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第48回 新潟記念(G3)

9月2日(日)新潟競馬場 芝2000m

 夏の新潟競馬における名物重賞レース・新潟記念。長く8月末の施行で定着していたが、今年は新潟2歳Sと開催週が入れ替わり、夏の開催を締めくくる一戦となった。ハンデキャップのG3競走で超一流馬の参戦こそ見られないものの、同じ左回りの同距離で行われる秋の天皇賞を視野に入れた馬の参戦も見られる。そんな中から98年には、オフサイドトラップがこのレースと秋の天皇賞を連勝した。また、06年からはサマー2000シリーズの最終戦に指定され、一昨年のナリタクリスタルなど3頭が、このレースを制してシリーズの王者に輝いている。今年はこのレースの1週繰り下げに加え、秋の開幕週に行われていた朝日チャレンジCが12月に移動した影響もありそうだが、過去10年の傾向を振り返ってみたい。
2011年9月新潟記念(G3)

写真:競馬ブック

Check11番人気が10連敗、ヒモ荒れにも要注意

 1番人気は【0.2.0.8】で10連敗中。7年連続で馬券圏内も外している。95~01年は【5.1.0.1】の好成績を収めていたものの、さらに前の84~94年にも11連敗を喫しており、1番人気の信頼性は高くないレースだ。過去10年の1番人気馬を見ると、単勝で4倍以上だった馬は2頭だけ。一見、そこそこ信頼できそうに思える馬でも過信は禁物である。ただ、1番人気こそ不振でも勝ち馬10頭中8頭が5番人気以内と、他の上位人気はまずまずの成績。その一方で2~3着は、20頭中12頭が6番人気以下。人気馬が勝つにしても、ヒモ荒れの可能性は十分にある。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
2 2-1-0-7 20.0% 30.0% 30.0%
3 3-0-1-6 30.0% 30.0% 40.0%
4 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
5 3-1-0-6 30.0% 40.0% 40.0%
6 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
7 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
8 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
9 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
10 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
11~ 1-0-2-53 1.8% 1.8% 5.4%
【1番人気馬の成績と単勝オッズ(過去10年)】
馬名 着順 単オッズ
02 アグネススペシャル 2 3.8
03 エイシンハリマオー 12 4.0
04 レニングラード 2 1.9
05 ダイワレイダース 8 3.2
06 スウィフトカレント 4 3.4
07 アドマイヤモナーク 6 2.7
08 ダイシングロウ 18 2.9
09 アルコセニョーラ 5 6.3
10 スマートギア 6 3.1
11 タッチミーノット 4 3.6

Check2開催後半でも先行馬の軽視は禁物

 直線の長い新潟外回りの2000m。そして開催後半というと「外差し」と思いがちだが、競馬道GT8による脚質成績を見ると、先行した馬が10年で半数の5勝を挙げている。2~3着には差し馬が多いが、差し馬ばかりに注目してしまうのは危険だ。また、過去10年で3コーナー4番手以内の馬は6回連対しており、そのうち07年を除く5回ではもう1頭、3コーナー5番手以内の馬が3着以内に入っている。先行馬を軸に取る場合は、先行馬同士の馬連・馬単や、先行馬が2頭入った3連複・3連単を買い目に含めるのが得策だろう。

【脚質成績(過去10年)】
脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
先行 5-1-3-22 16.1% 19.4% 29.0%
差し 4-7-5-64 5.0% 13.8% 20.0%
追込 1-1-1-32 2.9% 5.7% 8.6%
【3角4番手以内の馬が連対した年の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 通過順
02 トーワトレジャー 2 1 2-3-3
アグネススペシャル 1 2 6-5-5
ダービーレグノ 9 3 10-8-8
04 スーパージーン 3 1 4-4-4
レニングラード 1 2 10-10-10
トーセンダンディ 6 3 3-3-3
07 ユメノシルシ 2 1 2-2-3
トウショウヴォイス 10 2 15-13-13
ヤマニンアラバスタ 7 3 12-11-11
09 ホッコーパドゥシャ 5 1 6-6-7
サンライズベガ 6 2 3-2-3
メイショウレガーロ 12 3 1-1-1
10 ナリタクリスタル 5 1 3-3-3
トウショウシロッコ 10 2 11-9-9
サンライズベガ 4 3 3-3-3
11 ナリタクリスタル 5 1 2-2-2
サンライズベガ 9 2 1-1-1
セイクリッドバレー 3 3 5-8-8

Check34歳牝馬には要警戒

 性齢別の成績では、出走数は少ないものの4歳牝馬が【2.1.0.4】で連対率42.9%。今年はマイネイサベル1頭しか登録がないが、昨秋には同コースの福島記念3着があるだけに警戒したい。牡・セン馬は5歳馬が【3.6.5.24】で連対率23.7%、複勝率36.8%の好成績。やや勝ち切れない感もあるものの、特に3連複を中心に買われる方なら軸には最適だ。

【性齢別成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン 3歳 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 2-1-1-12 12.5% 18.8% 25.0%
5歳 3-6-5-24 7.9% 23.7% 36.8%
6歳 1-0-3-31 2.9% 2.9% 11.4%
7歳上 1-2-0-38 2.8% 8.3% 8.3%
牝馬 3歳 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 2-1-0-4 28.6% 42.9% 42.9%
5歳 1-0-0-12 7.7% 7.7% 7.7%
6歳 0-0-1-4 0.0% 0.0% 20.0%
7歳上 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%

Check43枠が好成績、近3年は複勝率100%

 開催終盤で内の馬場が荒れて外枠有利という発想にもなりやすいが、過去10年8枠は【1.0.1.24】連対率3.8%止まり。2枠【0.0.0.17】に次いで好走馬の出づらい枠になっている。対して成績が良いのは3枠【3.3.4.7】で、連対率35.3%、そして複勝率はなんと58.8%。特にここ3年は、09年がホッコーパドゥシャとサンライズベガが1、2着、10年はトウショウシロッコとサンライズベガが2、3着、そして3枠1頭だった昨年はセイクリッドバレーが3着と、5頭がすべて馬券に絡んでいる

【枠番別成績(過去10年)】
成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-1-2-11 6.7% 13.3% 26.7%
2 0-0-0-17 0.0% 0.0% 0.0%
3 3-3-4-7 17.6% 35.3% 58.8%
4 1-3-1-13 5.6% 22.2% 27.8%
5 2-0-1-16 10.5% 10.5% 15.8%
6 2-0-1-16 10.5% 10.5% 15.8%
7 0-3-0-22 0.0% 12.0% 12.0%
8 1-0-1-24 3.8% 3.8% 7.7%

第47回 札幌2歳ステークス(G3)

9月1日(土) 札幌 芝1800m

 距離が芝1800mに変更されてた97年以降、翌年のクラシックや、中長距離のG1を狙う素質馬が数多く出走するようになった重賞レース、札幌2歳S。歴代の勝ち馬では、ジャングルポケット(00年)がダービーとジャパンカップ、アドマイヤムーン(05年)がドバイ・デューティ・フリーと宝塚記念、ジャパンカップ、ロジユニヴァース(08年)がダービーを制している。また、ヤマニンシュクル(03年)、スズカマンボ(03年)、マツリダゴッホ(05年)、アヴェンチュラ(10年)などは、このレースは勝てなかったが、後にG1馬となっている。昨年2着のゴールドシップは皐月賞馬となった。果たして今年も将来の大レースを勝つ馬が出走するのか。過去10年のデータを検証する。
2011年9月札幌2歳S(G3)

写真:競馬ブック

Check11番人気から上位人気へと手堅く攻めたい

 1番人気は【4.2.2.2】とハイアベレージで、複勝率8割を誇る。2~6番人気の複勝率は50~20%でほぼ人気通り。9番人気以下は51頭中3着以内がわずか2頭と苦戦傾向にある。1番人気を軸にして、相手を2~6番人気あたりにするのがよい。

【人気別の成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 4-2-2-2 40.0% 60.0% 80.0%
2 1-2-2-5 10.0% 30.0% 50.0%
3 2-1-1-6 20.0% 30.0% 40.0%
4 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
5 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
6 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
7 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
8 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
9 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
10 1-0-0-8 11.1% 11.1% 11.1%
11~ 0-0-1-31 0.0% 0.0% 3.1%

Check2クローバー賞の勝ち馬が強い

 前走のレース別では出走数では新馬と未勝利が多い。好走確率ではオープン特別のクローバー賞が【2.0.4.9】で複勝率40%、同じくオープン特別のコスモス賞が【2.3.2.15】で複勝率31%と高い。クローバー賞の勝ち馬は【2.0.4.3】と安定しているのに対して、コスモス賞の勝ち馬は【1.2.1.3】とイマイチ

【前走のレース別成績(過去10年)】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
未勝利 4-2-1-24 12.9% 19.4% 22.6%
新馬 2-5-1-48 3.6% 12.5% 14.3%
コスモス賞 2-3-2-15 9.1% 22.7% 31.8%
クローバ賞 2-0-4-9 13.3% 13.3% 40.0%
函館2歳S 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
ジャングルポケット賞 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
500万下 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

Check3コスモス賞以外で前走負けていた馬は消し

 前走の着順別の成績は、かなりはっきりとした結果になった。前走1着が3着以内30頭中27頭を占め、残りは前走2着が2頭で、前走5着が1頭。つまり、前走3着以下から馬券圏内に巻き返した馬は、わずか1頭しかいない。また、前走負けて好走した3頭はいずれもコスモス賞組。それ以外のレースでは1着馬しか来ていない。

【前走の着順別成績(過去10年)】
前走着順 成績 勝率 連対率 複勝率
1着 9-9-9-79 8.5% 17.0% 25.5%
2着 1-1-0-6 12.5% 25.0% 25.0%
3着 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%
4着 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
5着 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
6~9着 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%
10着~ 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%

Check4前走札幌組が圧倒的

 前走の競馬場別成績では、この札幌2歳Sが行われる札幌競馬場がダントツだ。【9.9.8.81】と好走馬のほとんどを占めている。札幌競馬場以外で好走したのは阪神が2頭、函館が1頭、新潟が1頭。前走札幌以外を使い連対した馬はロジユニヴァース(08年1着)とアヴェンチュラ(10年2着)のみ。いずれも後にG1を勝利している。つまり、前走札幌以外を使い、このレースで連対するのは相当強くないと難しい。

【前走の競馬場別成績(過去10年)】
前走場所 成績 勝率 連対率 複勝率
札幌 9-9-8-81 8.4% 16.8% 24.3%
函館 0-0-1-10 0.0% 0.0% 9.1%
福島 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
新潟 0-0-1-4 0.0% 0.0% 20.0%
中山 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
阪神 1-1-0-2 25.0% 50.0% 50.0%
地方 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

第32回 小倉2歳ステークス(G3)

9月2日(日) 小倉競馬場 芝1200m

 夏の小倉開催を締めくくる重賞レース、小倉2歳ステークス。距離1200mで行われるため、スピード自慢の快速馬が数多く出走する。最近の勝ち馬からは、01年のタムロチェリーが阪神ジュベナイルフィリーズを勝利したほか、03年のメイショウボーラーが古馬になってからフェブラリーSを制覇、06年のアストンマーチャンがスプリンターズSを勝つなど、のちのG1馬を多く輩出している。そんな小倉2歳ステークスの傾向を、過去10年のデータから探っていく。
2011年9月小倉2歳S(G3)

写真:競馬ブック

Check31~5番人気が強いが波乱の可能性も

 1番人気は【2.1.3.4】と微妙な数字だが、2~5番人気も似たような成績で、上位人気は互角。ここ2年の連対馬は1、2番人気。ただ、2桁人気が2勝しており、大穴の一発にも警戒したい。また、3着以内の馬の前走人気はすべてが1~4番人気。前走期待されなかった馬が好走する可能性は低い。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 2-1-3-4 20.0% 30.0% 60.0%
2 3-1-0-6 30.0% 40.0% 40.0%
3 2-1-1-6 20.0% 30.0% 40.0%
4 1-0-3-6 10.0% 10.0% 40.0%
5 1-4-0-5 10.0% 50.0% 50.0%
6 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
7 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
8 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
9 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
10 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
11~ 0-0-1-45 0.0% 0.0% 2.2%

Check2外枠が圧倒的に強い

 開催の最後の週に行われるため、この時期はコースの内側が荒れている。馬場の良い外よりのコースを確保しやすい外枠の馬が好走する傾向にある。7枠は【4.3.1.11】で複勝率が42.1%と高く、6、8枠の成績もよい。それ以外では最内の1枠が【1.1.2.9】で複勝率30.8%と健闘している。

【枠番別の成績(過去10年)】
枠番 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 1-1-2-9 7.7% 15.4% 30.8%
2枠 0-0-1-15 0.0% 0.0% 6.3%
3枠 1-1-0-15 5.9% 11.8% 11.8%
4枠 1-0-1-17 5.3% 5.3% 10.5%
5枠 1-0-2-17 5.0% 5.0% 15.0%
6枠 1-2-1-16 5.0% 15.0% 20.0%
7枠 4-3-1-11 21.1% 36.8% 42.1%
8枠 1-3-2-16 4.5% 18.2% 27.3%

Check3未勝利とフェニックス賞組が狙い目

 デビューして間もない2歳馬による重賞のため、新馬勝ちをした素質馬が好成績を残していそうな小倉2歳S。だが、結果はまったく異なる。前走が新馬戦だったのは【1.5.3.47】でわずかに1頭しか勝っていない。それに対して未勝利組は【6.2.3.38】と好成績を残している。さらに同じ小倉の芝1200mで行われるオープン特別のフェニックス賞も【3.2.3.16】で複勝率33%と高い数字を残している。

【前走のレース別成績(過去10年)】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
未勝利 6-2-3-38 12.2% 16.3% 22.4%
フェニックス賞 3-2-3-16 12.5% 20.8% 33.3%
新馬 1-5-3-47 1.8% 10.7% 16.1%
ひまわり賞 0-1-0-8 0.0% 11.1% 11.1%
マリーゴールド賞 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
ダリア賞 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
アタックCh 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

Check4勝ち馬はデビュー3戦目

 キャリア別の成績では、デビューから2戦してこの小倉2歳Sに臨むのがもっともよい。デビューから2戦して小倉2歳Sを迎えた馬は過去10年で8勝と最多。新馬を勝ってこのレースに挑んだキャリア1戦の馬は【1.4.3.44】とイマイチ。また、キャリア3戦以上の馬は使いすぎのためか、苦戦する傾向にある。

【キャリア別の成績(過去10年)】
キャリア 成績 勝率 連対率 複勝率
1戦 1-4-3-44 1.9% 9.6% 15.4%
2戦 8-4-3-44 13.6% 20.3% 25.4%
3戦 1-2-2-23 3.6% 10.7% 17.9%
4戦 0-0-2-4 0.0% 0.0% 33.3%
5戦 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%