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第53回 アメリカジョッキークラブC(G2)

1月22日(日)中山競馬場 芝2200m

 スピードシンボリやタケホープ、アンバーシャダイ、ミホシンザンなど、競馬史に名を残す名馬が数多く優勝馬に名を連ねるアメリカジョッキークラブC。99年のスペシャルウィークを最後にG1馬の優勝はないが、07年のマツリダゴッホ、そして昨年のトーセンジョーダンは、年明け初戦のこのレースを制し、秋競馬でビッグタイトルを獲得。その年の古馬G1戦線を占う意味でも見逃せない一戦だ。そんなアメリカジョッキークラブCの過去の傾向を見てみよう。
2011年1月アメリカジョッキークラブC(G2)

写真:競馬ブック

Check1人気順より単勝オッズに注目!?

 過去10年のうち、優勝馬9頭、連対馬16頭は5番人気以内。3着は半数が6番人気以下だが、連軸は上位人気から選びたい。ただ、その「上位人気」は2番人気の連対率50.0%が頭ひとつ抜けている以外、20~30%でほぼ互角。人気馬ばかりボックスで買うわけにもいかず、取捨選択が少々難しい。
 しかし、単勝オッズ別に見ると、好走馬の多いゾーン、少ないゾーンがはっきりとする。高連対率は単勝1倍台、3倍台、4倍台、7.0~9.9倍3着候補としてはこれに10倍台の後半も加わる。逆に今ひとつなのは【0.0.0.4】の2倍台をはじめとして、5.0~6.9倍、そして10倍台の前半あたり。人気馬の取捨に悩んだ際には、締め切り直前の単勝オッズを参考にする手もありそうだ。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 3-0-0-7 30.0% 30.0% 30.0%
2 3-2-1-4 30.0% 50.0% 60.0%
3 0-3-2-5 0.0% 30.0% 50.0%
4 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
5 2-1-1-6 20.0% 30.0% 40.0%
6 0-1-3-6 0.0% 10.0% 40.0%
7 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
8 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
9 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
10~ 0-0-0-32 0.0% 0.0% 0.0%
【単勝オッズ別成績(過去10年)】
単勝 成績 勝率 連対率 複勝率
1.5~1.9 3-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
2.0~2.9 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%
3.0~3.9 2-2-0-4 25.0% 50.0% 50.0%
4.0~4.9 0-2-1-2 0.0% 40.0% 60.0%
5.0~6.9 1-1-1-9 8.3% 16.7% 25.0%
7.0~9.9 3-1-3-1 37.5% 50.0% 87.5%
10.0~14.9 0-1-0-10 0.0% 9.1% 9.1%
15.0~19.9 1-0-3-5 11.1% 11.1% 44.4%
20.0~29.9 0-3-0-11 0.0% 21.4% 21.4%
30.0~49.9 0-0-2-10 0.0% 0.0% 16.7%
50.0~ 0-0-0-36 0.0% 0.0% 0.0%

Check2不振の目立つ6歳馬

 牡・セン馬の年齢別では5歳が【4.2.2.15】勝率17.4%、連対率26.1%4歳は1勝止まりだが、連対率では5歳と肩を並べる26.3%を記録。また7歳以上が【4.4.4.32】。出走馬が多いため連対率はやや見劣るものの、好走馬数はトップになるため、高齢馬への警戒も必要だ
 そんな中で、6歳は【1.0.3.30】と不振が目立つ。1番人気のグラスボンバー4着(06年)、2番人気のマチカネキンノホシ(02年)とグラスポジション(05年)が5着、そして3番人気のトウカイトリック7着(08年)と人気馬の凡走もあり、割り引きが必要だ。なお、牝馬は【0.0.0.4】で、昨年のダイワジャンヌ5着が最高。馬券圏内は96年2着のダンスパートナーまでさかのぼる。

【性齢別成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン 4歳 1-4-1-13 5.3% 26.3% 31.6%
5歳 4-2-2-15 17.4% 26.1% 34.8%
6歳 1-0-3-28 3.1% 3.1% 12.5%
7歳上 4-4-4-32 9.1% 18.2% 27.3%
4歳 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0%
5歳 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
6歳 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
7歳上 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

Check3近年は中山金杯組と有馬記念組優勢

 過去10年では菊花賞やジャパンC組など、さまざまなステップでの好走が見られるが、近年は中山金杯と有馬記念組が中心08年以降の4年間では、連対馬8頭中7頭、3着以内馬12頭中9頭が、前走でこのどちらかのレースに出走していた。G1の有馬記念組はもちろん、G3の中山金杯組でも11着、5着という馬券圏外からの巻き返しがある点は要注意だ。また、他のレースをステップにした馬も含め、好走馬12頭中11頭はG2連対実績を持つ馬だった。

【1~3着馬の前走とG2実績(過去4年)】
馬名 人気 着順 前走レース 前走人気 前走着順 主なG2実績
08 エアシェイディ 2 1 中山金杯 2 2 アメリカJCC2着
トウショウナイト 9 2 中山金杯 10 11 アルゼンチン共和国杯1着
ブラックアルタイル 6 3 クリスマスC 4 1 未経験
09 ネヴァブション 4 1 中山金杯 3 5 日経賞1着
エアシェイディ 2 2 有馬記念 10 3 アメリカJCC1着
トウショウシロッコ 7 3 ディセンバーS 1 1 セントライト記念2着
10 ネヴァブション 5 1 有馬記念 13 12 アメリカJCC1着
シャドウゲイト 9 2 有馬記念 16 9 大阪杯2着
トウショウシロッコ 3 3 中山金杯 5 2 セントライト記念2着
11 トーセンジョーダン 1 1 有馬記念 7 5 アルゼンチン共和国杯1着
ミヤビランベリ 6 2 中日新聞杯 8 18 アルゼンチン共和国杯1着
ネヴァブション 3 3 有馬記念 12 8 アメリカJCC1着

Check4差し馬に注目

 東京開催の02年を除く過去9年、競馬道GT8の脚質分類では「差し」が3着以内に18頭と、好走馬の3分の2を占める。連対率50.0%を記録する「逃げ」も見逃せないが、仮にその逃げ馬から買うにしても、相手には差し馬を絡めておきたい。特に3着は9頭のうち8頭が「差し」で、1頭が「追込」。もし1着候補にこれといった馬が見当たらなければ、差し馬を3連単の3着固定で買ってみてもおもしろい。

【脚質別成績(過去9年)】
脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 2-2-0-4 25.0% 50.0% 50.0%
先行 1-1-0-15 5.9% 11.8% 11.8%
差し 6-4-8-46 9.4% 15.6% 28.1%
追込 0-2-1-18 0.0% 9.5% 14.3%
【3着馬の通過順(過去9年)】
馬名 通過順 4角 人気 着順
03 アグネススペシャル 11-9-8-10 2 3
04 ユキノサンロイヤル 9-7-8-4 最内 8 3
05 ユキノサンロイヤル 12-10-8-5 大外 5 3
06 ハイアーゲーム 10-8-7-5 4 3
07 シルクネクサス 5-6-6-6 最内 6 3
08 ブラックアルタイル 9-10-8-5 大外 6 3
09 トウショウシロッコ 6-6-6-3 7 3
10 トウショウシロッコ 5-7-7-6 最内 3 3
11 ネヴァブション 10-10-10-7 大外 3 3

第19回 平安ステークス(G3)

1月22日(日) 京都競馬場 ダ1800m

 94年に始まった冬のダート重賞、平安ステークス。2月に行われるG1、フェブラリーSを目指す実力馬が数多く出走して、レベルの高いレースが繰り広げられている。07年にこのレース2着のサンライズバッカスが続くフェブラリーSを勝利したほか、03年4着のビワシンセイキは2着05年1着のヒシアトラスが3着に入るなど、フェブラリーSとの関連性は強い。また、09年2着のエスポワールシチー、06年2着のヴァーミリアンが、その後のダートG1のタイトルを総なめにするなど、次代のスター候補が出走する傾向にある。そんな平安ステークスの傾向を過去10年のデータから検証する。
2011年1月平安ステークス(G3)

写真:競馬ブック

Check11番人気は勝利なし

 1番人気は【0.3.2.5】で未勝利だが、最近4年で2着が3回があり、それほど不振というわけではない。2桁人気は【0.1.1.62】でほとんど出番はない。馬券圏内に入った2頭はいずれも前走が地方交流戦。
 単勝オッズ別だと、3.9倍以下の人気馬が【1.2.2.6】で勝率9%、連対率27.2%と苦戦している。5.0~9.9倍が【3.3.2.16】で複勝率33.3%に対して、10倍台も【5.0.4.18】で複勝率33.3%と同じで、比較的健闘している

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 0-3-2-5 0.0% 30.0% 50.0%
2 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
3 1-3-1-5 10.0% 40.0% 50.0%
4 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
5 3-0-2-5 30.0% 30.0% 50.0%
6 2-0-0-8 20.0% 20.0% 20.0%
7 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
8 0-2-1-7 0.0% 20.0% 30.0%
9 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
10~ 0-1-1-62 0.0% 1.6% 3.1%
【単勝オッズ別の成績(過去10年)】
単勝オッズ 成績 勝率 連対率 複勝率
1.5~1.9 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
2.0~2.9 1-0-2-2 20.0% 20.0% 60.0%
3.0~3.9 0-1-0-3 0.0% 25.0% 25.0%
4.0~4.9 0-2-1-3 0.0% 33.3% 50.0%
5.0~6.9 1-2-0-8 9.1% 27.3% 27.3%
7.0~9.9 2-1-2-8 15.4% 23.1% 38.5%
10.0~14.9 2-0-3-12 11.8% 11.8% 29.4%
15.0~19.9 3-0-1-6 30.0% 30.0% 40.0%
20.0~29.9 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
30.0~49.9 0-1-1-17 0.0% 5.3% 10.5%
50.0~99.9 0-0-0-22 0.0% 0.0% 0.0%
100.0~ 0-1-0-34 0.0% 2.9% 2.9%

Check2人気薄の高齢馬の一発を警戒

 年齢別の成績では、連対率と複勝率は5歳が一番よく、4歳が続いている。だが7歳以上が4勝しており、勝率では高齢馬がトップ。その内訳は、02年7番人気7歳馬スマートボーイが逃げ切り勝ち、03年6番人気8歳馬スマートボーイが逃げ切り勝ち、08年6番人気8歳馬クワイエットデイが3番手追走から勝利、09年3番人気7歳馬ワンダースピードが3番手追走から優勝。高齢馬なら人気薄で、逃げかその直後を追走できる馬が狙い目

【年齢別成績(過去10年)】
年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
4歳 1-4-2-23 3.3% 16.7% 23.3%
5歳 3-5-2-25 8.6% 22.9% 28.6%
6歳 2-1-5-43 3.9% 5.9% 15.7%
7歳以上 4-0-1-33 10.5% 10.5% 13.2%

Check3逃げ馬の直後で競馬をする馬が強い

 脚質別の成績では、前で競馬をした馬が好成績を残している。4コーナー通過順を複勝率で比較すると、2番手が58.3%、3番手が56.3%と抜群に高い数字で、逃げ馬の30%を上回っている。一方、4~6番手は13.8%、7~9番手は18.8%と一気に数字が悪くなっている。さらに10番手以下は54頭中馬券に絡んだのが1頭のみという壊滅的な結果に終わっている。

【4コーナー通過順別成績(過去10年)】
4角位置 成績 勝率 連対率 複勝率
1番手 2-1-0-7 20.0% 30.0% 30.0%
2番手 3-3-1-5 25.0% 50.0% 58.3%
3番手 2-2-5-7 12.5% 25.0% 56.3%
4~6番手 1-1-2-25 3.4% 6.9% 13.8%
7~9番手 1-3-2-26 3.1% 12.5% 18.8%
10番手以下 1-0-0-53 1.9% 1.9% 1.9%

Check41600m以下からの距離延長組は全滅

 前走のレース別成績は、あまりはっきりした傾向はなかった。前走の距離別は、わかりやすい傾向が出た。1600m以下からの距離延長組は22頭すべてが馬券圏外に敗れている。同距離の1800m【6.5.5.58】に対して、1ハロン長い2000m【3.2.3.17】が勝率、連対率、複勝率すべてで上回っている

【前走の距離別成績(過去10年)】
前走の距離 成績 勝率 連対率 複勝率
~1600m 0-0-0-22 0.0% 0.0% 0.0%
1700m 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
1800m 6-5-5-58 8.1% 14.9% 21.6%
2000m 3-2-3-17 12.0% 20.0% 32.0%
2100m 0-1-1-9 0.0% 9.1% 18.2%
2300m 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
2500m~ 1-1-0-10 8.3% 16.7% 16.7%