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第56回 大阪杯(G2)

4月1日(日)阪神競馬場 芝2000m

 阪神競馬場の芝2000mを舞台に行われる大阪杯。春の天皇賞へ向けたステップレースのひとつに数えられるが、中距離2000mで行われることもあって、安田記念や宝塚記念を目標とするマイラーや中距離馬の参戦も見られる。近年では、07年のメイショウサムソン、そして昨年のヒルノダムールがこのレースと春の天皇賞を連勝。また、09年のドリームジャーニーは天皇賞こそ3着に敗れたが、続く宝塚記念で勝利を手中にしている。ほかに、08年のダイワスカーレットは年末の有馬記念を制覇。ここ5年の優勝馬のうち4頭は年内にG1を制するという、非常にレベルの高い一戦だ。そんな大阪杯の過去の傾向を見てみたい。
2011年4月大阪杯(G2)

写真:競馬ブック

Check11番人気は安定、ヒモ荒れを警戒

 過去10年、1番人気は【6.2.1.1】。馬券圏内を外したのは、重馬場で行われた06年のローゼンクロイツ(5着)1頭のみで、良~稍重では非常に安定した成績を残している。ただ、2着馬は半数が6番人気以下。これだけ1番人気が強いレースながら、馬連では4回が4000円以上を記録しており、ヒモ荒れには要注意だ。ただし2桁人気の好走例はない。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 6-2-1-1 60.0% 80.0% 90.0%
2 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
3 3-1-1-5 30.0% 40.0% 50.0%
4 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
5 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
6 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
7 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
8 0-2-1-7 0.0% 20.0% 30.0%
9 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
10 0-0-0-9 0.0% 0.0% 0.0%
11~ 0-0-0-23 0.0% 0.0% 0.0%

Check2関東馬に要注意

 過去10年の勝ち馬はすべて関西馬。しかし関東馬も出走が少ないながら【0.5.1.13】と2着5回、3着1回があり、連対率や複勝率では関東馬が関西馬を大きく上回る。好走した関東馬を見ると、6頭中4頭が5番人気以下。ここ2年は連続して人気薄の関東馬が2着に食い込んでいる。連単の1着では買いづらいものの、相手候補には穴馬でも警戒したい。

【東西別成績(過去10年)】
所属 着別度数 勝率 連対率 複勝率
関東馬 0-5-1-13 0.0% 26.3% 31.6%
関西馬 10-5-9-78 9.8% 14.7% 23.5%
【3着以内に好走した関東馬(過去10年)】
馬名 騎手 人気 着順
03 マグナーテン 横山典 1 2
04 マグナーテン 川原 8 2
04 カンファーベスト 藤田 5 3
07 シャドウゲイト 安藤光 2 2
10 ゴールデンダリア 9 2
11 ダークシャドウ 福永 8 2

Check34歳馬が他を圧倒

 性齢別では、4歳の牡・セン馬が【5.3.3.20】で連対率25.8%と、他を大きくリード。4歳牝馬で優勝したダイワスカーレットも含めると、4歳馬が連対を外した年は過去10年で2回しかない。そのうち1回は、Check1で触れた1番人気が馬券圏内を外した重馬場の06年。そしてもう1回はシェーンヴァルト(4番人気8着)1頭しか出走がなかった10年。良馬場かつ複数の4歳馬が出走するようなら特に軽視は禁物だ。また、07年や09年は1頭しか出走がなくても連対を果たしている(メイショウサムソン1着、ディープスカイ2着)。

【性齢別成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン馬 4歳 5-3-3-20 16.1% 25.8% 35.5%
5歳 2-2-5-22 6.5% 12.9% 29.0%
6歳 1-3-1-24 3.4% 13.8% 17.2%
7歳上 1-2-0-24 3.7% 11.1% 11.1%
牝馬 4歳 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
5歳 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
6歳 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
7歳上 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0%

Check45枠の上位人気馬は外せない

 枠番別では、全体的に中~外枠に好走馬が多い傾向にある。中でも特に、5枠は【6.1.0.9】勝率37.5%と抜群の好成績。その5枠の出走馬を見ると、昨年のヒルノダムールなど3番人気以内に推された6頭はすべて優勝。今年もし上位人気馬が5枠に入れば、有力な1着候補になる。また、人気薄でも一昨年には、9番人気のゴールデンダリアが2着に入っている。

【枠番別成績(過去10年)】
成績 勝率 連対率 複勝率
1 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
2 0-0-1-11 0.0% 0.0% 8.3%
3 1-3-0-9 7.7% 30.8% 30.8%
4 0-0-2-11 0.0% 0.0% 15.4%
5 6-1-0-9 37.5% 43.8% 43.8%
6 1-0-3-15 5.3% 5.3% 21.1%
7 1-2-1-15 5.3% 15.8% 21.1%
8 1-3-3-13 5.0% 20.0% 35.0%
【5枠の出走馬一覧(過去10年)】
馬番 馬名 人気 着順
02 7 サンライズペガサス 1 1
02 8 タマモヒビキ 8 7
03 8 タガノマイバッハ 3 1
03 9 ロサード 10 9
04 5 ネオユニヴァース 1 1
05 5 サンライズペガサス 1 1
06 5 カンパニー 3 1
06 6 シルクフェイマス 4 4
07 5 サンバレンティン 9 7
08 5 ブライトトゥモロー 10 5
09 6 アグネストレジャー 11 10
09 5 ヴィクトリー 6 11
10 6 ゴールデンダリア 9 2
10 5 タスカータソルテ 5 5
11 8 ヒルノダムール 1 1
11 9 イケドラゴン 15 11

第44回 ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)

4月1日(日) 中山競馬場 芝1600m

 開設以降、何度も条件が変更されてきたダービー卿CT。02年以降は現在と同じように、中山競馬場を舞台にした芝1600mのハンデ戦として行われている。マイラーにとって春の大一番である安田記念を目指す馬が多く出走する傾向にあるが、トリッキーな中山の芝1600mのハンデ戦のためか、毎年荒れている3連単がはじまって7回行われたが、そのうち6回は10万円を超えるビッグな配当となっている。昨年は東日本大震災の影響で阪神競馬場で開催された。そんなダービー卿CTの過去10年のデータを検証する。
2011年4月ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)

写真:競馬ブック

Check17番人気と2桁人気が狙い目

 1番人気は【1.0.1.8】で不振。2~6番人気の複勝率がそれぞれ10~30%と悪く、上位人気はまったく信頼できない。7番人気が【4.1.0.5】で複勝率5割と強く、2桁人気が【1.2.4.59】で計7頭が馬券に絡んでいる。
 2桁人気で好走した7頭の内訳は、前走がオープン特別の東風Sだった馬が5頭で、残りの2頭は中山牝馬Sと京都牝馬Sの牝馬限定重賞

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
2 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
3 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
4 1-2-0-7 10.0% 30.0% 30.0%
5 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
6 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
7 4-1-0-5 40.0% 50.0% 50.0%
8 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
9 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
10~ 1-2-4-59 1.5% 4.5% 10.6%
【2ケタ人気の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走 前走着順
03 マイネアイル 10 2 京都牝馬S 2
05 チアズメッセージ 10 2 中山牝馬S 14
06 グレイトジャーニー 11 1 東風S 3
06 キネティクス 15 3 東風S 5
07 マイネルハーティー 11 3 東風S 11
08 ダンスフォーウィン 16 3 東風S 9
09 マヤノライジン 12 3 東風S 14

Check2東風Sと1600万下組が中心

 前走のレース別成績では、同じ中山のマイル戦で行われるオープン特別の東風Sが最も好走馬を多く輩出している。好走馬30頭中13頭がこのレースで、複勝率も32.5%と高い。それ以外では、1600万下の条件戦組が【3.1.0.9】と強い。成績がよくないのがG2の中山記念で、【0.0.2.13】と格のわりに結果を残せていない。

【主な前走のレース別成績(過去10年)】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
東風 5-3-5-27 12.5% 20.0% 32.5%
1600万下 3-1-0-9 23.1% 30.8% 30.8%
東京新聞杯 1-0-2-7 10.0% 10.0% 30.0%
天皇賞秋 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
中山牝馬S 0-1-0-7 0.0% 12.5% 12.5%
フェブラリーS 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
鳴尾記念 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
中日新聞杯 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
京都牝馬S 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
オーシャンS 0-1-0-3 0.0% 25.0% 25.0%
中山記念 0-0-2-13 0.0% 0.0% 13.3%
中京記念 0-0-1-8 0.0% 0.0% 11.1%
小倉大賞典 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
阪急杯 0-0-0-12 0.0% 0.0% 0.0%
マイルCS 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
六甲S 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
大阪城S 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%

Check3ほどよいハンデが強い

 負担重量別の成績では、重いハンデと軽いハンデが苦戦傾向にある。53キロ以下の軽ハンデ馬は【1.2.0.33】で複勝率がわずかに8.3%。57キロ以上の重いハンデを背負った馬は【2.2.1.22】で複勝率18.5%でイマイチ。
 一方、成績がよいのは【3.4.4.21】で複勝率34.4%の54キロ、【3.2.2.24】の56キロも好走馬を多く輩出している。

【ハンデ別の成績(過去10年)】
ハンデ 成績 勝率 連対率 複勝率
50kg 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
51kg 0-1-0-4 0.0% 20.0% 20.0%
52kg 1-0-0-4 20.0% 20.0% 20.0%
53kg 0-1-0-23 0.0% 4.2% 4.2%
54kg 3-4-4-21 9.4% 21.9% 34.4%
55kg 1-0-2-23 3.8% 3.8% 11.5%
55.5kg 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
56kg 3-2-2-24 9.7% 16.1% 22.6%
56.5kg 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
57kg 1-1-1-14 5.9% 11.8% 17.6%
57.5kg 1-1-0-2 25.0% 50.0% 50.0%
58kg 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%
58.5kg 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
59kg 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

Check4外枠の人気薄が波乱を演出

 中山競馬場の芝1600mというと、スタートしてすぐにコーナーに入るので、一般的には内枠が有利で外枠が不利と言われている。ところが、このレースに限っては、それほど枠順の有利不利はないようだ。最も複勝率が高いのが36.8%の2枠だが、7、3、6枠と続いている。
 6枠で好走した4頭はすべてが7番人気以下。7枠で好走した6頭中3頭が7番人気以下。6、7枠の人気薄が激走する傾向にある。

【枠順別成績(過去10年)】
枠番 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 0-0-2-14 0.0% 0.0% 12.5%
2枠 2-2-3-12 10.5% 21.1% 36.8%
3枠 1-2-2-15 5.0% 15.0% 25.0%
4枠 2-1-0-17 10.0% 15.0% 15.0%
5枠 0-1-0-19 0.0% 5.0% 5.0%
6枠 3-1-0-16 15.0% 20.0% 20.0%
7枠 1-3-2-15 4.8% 19.0% 28.6%
8枠 1-0-1-18 5.0% 5.0% 10.0%