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第30回 ローズS(G2)

9月16日(日)阪神競馬場 芝1800m

 上位3頭に秋華賞への優先出走権が与えられる秋華賞トライアル・ローズS。エリザベス女王杯トライアルの時代から多くの優勝馬を輩出しており、秋華賞創設後も秋華賞馬16頭中10頭がこのレースをステップにしている。また、古くはメジロラモーヌ、そして過去10年でもスティルインラブアパパネがこのレースを秋初戦に選択して牝馬三冠を達成。今年も二冠馬・ジェンティルドンナが出走を予定しており、本番へ向けて好スタートを切ることができるのか注目を集める重賞レースだ。そんなローズSの過去の傾向を見てみよう。
2011年9月ローズS(G2)

写真:競馬ブック

Check1単勝4.0~9.9倍は不振

 過去10年、1番人気は【4.2.1.3】で連対率60.0%と上々の成績。2番人気も【2.1.2.5】複勝率50.0%とまずまずだが、それ以外は好走馬が分散。11番人気以下になると苦しいものの、10番人気以内であれば好走の可能性は十分にある。
 そんな中、単勝オッズ別の成績を見ると、単勝4.0~9.9倍は合わせて【0.0.1.14】と連対なし。10倍台前半が4連対、20倍台が5連対など、それ以上の人気薄からは多くの好走馬が出ている中で、この単勝4.0~9.9倍の不振は際立っている。人気順では2~4番人気あたりの一部が該当するゾーンになるが、成績から手を出したくなるような馬でも過信は禁物だ。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 4-2-1-3 40.0% 60.0% 70.0%
2 2-1-2-5 20.0% 30.0% 50.0%
3 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
4 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
5 2-1-2-5 20.0% 30.0% 50.0%
6 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
7 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
8 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
9 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
10 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
11~ 0-0-0-48 0.0% 0.0% 0.0%
【単勝オッズ別成績(過去10年)】
単勝 成績 勝率 連対率 複勝率
1.0~1.4 1-1-0-0 50.0% 100.0% 100.0%
1.5~1.9 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
2.0~2.9 3-1-2-2 37.5% 50.0% 75.0%
3.0~3.9 1-1-1-1 25.0% 50.0% 75.0%
4.0~4.9 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
5.0~6.9 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
7.0~9.9 0-0-1-7 0.0% 0.0% 12.5%
10.0~14.9 2-2-2-7 15.4% 30.8% 46.2%
15.0~19.9 0-1-0-4 0.0% 20.0% 20.0%
20.0~29.9 2-3-2-10 11.8% 29.4% 41.2%
30.0~49.9 0-1-1-17 0.0% 5.3% 10.5%
50.0~99.9 0-0-1-25 0.0% 0.0% 3.8%
100.0~ 0-0-0-37 0.0% 0.0% 0.0%

Check2オークス馬・桜花賞馬は今ひとつ

 Check1では1番人気が【4.2.1.3】と安定していることを紹介したが、その内訳を見ると着外に敗れた3頭はすべてオークス馬。また、2番人気以下のオークス馬にも好走はなく、過去10年のオークス馬は【0.0.0.5】(すべてオークスから直行)である。
 また、桜花賞馬の成績を見ても【1.1.1.4】で優勝馬はダイワスカーレットのみ。オークス馬よりは良いものの、7頭中5頭が1番人気に推されていることを考えれば決して好成績とは言えない。後に牝馬三冠を達成するスティルインラブやアパパネですらこのレースは5、4着敗退を喫している

【オークス馬のローズS成績(過去10年)】
馬名 人気 着順
03 スティルインラブ 1 5
04 ダイワエルシエーロ 1 7
08 トールポピー 2 6
10 アパパネ 1 4
11 エリンコート 3 10
【桜花賞馬のローズS成績(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走
02 アローキャリー 5 16 桜花賞1着
03 スティルインラブ 1 5 オークス1着
05 ラインクラフト 1 2 NHKマイルC1着
07 ダイワスカーレット 1 1 桜花賞1着
08 レジネッタ 1 3 クイーンS2着
10 アパパネ 1 4 オークス1着
11 マルセリーナ 2 6 オークス4着

Check3上がり34秒台前半の実績が必要に

 阪神外回りコース新設に伴い、07年から芝・外1800mに変更されたローズS。直線が長く上がりタイムも速くなりがちで、4コーナー10番手以下からの好走馬は3頭(うち1頭は重馬場)にとどまっている。また、好走馬はすべてこのレースよりも前に、自身の上がり3ハロン34秒4以下を記録していた馬ばかり。今年は桜花賞で上がり34秒4以下を記録した馬は2頭、オークスでは優勝したジェンティルドンナ1頭にとどまっており、他のレースでこの「34秒4」をクリアできているかも注目点になる。

【1~3着馬の通過順と上がり(過去5年)】
年・馬場 馬名 人気 着順 通過順 位置 上がり 上がり最高 レース上がり
07・良 ダイワスカーレット 1 1 1-1-1 最内 33.6 33.6 33.6
ベッラレイア 2 2 5-5-5 最内 33.2 33.8
レインダンス 3 3 3-3-3 最内 33.6 33.0
08・重 マイネレーツェル 7 1 14-7-6 35.5 34.2 36.2
ムードインディゴ 9 2 14-14-11 大外 35.0 34.1
レジネッタ 1 3 7-7-6 35.6 33.7
09・良 ブロードストリート 5 1 5-7-8 34.2 33.8 35.2
レッドディザイア 1 2 10-11-12 34.0 33.7
クーデグレイス 10 3 2-2-2 35.0 34.4
10・良 アニメイトバイオ 4 1 10-7-7 33.8 34.0 34.3
ワイルドラズベリー 6 2 11-11-11 33.4 34.4
エーシンリターンズ 5 3 9-10-7 34.0 34.3
11・良 ホエールキャプチャ 1 1 2-2-3 最内 33.8 34.0 34.1
マイネイサベル 10 2 8-7-8 33.3 33.5
キョウワジャンヌ 7 3 3-5-5 33.7 32.7

Check4前走条件戦組なら前走連対が必須条件に

 Check2で記したようにオークス馬は不振だが、前走レース別ではオークス組が【7.4.3.33】と連対馬の半数以上を占めている。ほかに複数の連対馬を出しているのはクイーンS【0.3.1.3】のみで、予想にあたってはまずこの2レースの出走馬が検討の中心になる。
 ただ、ひと夏越した秋の重賞だけに夏の上がり馬が注目を集めることも多い。そんな前走条件戦組の好走馬は表の7頭で、そのすべてに共通しているのは前走で連対していたこと。また、6月以降1戦ならそこで連対、その他の馬なら、2戦以上連続連対中であることが、条件戦組の好走馬7頭中6頭の共通点だ。

【前走条件戦出走の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走 6月以降の成績
02 ファインモーション 1 1 1000万特別1着 1→1着
トシザダンサー 8 3 1000万特別2着 2着
03 ベストアルバム 4 3 1000万特別1着 5→1着
04 レクレドール 5 1 500万1着 1着
07 レインダンス 3 3 1000万特別1着 1→1着
09 クーデグレイス 10 3 1000万特別2着 2→1→2着
11 キョウワジャンヌ 7 3 1000万特別1着 3→7→1→1着

第66回 セントライト記念(G2)

9月17日(月) 中山競馬場 芝2200m

 菊花賞のトライアルレース、セントライト記念。かつては、シンボリルドルフがこのレースの勝利をステップに菊花賞を制して、無敗の三冠馬に輝いている。最近10年のセントライト記念出走馬から菊花賞を制した馬はいないが、04年のホウキバウエーブ、09年のフォゲッタブルが、このレースを使って菊花賞2着と好走している。また、04年の優勝馬コスモバルクは06年にシンガポールエアラインズインターナショナルCを優勝、09年の優勝馬ナカヤマフェスタは翌年に宝塚記念を制覇するなど、大きく成長した馬もいる。そんなセントライト記念の過去10年のデータからレース傾向を探っていく。
2011年9月セントライト記念(G3)

写真:競馬ブック

Check12着馬は上位人気になるケースが多い

 1番人気は【2.3.1.4】と平均的、2番人気は【2.2.1.5】とまずまず。1~4番人気が安定しており、トータルで15連対2着馬が10頭中9頭が1~4番人気と人気馬が占めているのに対して、1着馬と3着馬は5番人気以下が比較的健闘している。1番人気と2番人気で1、2着を占めたのが、3回ある。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 2-3-1-4 20.0% 50.0% 60.0%
2 2-2-1-5 20.0% 40.0% 50.0%
3 1-2-0-7 10.0% 30.0% 30.0%
4 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
5 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
6 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
7 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
8 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
9 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
10~ 1-0-2-72 1.3% 1.3% 4.0%

Check21着は関東馬を狙うべし

 重賞レースは栗東所属の関西馬が強いケースがほとんどだが、このレースはひと味違う。勝ち馬7頭が美浦所属の関東馬で、比較的健闘している。また、1番人気で馬券圏外に敗れたのは11年4着のサダムパテック、09年4着のアドマイヤメジャー、06年6着のフサイチジャンク、03年4着のマイジョーカーと、いずれも関西馬だ。

【所属別の成績(過去10年)】
所属 成績 勝率 連対率 複勝率
美浦 7-5-6-97 6.1% 10.4% 15.7%
栗東 2-5-4-36 4.3% 14.9% 23.4%
地方 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%

Check3ラジオNIKKEI賞の連対馬が強い

 ステップレースは大きく分けるとダービー、ラジオNIKKEI賞、条件戦の3パターン。ダービー組は8頭好走馬を出しており、ダービーの着順は4~13着と不問。条件戦組は、好走馬11頭の前走の着順は【5.3.2.1】で、2or3着でも問題ない。 ラジオNIKKEI賞組で好走した5頭に共通するのは、前走連対していること。ラジオNIKKEI賞3着以下から巻き返した馬はいない。

【主な前走のレース別成績(過去10年)】
前走 成績 勝率 連対率 複勝率
ダービー 3-3-2-15 13.0% 26.1% 34.8%
ラジオNIKKEI賞 3-0-2-14 15.8% 15.8% 26.3%
1000万下(特別含む) 1-4-2-40 2.1% 10.6% 14.9%
500万下(特別含む) 1-0-2-41 2.3% 2.3% 6.8%
北海優駿 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
京王杯2歳S 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
札幌記念 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
ラジオNIKKEI杯2歳S 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
1600万下 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
プリンシパルS 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
新潟記念 0-0-1-1 0.0% 0.0% 50.0%
【前走ラジオNIKKEI賞組の成績(過去10年)】
日付 馬名 人気 着順 前走人気 前走着順
03 ヴィータローザ 3 1 2 1
07 ロックドゥカンブ 1 1 2 1
08 ノットアローン 5 3 6 2
10 クォークスター 4 1 2 2
アロマカフェ 2 3 3 1

Check4追い込み馬は不発

 最後の直線が短い中山の芝2200mは、追い込み馬にとって厳しいコースだ。4コーナーを10番手以下で通過した馬は【1.1.0.60】と散々な結果になっている。また、7~9番手でも【0.1.3.27】と苦戦傾向にある。逃げ馬は【1.2.0.7】とあまり成績がよくなく、その直後の2~6番手ぐらいにつけられる自在性のあるタイプを狙いたい

【4コーナー通過別成績(過去10年)】
4角位置 成績 勝率 連対率 複勝率
1番手 1-2-0-7 10.0% 30.0% 30.0%
2番手 1-1-4-6 8.3% 16.7% 50.0%
3番手 4-3-2-13 18.2% 31.8% 40.9%
4~6番手 3-2-1-18 12.5% 20.8% 25.0%
7~9番手 0-1-3-27 0.0% 3.2% 12.9%
10番手以下 1-1-0-60 1.6% 3.2% 3.2%