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第145回 天皇賞(春)(G1)

4月29日(日)京都競馬場 芝3200m

 今年は「近代競馬150周年記念」競走として行われる春の天皇賞。「帝室御賞典」競走として第1回が行われたのは、現在と同じ春秋2回になった1937年(昭和12年)秋のこと。それ以前にも各地で「帝室御賞典」は行われており、起源は1905年(明治38年)に横浜で行われた「エンペラーズカップ」にさかのぼる。まさに「近代競馬150周年記念」競走にふさわしい、歴史ある一戦だ。
 1984年に秋の天皇賞が2000mに短縮されるなど距離別のレース体系が整備され、現在はステイヤーの頂上決戦という位置づけになる。過去10年では、マンハッタンカフェヒシミラクル、そしてディープインパクトと菊花賞馬が計3勝。また、07年には前年の二冠馬・メイショウサムソンが勝利を飾っている。ただ、08年以降の優勝馬4頭はこのレースがG1初制覇となっており、淀の3200mの舞台でこそ輝く馬をいかに見つけ出すかがポイントになるレースだ。そんな春の天皇賞の過去10年の傾向を見てみよう。
2011年4月天皇賞春(G1)

写真:競馬ブック

Check13連単は波乱の連続

 過去10年、1番人気は【1.0.3.6】で、連対を果たしたのは三冠馬・ディープインパクトのみ。ここ3年は9、6、13着と掲示板にも乗らない敗戦を喫している。これに続く2~4番人気あたりはまずまずながら、5~6番人気は連対なし。2桁人気馬が【3.2.1.70】と6頭も馬券に絡むなど、人気薄の好走も目立っている。そのため、馬券は波乱の連続。特に3連単は、発売のあった7年のうち5回は18万馬券以上で、05年は193万馬券、一昨年にも90万馬券が出ている。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-0-3-6 10.0% 10.0% 40.0%
2 3-2-0-5 30.0% 50.0% 50.0%
3 1-2-0-7 10.0% 30.0% 30.0%
4 0-3-2-5 0.0% 30.0% 50.0%
5 0-0-3-7 0.0% 0.0% 30.0%
6 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
7 2-0-0-8 20.0% 20.0% 20.0%
8 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
9 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
10 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
11~ 2-2-1-61 3.0% 6.1% 7.6%
【1~3着馬の人気と主な配当】
02 03 04 05 06 07 08 09 10 11
1着馬人気 2 7 10 13 1 2 3 12 2 7
2着馬人気 3 8 4 14 2 11 2 4 4 3
3着馬人気 1 1 5 4 8 4 1 5 16 5
馬連 540 16490 36680 85020 380 20750 2000 10200 2320 6810
馬単 31770 75650 169320 430 25210 4430 22530 4190 15590
3連複 12300 211160 225950 2840 44540 1880 32390 208890 25530
3連単 1939420 4320 306390 13500 221080 911660 189840

Check2穴の注目は「別路線」組

 好走馬が多いのは大阪杯や日経賞、そして阪神大賞典という、直前に行われる中~長距離G2出走馬。大阪杯が3勝2着2回、日経賞が2勝2着5回、阪神大賞典が2勝2着1回など、この3レースで3着以内の好走馬30頭中24頭を占める
 ただ、2桁人気で好走した穴馬にかぎってみると、オープン特別の大阪-ハンブルクC組が3頭、日経賞組が2頭、そしてダートのダイオライト記念が1頭。6頭中4頭が上記の主要前哨戦3レースではなく、別路線から出ている。特に、大阪-ハンブルクCは好走した3頭がすべて2桁人気。人気薄なら主要前哨戦組の巻き返しではなく、特に「別路線」組に注目したい。

【2桁人気の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走 前走人気 前走着順
04 イングランディーレ 10 1 ダイオライト記念 4 2
05 スズカマンボ 13 1 大阪-ハンブルク 3 3
05 ビッグゴールド 14 2 大阪-ハンブルク 7 1
07 エリモエクスパイア 11 2 日経賞 7 10
09 マイネルキッツ 12 1 日経賞 7 2
10 メイショウドンタク 16 3 大阪-ハンブルク 5 11

Check34歳馬優勢、5歳以上は前走連対馬中心

 年齢別では4歳馬が【6.4.2.41】連対率18.9%で他を一歩リード。以下、好走馬数、連対率ともに5歳、6歳、7歳以上の順で、高齢になるほど成績は下降する傾向にある。また、3着以内馬30頭中24頭は前走3着以内馬だが、特に5歳以上で好走した馬は、18頭中15頭までが前走連対馬(ほかに前走3着が1頭)だった。

【年齢別成績(過去10年)】
年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
4歳 6-4-2-41 11.3% 18.9% 22.6%
5歳 2-3-6-32 4.7% 11.6% 25.6%
6歳 2-1-2-27 6.3% 9.4% 15.6%
7歳~ 0-2-0-36 0.0% 5.3% 5.3%
【5歳以上の好走馬(過去10年)】
馬名 年齢 前走レース 前走着順
02 ナリタトップロード 6 阪神大賞典 1
03 サンライズジェガー 5 阪神大賞典 10
03 ダイタクバートラム 5 阪神大賞典 1
04 イングランディーレ 5 ダイオライト記念 2
05 シルクフェイマス 5 京都記念 1
05 ビッグゴールド 7 大阪-ハンブルク 1
05 アイポッパー 5 阪神大賞典 2
06 リンカーン 6 日経賞 1
06 ストラタジェム 5 日経賞 2
07 トウカイトリック 5 阪神大賞典 3
08 アドマイヤジュピタ 5 阪神大賞典 1
08 メイショウサムソン 5 大阪杯 6
09 マイネルキッツ 6 日経賞 2
09 アルナスライン 5 日経賞 1
09 ドリームジャーニー 5 大阪杯 1
10 ジャガーメイル 6 京都記念G2 2
10 マイネルキッツ 7 日経賞 1
11 ナムラクレセント 6 阪神大賞典 1

Check4差し馬中心、先行型なら人気薄

 競馬道GT8の分類による脚質成績では、「差し」が【9.8.8.83】と好走馬のほとんどを占める。道中の出入りがあるために「逃げ」にカウントされる馬が少ないとはいえ、「逃げ」「先行」は3着以内に5頭のみ、そして「追込」は好走なしと、好位~中団あたりから差し込める馬が中心になる。
 3コーナーを3番手以内で通過して、3着以内に入った馬は表に挙げた7頭。3番人気以内だったのは08年1番人気のアサクサキングスのみで、7頭中5頭は2桁人気馬。先行型や、昨年のナムラクレセントのように早めの動きを見せそうな馬なら、人気薄にこそ妙味がある。

【脚質別成績(過去10年)】
脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
先行 0-2-2-19 0.0% 8.7% 17.4%
差し 9-8-8-83 8.3% 15.7% 23.1%
追込 0-0-0-33 0.0% 0.0% 0.0%
【3コーナー3番手以内の好走馬(過去10年)】
馬名 通過順 人気 着順
04 イングランディーレ 1-1-1-1 10 1
04 シルクフェイマス 4-3-2-2 5 3
05 ビッグゴールド 1-2-2-1 14 2
08 アサクサキングス 3-4-2-2 1 3
10 マイネルキッツ 2-2-2-1 4 2
10 メイショウドンタク 6-6-3-2 16 3
11 ナムラクレセント 10-10-1-1 5 3

第19回 青葉賞(G2)

4月28日(土) 東京競馬場 芝2400m

 日本ダービーと同じ東京競馬場の芝2400mで行われるダービートライアル、青葉賞。このレースで3着までに入ると日本ダービーの出走権を獲得できていたが、10年からはその条件が2着までと変更され、より厳しいレースが繰り広げられている。過去10年の勝ち馬からは02年のシンボリクリスエス、03年のゼンノロブロイ、06年のアドマイヤメイン、そして11年のウインバリアシオンが、日本ダービーで2着に入っている。そんな青葉賞の過去10年のデータから、レースの傾向を明らかにする。
2011年4月青葉賞(G2)

写真:競馬ブック

Check11、2番人気が強い

 1番人気は【6.0.2.2】でかなりの安定度を誇る。2番人気も【2.2.2.4】で複勝率60%と悪くない。1、2番人気で馬券圏内30頭中14頭を占めている。着順別で考えると、1着は1、2番人気が8頭、2着は4~8番人気が7頭。馬単なら1or2番人気→4~8番人気で狙ってみるのも面白いかも。2桁人気で好走したのは07年15番人気2着のトーセンマーチのみ。人気薄の好走はほぼ期待できない。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 6-0-2-2 60.0% 60.0% 80.0%
2 2-2-2-4 20.0% 40.0% 60.0%
3 1-0-2-7 10.0% 10.0% 30.0%
4 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
5 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
6 1-1-3-5 10.0% 20.0% 50.0%
7 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
8 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
9 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
10~ 0-1-0-81 0.0% 1.2% 1.2%

Check2毎日杯と弥生賞組が中心

 前走のレース別成績では、2つのレースが目立っている。好走馬が多いのは【4.3.3.8】の毎日杯組で、10年で10頭が馬券に絡んでいる。毎日杯の着順は好走馬10頭中8頭が3着以内。好走確率が高いのは【2.1.1.2】の弥生賞組。出走馬6頭すべてが、弥生賞の着順が皐月賞の権利を惜しくも取れなかった4~7着。ほかには数は少ないがすみれSが【1.1.0.2】と健闘している。

【主な前走のレース別成績(過去10年)】
前走 成績 勝率 連対率 複勝率
毎日杯 4-3-3-8 22.2% 38.9% 55.6%
弥生賞 2-1-1-2 33.3% 50.0% 66.7%
山吹賞 2-0-0-13 13.3% 13.3% 13.3%
すみれS 1-1-0-2 25.0% 50.0% 50.0%
若葉S 1-0-0-6 14.3% 14.3% 14.3%
500万下 0-2-2-29 0.0% 6.1% 12.1%
スプリングS 0-1-0-12 0.0% 7.7% 7.7%
未勝利 0-1-0-11 0.0% 8.3% 8.3%
ゆりかもめ賞 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
皐月賞 0-0-1-4 0.0% 0.0% 20.0%
アザレア賞 0-0-1-6 0.0% 0.0% 14.3%
ゆきやななぎ賞 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
フリージア賞 0-0-1-4 0.0% 0.0% 20.0%

Check3前走距離は2000mが好成績

 前走のクラス別成績では、G3が【4.3.3.9】で複勝率52.6%と圧倒的に素晴らしい成績を残しているが、ほとんどが毎日杯組。G2は弥生賞組は【2.1.1.2】といいが、スプリングS組は【0.1.0.12】と不振。500万下組で好走したのは10頭おり、そのうち9頭が前走1着。
 前走の距離別成績では、2000mが【4.5.6.35】で複勝率30%と高いのに対して、1800mは【3.2.1.58】で複勝率がわずかに9.4%。この200mの差は意外と大きいようだ。また青葉賞と同じ2400mは該当するレースがオープン以上にないためか【0.1.3.11】とイマイチ。

【前走のクラス別成績(過去10年)】
前走クラス 成績 勝率 連対率 複勝率
未勝利 0-1-0-11 0.0% 8.3% 8.3%
500万下 2-3-5-79 2.2% 5.6% 11.2%
オープン特別 2-1-0-24 7.4% 11.1% 11.1%
G3 4-3-3-9 21.1% 36.8% 52.6%
G2 2-2-1-15 10.0% 20.0% 25.0%
G1 0-0-1-4 0.0% 0.0% 20.0%
【前走の距離別成績(過去10年)】
前走距離 成績 勝率 連対率 複勝率
1600m 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%
1700m 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%
1800m 3-2-1-58 4.7% 7.8% 9.4%
2000m 4-5-6-35 8.0% 18.0% 30.0%
2200m 3-2-0-23 10.7% 17.9% 17.9%
2300m 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
2400m 0-1-3-11 0.0% 6.7% 26.7%
2500m 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
2600m 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

Check41~3枠が一歩リード

 毎年フルゲート近くまで出走馬が集まる青葉賞。多頭数の競馬でロスなく走ることができる内枠が好成績を残している。1着馬10頭中7頭が1~3枠。軸馬は内枠から選ぶのが無難のようだ。ただ6枠や8枠もそれなりの成績を残しており、外枠が絶対に不利というわけではなさそうだ。

【枠番別の成績(過去10年)】
枠番 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 2-1-1-15 10.5% 15.8% 21.1%
2枠 2-0-1-17 10.0% 10.0% 15.0%
3枠 3-2-0-15 15.0% 25.0% 25.0%
4枠 0-1-2-17 0.0% 5.0% 15.0%
5枠 0-3-1-16 0.0% 15.0% 20.0%
6枠 2-1-0-17 10.0% 15.0% 15.0%
7枠 0-1-3-21 0.0% 4.0% 16.0%
8枠 1-1-2-24 3.6% 7.1% 14.3%