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第73回 オークス(G1)

5月20日(日)東京競馬場 芝2400m

 今週の注目重賞レースは、東京競馬場の芝2400mを舞台に争われる牝馬クラシックの第二弾・オークス。桜花賞から800mの距離延長となり、折り合いや距離適性の見極めに頭を悩まされる。ただ、桜花賞→オークスの連続連対馬は10年で6頭と、400m差の皐月賞→ダービーの4頭よりも多く、スティルインラブ、ブエナビスタ、そしてアパパネの3頭が桜花賞、オークスの二冠を制している。昨年は桜花賞上位馬が3~4着に敗れ波乱となったオークスだったが、今年はどんな結末が待っているのだろうか。過去10年の傾向を見てみよう。
2011年5月オークス(G1)

写真:競馬ブック

Check1波乱前提も、大万馬券は期待薄?

 過去10年、1番人気は【3.1.0.6】、2番人気は【1.2.2.5】で、合計【4.3.2.11】連対率35.0%、複勝率45.0%。決して良い成績ではないが極端に悪いわけでもないという、微妙な数字に収まっている。ただ、4~5番人気がともに【2.1.1.6】連対率30.0%、複勝率40.0%と1~2番人気に近い成績を収めており、配当妙味も含めればこの4~5番人気あたりがおもしろい。
 また、主な配当を見ると、05年と09年は平穏に収まっているものの、08年は3連単44万、そして昨年は54万馬券。3連単の発売がなかった02~04年も馬連万馬券で、もし発売があれば数十万の配当にはなっていたと思われる。平穏に収まったら「仕方ない」くらいのスタンスで、穴を狙っていったほうが良さそうな印象だ。ただ、勝ち馬人気は最低でも昨年のエリンコート・7番人気。3歳牝馬同士の2400m戦でいかにも荒れそうな割に、100万馬券を超えるような大波乱は期待薄だ。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 3-1-0-6 30.0% 40.0% 40.0%
2 1-2-2-5 10.0% 30.0% 50.0%
3 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
4 2-1-1-6 20.0% 30.0% 40.0%
5 2-1-1-6 20.0% 30.0% 40.0%
6 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
7 1-0-2-7 10.0% 10.0% 30.0%
8 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
9 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
10 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
11~ 0-3-0-75 0.0% 3.8% 3.8%
【1~3着馬の人気と主な配当(10年は1着同着)】
02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
1着人気 4 2 6 1 3 5 4 1 ※1 7
2着人気 12 13 4 2 5 1 13 2 ※5 8
3着人気 2 9 7 3 7 8 5 4 8 2
馬連 13590 24480 10080 630 4180 1640 24080 320 1870 42750
3連複 95530 63460 1280 33430 10450 61600 1250 10180 45120
3連単 3330 164300 57000 440360 2430 20460・24290 548190

Check2逃げ・先行は苦戦 狙うなら東京実績馬?

逃げ・先行は苦戦 狙うなら東京実績馬?  競馬道GT8の脚質成績では、差し馬が計16連対、そして追い込み馬も2勝と、差し・追い込み優勢の傾向。逃げ・先行は合わせて【1.1.3.33】とわずか2連対、3着3回にとどまっている。
 3コーナーの通過順で4番手以内から好走した馬は表の5頭。その5頭すべてが東京の重賞で3着以内か、芝2000mのオープン勝ちの実績を持っており、特に4頭が該当する東京の重賞好走実績には注目したい。ただし、差し・追い込み型なら、コース・距離実績を持たない好走馬も多い。

【脚質別成績(過去10年)】
脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 0-1-0-8 0.0% 11.1% 11.1%
先行 1-0-3-25 3.4% 3.4% 13.8%
差し 8-8-5-85 7.5% 15.1% 19.8%
追込 2-0-2-29 6.1% 6.1% 12.1%
【3コーナー4番手以内の好走馬(過去10年)】
馬名 通過順 人気 着順 東京 芝2000m~
02 ユウキャラット 1-2-2-2 2 3 未経験 忘れな草賞1着
04 ダイワエルシエーロ 3-2-1-1 6 1 クイーンC1着 未経験
06 アサヒライジング 2-2-2-2 7 3 クイーンC2着 未経験
10 アグネスワルツ 1-2-2-2 8 3 フローラS2着 フローラS2着
11 ピュアブリーゼ 2-1-1-1 8 2 フローラS3着 フローラS3着

Check3近年の桜花賞組は好走馬が中心

 前走レース別では、桜花賞組が【8.7.5.55】と連対馬20頭中15頭、3着以内馬30頭中20頭を占め、まずはこの桜花賞組の選別が重要になる。その好走馬20頭をみると、07年までの12頭のうち、桜花賞でも3着以内だった馬はわずか2頭、スティルインラブとシーザリオしかいなかった。しかし08年以降は8頭中7頭が桜花賞3着以内馬で、残る1頭・トールポピーは桜花賞1番人気馬(8着)。今年の桜花賞1番人気・ジョワドヴィーヴルは戦戦を離脱しており、桜花賞組を狙うなら3着以内馬と言えそうだ。

【前走桜花賞組の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 桜花賞
の人気
桜花賞
の着順
02 スマイルトゥモロー 4 1 4 6
02 チャペルコンサート 12 2 5 7
03 スティルインラブ 2 1 2 1
03 チューニー 13 2 9 12
04 ダイワエルシエーロ 6 1 5 7
04 スイープトウショウ 4 2 2 5
04 ヤマニンアラバスタ 7 3 14 9
05 シーザリオ 1 1 1 2
05 エアメサイア 2 2 3 4
06 フサイチパンドラ 5 2 2 14
06 アサヒライジング 7 3 9 4
07 ローブデコルテ 5 1 9 4
08 トールポピー 4 1 1 8
08 エフティマイア 13 2 15 2
08 レジネッタ 5 3 12 1
09 ブエナビスタ 1 1 1 1
09 レッドディザイア 2 2 2 2
09 ジェルミナル 4 3 5 3
10 アパパネ 1 1 1 1
11 ホエールキャプチャ 2 3 1 2

Check4桜花賞最先着馬は勝つか着外!?

 もうひとつ桜花賞組のデータを見てみたい。桜花賞最先着馬の成績を調べると、過去10年で【4.0.1.5】。2~3着だった馬は08年のレジネッタ(3着)1頭で、桜花賞最先着馬が好走すれば1着、勝てなければほぼ馬券圏外に終わっている。今年の登録馬で最先着は桜花賞馬・ジェンティルドンナだが、桜花賞馬にかぎっても【3.0.1.3】という成績。中途半端に相手候補にするのではなく、馬単や3連単1着候補にするか、逆に消してしまうか、はっきり決めてかかるのが良さそうな過去10年の傾向だ。

【桜花賞最先着馬の成績】
馬名 人気 着順 桜花賞
の人気
桜花賞
の着順
02 ブルーリッジリバー 6 7 7 2
03 スティルインラブ 2 1 2 1
04 ダンスインザムード 1 4 1 1
05 シーザリオ 1 1 1 2
06 キストゥヘヴン 2 6 6 1
07 カタマチボタン 4 13 7 3
08 レジネッタ 5 3 12 1
09 ブエナビスタ 1 1 1 1
10 アパパネ 1 1 1 1
11 マルセリーナ 1 4 2 1

Check4桜花賞組以外なら連続好走馬が中心

 前走が桜花賞以外の好走馬は表の10頭。前走で「権利」を取るか賞金を加算した馬が出走馬の中心となるため、トライアルのフローラS3着以内や、スイートピーS2着以内、そして忘れな草賞勝ち馬ばかりである。ただ、ここで注目したいのは前々走の成績で、10頭中8頭は前々走でも3着以内に好走していた。残る2頭は過去10年でも前半にあたる03年のシンコールビー、05年のディアデラノビアで、ともにオークスは3着止まり。桜花賞組以外で、特に「連対候補」を探すなら2戦連続好走馬に注目したい

【桜花賞組以外の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走 前走着順 前々走 前々走着順
02 ユウキャラット 2 3 忘れな草賞 1 ゆきやなぎ賞 1
03 シンコールビー 9 3 フローラS 1 500万下 7
05 ディアデラノビア 3 3 フローラS 1 フィリーズR 4
06 カワカミプリンセス 3 1 スイートピーS 1 君子蘭賞 1
07 ベッラレイア 1 2 フローラS 1 あざみ賞 1
07 ラブカーナ 8 3 スイートピーS 2 忘れな草賞 2
10 サンテミリオン 5 1 フローラS 1 フラワーC 3
10 アグネスワルツ 8 3 フローラS 2 白菊賞 1
11 エリンコート 7 1 忘れな草賞 1 500万下 1
11 ピュアブリーゼ 8 2 フローラS 3 500万下 2

第29回 東海ステークス(G2)

5月19日(土)京都競馬場 ダート1900m

 今年で29回目を迎えるダートの重賞レース、東海S。01、02年を連覇したハギノハイグレイド、05年のサカラート、07年のメイショウトウコンなど、個性的なダート馬が勝利してきた。このレースをステップに6月後半に大井で行われる上半期のダートのグランプリ、帝王賞に挑戦する馬が多く、02年5着のカネツフルーヴ、05年3着のタイムパラドックスが、次走で帝王賞を制している。
 この東海Sはこれまで中京競馬場のダート2300mで行われてきたが、中京競馬場の改修工事の影響で10年からは京都競馬場のダート1900mで行われている。また、工事が終了して中京開催がはじまった今年も京都競馬場のダート1900mで行う。そんな東海ステークスの過去10年のデータから傾向を探っていく。
2011年5月東海S(G2)

写真:競馬ブック

Check1中途半端な人気は消し

 1番人気は【1.2.1.6】とイマイチだが、2番人気と3番人気の複勝率がどちらも50%あり、上位人気馬トータルで考えると、安定した成績を残している。9番人気以下が計7頭も馬券に絡んでおり、人気薄の大駆けにも注意したい。上位人気と下位人気が強く、ほどほどの人気(4~8番人気)は今ひとつだ。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
2 4-0-1-5 40.0% 40.0% 50.0%
3 1-3-1-5 10.0% 40.0% 50.0%
4 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
5 1-0-2-7 10.0% 10.0% 30.0%
6 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
7 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
8 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
9 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
10~ 1-2-1-57 1.6% 4.9% 6.6%

Check2アンタレスS組で1番人気以外が強い

 ステップレースはアンタレースSが【6.5.4.34】で圧倒的に強く、馬券圏内30頭中ちょうど半分の15頭を占めている。それ以外ではオグリキャップ記念や名古屋大賞典など、地方交流レース組が健闘している。
 アンタレスSを使って1番人気に支持された馬は6頭いるが、【1.1.0.4】と不振。アンタレスS組なら、2番人気【3.0.1.3】や3番人気【1.2.1.2】を狙いたい。

【主な前走のレース別成績(過去10年)】
前走 成績 勝率 連対率 複勝率
アンタレスS 6-5-4-34 12.2% 22.4% 30.6%
オグリキャップ記念 1-0-1-7 11.1% 11.1% 22.2%
マーチS 1-0-0-5 16.7% 16.7% 16.7%
都大路S 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
仁川S 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
名古屋大賞典 0-1-0-2 0.0% 33.3% 33.3%
梅田S(1600万下) 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
日経賞 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
群馬記念 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
エスペランサS 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%

Check3後方待機組の出番はない

 比較的距離の長いダートレースのため、位置取りは重要だ。4コーナーを先頭で通過した馬は【1.5.1.3】とかなり高い確率で馬券に絡んでいる。また、4コーナーを2、3番手で通過した馬の成績も悪くない。逆に4コーナー10番手以下の馬は57頭おり、全滅。前で競馬することができ、自ら動ける脚を持っていないと厳しいようだ。

【4コーナー通過順別の成績(過去10年)】
4角位置 成績 勝率 連対率 複勝率
1番手 1-5-1-3 10.0% 60.0% 70.0%
2番手 1-0-3-9 7.7% 7.7% 30.8%
3番手 3-2-0-5 30.0% 50.0% 50.0%
4~6番手 3-2-3-23 9.7% 16.1% 25.8%
7~9番手 2-1-3-24 6.7% 10.0% 20.0%
10番手以下 0-0-0-57 0.0% 0.0% 0.0%

Check45、6歳馬が中心

 年齢別では、5歳と6歳が好成績を残している。馬券圏内の7割が5歳or6歳が占めており、残りの3割が4歳or7歳以上だ。経験の浅い4歳馬や高齢馬はあまり好走しておらず、過信は禁物だ。

【年齢別成績(過去10年)】
年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
3歳 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 1-2-2-35 2.5% 7.5% 12.5%
5歳 5-3-4-29 12.2% 19.5% 29.3%
6歳 2-4-3-27 5.6% 16.7% 25.0%
7歳以上 2-1-1-29 6.1% 9.1% 12.1%