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第48回 小倉記念(G3)

8月5日(日)小倉競馬場 芝2000m

 夏の小倉競馬の名物重賞レース。以前は開催の終盤、夏の終わりに行われていたが、徐々に施行時期が繰り上がり、06年以降は7月末から8月初旬へに行われていた。今年は開催日程の変更もあり、従来から1週遅れて8月5日に行われる。
 08年には前々年の朝日杯の覇者・ドリームジャーニーが優勝し、翌年にはグランプリ連覇を達成した例もあるが、真夏のハンデ重賞ということもあって、G1級の馬が出走する例は少ない。その一方で、06年からはじまったサマー2000シリーズでは、そのカギを握る重要な一戦となっており、過去6回の王者のうち5頭はこのレースでポイントを獲得。06年のスウィフトカレントと、昨年のイタリアンレッドはこのレースを制して、最終的にシリーズのチャンピオンに輝いている。そんな小倉記念の過去の傾向を分析してみよう。
2011年8月小倉記念(G3)

写真:競馬ブック

Check1近年は人気薄の好走多し

 1番人気【2.3.1.4】、2番人気【1.2.0.7】と過去10年の1~2番人気はまずまずの成績。しかし、近年は人気馬の凡走、人気薄の好走が増え、06年以降の1~2番人気は【1.2.1.8】連対率25.0%にとどまる。また、7番人気以下を見ると、過去10年のうち02~05年は【0.0.2.26】、06年以降は【2.3.5.47】。そして06年以降は9番人気以下の馬が毎年1頭以上は馬券圏内に食い込んでいる。05年までは芝1800mの北九州記念からこの小倉記念へというステップを踏む馬も多かったが、06年にその北九州記念が1200mに変更され、このレースの結果にも影響を及ぼしている可能性がある。他のデータも、過去10年より「06年以降」を重視したい

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率 06年~
1 2-3-1-4 20.0% 50.0% 60.0% 0-2-1-3
2 1-2-0-7 10.0% 30.0% 30.0% 1-0-0-5
3 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0% 0-0-0-6
4 3-1-0-6 30.0% 40.0% 40.0% 2-1-0-3
5 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0% 0-0-0-6
6 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0% 1-0-0-5
7 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0% 0-2-0-4
8 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0% 0-0-1-5
9 1-0-3-6 10.0% 10.0% 40.0% 1-0-2-3
10 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0% 0-0-1-5
11~ 1-1-1-42 2.2% 4.4% 6.7% 1-1-1-30
【1~3着馬の人気と主な配当(過去10年)】
02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
1着人気 5 4 1 1 4 6 2 16 9 4
2着人気 6 1 2 2 7 7 1 1 4 15
3着人気 3 9 8 3 9 10 11 9 1 8
馬連 3800 1670 390 670 9570 4110 830 23030 8960 30360
3連複 5910 14230 3960 900 205630 42110 16780 130710 15830 132800
3連単 3170 1014630 223190 65740 978500 124130 870370

Check255~57キロが好成績

 ハンデ別では優勝馬10頭中7頭が55~57キロ。特に06年以降は連対馬12頭中10頭がこの55~57キロと、好走馬に偏りが出てきている。51キロ以下は過去10年好走がなく、52~53キロも10年で【2.0.5.25】と好走しても3着止まりが多い。なお、昨年は上位3頭すべて55キロ(優勝馬イタリアンレッドは牝馬)だった。

【ハンデ別成績(過去10年)】
斤量 成績 勝率 連対率 複勝率 06年~
~51kg台 0-0-0-13 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-7
52kg台 1-0-2-9 8.3% 8.3% 25.0% 0-0-2-5
53kg台 1-0-3-16 5.0% 5.0% 20.0% 1-0-1-8
54kg台 0-4-2-21 0.0% 14.8% 22.2% 0-1-1-10
55kg台 3-1-1-24 10.3% 13.8% 17.2% 3-1-1-21
56kg台 2-2-1-17 9.1% 18.2% 22.7% 1-2-0-12
57kg台 2-3-1-11 11.8% 29.4% 35.3% 1-2-1-9
58kg台 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3% 0-0-0-1
59kg台 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-2

Check3開幕2週目でも差し馬に注目

 開催日程の変更などもあるが、06年以降は開幕週(昨年)か3週目(06~10年)に、7月29日~8月3日に行われていた。その各レース上位馬のコーナー通過順を見ると、3コーナーを3番手以内で通過していたのは、07年3着のアラタマサモンズ、昨年3着のリクエストソング2頭のみ。連対馬はすべて3コーナー4番手以下で、レース前半は10番手以下で進めた馬の好走も目立つ。夏の小倉開幕週に行われた昨年も、勝ったイタリアンレッドが14-6-8-6、2着のキタサンアミーゴが12-11-11-9。馬場状態が良く、レコード決着だった昨年のように好タイムが記録される年も多いが、スピードで押し切るのは難しいレースになっている。今年は開催2週目になったが、ここ6年と同様の傾向になることが予想される。

【1~3着馬の通過順(過去6年)】
年月日 開催 馬名 着順 通過順 位置
06.7.30 3週目 スウィフトカレント 1 12-13-12-8 最内
ヴィータローザ 2 11-11-6-2
ニホンピロキース 3 12-12-12-8 大外
07.7.29 3週目 サンレイジャスパー 1 6-6-6-7
ニホンピロキース 2 3-3-4-3
アラタマサモンズ 3 1-2-2-2
08.8.3 3週目 ドリームジャーニー 1 13-12-12-3 大外
ダイシングロウ 2 11-10-5-1
ケンブリッジレーザ 3 13-15-15-11 大外
09.8.2 3週目 ダンスアジョイ 1 17-16-8-11
ホッコーパドゥシャ 2 9-11-8-8
クラウンプリンセス 3 6-8-6-4
10.8.1 3週目 ニホンピロレガーロ 1 8-7-5-3
バトルバニヤン 2 8-8-5-3
スマートギア 3 16-16-16-11
11.7.31 開幕週 イタリアンレッド 1 14-6-8-6 大外
キタサンアミーゴ 2 12-11-11-9
リクエストソング 3 3-3-3-3

Check4休養明けの人気薄を警戒

 好走馬について前走とのレース間隔を見ると、近年は休養明けの馬が好成績を残しており、【2.2.0.8】で連対率33.3%。休養明けは割り引いて考えられがちで、該当馬12頭の平均人気は9.9、そして連対馬の平均人気は8.8と人気薄が多いにも関わらず高連対率を残しているのが特徴だ。一昨年は9番人気のニホンピロレガーロが優勝、そして昨年は15番人気のキタサンアミーゴが2着。2頭とも春の新潟大賞典からの参戦だった。
 また、今年はサマー2000シリーズ初戦・七夕賞からの参戦馬も多いが、七夕賞組は過去6年【1.3.0.23】。連対馬数こそ休養明けと同じだが、連対率は14.8%と休養明けより低く、好走しても勝ちきれない馬も多い

【休養明けの好走馬(過去6年)】
馬名 人気 着順 前走
06 スウィフトカレント 4 1 日経新春杯2着
ヴィータローザ 7 2 新潟大賞典12着
07 メイショウカイドウ 5 11 小倉記念(前年)6着
08 ニルヴァーナ 6 6 オアシスS16着
ピカレスクコート 14 11 マーチS15着
10 ニホンピロレガーロ 9 1 新潟大賞典3着
11 キタサンアミーゴ 15 2 新潟大賞典8着
ヤマニンキングリー 5 4 中日新聞杯11着
サンライズマックス 10 7 中京記念5着
ホッコーソレソレー 18 13 関屋記念(前年)17着
トーホウアラン 17 16 大阪杯12着
ホクトスルタン 9 17 札幌日経OP2着

第4回 レパードステークス

8月5日(日) 新潟競馬場 ダ1800m

 3歳ダート馬の出走機会を増やすことを目的に、09年に新設された3歳馬限定の重賞レース。第1回の優勝馬トランセンドはその後、ジャパンカップダートとフェブラリーSのG1を制覇し、10年3月のドバイワールドカップでは2着と健闘するなど、日本競馬のダート界の頂点に君臨している。一昨年のミラクルレジェンド、昨年のボレアスと、その後の優勝馬もダート戦線で活躍している。今年でまだ4回目だが、過去3年のデータからレースの傾向を探ってみたい。
2011年8月レパードステークス(G3)

写真:競馬ブック

Check11、2番人気は信頼できる

 1番人気は【2.0.1.0】とほぼパーフェクト、2番人気も【1.1.0.1】とまずまずで、上位人気がわりと強い。過去3年連続で、1~3番人気が3着以内に2頭ずつ入っている。昨年は3着に12番人気のタナトスが入り、3連単は6万円を超える波乱となった。

【人気別成績(過去3年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 2-0-1-0 66.7% 66.7% 100.0%
2 1-1-0-1 33.3% 66.7% 66.7%
3 0-1-0-2 0.0% 33.3% 33.3%
4 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
5 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
6 0-1-0-2 0.0% 33.3% 33.3%
7 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
8 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
9 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
10~ 0-0-1-14 0.0% 0.0% 6.7%

Check2前走1000万下なら好走馬が買い

 前走の主力はジャパンダートダービーで【2.1.0.5】。それ以外では1000万下(特別含む)が【1.2.2.12】と好走馬が多い。条件戦でも500万下【0.0.0.7】や1600万下【0.0.0.2】は、全滅。前走1000万下で好走した馬は5頭おり、前走の着順は1~3着。4着以下からの巻き返しはない。

【主な前走のレース別成績(過去3年)】
前走 成績 勝率 連対率 複勝率
ジャパンDダービー 2-1-0-5 25.0% 37.5% 37.5%
麒麟山特別(1000万下) 1-1-0-2 25.0% 50.0% 50.0%
瀬波温泉特別(1000万下) 0-1-1-3 0.0% 20.0% 40.0%
鷹取特別(1000万下) 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
バルーンC 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%

Check3栗東所属馬が圧倒的

 所属別では、栗東が圧倒的【3.3.3.13】で複勝率は40%を超えている。一方、美浦は【0.0.0.20】と全滅。ただし、美浦所属馬で1~3番人気に支持されたのは10年のロンギングスター(3番人気4着)のみ。美浦所属馬はあまり期待されておらず、好走馬がないのも仕方ないともいえる。

【所属別のレース成績(過去3年)】
所属 成績 勝率 連対率 複勝率
美浦 0-0-0-20 0.0% 0.0% 0.0%
栗東 3-3-3-13 13.6% 27.3% 40.9%

Check3じっくり待機する馬が伸びる

 逃げ馬は【0.0.1.2】とイマイチ。実力馬が最も多そうな4コーナー2、3番手は【1.1.2.3】と勝ち切れていない。4コーナーを4~9番手で通過した馬が計4頭も馬券に絡んでおり、しかもすべて1、2着。勝ち負けになる馬は、中団で待機するケースが多い。10番手以降の追い込み馬は【0.0.0.15】と不発。

【4コーナー通過別成績(過去3年)】
4角位置 成績 勝率 連対率 複勝率
4角1番手 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
2番手 1-0-1-3 20.0% 20.0% 40.0%
3番手 0-1-1-0 0.0% 50.0% 100.0%
4~6番手 0-2-0-7 0.0% 22.2% 22.2%
7~9番手 2-0-0-6 25.0% 25.0% 25.0%
10番手以下 0-0-0-15 0.0% 0.0% 0.0%