.11】と結果を残しておらず、軽ハンデの大駆けの可能性は低い。54~57キロが馬券圏内の15頭中12頭占めており、このあたりが中心

【斤量別の成績(過去5年)】
斤量 成績 勝率 連対率 複勝率
~48キロ 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
51キロ 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
52キロ 0-0-1-7 0.0% 0.0% 12.5%
53キロ 1-0-0-3 25.0% 25.0% 25.0%
54キロ 2-0-0-13 13.3% 13.3% 13.3%
55キロ 0-0-2-11 0.0% 0.0% 15.4%
56キロ 2-2-1-11 12.5% 25.0% 31.3%
56.5キロ 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
57キロ 0-2-0-2 0.0% 50.0% 50.0%
57.5キロ 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
58.5キロ 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
59キロ 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

Check4オークランドRCT組に注意!

 ステップレースはさまざまだが、最も好成績を残しているのが、07~10年まで4年連続で優勝馬を輩出している準オープンのオークランドRCTで【4.0.0.3】。だが、昨年はこのレースを勝ったタガノロックオンが1番人気に支持され、4着に敗れた。
 前走芝を使った馬が【1.0.2.6】と3頭好走している。08年4番人気3着ダークメッセージ(みなみ北海道S)、09年4番人気3着ゴールデンチケット(セントライト記念)、11年5番人気1着ヤマニンキングリー(朝日チャレンジC)と、比較的人気薄で好走している

【主な前走のレース別成績(過去5年)】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
オークランドRCT(1600万下) 4-0-0-3 57.1% 57.1% 57.1%
朝日チャレンジC 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
阿蘇S 0-1-1-10 0.0% 8.3% 16.7%
東海S 0-1-1-1 0.0% 33.3% 66.7%
平安S 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
帝王賞 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
スパーキングレディC 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
松戸特別(1000万下) 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
みなみ北海道S 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
セントライト記念 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%