Clip to Evernote

第53回 宝塚記念(G1)

6月24日(日)阪神競馬場 芝2200m

 春のG1シーズンを締めくくるグランプリ・宝塚記念。阪神競馬場の芝2200mで争われ、春の天皇賞組や安田記念組、そして3歳馬や牝馬も交えて前半戦の頂点を争う位置づけになる。有馬記念などと比べると実績馬が集まりづらい時期もあったが、近年はこのレースを春の最大目標とする中距離馬も増え、春の天皇賞より好メンバーで争われる年も多くなった。近5年のうち4回は、昨年のアーネストリーなど春の天皇賞不出走馬が優勝。一方で6年前はディープインパクトが天皇賞から連勝、そして09年は天皇賞3着のドリームジャーニーが巻き返した。また、ここ2年はブエナビスタがヴィクトリアMからのステップで連続2着になるなど、さまざまな路線を歩んだ馬の激突が楽しみな重賞レースだ。そんな宝塚記念の過去10年の傾向を見てみよう。
2011年6月宝塚記念(G1)

写真:競馬ブック

Check1近年は1番人気の2~3着多し

 1番人気は【3.3.1.3】で連対率60%と上々の成績。ただ、90年~02年に【7.5.0.1】と非常に安定していた時期と比べると、信頼性は低下している。02年以降の10年でも、02~07年は隔年優勝、そして08年以降は4年連続2~3着と傾向に変化が見られる。また、4~7歳の1番人気馬は8頭中7頭が馬券圏内。4着以下に敗れたのは3歳のウオッカ、8歳のタップダンスシチーと、4歳でも有馬記念以来の休養明けだったシンボリクリスエスである。
 2番人気以下は好走馬が分散しているが、中では3番人気が【1.2.4.3】で複勝率では70%を記録。人気薄の好走は11番人気までで、12番人気以下は41頭すべてが馬券圏外に終わっている。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 3-3-1-3 30.0% 60.0% 70.0%
2 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
3 1-2-4-3 10.0% 30.0% 70.0%
4 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
5 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
6 2-1-0-7 20.0% 30.0% 30.0%
7 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
8 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
9 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
10 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
11 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
12~ 0-0-0-41 0.0% 0.0% 0.0%
【1番人気馬の成績(過去10年)】
馬名 年齢 着順 前走
02 ダンツフレーム 4 1 安田記念2着
03 シンボリクリスエス 4 5 有馬記念1着
04 タップダンスシチー 7 1 金鯱賞1着
05 タップダンスシチー 8 7 金鯱賞1着
06 ディープインパクト 4 1 天皇賞(春)1着
07 ウオッカ 3 8 ダービー1着
08 メイショウサムソン 5 2 天皇賞(春)2着
09 ディープスカイ 4 3 安田記念2着
10 ブエナビスタ 4 2 ヴィクトリアM1着
11 ブエナビスタ 5 2 ヴィクトリアM2着

Check2好走馬は前走3着以内が中心

 優勝馬10頭の前走はすべて3着以内で、一昨年のナカヤマフェスタ以外はG2以上での3着以内だった。今年は、従来ステップレースだった金鯱賞が暮れに移動し、G3の鳴尾記念が似たような位置づけになったため「G2以上」にこだわるのは危険だが、引き続き「前走3着以内」は勝ち馬候補の条件とみていいだろう。
 また、2~3着も前走3着以内だった馬が多く、4着以下から巻き返した馬は表の5頭。このうち、京都での代替開催だった06年の2頭を除く3頭は、阪神芝2000~2200mのオープン・重賞での優勝実績と、他のG1で連対実績を持っていた。基本は前走3着以内とし、4着以下の馬を相手候補に狙う場合は、阪神芝2000~2200m実績とG1連対実績に注目だ

【優勝馬の前走(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走
02 ダンツフレーム 1 1 安田記念2着
03 ヒシミラクル 6 1 天皇賞(春)1着
04 タップダンスシチー 1 1 金鯱賞1着
05 スイープトウショウ 11 1 安田記念2着
06 ディープインパクト 1 1 天皇賞(春)1着
07 アドマイヤムーン 3 1 QE2世C3着
08 エイシンデピュティ 5 1 金鯱賞1着
09 ドリームジャーニー 2 1 天皇賞(春)3着
10 ナカヤマフェスタ 8 1 メトロポリタンS1着
11 アーネストリー 6 1 金鯱賞3着
【前走4着以下の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走 阪神芝20~2200実績 その他G1実績
04 リンカーン 3 3 天皇賞(春)13着 すみれS1着 有馬記念2着
05 ハーツクライ 3 2 天皇賞(春)5着 大阪杯2着、
若葉S1着
ダービー2着
06 ナリタセンチュリー 10 2 天皇賞(春)12着 京都開催 ジャパンC5着
バランスオブゲーム 9 3 安田記念17着 安田記念3着
08 インティライミ 11 3 金鯱賞7着 朝日CC1着 ダービー2着

Check3意外に重要な芝2200m好走実績

 「中途半端」とも言われる2200m戦だが、意外にこの芝2200m実績も重要な予想ファクターになる。芝2200mで3着以内の経験があった馬は【5.9.8.76】で連対率14.3%。3着以内の経験がなかった馬は【5.1.2.46】同11.1%。特に2~3着候補では、芝2200mの好走経験は要チェックと言える。また、3着以内30頭のうち、芝2200mの好走実績を持たなかった8頭中7頭は、G1での連対実績馬。そして前走はG1で3着以内か金鯱賞1着で共通していた。今年は金鯱賞ではなく鳴尾記念1着に置き換えても良さそうだ。

【芝2200mで3着以内がなかった好走馬(過去10年)】
馬名 着順 G1実績 前走
02 ダンツフレーム 1 ダービー2着 安田記念2着
05 スイープトウショウ 1 秋華賞1着 安田記念2着
06 ディープインパクト 1 天皇賞(春)1着 天皇賞(春)1着
07 メイショウサムソン 2 天皇賞(春)1着 天皇賞(春)1着
08 エイシンデピュティ 1 天皇賞(秋)14着 金鯱賞1着
09 ドリームジャーニー 1 朝日杯1着 天皇賞(春)3着
ディープスカイ 3 ダービー1着 安田記念2着
11 エイシンフラッシュ 3 ダービー1着 金鯱賞1着

Check44歳馬優勢、牝馬は前走G1好走馬を警戒

 牡・セン馬の年齢別では4歳が【5.3.3.30】連対率19.5%。その他は5歳の10.3%が最高で、4歳はほぼ倍ほどの連対確率になる。また、牝馬は出走こそ少ないものの【1.2.0.6】で連対率33.3%の好成績。3連対は4歳と5歳で、その3頭はすべて前走G1で連対していた。逆に、前走G1連対牝馬4頭で馬券圏内を外したのは、当時3歳のウオッカ1頭である。

【牡・セン馬の年齢別成績(過去10年)】
年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
3歳 0-0-1-3 0.0% 0.0% 25.0%
4歳 5-3-3-30 12.2% 19.5% 26.8%
5歳 1-3-2-33 2.6% 10.3% 15.4%
6歳 2-1-3-24 6.7% 10.0% 20.0%
7歳~ 1-1-1-25 3.6% 7.1% 10.7%
【牝馬の出走馬(過去10年)】
馬名 年齢 人気 着順 前走
04 スティルインラブ 4 10 8 金鯱賞8着
05 スイープトウショウ 4 11 1 安田記念2着
アドマイヤグルーヴ 5 8 8 金鯱賞4着
スティルインラブ 5 14 9 金鯱賞6着
07 カワカミプリンセス 4 6 6 ヴィクトリアM10着
ウオッカ 3 1 8 ダービー1着
10 ブエナビスタ 4 1 2 ヴィクトリアM1着
メイショウベルーガ 5 13 6 天皇賞(春)10着
11 ブエナビスタ 5 1 2 ヴィクトリアM2着