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第60回 クイーンS(G3)

7月29日(日)札幌競馬場 芝1800m

 以前は秋の中山や東京で4歳牝馬(旧表記)限定競走として行われていたが、00年に古馬混合戦に変更されると同時に夏の札幌競馬へ移動。秋の大レースを目指す牝馬の一戦として定着してきた重賞レース。今年は日程変更で従来の札幌開幕週・8月中旬から繰り上がり、札幌開催2週目のレースとして7月29日に行われる
 昨年はこのレースを制したアヴェンチュラが秋華賞も連勝し、続くエリザベス女王杯でも2着に好走。そして一昨年は優勝馬アプリコットフィズが秋華賞で3着。ほかに05年には、このレースでは2着だったヘヴンリーロマンスが連闘で札幌記念を制し、秋には天皇賞馬に輝くなど、後のG1好走馬が数多く出走している。今年は日程変更で傾向に変化が出る可能性もあるが、札幌記念との間隔が中2週に開いてローテーションが組みやすくなった面もあり、どんなメンバーが揃うのか注目される一戦だ。そんなクイーンSの過去10年の傾向を振り返ってみたい。
2011年8月クイーンS(G3)

写真:競馬ブック

Check1人気馬と人気薄を絡めた組み合わせを

 過去10年、1番人気は1勝止まりながら連対率は50.0%と悪くはなく、2番人気も連対率40.0%。ただ、中位人気にそこそこ好走馬があり、2桁人気も好走馬4頭。牝馬限定だからといって極端に荒れるわけでもなく、かといってガチガチに堅いレースでもないという、人気面では少々つかみ所のないレースになっている。
 年ごとの好走馬を見ると、3番人気以内の馬が1、2着を独占したのは10年で3回だけ。その3回も3着は7、12、6番人気と中位人気以下が絡んでおり、完全に上位人気同士の決着に終わった年はない。ただ、逆に3番人気以内の馬が連対できなかった年も04年、05年の2回しかなく、その2回も3着は3番人気。1~3着馬の人気を合計すると、10年すべて10~18に収まっており、上位人気ばかりの組み合わせや、極端な人気薄が2頭絡むような組み合わせは避けるのが賢明だ。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-4-0-5 10.0% 50.0% 50.0%
2 3-1-1-5 30.0% 40.0% 50.0%
3 1-1-3-5 10.0% 20.0% 50.0%
4 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
5 2-0-1-7 20.0% 20.0% 30.0%
6 0-2-2-6 0.0% 20.0% 40.0%
7 2-0-1-7 20.0% 20.0% 30.0%
8 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
9 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
10 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
11~ 1-0-1-31 3.0% 3.0% 6.1%
【1~3着馬の人気と主な配当(過去10年)】
02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
1着人気 7 7 5 5 3 2 2 11 2 1
2着人気 1 1 6 10 2 6 1 1 3 10
3着人気 9 2 3 3 7 5 12 6 6 3
1~3着人気合計 17 10 14 18 12 13 15 18 11 14
馬連 3880 2160 4180 22270 1280 1980 730 11240 1410 6590
3連複 34670 2100 9410 37220 5980 4350 7630 19930 6890 9500
3連単 71170 311380 29140 20600 33640 176620 30380 53990

Check23歳馬に注目

 年齢別では、2連勝中の3歳が【3.2.2.19】連対率19.2%で、勝率、複勝率も含めすべてトップ。これに4歳が【4.3.2.31】連対率17.5%で続き、5歳、6歳、7歳以上と年齢が上がるに従って連対率は低下している。今年は施行時期がやや早くなって3歳馬には不利にも思えるが、今年は負担重量が従来の52キロから1キロ減って51キロになっており(賞金による加増がない場合)、逆にこれまで以上に3歳馬が活躍する可能性もありそうだ。

【年齢別成績(過去10年)】
年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
3歳 3-2-2-19 11.5% 19.2% 26.9%
4歳 4-3-2-31 10.0% 17.5% 22.5%
5歳 2-5-5-36 4.2% 14.6% 25.0%
6歳 1-0-1-15 5.9% 5.9% 11.8%
7歳上 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%

Check3内枠優勢、7、8枠は不振

 スタートから1コーナーまでの距離が比較的短い札幌の芝1800m。その影響か内枠優勢の傾向が出ており、過去10年のうち変則開催だった09年を除く9回では、1、2枠が連対率30%台の好成績を記録。対して7、8枠はともに連対率5.6%の不振だ。
 その7~8枠の人気別成績を見ると、まだ5番人気以内に推されれば【1.0.2.10】と好走の余地を残すものの、6番人気以下は【0.1.0.22】で複勝率ですら4.3%と、特に人気薄には苦しいデータが出ている。今年は開幕週から2週目になったが、1週使われたくらいであれば、大きく傾向が変わることはなさそうだ。

【枠番別成績(過去10年、09年除く)】
枠番 成績 勝率 連対率 複勝率
1 2-1-0-5 25.0% 37.5% 37.5%
2 0-3-0-6 0.0% 33.3% 33.3%
3 2-1-3-9 13.3% 20.0% 40.0%
4 0-1-2-13 0.0% 6.3% 18.8%
5 1-2-1-13 5.9% 17.6% 23.5%
6 3-0-1-14 16.7% 16.7% 22.2%
7 1-0-0-17 5.6% 5.6% 5.6%
8 0-1-2-15 0.0% 5.6% 16.7%

Check4「非サンデー」なら札幌実績を重視

 近年は多くのレースで「サンデー系」の活躍が目立ち、このレースも過去10年の連対馬のうち10頭が父サンデーサイレンス、またはサンデー系。また、母の父サンデーサイレンスの馬も5頭が連対しており、合計すれば連対馬20頭中15頭、実に4分の3がサンデーサイレンスの血を持っていた(3着には「非サンデー」も6頭)。
 「非サンデー」の3着以内馬11頭の札幌芝実績を見ると、未経験だったり、4着以下の経験があったりした馬は、好走しても3着止まり。連対した5頭にかぎれば、すべて札幌芝の複勝率100%で、ファインモーション(1000万勝ち)を除く4頭はオープンで3着以内の実績を持っていた。このレース自体、血統を問わず札幌での凡走経験が少ない馬が好走する傾向にあるが、特に「非サンデー」の馬については札幌芝での安定感や実績が欠かせない

【サンデーサイレンスの血を持たない好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 札幌芝成績
02 サクラヴィクトリア 9 3 未経験
03 オースミハルカ 7 1 1-0-2-0
ファインモーション 1 2 1-0-0-0
テイエムオーシャン 2 3 3-0-1-0
04 オースミハルカ 5 1 2-0-2-0
ヤマニンシュクル 3 3 1-1-1-0
06 ヤマニンシュクル 2 2 1-1-2-0
07 イクスキューズ 6 2 1-0-1-0
ディアチャンス 5 3 0-0-3-1
08 フミノサチヒメ 12 3 3-1-2-1
10 カウアイレーン 6 3 未経験