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第61回 ラジオNIKKEI賞(G3)

7月1日(日)福島競馬場 芝1800m

 かつては「残念ダービー」とも呼ばれ、クラシック路線を歩んだ馬の出走、そして好走も見られた重賞レース。優勝馬にはハワイアンイメージダイナコスモスといった皐月賞馬の名前を見られる。しかし、ここ10年ほどはクラシック出走馬の参戦は少なくなり、また、06年からハンデキャップ競走に変更されたこともあって、近年はトライアルでダービー出走権を取れなかった馬や、春後半に条件戦を勝ち上がった馬の好走が目立っている。近年は優勝馬が後にG1を制した例はないが、06年2着のソングオブウインドが秋に菊花賞を制覇。また、07年2着のスクリーンヒーロー(翌年ジャパンC制覇)、09年3着のストロングリターン(本年の安田記念優勝)など、今後へ向けて注目したい一戦だ。そんなラジオNIKKEI賞について、ハンデキャップ競走で施行された過去6年の傾向を見てみたい。
2011年7月ラジオNIKKEI賞(G3)

写真:競馬ブック

Check12番人気が好成績

 1番人気は【0.0.2.4】と連対がない一方で、2番人気は【2.2.1.1】で連対率66.7%、複勝率83.3%の好成績。ハンデ戦のため人気は割れがちになるが、1番人気で2.6倍のトゥザグローリーが5着に敗れるなど、オッズが低ければ信頼できるというわけでもない。対して2番人気は6.1倍以下だった5頭がすべて馬券に絡み、4着に敗れたスマートギアは6.6倍だった。なお、人気薄は7~10番人気が1連対にとどまる一方で、11番人気以下から3頭の好走馬が出ている。

【人気別成績(過去6年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 0-0-2-4 0.0% 0.0% 33.3%
2 2-2-1-1 33.3% 66.7% 83.3%
3 1-1-0-4 16.7% 33.3% 33.3%
4 0-0-1-5 0.0% 0.0% 16.7%
5 2-0-0-4 33.3% 33.3% 33.3%
6 0-1-1-4 0.0% 16.7% 33.3%
7 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
8 1-0-0-5 16.7% 16.7% 16.7%
9 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
10 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
11~ 0-2-1-30 0.0% 6.1% 9.1%
【1、2番人気の着順と単勝オッズ(過去6年)】
1番人気 着順 単勝 2番人気 着順 単勝
06 トウショウシロッコ 4 4.9 ソングオブウインド 2 5.5
07 クランエンブレム 6 4.6 ロックドゥカンブ 1 5.0
08 ダイバーシティ 3 3.1 スマートギア 4 6.6
09 イネオレオ 6 4.7 ストロングリターン 3 5.3
10 トゥザグローリー 5 2.6 クォークスター 2 6.1
11 カフナ 3 4.6 フレールジャック 1 4.6

Check2前走が500万なら、前走、今回とも上位人気の馬を

 ハンデ戦ということもあって、前走500万出走馬でも通用する。ただ、その前走500万組の好走馬5頭を見ると、前走は1~2番人気で1着。そして5頭中4頭は今回も1~2番人気に支持されていた。前走500万組なら、基本的には2戦連続上位人気馬が狙いになる。一方、前走1000万やオープン特別組は2桁着順からの巻き返しも見られるため、凡走馬にも警戒を払いたい。

【3着以内馬の前走(過去6年)】
馬名 ハンデ 人気 着順 前走 人気 着順
06 タマモサポート 54 5 1 青葉賞 6 7
ソングオブウインド 54 2 2 夏木立賞(500) 2 1
ステラマドレード 51 12 3 500万 1 1
07 ロックドゥカンブ 52 2 1 マカオJCT(500) 1 1
スクリーンヒーロー 54 14 2 エーデルワイス 8 4
イクスキューズ 56 4 3 NHKマイルC 8 17
08 レオマイスター 53 8 1 エーデルワイス 3 10
ノットアローン 57 6 2 白百合S 1 5
ダイバーシティ 53 1 3 500万 2 1
09 ストロングガルーダ 56 5 1 エーデルワイス 1 1
サニーサンデー 53 13 2 プリンシパルS 13 17
ストロングリターン 55 2 3 葵S 1 4
10 アロマカフェ 55 3 1 青葉賞 12 4
クォークスター 55 2 2 プリンシパルS 7 2
レト 55 6 3 NHKマイルC 9 7
11 フレールジャック 54 2 1 500万 1 1
マイネルラクリマ 56 3 2 白百合S 2 1
カフナ 55 1 3 プリンシパルS 3 3

Check3ハンデは54~56キロが中心

 牡・セン馬のハンデ別成績は、54キロ以上が連対率10%以上を記録。特に54キロ、56キロが連対率20%以上だが、その間の55キロも複勝率は35.7%と高く、この54~56キロあたりが特に注目になる。前走条件戦組でも通用する割に、53キロ以下の軽ハンデ馬は好走確率があまり高くない。なお、牝馬は51キロと56キロがそれぞれ3着1回

【牡・セン馬のハンデ別成績(過去6年)】
ハンデ 成績 勝率 連対率 複勝率
52 1-0-0-10 9.1% 9.1% 9.1%
53 1-1-1-21 4.2% 8.3% 12.5%
54 2-2-0-16 10.0% 20.0% 20.0%
55 1-1-3-9 7.1% 14.3% 35.7%
56 1-1-0-6 12.5% 25.0% 25.0%
57 0-1-0-5 0.0% 16.7% 16.7%

Check4重賞出走経験もポイントに

 Check3で軽ハンデ馬の成績が今ひとつだったことからも繋がるが、好走馬の多くは重賞出走経験を持っており、過去6年の3着以内馬18頭中13頭がこれに該当する。
 また、重賞出走経験のなかった5頭を見ると、ソングオブウインドは全成績【2.3.2.0】、ロックドゥカンブ、ダイバーシティ、フレールジャックは2戦2勝。着外があったのはサニーサンデー【2.0.2.3】のみで、重賞経験のない馬を狙うなら、底を見せていない馬が中心だ。

【3着以内馬の主な重賞実績(過去6年)】
馬名 着順 重賞実績
06 タマモサポート 1 スプリングS4着
ソングオブウインド 2 未出走
ステラマドレード 3 チューリップ賞8着
07 ロックドゥカンブ 1 未出走
スクリーンヒーロー 2 スプリングS5着
イクスキューズ 3 クイーンC1着
08 レオマイスター 1 NZT5着
ノットアローン 2 アーリントンC4着
ダイバーシティ 3 未出走
09 ストロングガルーダ 1 新潟2歳S7着
サニーサンデー 2 未出走
ストロングリターン 3 毎日杯6着
10 アロマカフェ 1 青葉賞4着
クォークスター 2 きさらぎ賞7着
レト 3 NZT3着
11 フレールジャック 1 未出走
マイネルラクリマ 2 新潟2歳S2着
カフナ 3 皐月賞14着

第48回 CBC賞(G3)

7月1日(日) 中京競馬場 芝1200m

 1965年に設立されて以降、これまで何度もレース条件が変更されてきた重賞レース、CBC賞。最近では1996年以降は、スプリンターズSのステップレースとして、暮れに開催されていた。06年には開催時期が6月になり、10年は京都、11年は阪神で行われた。今年からは開催時期が2週間遅くなり、サマースプリントシリーズの第2戦に指定され、7月の初旬に行われる。CBC賞の優勝馬は、のちにG1で活躍する馬が多く、02年優勝馬サニングデールが04年の高松宮記念を制覇、08年優勝馬スリープレスナイトは同年のスプリンターズSを勝っている。そんなCBC賞のデータを、6月開催となった過去6年から検証する
2011年6月CBC賞(G3)

写真:競馬ブック

Check1単勝7.0~9.9倍が強い

 CBCはハンデ戦のためか、荒れ気味。1番人気は【1.0.0.5】とイマイチ、2番人気も【0.2.0.4】でそれほどよくない。4番人気が【3.1.0.2】と好成績を残している。
 単勝オッズ別だと、単勝2.9倍以下の馬はおらず、混戦模様。7.0~9.9倍が【3.2.2.8】で複勝率46.7%と好走確率が高い。それ以外は似たり寄ったりだが、50倍以上は17頭すべて凡走しており、極端な人気薄の出番はないようだ

【単勝オッズ別の成績(過去6年)】
単勝オッズ 成績 勝率 連対率 複勝率
3.0~3.9 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
4.0~4.9 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
5.0~6.9 0-2-1-9 0.0% 16.7% 25.0%
7.0~9.9 3-2-2-8 20.0% 33.3% 46.7%
10.0~14.9 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
15.0~19.9 0-1-1-5 0.0% 14.3% 28.6%
20.0~29.9 1-0-0-11 8.3% 8.3% 8.3%
30.0~49.9 1-0-2-14 5.9% 5.9% 17.6%
50.0~99.9 0-0-0-17 0.0% 0.0% 0.0%

Check25歳馬が不振傾向

 性別による成績はそれほど違いはない。5歳が不振で、好走した馬が1頭しかいない。4歳と6歳が活躍傾向にあり、牡・セン、牝馬どちらも好成績を残している。牡・セン馬は3歳と7歳以上も好成績を残しているが、牝馬の3歳と7歳以上は出走数が少ない。

【性齢別の成績(過去6年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン 3歳 0-2-0-5 0.0% 28.6% 28.6%
4歳 2-1-0-10 15.4% 23.1% 23.1%
5歳 0-1-0-13 0.0% 7.1% 7.1%
6歳 2-0-1-14 11.8% 11.8% 17.6%
7歳以上 0-2-3-23 0.0% 7.1% 17.9%
4歳 1-0-1-6 12.5% 12.5% 25.0%
5歳 0-0-0-9 0.0% 0.0% 0.0%
6歳 1-0-1-4 16.7% 16.7% 33.3%
7歳以上 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%

Check3前走1400m組が中心

 前走の距離別成績では、CBC賞と同じ距離の前走1200m組が出走頭数は多いが、【2.2.2.52】で複勝率10.3%とイマイチ。好走馬をもっとも多く輩出しているのは【4.3.1.25】の前走1400m組で、複勝率も24.2%と高い。前走1600m組は好走確率は高いが、【0.0.3.6】で連対馬はいない。

【前走の距離別の成績(過去6年)】
前走距離 成績 勝率 連対率 複勝率
1000m 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
1200m 2-2-2-52 3.4% 6.9% 10.3%
1400m 4-3-1-25 12.1% 21.2% 24.2%
1600m 0-0-3-6 0.0% 0.0% 33.3%
1700m 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

Check4後方一気は厳しい!

 脚質別の成績では、追い込み馬にとっては厳しい結果となった。4コーナーを9番手までで通過した場合は、複勝率が15%以上あるが、10番手以降は4.4%と激減。短距離は追い込み馬が活躍するイメージがあるが、このレースに限ってはそうでもない。

【4コーナーの通過順別成績(過去6年)】
4角位置 成績 勝率 連対率 複勝率
1番手 1-1-0-4 16.7% 33.3% 33.3%
2番手 1-0-1-5 14.3% 14.3% 28.6%
3番手 2-3-0-11 12.5% 31.3% 31.3%
4~6番手 0-0-2-11 0.0% 0.0% 15.4%
7~9番手 1-2-2-12 5.9% 17.6% 29.4%
10番手以下 1-0-1-43 2.2% 2.2% 4.4%