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第46回 シンザン記念(G3)

1月8日(日) 京都競馬場 芝1600m

 三冠馬・シンザンを記念して1967年に創設。以前はなかなかクラシックには繋がらなかったが、02年にはタニノギムレットがこのレースで重賞初勝利を挙げ、後に日本ダービーを制した。そして昨年は、2着オルフェーヴルが三冠馬となり、3着マルセリーナは桜花賞を制覇。ほかに07年2着のダイワスカーレットや同3着のローレルゲレイロなど、好走馬には後の活躍馬の名も見られる。年によってレースのレベルが大きく異なるため、後々へ向けてしっかりと内容を見極めたい一戦だ。そんなシンザン記念の、過去10年の傾向を見てみよう。
2011年1月シンザン記念(G3)

写真:競馬ブック

Check11番人気が優秀も、ここ3年は荒れ模様

 1番人気は過去10年【5.1.0.4】勝率50.0%と優秀な成績。以下、表の下部に記したように、2~3番人気になると2着が多く、4~6番人気はさらに3着が増える傾向にある。
 ただ、近年は09年が2→12→10番人気、10年が4→9→10番人気、そして昨年が7→3→6番人気と波乱が続き、3連単は23万~27万馬券。過去10年でみるか近年重視かで判断は分かれるが、穴党ならこの3連単20万馬券台あたりの組み合わせを狙ってみてもおもしろい。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 5-1-0-4 50.0% 60.0% 60.0%
2 1-2-2-5 10.0% 30.0% 50.0%
3 1-2-0-7 10.0% 30.0% 30.0%
4 1-1-3-5 10.0% 20.0% 50.0%
5 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
6 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
7 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
8 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
9 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
10 0-0-2-7 0.0% 0.0% 22.2%
11~ 0-1-0-38 0.0% 2.6% 2.6%
1 5-1-0-4 50.0% 60.0% 60.0%
2~3 2-4-2-12 10.0% 30.0% 40.0%
4~6 1-3-5-21 3.3% 13.3% 30.0%

Check2多頭数の外枠は不利

 枠番別では2枠が【4.2.1.8】連対率40.0%の好成績。その他は好走馬が分散しており、6枠、7枠あたりでも内と比べ大きく見劣る成績ではない。ただ、馬番別では連対馬が出ているのは11番まで、3着も12番までで、13番より外からの好走馬はない。枠番別で8枠の1勝は9頭立て(9番)で、7枠も好走馬4頭中3頭はひと桁馬番と、同じ外枠でも多頭数の外枠は不利になる

【枠番別成績(過去10年)】
枠番 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-2-1-11 6.7% 20.0% 26.7%
2 4-2-1-8 26.7% 40.0% 46.7%
3 1-1-1-13 6.3% 12.5% 18.8%
4 1-2-1-13 5.9% 17.6% 23.5%
5 0-0-2-16 0.0% 0.0% 11.1%
6 1-1-3-13 5.6% 11.1% 27.8%
7 1-2-1-15 5.3% 15.8% 21.1%
8 1-0-0-19 5.0% 5.0% 5.0%
【馬番別成績(過去10年)】
馬番 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
2 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
3 2-1-1-6 20.0% 30.0% 40.0%
4 1-3-1-5 10.0% 40.0% 50.0%
5 1-0-2-7 10.0% 10.0% 30.0%
6 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
7 2-1-1-6 20.0% 30.0% 40.0%
8 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
9 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
10 0-1-1-7 0.0% 11.1% 22.2%
11 0-1-0-7 0.0% 12.5% 12.5%
12 0-0-2-6 0.0% 0.0% 25.0%
13 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%
14 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
15 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
16 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%

Check3展開の読みがカギ

 競馬道GT8の脚質分析では、逃げ・先行が9連対、差し・追込が11連対とほぼ互角。好走確率では該当馬の少ない逃げ・先行が高く出ているが、3着には差し馬が多く、どちらが良いとは断定しづらい成績だ。
 ただ、注意したいのは連対馬の組み合わせ。1着馬と2着馬の通過順が大きく異なっていたのは昨年くらいで、その他の年は先行馬同士、差し馬同士といった、似た位置取りでレースを進めた馬の1、2着が多い。同じ京都1600mの京都金杯ではここまではっきりとは分かれておらず、このレース特有の傾向と見てもよさそうだ。なお、3着には違う脚質の馬が入ることも多い

【脚質別成績(過去10年)】
脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 2-1-0-7 20.0% 30.0% 30.0%
先行 3-3-3-19 10.7% 21.4% 32.1%
差し 3-5-7-52 4.5% 11.9% 22.4%
追込 2-1-0-30 6.1% 9.1% 9.1%
【1、2着馬のコーナー通過順(過去10年)】
馬名 通過順 人気 着順
02 タニノギムレット 4-3-6 1 1
チアズシュタルク 7-8-6 4 2
03 サイレントディール 10-6-6 1 1
マッキーマックス 13-10-10 2 2
04 グレイトジャーニー 1-1-1 1 1
タマモホットプレイ 3-3-2 2 2
05 ペールギュント 12-12-7 1 1
マイネルハーティー 11-11-7 3 2
06 ゴウゴウキリシマ 1-1-1 8 1
グロリアスウィーク 2-2-3 6 2
07 アドマイヤオーラ 4-5-5 3 1
ダイワスカーレット 4-3-3 1 2
08 ドリームシグナル 14-14-15 1 1
ドリームガードナー 10-11-9 5 2
09 アントニオバローズ 4-3-3 2 1
ダブルウェッジ 5-5-4 12 2
10 ガルボ 4-3-3 4 1
シャイン 1-1-1 9 2
11 レッドデイヴィス 3-3-3 7 1
オルフェーヴル 12-10-8 3 2

Check4朝日杯組なら差し馬に注目

 2歳G1・朝日杯出走馬が注目される年も多いが、同じマイル戦でもコース形態がまったく異なるレース。また、レースレベルにも差があり、掲示板外から巻き返した馬も10年で5頭を数える。この組の朝日杯でのコーナー通過順を見ると、02、03年こそ朝日杯で先行した馬が好走しているが、その後の8頭のうちローレルゲレイロを除く7頭は朝日杯では道中中団以降。3コーナー10番手以降だった馬も5頭いる。コースが替わり、こういったタイプの巻き返しには注意したい。

【朝日杯FS組の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 朝日杯
人気
朝日杯
着順
朝日杯
通過順
02 オースミエルスト 8 3 10 15 3-4-3-3
03 サイレントディール 1 1 3 8 1-1-1-1
04 グレイトジャーニー 1 1 2 7 12-11-10-7
05 ペールギュント 1 1 1 3 11-11-14-15
マイネルハーティー 3 2 7 4 14-15-16-15
マルカジーク 4 3 9 9 14-15-14-13
07 ローレルゲレイロ 2 3 7 2 3-4-3-2
08 ドリームシグナル 1 1 8 4 9-4-5-6
ドリームガードナー 5 2 11 12 12-16-16-15
10 ガルボ 4 1 12 4 7-6-7-8

第28回 フェアリーステークス(G3)

1月9日(月) 中山競馬場 芝1600m

 84年創設の「テレビ東京賞3歳牝馬ステークス」が前身で、94年に現在と同じレース名になったフェアリーステークス。2歳牝馬による12月の重賞レースとして芝1200mで開催されてきたが、09年から3歳牝馬による1月上旬に移設され、距離が1600mに延長された。3歳牝馬による芝のマイル重賞のため、距離が同じ桜花賞を目標とする馬が出走して、好レースを繰り広げている。06~08年まで1月に中山芝1600mで行われていた牝馬限定のオープン特別「菜の花賞」と、1月上旬に芝1600mで行われるようになった09~11年のフェアリーステークスを合わせた、6年間のデータから傾向を占う。
2011年1月フェアリーS(G3)

写真:競馬ブック

Check1人気薄の激走に注意!

 1番人気は【2.1.2.1】で複勝率83.3%と安定している。2番人気と4番人気が共に複勝率50%と好成績を残しているが、それ以外の上位人気はあまりよくない。2桁人気は過去6年で3頭も馬券に絡んでおり、人気薄の激走に警戒する必要がある。単勝オッズ別だと08年に10番人気で勝利したデヴェロッペは53.2倍、10年に11番人気で勝利したコスモネモシンは67.2倍と、かなり高いオッズの馬が勝利している。

【人気別の成績(過去6年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 2-1-2-1 33.3% 50.0% 83.3%
2 0-1-2-3 0.0% 16.7% 50.0%
3 1-0-0-5 16.7% 16.7% 16.7%
4 0-3-0-3 0.0% 50.0% 50.0%
5 1-0-0-5 16.7% 16.7% 16.7%
6 0-0-1-5 0.0% 0.0% 16.7%
7 0-1-0-5 0.0% 16.7% 16.7%
8 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
9 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
10~ 2-0-1-33 5.6% 5.6% 8.3%

Check2阪神JF組を素直に信頼

 前走のクラス別成績では、G1(阪神JF)が最多の4勝を挙げており、格が重視される傾向となっている。未勝利【1.1.0.17】や500万下【1.1.2.23】は、共に複勝率が10%ほどしかなく、苦戦している。前走未勝利で好走した2頭はどちらも芝1800mのレースを使っており、新馬で好走した4頭は芝1600mか芝1800mに出走していた

【前走のクラス別成績(過去6年)】
前走クラス 成績 勝率 連対率 複勝率
新馬 0-3-1-11 0.0% 20.0% 26.7%
未勝利 1-1-0-17 5.3% 10.5% 10.5%
500万下 1-1-2-23 3.7% 7.4% 14.8%
オープン特別 0-0-2-7 0.0% 0.0% 22.2%
G3 0-1-0-5 0.0% 16.7% 16.7%
G2 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
G1 4-0-1-5 40.0% 40.0% 50.0%

Check3外枠はそれほど不利ではない

 中山の芝1600mというと、外枠不利というのが一般的な考え方だ。しかし、このレースに限ってはそれほど外枠が不利というわけではない。6枠が2頭、7枠が3頭、そして大外の8枠が2頭も馬券に絡んでいる。それに対して、3枠と4枠は好走例がない。レース経験が少ない明け3歳牝馬は、真ん中ぐらいの枠で揉まれると、走る気がなくなってしまうのかもしれない。

【枠番別成績(過去6年)】
枠番 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
2枠 2-1-1-7 18.2% 27.3% 36.4%
3枠 0-0-0-11 0.0% 0.0% 0.0%
4枠 0-0-0-11 0.0% 0.0% 0.0%
5枠 2-1-1-7 18.2% 27.3% 36.4%
6枠 1-1-0-10 8.3% 16.7% 16.7%
7枠 0-2-1-9 0.0% 16.7% 25.0%
8枠 0-0-2-10 0.0% 0.0% 16.7%

Check4体重の重い馬が強い

 馬体重が重い馬が結果を残している。複勝率だと、400~419kgが0%、420~439kgが10%、440~459kgが20%、460~479kgが28%、480~499kgが33%と、馬体重が重くなればなるほど成績も上昇している。ただし最も重い500~519kgは2頭が出走してどちらも敗れている。

【馬体重別の成績(過去6年)】
馬体重 成績 勝率 連対率 複勝率
400~419kg 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
420~439kg 0-1-1-18 0.0% 5.0% 10.0%
440~459kg 3-1-2-23 10.3% 13.8% 20.7%
460~479kg 2-3-2-18 8.0% 20.0% 28.0%
480~499kg 1-1-1-6 11.1% 22.2% 33.3%
500~519kg 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%