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第32回 新潟2歳S(G3)

8月26日(日)新潟競馬場 芝1600m

 夏の新潟2歳王者を決める重賞レース・新潟2歳S。以前は西の小倉2歳Sと同様に、夏の新潟開催の締めくくりの2歳重賞として芝1200mで行われていた。しかし97年に芝1400m、そして02年には芝1600mに距離を延長。さらに、今年は新潟記念と施行時期を入れ替えて、従来より1週早く行われる。
 小倉2歳Sにはスプリンター色の強い馬が多く参戦するのに対し、こちらは翌年のクラシックなど中~長距離路線も視野に入る馬の参戦が多くなっている。07年の優勝馬・エフティマイアは翌年の桜花賞、オークスで2着。そして08年のセイウンワンダーは朝日杯を制した後、皐月賞・菊花賞で3着に好走。また、結果こそ出なかったが昨年の1、2着馬・モンストールジャスタウェイは揃ってダービーまで駒を進めている。そんな新潟2歳Sの過去10年の傾向を振り返ってみたい。
2011年9月セントウルステークス(G2)

写真:競馬ブック

Check1単勝4倍未満は安定、人気薄にも警戒を

 1番人気は【5.1.2.2】連対率60.0%の好成績で、2番人気も【1.2.1.6】で複勝率60.0%とまずまず。単勝オッズでは4倍未満の馬は【6.3.2.1】と非常に安定しており、1番人気はもちろん、2番人気でも3倍台なら【1.2.0.1】。04年6着のインティライミ以外は馬券圏内を確保している。
 その一方で、5番人気あたりからの中位人気馬は不振で、5~9番人気は【1.1.4.44】連対率4.0%止まり。さらに下の10番人気以下は【0.5.1.72】で連対率6.4%を記録しており、穴馬を買うなら中途半端な穴ではなく、かなり人気薄のゾーンを狙ってみるのがおもしろそうだ。単勝オッズでは30倍以上100倍未満が【0.5.2.52】。単勝万馬券にまでなると【0.0.0.25】と苦しい。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 5-1-2-2 50.0% 60.0% 80.0%
2 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
3 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
4 3-0-1-6 30.0% 30.0% 40.0%
5 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
6 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
7 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
8 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
9 1-0-2-7 10.0% 10.0% 30.0%
10 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
11~ 0-4-0-64 0.0% 5.9% 5.9%
【単勝オッズ別成績(過去10年)】
単オッズ 成績 勝率 連対率 複勝率
1.5~1.9 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
2.0~2.9 2-0-2-0 50.0% 50.0% 100.0%
3.0~3.9 4-2-0-1 57.1% 85.7% 85.7%
4.0~4.9 0-0-1-4 0.0% 0.0% 20.0%
5.0~6.9 1-1-2-9 7.7% 15.4% 30.8%
7.0~9.9 1-0-1-11 7.7% 7.7% 15.4%
10.0~14.9 1-0-0-8 11.1% 11.1% 11.1%
15.0~19.9 0-1-1-13 0.0% 6.7% 13.3%
20.0~29.9 1-0-1-15 5.9% 5.9% 11.8%
30.0~49.9 0-2-2-28 0.0% 6.3% 12.5%
50.0~99.9 0-3-0-24 0.0% 11.1% 11.1%
100.0~ 0-0-0-25 0.0% 0.0% 0.0%

Check2牡牝ほぼ互角、牝馬のマイナス体重は危険

 夏の重賞、特に短距離や2歳戦というと牝馬に注目したくなるが、このレースは牡馬【6.5.7.74】連対率12.0%に対し、牝馬【4.5.3.64】同11.8%とほぼ互角。複勝率では牡馬19.6%、牝馬15.8%と、やや牡馬優勢だ
 牝馬の好走馬を見ると、3着以内に入った12頭中11頭は馬体重440キロ以上で、小型馬は07年2着のシャランジュ(418キロ)のみ。また、前走からマイナス体重だったのは09年3着のクロフォードだけで、その他は増減なしかプラス体重の馬だった。牝馬を買うなら、小型馬や馬体減の馬は避けたい。なお、牡馬はマイナス体重でも1勝、2着2回、3着1回と4頭が好走している。

【性別成績(過去10年)】
性別 成績 勝率 連対率 複勝率
6-5-7-74 6.5% 12.0% 19.6%
4-5-3-64 5.3% 11.8% 15.8%
【牝馬の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 馬体重 増減
02 ワナ 4 1 460 +10
03 ウイングレット 2 2 452 0
04 ショウナンパントル 3 2 446 +10
05 ニシノフジムスメ 2 2 472 +4
コスモミール 3 3 444 +8
06 マイネルーチェ 11 2 450 0
07 エフティマイア 4 1 440 +6
シャランジュ 16 2 418 0
09 シンメイフジ 1 1 452 0
クロフォード 2 3 446 -6
10 マイネイサベル 9 1 450 0
11 クイーンアルタミラ 9 3 460 +2

Check3前走新潟1600m出走馬は勝ち切れず

 2歳夏のマイル重賞だけに、距離適性の見極めも予想の大きなポイントとなる。しかし、前走も同じ新潟芝1600mに出走していた馬は、【1.5.2.19】と好走馬8頭中7頭が2~3着。距離実績に加えて、コース実績もあるとなればつい手を出したくなる馬も多いが、このタイプを1着候補として狙うのは少々危険。ただ、人気薄の好走馬も多い上、複勝率29.6%なら相手候補としてはおもしろい存在になる。なお、前走1700m以上の出走馬は【0.0.2.22】。冒頭で触れたように将来は中~長距離で活躍する好走馬もいるが、前走からの距離短縮馬は今ひとつの結果に終わっている

【前走新潟芝1600m出走の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走
02 ヨシサイバーダイン 6 2 新馬(3戦目)1着
04 ショウナンパントル 3 2 新馬1着
スムースバリトン 8 3 未勝利1着
06 ゴールドアグリ 2 1 新馬1着
マイネルーチェ 11 2 新馬1着
09 フローライゼ 15 2 新馬1着
10 レッドセインツ 5 3 新馬1着
11 ジャスタウェイ 1 2 新馬1着

Check4キャリアは2戦以下が中心

 過去10年の好走馬はすべてキャリア3戦以下で、キャリア3戦も【0.1.3.20】と連対馬は1頭しか出ていない。そのキャリア3戦の好走馬4頭を見ると、そのうち3頭は前走オープン(ダリア賞)優勝馬だった。今年のダリア賞を制したエイシンラトゥナは新馬からの連勝でキャリア2戦。今年もキャリア1~2戦の馬が中心の争いになりそうだ

【キャリア3戦以上の好走馬】
馬名 人気 着順 3走前 前々走 前走
02 ヨシサイバーダイン 6 2 新馬4着 新馬3着 新馬1着
マルロス 1 3 新馬4着 新馬1着 ダリア賞1着
05 コスモミール 3 3 新馬1着 マリーゴールド賞1着 ダリア賞1着
06 マイネルレーニア 1 3 新馬10着 未勝利1着 ダリア賞1着

第7回 キーンランドカップ(G3)

8月26日(日) 札幌競馬場 芝1200m

 今年で7回目を迎える重賞レース、キーンランドカップ。歴史は浅いが、サマースプリントシリーズの第5戦として行われることに加え、約1カ月後に行われるスプリンターズS(G1)の前哨戦として出走する馬も多く、毎年ハイレベルなレースが繰り広げられている。昨年の勝ち馬カレンチャンは、続くスプリンターズSも制覇。08、09年のビービーガルダン、08年のキンシャサノキセキ、11年のパドトロワなどが、このレースとスプリンターズSを共に好走している。過去6年のレースのデータを振り返り、今年の傾向を探る
2011年9月キーンランドC(G3)

写真:競馬ブック

Check11、2番人気が中心

 1番人気と2番人気が強く、馬券圏内18頭中9頭を占めている。ただしワンツーは1度もなく、馬連はガチガチではない。2桁人気は2頭馬券に絡んでおり(08年16番人気1着タニノマティーニ、09年13番人気ドラゴンウェルズ)意外な大穴の可能性もある。

【人気別の成績(過去6年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-1-2-2 16.7% 33.3% 66.7%
2 2-2-1-1 33.3% 66.7% 83.3%
3 0-0-1-5 0.0% 0.0% 16.7%
4 2-0-1-3 33.3% 33.3% 50.0%
5 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
6 0-2-0-4 0.0% 33.3% 33.3%
7 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
8 0-0-1-5 0.0% 0.0% 16.7%
9 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
10~ 1-1-0-39 2.4% 4.9% 4.9%

Check23歳牝馬と6歳牝馬が好成績

 夏の重賞らしく、牝馬の成績がよい。牡・セン馬が【2.4.3.57】に対して、牝馬は【4.2.3.20】勝率、連対率、複勝率、すべてにおいて牝馬のダブルスコアだ。牝馬で中では【1.2.0.4】の6歳と【1.0.1.2】の3歳が好走確率が高い。一方、牡馬は3歳が5頭出走してすべてが馬券圏外と不振だ

【性齢別の成績(過去6年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン 3歳 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 0-1-1-5 0.0% 14.3% 28.6%
5歳 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
6歳 0-2-1-22 0.0% 8.0% 12.0%
7歳上 1-1-0-17 5.3% 10.5% 10.5%
2-4-3-57 3.0% 9.1% 13.6%
3歳 1-0-1-2 25.0% 25.0% 50.0%
4歳 2-0-0-5 28.6% 28.6% 28.6%
5歳 0-0-2-6 0.0% 0.0% 25.0%
6歳 1-2-0-4 14.3% 42.9% 42.9%
7歳上 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
4-2-3-20 13.8% 20.7% 31.0%

Check3函館スプリントS組の人気馬が強い

 前走は、函館スプリントS、UHB杯、アイビスサマーダッシュの3レースが多い。最も好走馬が多いのは【2.2.4.14】の函館スプリントSで、毎年好走馬を輩出している。函館スプリントS組で3着に入った8頭は、すべて1~3番人気。キーンランドSで4番人気以下の函館スプリントS組は、好走馬がいない。

【主な前走のレース別成績(過去6年)】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
函館スプリントS 2-2-4-14 9.1% 18.2% 36.4%
UHB杯 1-1-1-25 3.6% 7.1% 10.7%
アイビスサマーダッシュ 1-1-0-10 8.3% 16.7% 16.7%
マイラーズC 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
クイーンS 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
安田記念 0-1-0-3 0.0% 25.0% 25.0%
札幌日刊スポーツ賞 0-1-0-2 0.0% 33.3% 33.3%
CBC賞 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%

Check4前走掲示板組を素直に信頼

 前走の着順別成績も重要だ。前走1~5着馬が【5.5.5.39】なのに対して、前走6着以下は【1.1.1.38】。前走掲示板を外した馬の一変は難しいようだ。前走大敗馬が巻き返したのは、09、11年のビービーガルダンと、10年のベストロケーション。ここ3年は前走大敗馬が1頭ずつ馬券に絡んでおり、傾向が変わってきている。

【前走の着順別の成績(過去6年)】
前走着順 成績 勝率 連対率 複勝率
前走1着 2-2-4-13 9.5% 19.0% 38.1%
前走2着 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
前走3着 1-0-0-4 20.0% 20.0% 20.0%
前走4着 0-0-1-7 0.0% 0.0% 12.5%
前走5着 2-1-0-7 20.0% 30.0% 30.0%
前走6~9着 1-0-0-14 6.7% 6.7% 6.7%
前走10着~ 0-1-1-24 0.0% 3.8% 7.7%

第17回 エルムステークス(G3)

8月25日(土) 札幌競馬場 ダ1700m

 北の大地を舞台に、ダートの猛者たちが集結して激しいレースを繰り広げる重賞レース、エルムS。「エルム」とはニレ属の総称で、北海道では公園や街路に植えられている。03年のアドマイヤドン、04、05年を連覇したパーソナルラッシュなど、個性的なダート馬が勝利している。昨年までは9月中旬に行われていたが、今年から約3週間ほど早く開催される。果たして、今年はどの馬が制するのか。過去10年のデータを検証しながら、レースの傾向を占う。
2011年9月エルムS(G3)

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Check3無謀な穴狙いは禁物

 1番人気は【3.1.2.4】と平均的。2番人気は【4.0.1.5】とまずまずで、上位人気がわりと強い。1~3番人気がそろって連対を外した06年の1回だけ。11番人気以下は29頭全滅で、人気薄の大駆けに期待するのは難しい

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 3-1-2-4 30.0% 40.0% 60.0%
2 4-0-1-5 40.0% 40.0% 50.0%
3 1-1-2-6 10.0% 20.0% 40.0%
4 0-3-0-7 0.0% 30.0% 30.0%
5 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
6 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
7 0-2-1-7 0.0% 20.0% 30.0%
8 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
9 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
10 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
11~ 0-0-0-29 0.0% 0.0% 0.0%

Check257、58キロは苦戦傾向

 56キロがベースとなる別定戦で、重賞で好走すると斤量が増えるこのレース。56キロの複勝率25.4%に対して、57キロは11.5%、58キロは16.7%と苦戦している。ただし、G1馬が背負う59キロは【2.1.0.3】と底力を披露している。なお牝馬は【1.0.0.5】とあまり出走してない。

【斤量別成績(過去10年)】
斤量 成績 勝率 連対率 複勝率
53kg 1-1-0-6 12.5% 25.0% 25.0%
54kg 0-0-1-4 0.0% 0.0% 20.0%
55kg 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
56kg 3-8-7-50 4.4% 16.2% 26.5%
57kg 2-1-1-23 7.4% 11.1% 14.8%
58kg 1-0-1-10 8.3% 8.3% 16.7%
59kg 2-0-0-4 33.3% 33.3% 33.3%

Check33~5歳馬が中心

 ダート重賞は比較的ベテラン勢が強いイメージがあるが、このレースに限っては違うようだ。3~5歳が複勝率が30%前後と高いのに対して、6歳は19.4%、7歳以上は7.7%と高齢になるほど苦戦している。3歳馬は出走数は少ないが、04年1着のパーソナルラッシュ、07年2着のマコトスパルビエロ、07年3着のロングプライドと3頭も好走馬を輩出している。

【年齢別の成績(過去10年)】
年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
3歳 1-1-1-6 11.1% 22.2% 33.3%
4歳 4-1-3-19 14.8% 18.5% 29.6%
5歳 4-5-2-25 11.1% 25.0% 30.6%
6歳 1-1-4-25 3.2% 6.5% 19.4%
7歳以上 0-2-0-24 0.0% 7.7% 7.7%

Check4自分から動ける馬が強い

 札幌のダート1700mはスタートから1コーナーまでが短く、最後の直線も短いため、前で競馬をした馬が好成績を残している。ただし、純粋に逃げて好走した例は02年2着のスマートボーイ、10、11年3着のエーシンモアオーバーのみ。ほかの馬は、早めに仕掛けて4コーナーの時点で先頭に踊り出たり、2、3番手に進出している。それなりに前で競馬できる器用さと、自ら動ける実力を兼ね備えたタイプを狙いたい。4コーナーで7番手以下から差してきた馬は2頭しかおらず、追い込み馬の台頭はほぼ絶望的だ

【4コーナー通過別成績(過去10年)】
4角位置 成績 勝率 連対率 複勝率
1番手 2-3-3-2 20.0% 50.0% 80.0%
2番手 3-3-2-7 20.0% 40.0% 53.3%
3番手 2-1-0-6 22.2% 33.3% 33.3%
4~6番手 3-3-3-20 10.3% 20.7% 31.0%
7~9番手 0-0-2-35 0.0% 0.0% 5.4%
10番手以下 0-0-0-29 0.0% 0.0% 0.0%