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第59回 日経新春杯(G2)

1月15日(日) 京都競馬場 芝2400m

 年が明けて最初のG2競走。00年に施行時期が1週繰り上げられ、有馬記念との間隔も詰まることになったが、01年のステイゴールドや昨年のルーラーシップが、有馬記念7、6着から巻き返して勝利を飾っている。両馬のように、この勝利を足がかりにドバイへ遠征する馬、そして春の天皇賞を目指す馬など、さまざまなタイプが参戦するレース。また、09年のテイエムプリキュア、そして一昨年のメイショウベルーガは、秋に同じ京都外回りで行われるエリザベス女王杯で2着に好走。牝馬の参戦があれば、秋へ向けてもぜひ覚えておきたい一戦だ。そんな日経新春杯の過去10年の傾向を振り返りたい。
2011年1月日経新春杯(G2)

写真:競馬ブック

Check1単勝ひと桁台後半に注目

 単勝オッズ別では2.9倍以下に推された8頭はいずれも2着以下。勝利を挙げているのは3倍以上の馬ばかりだ。特に、表の下部にも記したように単勝5倍以上10倍未満の好走確率が高く、有力馬の中でも2番手以下のグループに入るあたりが良い。人気別では1番人気は【1.2.2.5】勝率10.0%、連対率30.0%に対し、2~4番人気が【7.5.3.15】勝率23.3%、連対率40.0%

【単勝オッズ別成績(過去10年)】
単勝 成績 勝率 連対率 複勝率
1.5~1.9 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
2.0~2.9 0-1-2-4 0.0% 14.3% 42.9%
3.0~3.9 2-1-0-1 50.0% 75.0% 75.0%
4.0~4.9 1-0-0-5 16.7% 16.7% 16.7%
5.0~6.9 2-3-3-4 16.7% 41.7% 66.7%
7.0~9.9 3-2-0-6 27.3% 45.5% 45.5%
10.0~14.9 1-1-1-10 7.7% 15.4% 23.1%
15.0~19.9 0-1-1-11 0.0% 7.7% 15.4%
20.0~29.9 0-0-0-11 0.0% 0.0% 0.0%
30.0~49.9 1-1-0-14 6.3% 12.5% 12.5%
50.0~99.9 0-0-2-12 0.0% 0.0% 14.3%
100.0~ 0-0-1-21 0.0% 0.0% 4.5%
1.0~4.9 3-2-2-11 16.7% 27.8% 38.9%
5.0~9.9 5-5-3-10 21.7% 43.5% 56.5%

Check254~56キロ台が17連対 軽ハンデ馬は3着に

 ハンデは54~56キロ台が9勝、2着8回で、17連対と連対馬の大半を占める。57キロ以上は【0.2.1.16】にとどまり、重いハンデを背負った実績馬はあまり良い結果を残せていない。一方、53キロ台以下は連対こそ49キロの牝馬テイエムプリキュア(1着)のみだが、3着には計7頭。3連複や3連単の相手候補としては警戒が必要だ。

【ハンデ別成績(過去10年)】
斤量 成績 勝率 連対率 複勝率
49kg台 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
50kg台 0-0-2-4 0.0% 0.0% 33.3%
51kg台 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
52kg台 0-0-3-10 0.0% 0.0% 23.1%
53kg台 0-0-2-10 0.0% 0.0% 16.7%
54kg台 3-4-0-21 10.7% 25.0% 25.0%
55kg台 3-2-0-13 16.7% 27.8% 27.8%
56kg台 3-2-2-18 12.0% 20.0% 28.0%
57kg台 0-1-0-11 0.0% 8.3% 8.3%
58kg台 0-1-1-5 0.0% 14.3% 28.6%

Check33~4枠優勢 6~8枠は2着多し

 1コーナーまで距離の長い京都外回り2400m戦。あまり枠順は関係なさそうだが、このレースの過去10年では3~4枠が計5勝を挙げ、勝率10%を超えるのもこの3枠と4枠のみ。対して6~8枠は該当馬が多いにも関わらず2勝止まり。計【2.8.2.47】と2着が非常に多くなっている。ただ、この6~8枠の2勝はここ2年で挙げたもので、一昨年は枠連6-8(馬単12→8)、昨年は枠連6-7(馬単8→11)。傾向が変わりつつある可能性には注意したい。なお、馬番では偶数番が9勝、2着5回、3着2回。奇数番は好走しても2~3着が多い。

【枠番別成績(過去10年)】
枠番 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-0-1-10 8.3% 8.3% 16.7%
2 1-0-1-10 8.3% 8.3% 16.7%
3 2-0-1-10 15.4% 15.4% 23.1%
4 3-1-2-9 20.0% 26.7% 40.0%
5 1-1-3-14 5.3% 10.5% 26.3%
6 1-3-0-15 5.3% 21.1% 21.1%
7 0-3-1-16 0.0% 15.0% 20.0%
8 1-2-1-16 5.0% 15.0% 20.0%

Check4明け4~5歳馬優勢

 年齢別では明け4~5歳馬が優勢。牡・セン馬は5歳が9連対で連対率32.1%4歳馬は連対率21.4%止まりだが、3着6回で複勝率では42.9%と5歳を上回る安定感を誇る。6歳、7歳以上はともに複勝率でもひと桁の不振だ。その6歳以上で好走した4頭は3~4番人気。1~2番人気は【0.0.0.3】だけに、人気になれば良いわけでもないが、Check1の単勝オッズ別成績からも、6歳以上でも上位人気の一角に入る馬なら軽視は出来ない。
 そして牝馬は5歳が【1.0.2.1】複勝率75.0%の好成績。この好走馬3頭はいずれも08年以降で、6歳牝馬の1着も09年と、牝馬の好走は近年に集中しており、今年も特に5歳牝馬の出走があれば注目したい。

【性齢別成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン 4歳 3-3-6-16 10.7% 21.4% 42.9%
5歳 4-5-1-18 14.3% 32.1% 35.7%
6歳 0-1-1-22 0.0% 4.2% 8.3%
7歳上 1-1-0-33 2.9% 5.7% 5.7%
4歳 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%
5歳 1-0-2-1 25.0% 25.0% 75.0%
6歳 1-0-0-4 20.0% 20.0% 20.0%
7歳上 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
【6歳以上、牡・セン馬の好走馬(過去10年)】
馬名 性齢 人気 着順
02 ホットシークレット セ6 3 2
04 ダービーレグノ 牡6 3 3
07 トウカイエリート 牡7 4 2
08 アドマイヤモナーク 牡7 3 1

Check4芝2000m組、有馬記念組の巻き返しに注意

 好走馬の前走着順を見ると、勝ち馬10頭中8頭、2着馬同6頭が前走3着以内馬。基本的には前走好走馬が引き続き好成績を残している。前走1600万条件出走馬でも要注意だ。
 一方、前走6着以下から3着以内への巻き返しは計8頭。このタイプは傾向がはっきりしており、3頭が有馬記念組、そして4頭が芝2000m出走馬(残る1頭は万葉S)。現在は鳴尾記念が1800mに短縮されてしまったが、それでも愛知杯やアンドロメダS2桁着順からの一変がある。相手弱化の有馬記念組と並び、距離延長馬の変わり身にも要注意だ。

【前走6着以下からの好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走 前走
距離
前走
着順
02 ホットシークレット 3 2 有馬記念 25 13
04 マーブルチーフ 8 2 鳴尾記念 20 11
ダービーレグノ 3 3 有馬記念 25 6
05 マーブルチーフ 7 2 鳴尾記念 20 8
08 テイエムプリキュア 12 3 万葉S 30 8
09 テイエムプリキュア 11 1 愛知杯 20 18
10 レッドアゲート 12 3 アンドロメダS 20 16
11 ルーラーシップ 2 1 有馬記念 25 6

第52回 京成杯(G3)

1月15日(日) 中山競馬場 芝2000m

 61年に創設され、当初は中山競馬場の芝1600mを舞台に行われていた京成杯。99年に皐月賞と同じ中山の芝2000mに変更されると、クラシックを狙う素質馬が多く出走するようになり、レースのレベルが上がった。歴代の勝ち馬からは、10年のエイシンフラッシュが日本ダービーを制したのをはじめ、07年のサンツェッペリンが皐月賞2着05年のアドマイヤジャパンが菊花賞で2着に入るなど、3歳クラシックレースとの結びつきが強い。また、09年2着のナカヤマフェスタが翌年の宝塚記念を優勝04年の3着のキングカメハメハがNHKマイルCと日本ダービーを勝利するなど、歴史に残る名馬を輩出している。そんな京成杯の過去10年のデータから傾向を明らかにする。
2011年1月京成杯(G3)

写真:競馬ブック

Check11、2番人気が強い

 1番人気は【5.2.1.2】と強く、2番人気も【4.1.1.4】で安定している。1、2番人気が揃って連対を外したケースはなく、どちらかを軸にして予想を組み立てるのが無難だ。3、4番人気もそこそこ健闘しており、上位人気同士で決着するケースが多い。2桁人気で馬券に絡んだのはわずかに2頭で、人気薄の激走はあまり期待できない。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 5-2-1-2 50.0% 70.0% 80.0%
2 4-1-1-4 40.0% 50.0% 60.0%
3 1-2-0-7 10.0% 30.0% 30.0%
4 1-1-2-6 10.0% 20.0% 40.0%
5 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
6 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
7 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
8 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
9 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
10~ 0-1-1-35 0.0% 2.7% 5.4%

Check2エリカ賞組は信頼できる

 前走は京成杯と同じ芝2000mを使った馬が多い。ただその中でも、500万下のエリカ賞は【3.0.1.1】と好成績を残しているのに対して、G3のラジオNIKKEI杯2歳Sは【1.2.1.10】で複勝率28%、オープン特別のホープフルSは【3.1.2.17】で複勝率26%と、凡走する馬が目立っている。未勝利を勝ったばかりの馬は【1.2.1.23】で好走することもあるが、新馬は【0.0.0.14】で全滅

【主な前走のレース別成績(過去10年)】
前走レース 成績 勝率 連対率 複勝率
ホープフルS 3-1-2-17 13.0% 17.4% 26.1%
エリカ賞(500万下) 3-0-1-1 60.0% 60.0% 80.0%
朝日杯FS 2-1-0-3 33.3% 50.0% 50.0%
未勝利 1-2-1-23 3.7% 11.1% 14.8%
ラジオNIKKEI杯2歳S 1-2-1-10 7.1% 21.4% 28.6%
さざんか賞(500万下) 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
東京スポーツ杯2歳S 0-2-1-1 0.0% 50.0% 75.0%
ベゴニア賞(500万下) 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
寒竹賞(500万下) 0-0-2-2 0.0% 0.0% 50.0%
樅の木賞(500万下) 0-0-1-1 0.0% 0.0% 50.0%
ディクタット賞 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
新馬 0-0-0-14 0.0% 0.0% 0.0%
500万下 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%

Check3前走着順の悪い馬は消し

 前走の着順別を見てみよう。前走2~5着と惜しくも敗れた馬は【5.4.4.16】で複勝率44%と好成績だが、前走6~9着は【0.1.1.22】で複勝率8%、前走10着以下は【0.0.0.11】と全滅。前走の着順が悪い馬が巻き返すケースは、ほどんどない。ちなみに前走6着以下から巻き返した馬は、03年のコスモインペリアルがラジオたんぱ杯2歳S8着から3着、08年のベンチャーナインが東京スポーツ杯6着から2着。どちらも中山ではない芝の重賞レースを使っていた。

【前走の着順別成績(過去10年)】
前走の着順 成績 勝率 連対率 複勝率
前走1着 6-4-5-48 9.5% 15.9% 23.8%
前走2着 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
前走3着 3-2-2-5 25.0% 41.7% 58.3%
前走4着 1-1-1-3 16.7% 33.3% 50.0%
前走5着 0-1-1-6 0.0% 12.5% 25.0%
前走6~9着 0-1-1-22 0.0% 4.2% 8.3%
前走10着~ 0-0-0-11 0.0% 0.0% 0.0%

Check4好位からの抜け出しは不振

 過去10年の出走総数が127頭で、1年平均12.7頭とあまり多頭数にはならない京成杯。脚質別では差し馬が健闘している。4コーナーを2番手で通過した馬の複勝率が23%、3番手が6%とイマイチなのに対して、4~6番手は38%、7~9番手は28%と結果を残している

【4コーナーの通過順別成績(過去10年)】
4角位置 成績 勝率 連対率 複勝率
1番手 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
2番手 1-0-2-10 7.7% 7.7% 23.1%
3番手 1-0-0-14 6.7% 6.7% 6.7%
4~6番手 6-3-1-16 23.1% 34.6% 38.5%
7~9番手 2-3-5-25 5.7% 14.3% 28.6%
10番手以下 0-1-1-25 0.0% 3.7% 7.4%