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第48回 函館記念(G3)

7月15日(日)函館競馬場 芝2000m

 サマー2000シリーズ第2戦・函館記念。以前は8月中旬に行われており、88年にはハンデ戦ながらダービー馬2頭を含むG1馬4頭が出走(優勝馬サッカーボーイ)。また、別定重量で行われた94~96年には、タイキブリザードやホクトベガ、トロットサンダー、ロイヤルタッチ、ヤシマソブリンなど、G1好走実績馬や後のG1馬が数多く出走し、現在の札幌記念に近い位置づけだった。その後、施行時期の繰り上げやハンデ戦への再変更などもあり、現在は「ローカルのハンデ重賞」らしいメンバー構成になる年が多くなっている。
 本年は函館競馬の開幕が繰り上がり、従来より1週早い施行。さらに開催の2週短縮に伴って、函館競馬の掉尾を飾る競走となったが、函館開催6週目の施行は過去10年と同様だ(札幌代替の09年を除く)。今年はどんな馬が勝利を手中にするのか、データから検証してみたい。
2011年7月函館記念(G3)

写真:競馬ブック

Check1人気馬の連対が多い割に馬券は荒れ模様

 過去10年、1、2、4番人気が連対率40~50%を記録。上位では3番人気のみ【0.1.1.8】とひと息ながら、1~4番人気の合計で【8.6.4.22】連対率35.0%。連対馬の約4分の3はこの4番人気以内から出ている。
 ただ、2着には9~12番人気が各1頭ずつ絡んでいるほか、3着も半数を6番人気以下が占める。人気通りの決着になったのは06年のみで、3連複万馬券は10年で5回。3連単も10万馬券以上が導入後の7年で3回出ており、07、11年は40万馬券前後と、上位人気の連対が多い割には波乱も見られるレースだ。特に2着、あるいは3着の人気薄には注意を払いたい。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 2-3-0-5 20.0% 50.0% 50.0%
2 2-2-2-4 20.0% 40.0% 60.0%
3 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
4 4-0-1-5 40.0% 40.0% 50.0%
5 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
6 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
7 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
8 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
9 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
10 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
11~ 0-2-0-42 0.0% 4.5% 4.5%
【1~3着馬の人気と主な配当(過去10年)】
02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
1着人気 4 1 2 6 1 7 4 4 2 4
2着人気 3 11 1 2 2 9 1 10 1 12
3着人気 8 6 9 4 3 2 2 8 5 7
馬連 3610 8750 950 2850 950 18620 1830 6600 1540 15910
3連複 11750 27220 4210 5670 1880 45180 3020 20140 4080 69140
3連単 41810 7350 385960 17620 121200 20350 401180

Check2勝ち馬候補は55~56キロ中心、相手候補には57キロも注意

 牡・セン馬のハンデ別成績を見ると、勝ち馬候補か相手候補かで注目どころが異なってくる。優勝馬が多いのは55~56キロで、過去10年の10頭中7頭がこれに該当。しかし複勝率では57キロが【1.3.3.9】43.8%と非常に高くなっている。ハンデによってフォーメーションを組む馬券作戦も考えられそうだ。また、トップハンデは【1.0.0.9】とひと息。なお、牝馬は57キロと52キロが2着1回、50キロが3着1回と好走馬は分散している。

【牡・セン馬ハンデ別成績(過去10年)】
ハンデ 成績 勝率 連対率 複勝率
~52 0-0-0-8 0.0% 0.0% 0.0%
53 0-1-1-16 0.0% 5.6% 11.1%
54 1-2-0-22 4.0% 12.0% 12.0%
55 3-1-4-22 10.0% 13.3% 26.7%
56 4-1-1-18 16.7% 20.8% 25.0%
56.5 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
57 1-3-3-9 6.3% 25.0% 43.8%
57.5~ 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
トップH 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%

Check35歳が好成績、近年は高齢馬の健闘が目立つ

 牡・セン馬の年齢別では、4、5歳がともに連対率20%台、複勝率30%台の好成績。特に5歳が【4.4.5.23】で、牡・セン馬の3着以内馬27頭中13頭と半数近くを占めている。そんな中、7歳以上の好走馬はすべて07年以降のここ5年間に出ており、昨年は10歳のマヤノライジンが2着になるなど1~3着を独占。この5年間の成績は【3.2.1.17】で連対率21.7%を記録するほか、好走馬6頭はすべて4番人気以下、うち4頭は7番人気以下と、馬券妙味も十分だ。なお、牝馬の好走馬3頭はすべて5歳馬だった。

【性齢別成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率 07年~
牡・セン 3歳 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-1
4歳 2-2-2-13 10.5% 21.1% 31.6% 1-1-2-5
5歳 4-4-5-23 11.1% 22.2% 36.1% 1-1-1-12
6歳 1-0-1-31 3.0% 3.0% 6.1% 0-0-1-17
7歳上 3-2-1-38 6.8% 11.4% 13.6% 3-2-1-17
3歳 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-0
4歳 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-1
5歳 0-2-1-3 0.0% 33.3% 50.0% 0-1-0-1
6歳 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-1
7歳上 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-2
【7歳以上の好走馬(過去10年)】
馬名 性齢 人気 着順
07 エリモハリアー セ7 7 1
09 サクラオリオン 牡7 4 1
マヤノライジン 牡8 10 2
11 キングトップガン 牡8 4 1
マヤノライジン 牡10 12 2
アクシオン 牡8 7 3

Check4巴賞組中心、斤量減か増減なしに注目

 前走レース別で複数の連対馬を出しているのは巴賞のみだが、【5.6.2.42】連対率20.0%で、出走は計55頭。平均すれば毎年5頭以上が出走している計算で、この組の取捨がカギを握る。今年は日程変更があったものの、中1週のステップは過去10年と同様だ。
 その巴賞組の好走馬13頭を見ると、前走から斤量が増えていた馬は1頭のみで、8頭が前走比で斤量減、そして4頭が変わらず。巴賞の別定戦から、このレースのハンデ戦に変わったことを味方につけられた馬や、少なくともマイナス(斤量増)にはなっていない馬が好走馬の大半を占めている。
 また、巴賞の最先着馬は11頭が出走し(08年の巴賞は1着同着)、その成績は【2.1.0.8】と好走は3回。うち2回は函館記念3連覇(05~07年)と抜群の相性を誇ったエリモハリアーの優勝で、この馬を除けば巴賞最先着馬は【0.1.0.8】にとどまっている。以前は斤量減の馬が凡走するケースも目立ったものの、近年は増減なしや斤量増での凡走馬ばかりだ。
 なお、巴賞以外で10頭以上の出走馬を出しているのは14頭の七夕賞のみだが、02年の2番人気ロードクロノス14着など、【0.0.0.14】とすべて4着以下に敗退している。

【前走巴賞組の好走馬(過去10年)】
馬名 ハンデ 人気 着順 前走
着順
前走との
斤量差
02 トップコマンダー 57 3 2 3 ±0
03 ヒマラヤンブルー 54 11 2 6 -2
05 エリモハリアー 55 6 1 1 -1
ブルートルネード 54 2 2 2 -2
06 エリモハリアー 56 1 1 2 ±0
07 エリモハリアー 57 7 1 11 -1
ロフティーエイム 52 9 2 8 -1
08 トーセンキャプテン 56 4 1 4 +1
フィールドベアー 57 1 2 1 ±0
マンハッタンスカイ 56 2 3 6 ±0
09 サクラオリオン 56 4 1 3 -1
マヤノライジン 55 10 2 6 -1
メイショウレガーロ 55 8 3 5 -1
【巴賞最先着馬の成績(過去10年)】
馬名 ハンデ 人気 着順 前走
着順
前走との
斤量差
02 クラフトマンシップ 55 6 5 2 -2
03 タイガーカフェ 55 2 14 2 -1
04 ユキノサンロイヤル 54 10 5 3 -2
05 エリモハリアー 55 6 1 1 -1
06 エリモハリアー 56 1 1 2 ±0
07 シルクネクサス 56 4 7 1 ±0
08 フィールドベアー 57 1 2 1 ±0
マヤノライジン 56 5 5 1 +1
09 マンハッタンスカイ 57 3 6 1 ±0
10 メイショウクオリア 56 8 7 1 +1
11 マイネルスターリー 58 1 8 1 ±0

第44回 函館2歳ステークス(G3)

7月14日(土) 函館競馬場 芝1200m

 JRAの2歳による重賞レース、函館2歳ステークスが行われる。これまでは8月上旬に行われていたが、今年から2歳戦が開始するのが早くなったため、7月中旬に開催されることになった。過去の勝ち馬からはシャダイソフィア(82年)、エルプス(84年)、マイネルマックス(96年)、アグネスワールド(97年)などが後にG1馬となっている。果たして10年生まれで最初の重賞ウイナーになり、同世代のライバルに一歩先行するのはどの馬か。過去10年のデータから傾向をひも解いていく。
2011年8月函館2歳S(G3)

写真:競馬ブック

Check12番人気が強い

 1番人気は【1.3.1.5】とイマイチだが、2番人気が【4.1.1.4】と好成績を残している。1~3着30頭中、1~3番人気が14頭と約半数を占めており、上位人気馬を中心に考えてよい。2桁人気は【0.1.0.47】でほぼ出番がなく、極端な穴狙いは危険といえる。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-3-1-5 10.0% 40.0% 50.0%
2 4-1-1-4 40.0% 50.0% 60.0%
3 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
4 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
5 0-3-2-5 0.0% 30.0% 50.0%
6 2-1-1-6 20.0% 30.0% 40.0%
7 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
8 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
9 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
10~ 0-1-0-47 0.0% 2.1% 2.1%

Check2牝馬限定の新馬戦を勝った馬が狙い目

 新馬戦が始まってからあまり経っていないこともあり、前走は限られている。新馬戦を使った馬と、オープン特別のラベンダー賞組が、出走馬数では圧倒している。新馬戦は牝馬限定戦が【3.0.0.2】と好成績。今年はラベンダー賞が行われないため、新馬戦を勝った馬が中心になりそうだ。

【前走のレース別成績(過去10年)】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
新馬 4-3-7-53 6.0% 10.4% 20.9%
新馬(牝馬限定戦) 3-0-0-2 60.0% 60.0% 60.0%
ラベンダー賞 2-5-2-27 5.6% 19.4% 25.0%
未勝利 1-2-0-20 4.3% 13.0% 13.0%
未勝利(牝馬限定戦) 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
マリーゴールド賞 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
フレッシュCh 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

Check3前走2番手で競馬をした馬が好成績

 前走の4コーナー通過順別の成績では、2番手で通過した馬が【5.4.5.25】と最も成績がよい。逃げた馬は【1.3.3.39】とイマイチ。前走スピードで押し切った馬は、重賞になると再現するのは厳しいようだ。また、7番手以下だった馬は1頭しか馬券に絡んでおらず、ある程度自分で動ける脚が必要なようだ。

【前走の4コーナー通過順別の成績(過去10年)】
前走4角 成績 勝率 連対率 複勝率
1番手 1-3-3-39 2.2% 8.7% 15.2%
2番手 5-4-5-25 12.8% 23.1% 35.9%
3番手 1-1-0-14 6.3% 12.5% 12.5%
4~6番手 3-2-1-23 10.3% 17.2% 20.7%
7~9番手 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
10番手以下 0-0-1-3 0.0% 0.0% 25.0%

Check4真ん中の枠は不振

 枠順別の成績は7枠が圧倒的に強い連対率30%複勝率45%と抜群の数字を残している。それ以外では、複勝率だと8枠が30%1、2、6枠が20%を超えている。デビューしたばかりの若駒だけあって、揉まれずにすんなり競馬ができる外枠か、ロスなく先行できる内枠の成績が良いようだ。

【枠番別成績(過去10年)】
枠番 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 2-1-0-10 15.4% 23.1% 23.1%
2枠 0-0-3-12 0.0% 0.0% 20.0%
3枠 1-0-0-15 6.3% 6.3% 6.3%
4枠 0-1-0-17 0.0% 5.6% 5.6%
5枠 1-1-1-14 5.9% 11.8% 17.6%
6枠 2-2-0-15 10.5% 21.1% 21.1%
7枠 4-2-3-11 20.0% 30.0% 45.0%
8枠 0-3-3-14 0.0% 15.0% 30.0%