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第86回 中山記念(G2)

9月11日(日) 阪神競馬場 芝1200m

 約2ヶ月にわたる春の中山競馬開幕を飾る中山記念。古馬にとっては唯一の小回り1800mで行われるG2で、適性も比較的はっきりと出やすいためか、過去10年だけでも3頭が2勝を記録している。その筆頭格が08、09年にこのレースを連覇し、後に秋の天皇賞を制したカンパニー。ほかに、ローエングリンは4歳時と8歳時に2勝という離れ業を演じたほか、バランスオブゲームも05年から連覇を飾っている。安田記念を目標とするマイラーや、宝塚記念、あるいは秋には天皇賞を目指そうかという中距離馬の戦いになるこのレース。過去10年の傾向を見てみたい。
2010年9月セントウルステークス(G2)

写真:競馬ブック

Check12~3着の多い3~4番人気

 4番人気以内はいずれも複勝率40~60%と安定した成績で、1番人気は4勝。その一方で、3~4番人気があわせて【1.5.3.11】と、馬券圏内に絡んだ9頭中8頭が2~3着。5番人気も3着2回のため、このあたりの人気を本命にする際は券種選択に注意が必要だ。また、同じ中山1800mの中山牝馬S(昨年は阪神)は2桁人気馬が過去10年で10頭も3着以内に入っているが、このレースでは2頭のみ。馬連万馬券は一昨年の1万8080円の1回で、10年のうち8回は5000円以下と、あまり大きな波乱は期待できない

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 4-1-1-4 40.0% 50.0% 60.0%
2 1-1-2-6 10.0% 20.0% 40.0%
3 0-2-2-6 0.0% 20.0% 40.0%
4 1-3-1-5 10.0% 40.0% 50.0%
5 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
6 2-0-0-8 20.0% 20.0% 20.0%
7 0-2-1-7 0.0% 20.0% 30.0%
8 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
9 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
10 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
11~ 1-1-0-34 2.8% 5.6% 5.6%

Check25歳馬不振、人気薄なら6歳以上を

 性齢別では4歳と6歳の牡・セン馬がそれぞれ3勝で連対率20%台を記録。7歳以上は連対率ひと桁だが、勝ち馬は4頭と4、6歳を上回る。そして5歳の牡・セン馬はこの10年は未勝利で連対率もひと桁。複勝率では見劣らないものの、連対候補としては割り引いて考えたい
 また、Check1で触れたように人気薄の好走はさほど多くないが、6番人気以下の好走馬9頭をみると、そのうち7頭が6歳以上。冒頭に挙げたローエングリン8歳時とバランスオブゲーム7歳時の2勝目は、ともに6番人気。一昨年13番人気1着のトーセンクラウン(6歳)も中山【3.4.1.4】連対率58.3%と、レースやコース実績がある馬でも人気にならないケースもあるため、見落とさないようにしたい。

【性齢別成績(過去10年)】
性齢 成績 勝率 連対率 複勝率
4歳・牡セン 3-3-0-23 10.3% 20.7% 20.7%
5歳・牡セン 0-2-4-19 0.0% 8.0% 24.0%
6歳・牡セン 3-5-2-25 8.6% 22.9% 28.6%
7歳上・牡セン 4-0-3-38 8.9% 8.9% 15.6%
牝馬 0-0-1-1 0.0% 0.0% 50.0%
【6番人気以下の好走馬(過去10年)】
馬名 性齢 人気 着順
02 トウカイポイント セ6 8 1
トラストファイヤー 牡4 7 2
03 ダイワジアン 牡7 9 3
05 アルビレオ 牡5 7 3
06 バランスオブゲーム 牡7 6 1
07 ローエングリン 牡8 6 1
08 エイシンドーバー 牡6 7 2
10 トーセンクラウン 牡6 13 1
テイエムアンコール 牡6 12 2

Check3「行った行った」は意外に少ない

 中山1800mというと先行馬有利の印象もあり、このレースも3コーナーを先頭で通過した馬は過去10年【3.1.1.5】と半数が馬券圏内に残っている。ただ、逃げた馬は良くても先行馬全体が良いとは言えず、連対馬の半数は3コーナー7番手以下。一昨年は差し馬同士の決着で波乱になっている。いわゆる「行った行った」は06年、そして03年もそれに近い形だったが、いずれにしても先行馬ばかりを狙っていてはなかなか取れないレースだ。

【連対馬と通過順(過去10年)】
馬名 人気 着順 通過順
02 トウカイポイント 8 1 9-9-9-5
トラストファイヤー 7 2 13-13-13-10
03 ローエングリン 1 1 1-1-1-1
バランスオブゲーム 4 2 4-4-4-4
04 サクラプレジデント 1 1 7-7-7-6
サイドワインダー 3 2 12-12-12-14
05 バランスオブゲーム 4 1 2-3-3-3
カンパニー 2 2 10-11-11-12
06 バランスオブゲーム 6 1 1-1-1-1
ダイワメジャー 1 2 2-2-2-2
07 ローエングリン 6 1 1-1-1-1
エアシェイディ 3 2 14-14-12-12
08 カンパニー 2 1 2-2-2-2
エイシンドーバー 7 2 7-7-6-3
09 カンパニー 1 1 2-2-2-2
ドリームジャーニー 4 2 7-8-8-7
10 トーセンクラウン 13 1 12-12-9-6
テイエムアンコール 12 2 11-10-9-14
11 ヴィクトワールピサ 1 1 9-9-8-6
キャプテントゥーレ 4 2 1-1-1-1

Check4前走馬券圏外のほうが勝ちやすい!?

 昨年こそ前年の有馬記念馬・ヴィクトワールピサが圧勝してドバイワールドC制覇へと繋げたが、過去10年で前走1着馬の優勝はこのヴィクトワールピサのみ。前走2着馬も03年のローエングリンしかおらず、優勝馬10頭中8頭は前走で馬券圏外だった。
 ただ、前走3着以内馬も凡走ばかりではなく、1着2回、2着3回、3着4回と9頭が前走に続いて3着以内。このうち07年のダンスインザモア(5番人気)以外の8頭は3番人気以内に支持されている。複数の1着候補で悩んだら、前走好走の人気馬を外す手もある。

【優勝馬の前走(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走 前走人気 前走着順
02 トウカイポイント 8 1 白富士S 2 4
03 ローエングリン 1 1 東京新聞杯 1 2
04 サクラプレジデント 1 1 ジャパンC 10 14
05 バランスオブゲーム 4 1 マイルCS 8 8
06 バランスオブゲーム 6 1 根岸S 8 11
07 ローエングリン 6 1 鳴尾記念 6 4
08 カンパニー 2 1 東京新聞杯 1 4
09 カンパニー 1 1 マイルCS 2 4
10 トーセンクラウン 13 1 白富士S 4 8
11 ヴィクトワールピサ 1 1 有馬記念 2 1
【前走で3着以内だった好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走 前走人気 前走着順
03 ローエングリン 1 1 東京新聞杯 1 2
04 ローエングリン 2 3 香港マイル 3
05 カンパニー 2 2 京阪杯 4 2
06 ダイワメジャー 1 2 マイルCS 4 2
07 エアシェイディ 3 2 東京新聞杯 2 2
ダンスインザモア 5 3 ニューイヤーS 3 1
08 エアシェイディ 1 3 アメリカJCC 2 1
09 アドマイヤフジ 2 3 中山金杯 4 1
11 ヴィクトワールピサ 1 1 有馬記念 2 1

第56回 阪急杯(G3)

2月26日(日) 阪神競馬場 芝1400m

 これまで施行条件が何度も変化してきた高松宮記念のステップレース、阪急杯。96年に距離が1200mになり、00年には開催時期が2月末から3月初めになり、06年からは距離が1400mに延長され、現在と同じ条件になった。10年の勝ち馬エーシンフォワードが秋にマイルチャンピオンシップを勝利。09年の2着馬ローレルゲレイロは高松宮記念とスプリンターズSを制している。そんな活躍馬を多数送り出している阪急杯の過去10年のデータと、距離が1400mになった過去6年のデータから傾向を探っていく。
2011年2月阪急杯(G3)

写真:競馬ブック

Check1ほどほど人気の穴馬が狙い目

 1番人気は【1.2.1.6】と信頼度は今ひとつ。距離が1400mになった06年以降でも【0.2.1.3】とあまりよくない。好成績を残しているのは3番人気で【3.4.0.3】。2桁人気は【1.1.1.65】で3頭が馬券に絡んでいるが、06年以降は1頭のみ。荒れ気味のレースだが、極端な穴馬はあまり来ない。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
2 2-0-3-5 20.0% 20.0% 50.0%
3 3-4-0-3 30.0% 70.0% 70.0%
4 2-0-1-7 20.0% 20.0% 30.0%
5 0-2-2-6 0.0% 20.0% 40.0%
6 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
7 2-0-1-7 20.0% 20.0% 30.0%
8 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
9 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
10~ 1-1-1-65 1.5% 2.9% 4.4%

Check21400m以上の重賞組が活躍

 前走のレース別成績では、距離が1400mになった06年以降は、1600mの東京新聞杯組が【2.1.3.9】で毎年好走馬を送り出している。1400mの阪神カップ組も【2.1.1.4】と成績がよく、傾向としては1400m以上の重賞組が強い。成績がイマイチなのは1200mのシルクロードS組で【1.0.0.12】。

【主な前走のレース別成績(過去6年)】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
東京新聞杯 2-1-3-9 13.3% 20.0% 40.0%
阪神カップ 2-1-1-4 25.0% 37.5% 50.0%
シルクロードS 1-0-0-12 7.7% 7.7% 7.7%
小倉大賞典 1-0-0-6 14.3% 14.3% 14.3%
京阪杯 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
京都牝馬S 0-1-1-3 0.0% 20.0% 40.0%
京都金杯 0-1-0-4 0.0% 20.0% 20.0%
山城S(1600万下) 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
雲雀S(1600万下) 0-0-1-1 0.0% 0.0% 50.0%
バレンタインS 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
淀短距離S 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%

Check3内枠が圧倒的に好成績

 開幕週に行われ、ほぼフルゲートになる阪急杯。馬場がよくてロスのないインコースを走ることができる内枠の成績が圧倒的に良い1枠と2枠が好走馬30頭中16頭を占めている。外枠を買うなら差し追い込み馬か、もしくはスタートが抜群にうまい馬にしたい。

【枠番別の成績(過去10年)】
枠番 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 3-3-1-11 16.7% 33.3% 38.9%
2枠 4-2-3-11 20.0% 30.0% 45.0%
3枠 1-0-1-18 5.0% 5.0% 10.0%
4枠 1-0-1-18 5.0% 5.0% 10.0%
5枠 1-1-1-17 5.0% 10.0% 15.0%
6枠 0-0-2-18 0.0% 0.0% 10.0%
7枠 0-2-0-18 0.0% 10.0% 10.0%
8枠 1-1-1-17 5.0% 10.0% 15.0%

Check4実績馬が強い

 重賞で実績を残していると斤量が重くなる別定戦で行われる阪急杯。59キロが【1.2.0.1】で複勝率75%と好調で、58キロも【1.1.2.5】で複勝率44.4%と、重い斤量を背負った馬が強い。54キロは牝馬のみだが、21頭すべてが凡走に終わっている。このレースは斤量を背負った馬が信頼できる

【斤量別の成績(過去10年)】
斤量 成績 勝率 連対率 複勝率
54kg 0-0-0-21 0.0% 0.0% 0.0%
55kg 0-2-1-4 0.0% 28.6% 42.9%
56kg 5-3-5-74 5.7% 9.2% 14.9%
57kg 4-1-2-23 13.3% 16.7% 23.3%
58kg 1-1-2-5 11.1% 22.2% 44.4%
59kg 1-2-0-1 25.0% 75.0% 75.0%

第21回 アーリントンカップ(G3)

2月25日(土) 阪神競馬場 芝1600m

 87年に創設されたペガサスステークスが前身。92年からアメリカのアーリントン・インターナショナル競馬場と阪神競馬場が提携をしたのを機に、現在の名称「アーリントンカップ」として行われるようになった。過去10年の勝ち馬からは、02年のタニノギムレットが日本ダービーを優勝、03年のウインクリューガーがNHKマイルCを制している。また、06年の2着馬ロジックがNHKマイルCを優勝、08年3着のディープスカイがNHKマイルCと日本ダービーを勝つなど、このレースの好走馬が後に3歳G1を制するケースが多い。そんなアーリントンカップの過去10年の傾向に迫る。
2011年2月アーリントンカップ(G3)

競馬ブック

Check32番人気が不振で、結構荒れる

 1番人気は【3.2.0.5】でまずまずだが、勝利したのは02、04、05年。最近6年は勝っていない。2番人気は【1.0.1.8】でイマイチ。1、2番人気が揃って馬券圏外に敗れたのが5回もあり、荒れムード。5番人気が【2.2.2.4】で、最近4年で2勝3着1回と好調だ。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 3-2-0-5 30.0% 50.0% 50.0%
2 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
3 1-1-3-5 10.0% 20.0% 50.0%
4 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
5 2-2-2-4 20.0% 40.0% 60.0%
6 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
7 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
8 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
9 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
10~ 0-2-1-47 0.0% 4.0% 6.0%

Check2前走は500万下やOP特別が強い

 前走のレース別では、500万下の条件戦組が好走馬が多く、10頭が馬券に絡んでいる。また、オープン特別のクロッカスS組が3勝するなど、あまり前走のレースの格は必要ではない。G1の朝日杯FS組は【0.3.1.7】で、好走確率は高いが勝ち馬はゼロ。
 一方、不振なのは共同通信杯組ときさらぎ賞組。どちらも2月に行われる1800mの重賞で活躍しそうな気がするが、1頭も好走馬が出ていない。

【主な前走のレース別成績(過去10年)】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
500万下(特別含む) 4-2-4-36 8.7% 13.0% 21.7%
クロッカスS 3-0-0-4 42.9% 42.9% 42.9%
シンザン記念 1-2-2-6 9.1% 27.3% 45.5%
新馬 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
京王杯2歳S 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
朝日杯FS 0-3-1-7 0.0% 27.3% 36.4%
バイオレットS 0-1-0-3 0.0% 25.0% 25.0%
さざんかS 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
いちょうS 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
ジュニアC 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
若駒S 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
ラジオNIKKEI杯2歳S 0-0-1-1 0.0% 0.0% 50.0%
未勝利 0-0-0-15 0.0% 0.0% 0.0%
共同通信杯 0-0-0-8 0.0% 0.0% 0.0%
きさらぎ賞 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%

Check3勝ち馬は前走1400m!

 前走の距離別では、アーリントンCよりも200m短い1400m組が8勝と圧倒的な数字を残している。そのうち3頭がダートの1400mで500万下。阪神コースはパワータイプのダート馬が狙い目だ。アーリントンCと同じ1600mは【2.7.6.36】で、連対率と複勝率は高いが勝ち馬は少ない。1800m以上は【0.0.4.27】で来ても3着までと考えてよい。

【前走の距離別成績(過去10年)】
前走距離 成績 勝率 連対率 複勝率
1200m 0-1-0-12 0.0% 7.7% 7.7%
1400m 8-2-0-33 18.6% 23.3% 23.3%
1500m 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
1600m 2-7-6-36 3.9% 17.6% 29.4%
1800m 0-0-1-22 0.0% 0.0% 4.3%
2000m 0-0-3-5 0.0% 0.0% 37.5%

Check4逃げ先行馬を素直に信頼

 脚質別では、逃げ馬が【4.1.2.3】で70%の確率で馬券に絡んでいる。それ以外でも前で競馬した馬の成績が圧倒的によく、4コーナー10番手以降などの追い込み馬は43頭中1頭しか好走していない。ただし、後にG1馬になるタニノギムレット、ロジック、ディープスカイは中団より後ろで競馬をして好走しており、こういう馬は今後に注目したい。

【4コーナー通過順別の成績(過去10年)】
4角位置 成績 勝率 連対率 複勝率
1番手 4-1-2-3 40.0% 50.0% 70.0%
2番手 1-2-2-9 7.1% 21.4% 35.7%
3番手 3-1-2-6 25.0% 33.3% 50.0%
4~6番手 1-5-2-23 3.2% 19.4% 25.8%
7~9番手 1-1-1-27 3.3% 6.7% 10.0%
10番手以下 0-0-1-42 0.0% 0.0% 2.3%