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第48回 七夕賞(G3)

7月8日(日)福島競馬場 芝2000m

 夏の福島競馬を締めくくる名物重賞レース・七夕賞。昨年は震災の影響で中山競馬場で行われたが、今年は2年ぶりに福島競馬場に戻っての開催になる。かつては1番人気馬が勝てない重賞として知られており、79年から04年までなんと26連敗。ハンデ戦で人気が割れる年も多く、毎年難解なレースが繰り広げられている。
 06年からはサマー2000シリーズの第一戦に指定。08年のミヤビランベリ、そして昨年のイタリアンレッドがこのレースを制し、シリーズのチャンピオンにも輝いたように、シリーズの行方を占う上で重要なレースだ。その一方で、本格的な夏を迎える前の一戦でもあり、春後半の勢いを持ち込んできた馬との比較もカギになっている。そんな七夕賞の過去の傾向を振り返ってみよう。
2011年9月セントウルステークス(G2)

写真:競馬ブック

Check1単勝オッズ20倍を目安に

 1番人気は過去10年【2.2.2.4】で複勝率は60.0%と、ハンデ戦としては悪くない成績。単勝オッズでは20倍あたりまでが好走の目安といえ、好走馬31頭(10年は3着同着)中、29頭は単勝20倍未満だった。1番人気の連敗記録もあって荒れるイメージが強いが、とても買えないような穴馬が何度も来ているわけではない。3連単で10万馬券を超えたのは08年の1回のみ(10年も同着がなければ10万馬券以上)。人気が割れがちなために難しいレースにはなるものの、極端な穴狙いに走ると失敗することの多いレースだ。

【単勝オッズ別成績(過去10年)】
単オッズ 成績 勝率 連対率 複勝率
~2.9 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
3.0~3.9 1-2-0-2 20.0% 60.0% 60.0%
4.0~4.9 1-1-2-3 14.3% 28.6% 57.1%
5.0~6.9 1-1-7-7 6.3% 12.5% 56.3%
7.0~9.9 3-3-2-16 12.5% 25.0% 33.3%
10.0~14.9 1-1-0-16 5.6% 11.1% 11.1%
15.0~19.9 3-0-0-4 42.9% 42.9% 42.9%
20.0~29.9 0-1-0-17 0.0% 5.6% 5.6%
30.0~49.9 0-1-0-20 0.0% 4.8% 4.8%
50.0~ 0-0-0-26 0.0% 0.0% 0.0%
~19.9 10-8-11-49 12.8% 23.1% 37.2%
20.0~ 0-2-0-63 0.0% 3.1% 3.1%
【1~3着馬の人気と主な配当(過去10年)】
02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
1着人気 3 6 8 1 3 6 7 1 11 7
2着人気 4 1 9 8 1 2 11 4 6 2
3着人気 1 3 5 3 2 3 3 2 1・2 4
馬連 4000 1560 11080 2230 1690 2370 21570 2090 11440 3950
3連複 6100 2980 28230 3330 1590 3870 45470 3780 12600・14180 13120
3連単 19660 9710 26210 357690 21170 91300・99480 84620

Check2近年の人気薄は「軽ハンデ+斤量減」で連対

 ハンデ戦の穴馬といえば、斤量が減った軽ハンデ馬の一発という印象が強いもの。この七夕賞も近年はそんな傾向が強く、08年以降、6番人気以下で好走した5頭はすべて54キロ以下。牝馬で54キロのアルコセニョーラは牡馬56キロ相当で軽ハンデではないが、その他は53キロ以下。また、5頭中4頭は前走比で斤量減の馬だった。07年以前の人気薄は、前走から減っても56キロという馬の好走が多かったが、近年は「軽ハンデ+斤量減」に注目だ。なお、表からもわかるように、6番人気以下の馬は好走すれば必ず連対しており、3着は過去10年1頭もいない。

【6番人気以下の好走馬とハンデ(過去10年)】
馬名 人気 着順 ハンデ ハンデ増減 前走 前走斤量
03 ミデオンビット 6 1 56 -2 安田記念・8着 58
04 チアズブライトリー 8 1 57 ±0 大阪-ハンブルク・9着 57
ストロングブラッド 9 2 56 -1 エプソムC・18着 57
05 トーセンダンディ 8 2 56 -1 エプソムC・7着 57
07 サンバレンティン 6 1 57 +1 エプソムC・8着 56
08 ミヤビランベリ 7 1 53 -3 関ケ原S・13着 56
ミストラルクルーズ 11 2 53 ±0 ダイヤモンドS・14着 53
10 ドモナラズ 11 1 52 -4 福島テレビOP・4着 56
アルコセニョーラ 6 2 54 -1 ヴィクトリアM・17着 55
11 イタリアンレッド 7 1 52 -1 マーメイドS・4着 53

Check35~6歳馬が中心、7歳以上は特に不振

 牡・セン馬の年齢別では、6歳が【5.2.3.23】で勝率15.2%、連対率21.2%の好成績。5歳が【3.3.4.29】連対率15.4%でこれに続く。近年は5~6歳優勢の傾向が一層強く、牝馬も含め07年以降の連対馬10頭はすべて5~6歳馬。4歳、7歳以上は3着1回ずつしかない。4歳はこの5年で出走が5頭と少ないが、7歳以上は27頭が出走しているだけに不振が際だつ。

【性齢別成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率 07年~
牡・セン 4歳 0-1-2-6 0.0% 11.1% 33.3% 0-0-0-3
5歳 3-3-4-29 7.7% 15.4% 25.6% 2-2-2-16
6歳 5-2-3-23 15.2% 21.2% 30.3% 2-1-2-15
7歳上 1-2-1-49 1.9% 5.7% 7.5% 0-0-1-26
4歳 0-0-1-1 0.0% 0.0% 50.0% 0-0-1-1
5歳 1-1-0-3 20.0% 40.0% 40.0% 1-1-0-2
6歳 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0% 0-1-0-1
7歳上 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-0

Check4差し・追い込み馬に注目

 競馬道GT8の脚質成績(昨年の中山除く)では、優勝馬9頭中7頭、連対馬18頭中14頭が「差し」か「追込」に分類された馬。道中の出入りがあるため「逃げ」に分類される馬が少ない面もあるが、「逃げ」「先行」の合計でも【2.2.2.19】に過ぎない。
 特に近年は道中後方に位置した馬の好走が多く見られるようになり、3コーナー10番手以下からの好走馬5頭はすべて07年以降に出現。同じ小回りコースでも、短い直線を利して先行馬が残りやすいレースと、いわゆる「まくり」も含め差し馬が活躍するレースに分かれるが、この七夕賞は最近になって後者の傾向が強まっているレースだ。

【脚質成績(過去10年・福島開催時)】
脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 1-1-0-2 25.0% 50.0% 50.0%
先行 1-1-2-17 4.8% 9.5% 19.0%
差し 5-6-7-69 5.7% 12.6% 20.7%
追込 2-1-1-10 14.3% 21.4% 28.6%
【3角10番手以下からの好走馬(過去10年・福島開催時)】
馬名 人気 着順 通過順 位置
07 サンバレンティン 6 1 14-12-13-5
アドマイヤモナーク 2 2 14-16-16-15 大外
09 アルコセニョーラ 4 2 11-15-12-14 大外
10 ドモナラズ 11 1 14-14-15-16 大外
アルコセニョーラ 6 2 10-11-12-12 大外

第16回 プロキオンステークス(G3)

7月8日(日) 中京競馬場 ダート1400m

 96年にはじまった重賞レースプロキオンS。ダートの短距離を得意とする馬が参戦して、毎年ハイレベルの戦いを繰り広げている。02年の優勝馬スターリングローズ、05年のブルーコンコルドがともに同年のJBCスプリントを優勝。10年2着のサマーウインドもJBCスプリントを制するなど、このレースで活躍する馬は、ダート短距離界のトップクラスといえる。これまで主に阪神競馬場のダート1400mで行われていたが、今年からは中京競馬場のダート1400mで争われる。そこで、過去10年のデータからレースの傾向を探っていく。
2011年9月京成杯オータムH(G3)

写真:競馬ブック

Check11番人気が堅実

 1番人気が【4.4.2.0】と圧倒的に強く、4着以下はない。ただ、最近4年は2着と3着のみで勝利していない。2~4番人気は複勝率30~40%とまずまずで、5~8番人気の複勝率は10~20%とイマイチ。
 2桁人気は63頭中3着が1回のみと苦戦傾向。人気薄で狙うなら【1.0.3.6】の9番人気

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 4-4-2-0 40.0% 80.0% 100.0%
2 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
3 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
4 1-0-2-7 10.0% 10.0% 30.0%
5 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
6 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
7 2-0-0-8 20.0% 20.0% 20.0%
8 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
9 1-0-3-6 10.0% 10.0% 40.0%
10~ 0-0-1-62 0.0% 0.0% 1.6%

Check2牝馬が出走して来たら買い

 牝馬の活躍が目立つレースで、出走数は少ないが【2.2.1.4】と安定している。
 牡馬は3歳と7歳以上が不振で、中心は4~6歳。その中でも4歳馬は勝ち馬を出しておらず、5歳と6歳を狙いたいところだ。

【性齢別の成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン 3歳 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 0-2-3-18 0.0% 8.7% 21.7%
5歳 4-3-3-32 9.5% 16.7% 23.8%
6歳 4-2-2-27 11.4% 17.1% 22.9%
7歳以上 0-1-1-38 0.0% 2.5% 5.0%
4歳 1-1-0-1 33.3% 66.7% 66.7%
5歳 0-1-1-2 0.0% 25.0% 50.0%
6歳 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
7歳以上 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

Check3前走マイル組が好成績

 前走の距離別成績では、プロキオンSよりも1ハロン長い1600mが【3.3.0.16】と最も成績がよい。同じ距離の1400mは【4.5.6.50】とまずまず。1200mは【2.1.2.29】で複勝率は14.7%とよくない。距離延長組よりも距離短縮組が結果を残している

【前走の距離別成績(過去10年)】
前走距離 成績 勝率 連対率 複勝率
1000m 0-1-0-2 0.0% 33.3% 33.3%
1200m 2-1-2-29 5.9% 8.8% 14.7%
1400m 4-5-6-50 6.2% 13.8% 23.1%
1500m 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
1600m 3-3-0-16 13.6% 27.3% 27.3%
1700m 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
1800m 1-0-0-8 11.1% 11.1% 11.1%
1900m 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
2000m 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
2100m 0-0-1-5 0.0% 0.0% 16.7%
2300m 0-0-1-3 0.0% 0.0% 25.0%

Check4中3週のローテは危険

 前走からのレース間隔は、中3週が【0.0.0.24】と全滅。この中には11年6着のナムラタイタンなど、2番人気に支持された馬が3頭いた。成績がよいのは中9週~半年のゆったりしたローテーションで【2.2.2.11】、複勝率は35.3%と高い。夏場は仕上がりやすいために、レース間隔があいていても大丈夫なようだ。

【前走からのレース間隔別成績(過去10年)】
間隔 成績 勝率 連対率 複勝率
連闘 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
中1週 1-1-0-9 9.1% 18.2% 18.2%
中2週 2-3-4-23 6.3% 15.6% 28.1%
中3週 0-0-0-24 0.0% 0.0% 0.0%
中4~8週 5-4-4-48 8.2% 14.8% 21.3%
中9週~半年 2-2-2-11 11.8% 23.5% 35.3%
半年以上 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%