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第72回 皐月賞(G1)

4月15日(日)中山競馬場 芝2000m

 牡馬クラシックの第一弾・皐月賞。昨年は震災の影響により東京競馬場で行われたが、今年は中山競馬場に戻っての開催になる。史上8頭めの三冠馬を目指す3歳馬にとっての第一関門。過去10年では05年のディープインパクト、そして昨年のオルフェーヴルがここを制し、秋には見事三冠馬に輝いた。ただ、ディープインパクトは無敗で断然の1番人気だったが、昨年のオルフェーヴルはこの時点では4番人気の評価。また、06年の二冠馬・メイショウサムソンは6番人気で優勝するなど、各世代の勢力図は皐月賞前までの戦績ではなく、この皐月賞の結果によってはっきりしてくる年も少なくない。今年はどんな王者が誕生するのか。過去の傾向を振り返ってみよう。
2011年4月皐月賞(G1)

写真:競馬ブック

Check1信頼性ひと息の2~5番人気

 過去10年、1番人気は【3.2.2.3】と、ほぼ水準級の成績。しかし、これに続く2~5番人気が合わせて【2.1.5.32】連対率7.5%と今ひとつに終わっており、上位人気トータルでの信頼性は決して高くない。その分、6~8番人気が【3.4.2.21】連対率23.3%と2~4番人気を上回る成績を収め、ここ6年連続で馬券圏内。3連複導入後の9回中8回が9000円以上になるなど、波乱の可能性も十分にあるレースだ。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 3-2-2-3 30.0% 50.0% 70.0%
2 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
3 1-0-2-7 10.0% 10.0% 30.0%
4 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
5 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
6 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
7 2-0-0-8 20.0% 20.0% 20.0%
8 0-2-1-7 0.0% 20.0% 30.0%
9 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
10 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
11~ 1-2-1-76 1.3% 3.8% 5.0%
2~5 2-1-5-32 5.0% 7.5% 20.0%
6~8 3-4-2-21 10.0% 23.3% 30.0%

Check2前走凡走馬は1頭まで

 Check1で記したように6番人気以下の好走も多いレースだが、連対馬の前走着順は20頭中16頭が3着以内。人気別成績から受ける印象からすれば、前走凡走馬の巻き返しは少ない。また、前走4着以下だった馬が同時に2頭以上3着以内に入った年はなく、穴狙いでも前走凡走馬を2頭以上絡めた組み合わせは期待薄だ。なお、連対馬はすべて前走で弥生賞、スプリングS、若葉Sのトライアル3競走いずれかに出走しており、他の路線からは最高でも3着(10年で3頭)に終わっている。

【連対馬の前走(過去10年)】
1着馬 前走 2着馬 前走
02 ノーリーズン 若葉S7着 タイガーカフェ 弥生賞3着
03 ネオユニヴァース スプリングS1着 サクラプレジデント スプリングS2着
04 ダイワメジャー スプリングS3着 コスモバルク 弥生賞1着
05 ディープインパクト 弥生賞1着 シックスセンス 若葉S4着
06 メイショウサムソン スプリングS1着 ドリームパスポート スプリングS3着
07 ヴィクトリー 若葉S1着 サンツェッペリン スプリングS8着
08 キャプテントゥーレ 弥生賞4着 タケミカヅチ 弥生賞3着
09 アンライバルド スプリングS1着 トライアンフマーチ 若葉S2着
10 ヴィクトワールピサ 弥生賞1着 ヒルノダムール 若葉S2着
11 オルフェーヴル スプリングS1着 サダムパテック 弥生賞1着

Check3不振の4~6枠

 過去10年のうち、東京開催の昨年を除いた9年を見ると、内から外まで好走馬が出ているが、中ほどの4~6枠には勝利がない。この4~6枠を引いた馬のうち、1番人気は複勝率こそ100%ながら3着2回で連対なし。Check1で今ひとつの成績だった2~5番人気は、4~6枠の10頭すべてが馬券圏外に敗れ去っている。

【枠番別成績(02~10年中山)】
成績 勝率 連対率 複勝率 1番人気 2~5人気
1 1-2-1-14 5.6% 16.7% 22.2% 0-0-0-1 0-0-1-3
2 1-1-0-16 5.6% 11.1% 11.1% 1-0-0-0 0-0-0-2
3 2-1-1-14 11.1% 16.7% 22.2% 該当なし 0-1-1-5
4 0-0-1-17 0.0% 0.0% 5.6% 該当なし 0-0-0-3
5 0-3-1-14 0.0% 16.7% 22.2% 0-0-1-0 0-0-0-2
6 0-0-2-16 0.0% 0.0% 11.1% 0-0-1-0 0-0-0-5
7 3-0-2-22 11.1% 11.1% 18.5% 2-0-0-2 0-0-2-1
8 2-2-1-22 7.4% 14.8% 18.5% 0-1-0-0 1-0-1-8

Check4サンデー系以外なら中山重賞優勝馬

 同じく中山開催の9回における種牡馬成績では、サンデーサイレンス自身も含めたサンデー系と、ブライアンズタイム産駒で合わせて17連対。その他の馬は3連対しかしていない。他系統から好走した3頭はコスモバルク、メイショウサムソン、そしてサンツェッペリンで、いずれも中山の重賞で勝利実績を持っていた。今年はブライアンズタイム産駒の登録がなく、弥生賞を勝ったコスモオオゾラ(父ロージズインメイ)以外の非サンデー系の馬はマイナスが必要だ。

【種牡馬別成績(02~10年中山、連対種牡馬)】
種牡馬名 成績 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス 3-3-2-16 12.5% 25.0% 33.3%
ブライアンズタイム 2-0-2-3 28.6% 28.6% 57.1%
ネオユニヴァース 2-0-0-2 50.0% 50.0% 50.0%
アグネスタキオン 1-0-0-6 14.3% 14.3% 14.3%
オペラハウス 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
マンハッタンカフェ 0-1-0-10 0.0% 9.1% 9.1%
スペシャルウィーク 0-1-0-5 0.0% 16.7% 16.7%
フジキセキ 0-1-0-2 0.0% 33.3% 33.3%
ゴールドアリュール 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
ザグレブ 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
テンビー 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
【サンデー系およびブライアンズT産駒以外の連対馬(02~10年中山)】
馬名 種牡馬名 人気 着順 中山重賞実績
04 コスモバルク ザグレブ 1 2 弥生賞1着
06 メイショウ
サムソン
オペラハウス 6 1 スプリングS
1着
07 サンツェッペリン テンビー 15 2 京成杯1着

Check4プラス体重は減点材料に

 馬体重の増減別では、マイナス体重で出走してきた馬が【6.8.7.89】で3着以内30頭中21頭。勝率こそ増減なしや馬体増の馬も差がないが、連対率は馬体増の馬が低く、複勝率ではマイナス体重だった馬が他を一歩リードしている。特に、プラス体重で5番人気以内に推された馬は【1.0.2.10】で連対率7.7%止まり。Check1にあるように、上位人気は全体的に不振ではあるものの、それでも5番人気以内のトータルでは【5.3.7.35】で連対率は16.0%あり、プラス体重だった馬の不振が目立つ

【馬体重増減別成績(過去10年)】
増減 成績 勝率 連対率 複勝率
+10kg~+14kg 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
+4kg~+9kg 2-0-1-20 8.7% 8.7% 13.0%
-3kg~+3kg 3-4-4-57 4.4% 10.3% 16.2%
-9kg~-4kg 4-5-2-57 5.9% 13.2% 16.2%
-14kg~-10kg 0-1-3-12 0.0% 6.3% 25.0%
-19kg~-15kg 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
プラス体重 2-0-3-35 5.0% 5.0% 12.5%
増減なし 2-2-0-26 6.7% 13.3% 13.3%
マイナス体重 6-8-7-89 5.5% 12.7% 19.1%
【馬体増で出走した5番人気以内の馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 増減
02 タニノギムレット 1 3 +2
02 ローマンエンパイア 2 14 +4
02 モノポライザー 3 16 +4
03 ネオユニヴァース 1 1 +4
04 ブラックタイド 2 16 +8
05 アドマイヤジャパン 3 3 +2
05 マイネルレコルト 2 4 +10
05 ダンスインザモア 5 8 +4
06 アドマイヤムーン 1 4 +6
07 ナムラマース 5 11 +4
08 スマイルジャック 4 9 +2
09 ベストメンバー 5 5 +2
09 リーチザクラウン 2 13 +6

第17回 アンタレスステークス(G3)

4月14日(土) 阪神競馬場 ダート1800m

 ダートが得意な古馬によって行われるアンタレスステークス。03年のゴールドアリュール、04年のタイムパラドックスなど、ダート史に名を残したスターホースが優勝している。比較的人気馬同士の決着が多いが、何年に1度は大波乱となり、ピットファイターが勝った05年は3連単が115万馬券、ワンダースピードが優勝した08年は3連単が52万馬券の決着となった。これまでは京都競馬場のダート1800mで行われていたが、今年から阪神競馬場のダート1800mでの開催となる。そんなアンタレスステークスの過去10年のデータから、傾向を探っていく。
2011年4月アンタレスS(G3)

写真:競馬ブック

Check11、2番人気が安定している

 1番人気と2番人気はどちらも複勝率60%と安定した成績を残しており、どちらかを軸にするのが無難。3~5番人気は複勝率が30~40%とまずまず。上位人気が強いが、2桁人気も4頭が馬券に絡んでおり、こちらも侮れない。単勝オッズ別では50~99.9倍が【0.1.3.13】で複勝率23.5%と高く、大穴を狙ってみるのもいい。

【人気別の成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-4-1-4 10.0% 50.0% 60.0%
2 3-1-2-4 30.0% 40.0% 60.0%
3 3-0-1-6 30.0% 30.0% 40.0%
4 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
5 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
6 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
7 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
8 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
9 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
10~ 0-2-2-59 0.0% 3.2% 6.3%

Check2フェブラリーS上位馬に逆らうな!

 前走のレース別では、G1のフェブラリーS組が【2.1.3.5】で複勝率が54.5%と高い。フェブラリーSで上位3着までに来た馬は、このアンタレスSでも3着以内に好走しており、信頼できる。マーチS組は7頭も馬券圏内に送り込んでいるが、優勝馬はゼロ。それ以外だと、ダイオライト記念や名古屋大賞典、川崎記念などの地方交流レース組が好走確率が高い

【主な前走のレース別成績(過去10年)】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
フェブラリーS 2-1-3-5 18.2% 27.3% 54.5%
コーラルS 2-1-1-16 10.0% 15.0% 20.0%
ダイオライト記念 1-0-1-3 20.0% 20.0% 40.0%
アルデバランS 1-0-0-3 25.0% 25.0% 25.0%
平安S 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
門司S(1600万下) 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
摩耶S(1600万下) 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
ベテルギウスS 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
マーチS 0-4-3-51 0.0% 6.9% 12.1%
名古屋大賞典 0-3-0-7 0.0% 30.0% 30.0%
甲南S(1600万下) 0-1-1-2 0.0% 25.0% 50.0%
川崎記念 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%

Check3上がり馬の好走に警戒が必要

 前走のクラス別成績は、少し意外な結果となった。最も出走馬が多いのはアンタレスSと同じG3だが、【1.4.3.55】で複勝率は12.7%と悪い。63頭も出走していながら、わずか1頭しか優勝馬を輩出していない。前走G1は、フェブラリーSがほぼすべてを占めており、【2.1.3.7】と好成績を残している。健闘が目立ったのは1600万下とオープン特別で、この2つのクラスから計10頭が3着以内に好走している。

【前走のクラス別成績(過去10年)】
前走クラス 成績 勝率 連対率 複勝率
1600万下 2-1-1-13 11.8% 17.6% 23.5%
オープン特別 4-1-1-30 11.1% 13.9% 16.7%
G3 1-4-3-55 1.6% 7.9% 12.7%
G2 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
G1 2-1-3-7 15.4% 23.1% 46.2%

Check44歳馬を狙え!

 年齢別では、【4.4.6.28】の4歳馬が活躍している。5歳馬は【2.2.2.42】と複勝率12.5%とイマイチ。ダート重賞は高齢馬の好走が目立つレースが多いが、アンタレスSは違うようで、7歳以上は【0.1.0.23】と不振。09年にワンダースピード(7歳)が2着したのが、唯一の好走例だ。

【年齢別の成績(過去10年)】
年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
4歳 4-4-6-28 9.5% 19.0% 33.3%
5歳 2-2-2-42 4.2% 8.3% 12.5%
6歳 4-3-2-30 10.3% 17.9% 23.1%
7歳以上 0-1-0-23 0.0% 4.2% 4.2%