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第79回 日本ダービー(G1)

5月27日(日)東京競馬場 芝2400m

 今週の注目重賞レースは、すべてのホースマンにとっての目標とも言われる「競馬の祭典」日本ダービー。年末の有馬記念と並び、競馬ファン以外からも多くの注目を集める一戦だ。そして3歳馬にとっては、皐月賞に続く三冠への第二関門。過去10年では、05年のディープインパクト、そして昨年はオルフェーヴルがこの関門を突破し、見事秋には三冠馬に輝いている。ほかに、03年のネオユニヴァース、そして06年のメイショウサムソンが皐月賞に続く二冠を達成。今年は皐月賞馬・ゴールドシップが三冠に王手をかけるのか、それともライバルが待ったをかけるのか。過去の傾向を振り返ってみよう。
2011年5月ダービー(G1)

写真:競馬ブック

Check11番人気が好成績も、断然人気は危険?

 過去10年、1番人気が【7.0.1.2】で勝率70.0%の好成績。勝ち馬10頭中9頭が3番人気以内と、1着に関してはあまり大きな波乱は起きないレースだ。ただ、2着は2桁人気馬が3頭食い込むほか、3着には6~8番人気が計7頭と多く、相手候補はより慎重な見極めが必要になる。
 また、過去10年の1番人気を個別にみると、単勝オッズ2.6倍以上だった馬は6戦全勝。しかし2.1倍以下の4頭は【1.0.1.2】で、優勝したのは1.1倍のディープインパクト1頭のみ。「不動の中心」に近い存在と思われていた馬のほうが苦杯をなめている。1番人気以外で優勝した3頭は、3番人気10.5倍のウオッカ、2番人気7.7倍のロジユニヴァース、そして7番人気31.9倍のエイシンフラッシュと、上位人気でも1番人気とは差があったり、あまり人気のなかった馬たちだ。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 7-0-1-2 70.0% 70.0% 80.0%
2 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
3 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
4 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
5 0-3-0-7 0.0% 30.0% 30.0%
6 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
7 1-0-3-6 10.0% 10.0% 40.0%
8 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
9 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
10 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
11~ 0-2-0-77 0.0% 2.5% 2.5%
【1番人気馬の成績(過去10年)】
馬名 単オッズ 着順 優勝馬
02 タニノギムレット 2.6 1
03 ネオユニヴァース 2.6 1
04 キングカメハメハ 2.6 1
05 ディープインパクト 1.1 1
06 メイショウサムソン 3.8 1
07 フサイチホウオー 1.6 7 ウオッカ
(3人・10.5倍)
08 ディープスカイ 3.6 1
09 アンライバルド 2.1 12 ロジユニヴァース
(2人・7.7倍)
10 ヴィクトワールピサ 2.1 3 エイシンフラッシュ
(7人・31.9倍)
11 オルフェーヴル 3.0 1

Check2昨年から1番人気が連勝する期間に?

 日本ダービーは5年ごとに1番人気が強い期間と、やや安定感を欠く期間が交互に訪れている。成績が良かったのは91~95年と、01~05年で、いずれも1番人気が5連勝。06~10年の【2.0.1.2】を経て、「強い期間」に入った昨年は、オルフェーヴルが人気に応えた。この傾向が続いていると考えれば、今年も1番人気馬への注目は欠かせない。

【1番人気馬の5年ごとの成績】
成績 備考
86~90 0-1-0-4 90年メジロライアン2着
91~95 5-0-0-0 トウカイテイオー
~タヤスツヨシ5連勝
96~00 1-3-1-0 98年スペシャルウィーク1着
01~05 5-0-0-0 ジャングルポケット
~ディープインパクト5連勝
06~10 2-0-1-2 06年メイショウサムソン1着、
08年ディープスカイ1着
11 1-0-0-0 オルフェーヴル1着

Check31着候補、3着候補には差し・追い込み馬を

 競馬道GT8による脚質分類では、過去10年の優勝馬10頭のうち8頭が「差し」で1頭が「追込」。2着は逃げ~先行からも6頭が残っているものの、3着は10頭すべてが「差し」「追込」となっている。基本的に末脚勝負の馬を中心に馬券を組み立てた上で、逃げ・先行馬を買うなら馬単や3連単の2着候補限定にすると、買い目を絞りやすそうな傾向だ。

【脚質別成績(過去10年)】
脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 0-2-0-6 0.0% 25.0% 25.0%
先行 1-4-0-22 3.7% 18.5% 18.5%
差し 8-2-9-87 7.5% 9.4% 17.9%
追込 1-2-1-32 2.8% 8.3% 11.1%
【優勝馬の通過順(過去10年)】
馬名 通過順 4角
02 タニノギムレット 13-12-11-12
03 ネオユニヴァース 13-13-15-7
04 キングカメハメハ 6-8-7-3
05 ディープインパクト 15-13-12-10
06 メイショウサムソン 5-5-3-3
07 ウオッカ 10-11-11-8
08 ディープスカイ 11-13-14-15
09 ロジユニヴァース 3-3-3-3 最内
10 エイシンフラッシュ 11-9-9-11
11 オルフェーヴル 14-14-14-12 大外

Check4内枠優勢

 馬連導入前のような20頭以上の多頭数はなくなった日本ダービーだが、過去10年の優勝馬10頭のうち8頭は1~3枠。加えて4枠も、勝ち馬こそ不在ながら【0.3.3.14】で複勝率は30.0%と高い。この1~4枠が連対率18.8%に対し、5~8枠は同5.1%止まり。特に近年は内枠優勢の傾向が強まり、ここ6年は1~4枠【6.4.3.35】連対率20.8%、5~8枠【0.2.3.54】同3.4%と、さらにその差は開く。また、1番人気で馬券圏外に敗れた2頭は、07年フサイチホウオーが7枠15番、09年アンライバルドが8枠18番という外枠を引いていた。

【枠番別成績(過去10年)】
成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 4-1-0-15 20.0% 25.0% 25.0%
2枠 2-1-1-16 10.0% 15.0% 20.0%
3枠 2-2-0-16 10.0% 20.0% 20.0%
4枠 0-3-3-14 0.0% 15.0% 30.0%
5枠 0-0-1-19 0.0% 0.0% 5.0%
6枠 1-2-0-17 5.0% 15.0% 15.0%
7枠 1-0-3-26 3.3% 3.3% 13.3%
8枠 0-1-2-26 0.0% 3.4% 10.3%
1~4 8-7-4-61 10.0% 18.8% 23.8%
5~8 2-3-6-88 2.0% 5.1% 11.1%

Check4皐月賞組なら好走馬か皐月賞4番人気以内

 前走レース別では皐月賞組が【6.3.6.61】と好走馬の半数を占める。その皐月賞組の連対馬を9頭を見ると、皐月賞で3着以内だった馬が5頭。そして4着以下だった4頭は、皐月賞で4番人気以内に推されていた(3頭は3番人気以内)。皐月賞5番人気以下かつ4着以下だった馬の一発はあまり期待できない。また、3着馬6頭のうち、ザッツザプレンティ(皐月賞5番人気8着)を除く5頭もこの条件に合致している。
 皐月賞組に次ぐ3勝【3.1.1.19】の成績を残しているのがNHKマイルC組。こちらは皐月賞よりやや条件が厳しく、好走馬5頭中4頭が、NHKマイルCで3番人気以内かつ3着以内。残るアサクサキングスもNHKマイルC3番人気で、最低でも3番人気以内が条件。そして着順も3着以内が理想になる。
 なお、ほかに複数の連対馬を出しているのは、青葉賞組(2着4回3着1回)と京都新聞杯組(2着2回)で、好走した7頭はすべて前走1着馬である。

【前走皐月賞組の連対馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 皐月賞
人気
皐月賞
着順
03 ネオユニヴァース 1 1 1 1
05 ディープインパクト 1 1 1 1
06 メイショウサムソン 1 1 6 1
08 スマイルジャック 12 2 4 9
09 ロジユニヴァース 2 1 1 14
09 リーチザクラウン 5 2 2 13
10 エイシンフラッシュ 7 1 11 3
10 ローズキングダム 5 2 2 4
11 オルフェーヴル 1 1 4 1
【前走NHKマイルC組の連対馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 NHK
人気
NHK
着順
02 タニノギムレット 1 1 1 3
04 キングカメハメハ 1 1 1 1
07 アサクサキングス 14 2 3 11
08 ディープスカイ 1 1 1 1
08 ブラックシェル 6 3 3 2

第126回 目黒記念(G2)

5月27日(日) 東京競馬場 芝2500m

 125回目を迎える伝統のハンデ戦、目黒記念が東京競馬場の芝2500mを舞台に行われる。日本ダービーと同じ日の最終12Rに開催される重賞レースだ。春の天皇賞に出走した長距離が得意な猛者、宝塚記念のステップレースとして挑む馬、条件戦を勝って勢いに乗る新鋭、軽ハンデを武器に大駆けを狙う穴馬など、毎年バラエティに富んだメンバー構成になり、見応えのあるレースが繰り広げられる。今年は荒れるハンデ戦となるのか? 過去10年のデータから導き出される傾向を探る。
2011年5月目黒記念(G2)

写真:競馬ブック

Check1どの人気からでも狙える

 1番人気は【2.3.0.5】で複勝率50%。1~3番人気の複勝率の平均は40%で、ハンデ戦の重賞のわりにはまずまず。それ以外の上位人気もそれなりで、2桁人気は【1.1.3.76】。人気別の目立った特徴はなく、どの人気からでも馬券を組み立てることができそうだ。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 2-3-0-5 20.0% 50.0% 50.0%
2 0-2-1-7 0.0% 20.0% 30.0%
3 3-0-1-6 30.0% 30.0% 40.0%
4 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
5 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
6 1-0-2-7 10.0% 10.0% 30.0%
7 1-1-2-6 10.0% 20.0% 40.0%
8 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
9 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
10~ 1-1-3-76 1.2% 2.5% 6.2%

Check2天皇賞・春でそこそこ好走していた馬が強い

 ステップレースでは、G1の天皇賞・春が【4.3.1.26】と好走馬を最も多く輩出している。それ以外では、東京競馬場芝2400mで行われるオープン特別のメトロポリタンSが【2.2.1.41】と健闘している
 天皇賞・春組の成績別では、興味深いデータが明らかになった。天皇賞・春で馬券圏内に好走した馬は2頭おり、03年サンライズジェガーと07年トウカイトリックのどちらも目黒記念では大敗している。また、天皇賞・春で2桁着順だった馬は、15頭すべてが目黒記念でも馬券圏外に敗れた。天皇賞・春組は、4~9着とそれなりに好走している馬が狙い目だ。

【主な前走のレース別成績(過去10年)】
前走 成績 勝率 連対率 複勝率
天皇賞・春 4-3-1-26 11.8% 20.6% 23.5%
メトロポリタンS
(東京競馬場リニューアル
記念も含む)
2-2-1-41 4.3% 8.7% 10.9%
1600万下 1-2-1-18 4.5% 13.6% 18.2%
新潟大賞典 1-0-1-9 9.1% 9.1% 18.2%
1000万下(特別含む) 1-0-1-6 12.5% 12.5% 25.0%
ドバイシーマC 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
皐月賞 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
阪神大賞典 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
マーチS 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
エイプリルS 0-0-1-6 0.0% 0.0% 14.3%
大阪―ハンブルグC 0-0-1-3 0.0% 0.0% 25.0%
ダイヤモンドS 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
有馬記念 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
鳴尾記念 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
【天皇賞・春の着順別成績(過去10年)】
天皇賞・春の着順 成績 勝率 連対率 複勝率
2着 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
3着 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
4着 2-1-0-1 50.0% 75.0% 75.0%
5着 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
6~9着 2-1-1-7 18.2% 27.3% 36.4%
10着~ 0-0-0-15 0.0% 0.0% 0.0%

Check3重いハンデは苦戦

 全体的に重いハンデは苦戦傾向にある。57.5キロ以上を背負った馬は【1.2.0.17】で複勝率17.5%とイマイチ。03年のサンライズジェガー(58キロ1番人気9着)、07年トウカイトリック(58キロ2番人気10着)、10年アルナスライン(58キロ2番人気5着)、11年マイネルキッツ(58.5キロ2番人気8着)などが敗れている。
 軽いハンデで活躍しているのは【1.2.0.5】の51キロで、好走した3頭は4、9、7番人気だ。

【斤量別成績(過去10年)】
斤量 成績 勝率 連対率 複勝率
49kg 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
50kg 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
51kg 1-2-0-5 12.5% 37.5% 37.5%
52kg 0-0-1-15 0.0% 0.0% 6.3%
53kg 0-0-1-16 0.0% 0.0% 5.9%
54kg 2-1-4-29 5.6% 8.3% 19.4%
55kg 2-1-1-22 7.7% 11.5% 15.4%
56kg 1-3-0-21 4.0% 16.0% 16.0%
56.5kg 2-0-1-1 50.0% 50.0% 75.0%
57kg 1-1-2-10 7.1% 14.3% 28.6%
57.5kg 0-1-0-7 0.0% 12.5% 12.5%
58kg 0-1-0-5 0.0% 16.7% 16.7%
58.5kg 1-0-0-5 16.7% 16.7% 16.7%

Check44キロ以上のプラス体重は危険

 前走からの馬体重の増減では、はっきりした傾向が現れた。プラス4キロ以上で出走した馬は、22頭すべてが馬券圏外に敗れ去っている。暖かくなって汗のかくこの時期に、絞れていない馬は要注意のようだ。マイナス4~9キロが【5.4.4.33】と最も安定しているが、10キロ以上の大幅なマイナスでも【3.1.0.16】と比較的好走している

【馬体重の増減別成績(過去10年)】
馬体重の増減 成績 勝率 連対率 複勝率
-19~-10kg 3-1-0-16 15.0% 20.0% 20.0%
-9~-4kg 5-4-4-33 10.9% 19.6% 28.3%
-3~+3kg 1-5-6-69 1.2% 7.4% 14.8%
+4~+9kg 0-0-0-21 0.0% 0.0% 0.0%
+10~+19kg 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
不・初・未 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%