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第47回 新潟記念(G3)

8月28日(日)新潟競馬場 芝2000m

 サマー2000シリーズの最終戦・新潟記念。過去5回のシリーズチャンピオンは、すべてこのレースに出走している。その5頭のうち、07年ユメノシルシ、09年ホッコーパドゥシャ、そして昨年のナリタクリスタルは1着で王座を獲得。今年もチャンピオン決定戦として見逃せない一戦だ。また、夏競馬も終盤を迎え、シリーズ参戦組だけでなく、条件戦を勝ち上がった「夏の上がり馬」も注目を集めるレース。07年2着のトウショウヴォイス、09年2着のサンライズベガなど好走例もあり、実績馬と上がり馬の対決も見物となる。そんな新潟記念の過去の傾向を振り返ってみたい。
2010年8月新潟記念(G3)ナリタクリスタル

写真:競馬ブック

Check11番人気9連敗、2桁人気の好走急増!

 過去10年、1番人気は【1.2.0.7】で9連敗中。馬券圏内も04年2着のレニングラードが最後で、近年は着外ばかりが続いている。凡走した7頭は、すべて前走重賞で3着以内だった馬。逆に好走した3頭は、重賞で着外だったり、条件戦を勝ち上がってきた馬だった。1番人気にかぎれば、一見すると信頼できそうな重賞好走馬のほうが危険だ。
 また、最近の傾向として2桁人気の好走が増えている点も見逃せない。過去10年、3着以内に入った2桁人気馬は6頭だが、そのうち5頭は07年以降の4年間。1番人気の凡走とあわせ、近年は荒れ模様のレースになっている。

【1番人気馬の成績(過去10年)】
馬名 着順 前走
01 サンプレイス 1 サマーS1着
02 アグネススペシャル 2 関屋記念6着
03 エイシンハリマオー 12 関屋記念2着
04 レニングラード 2 佐渡特別1着
05 ダイワレイダース 8 七夕賞1着
06 スウィフトカレント 4 小倉記念1着
07 アドマイヤモナーク 6 七夕賞2着
08 ダイシングロウ 18 小倉記念2着
09 アルコセニョーラ 5 七夕賞2着
10 スマートギア 6 小倉記念3着
【10番人気以下の好走馬(過去10年)】
馬名 斤量 人気 着順
01 ミヤギロドリゴ 53 10 3
07 トウショウヴォイス 52 10 2
08 アルコセニョーラ 52 16 1
トウショウシロッコ 55 14 3
09 メイショウレガーロ 55 12 3
10 トウショウシロッコ 56 10 2

Check2単勝ひと桁台後半が安定

 1番人気の不振はCheck1で触れた通りだが、上位人気が総じて不振というわけではない。単勝オッズ別の成績を見ると、5.0~6.9倍が【4.1.1.10】で勝率25.0%、連対率31.3%。そして7.0倍~9.9倍も【4.3.1.11】同21.1%、36.8%の好成績。優勝馬10頭中8頭はこの単勝ひと桁台後半から出ており、近5年でも08年アルコセニョーラ(4910円)以外の4頭は540円~990円。いくら荒れ模様のレースといっても、1着馬は上位人気の一角から出る確率が高い。

【単勝オッズ別成績(過去10年)】
単勝オッズ 成績 勝率 連対率 複勝率
~1.9 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
2.0~2.9 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
3.0~3.9 0-1-0-3 0.0% 25.0% 25.0%
4.0~4.9 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
5.0~6.9 4-1-1-10 25.0% 31.3% 37.5%
7.0~9.9 4-3-1-11 21.1% 36.8% 42.1%
10.0~14.9 0-2-1-19 0.0% 9.1% 13.6%
15.0~19.9 0-0-2-10 0.0% 0.0% 16.7%
20.0~29.9 0-2-4-18 0.0% 8.3% 25.0%
30.0~49.9 1-0-1-20 4.5% 4.5% 9.1%
50.0~ 0-0-0-33 0.0% 0.0% 0.0%

Check3重賞組中心も、関屋記念組は不振

 前走クラス別では重賞出走馬が強く、過去10年の連対馬20頭中15頭、3着以内馬30頭中23頭を前走重賞出走馬が占めている。その内訳は七夕賞(5連対)や小倉記念(3連対)などさまざまだが、そんな中で、同じ新潟外回りで行われる関屋記念組は不振が目立っている。過去10年では27頭も出走していながら【0.1.2.24】。マイルと2000mでは適性が異なる面もあるだろうが、ここで上位人気(5番人気以内)に推された馬でも【0.1.0.5】と1連対のみ。同じ前走重賞組でも、好走確率が高いのは中距離重賞組だ。

【前走重賞出走の連対馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走
01 エアスマップ 3 2 函館記念15着
02 トーワトレジャー 2 1 函館記念3着
アグネススペシャル 1 2 関屋記念6着
03 ダービーレグノ 3 1 北九州記念2着
カンファーベスト 7 2 カブトヤマ記念5着
04 スーパージーン 3 1 北九州記念10着
05 グラスボンバー 5 2 七夕賞3着
06 トップガンジョー 6 1 エプソムC1着
サンレイジャスパー 4 2 小倉記念4着
07 ユメノシルシ 2 1 七夕賞3着
08 アルコセニョーラ 16 1 七夕賞12着
マイネルキッツ 2 2 七夕賞3着
09 ホッコーパドゥシャ 5 1 小倉記念2着
10 ナリタクリスタル 5 1 小倉記念4着
トウショウシロッコ 10 2 七夕賞5着
【前走関屋記念出走の上位人気馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走
01 ダイワテキサス 2 4 関屋記念6着
02 アグネススペシャル 1 2 関屋記念6着
03 ゴーステディ 2 11 関屋記念4着
エイシンハリマオー 1 12 関屋記念2着
04 チアズブライトリー 4 8 関屋記念12着
08 トウショウヴォイス 4 8 関屋記念4着

Check4ハンデは「そこそこ」が良し

 ハンデ別成績で好走確率が高いのは、56キロ台【4.2.1.17】連対率25.0%、55キロ台【2.4.4.19】同20.7%。実績十分でハンデを背負わされてしまう馬よりは、そこそこの実績で55~56キロあたりに押さえられた馬の活躍が目立っている。また、同じ55~56キロ台でも、以前はハンデ重賞で57キロ以上を背負っていながら、近走の不振でこのあたりまでハンデが落ちてきた馬が好走した例はない。 その他では、51~52キロ台の軽量馬がまずまずの成績を残している。特に、牝馬で3着以内に好走した4頭のうち3頭はこの51~52キロの馬だった。

【ハンデ別成績(過去10年)】
斤量 成績 勝率 連対率 複勝率
~50kg台 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%
51kg台 1-1-0-11 7.7% 15.4% 15.4%
52kg台 2-1-0-15 11.1% 16.7% 16.7%
53kg台 0-0-1-19 0.0% 0.0% 5.0%
54kg台 0-2-2-19 0.0% 8.7% 17.4%
55kg台 2-4-4-19 6.9% 20.7% 34.5%
56kg台 4-2-1-17 16.7% 25.0% 29.2%
57kg台 1-0-1-13 6.7% 6.7% 13.3%
58kg台 0-0-1-7 0.0% 0.0% 12.5%
59kg台 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
【ハンデ54キロ以下の好走馬(過去10年)】
馬名 性齢 斤量 人気 着順
01 ミヤギロドリゴ 牡7 53 10 3
02 トーワトレジャー 牝5 51 2 1
アグネススペシャル 牡5 54 1 2
ダービーレグノ 牡4 54 9 3
05 ヤマニンアラバスタ 牝4 52 3 1
06 サンレイジャスパー 牝4 51 4 2
07 トウショウヴォイス 牡5 52 10 2
07 ヤマニンアラバスタ 牝6 54 7 3
08 アルコセニョーラ 牝4 52 16 1
09 サンライズベガ 牡5 54 6 2

第6回 キーンランドカップ(G3)

8月28日(日) 札幌競馬場 芝1200m

 今年で6回目を迎えるキーンランドカップ。歴史は浅いが、サマースプリントシリーズの第4戦として行われることに加え、約1カ月後に行われるスプリンターズS(G1)の前哨戦として出走する馬も多く、毎年ハイレベルなレースが繰り広げられている。08、09年のビービーガルダンや08年のキンシャサノキセキが、このレースとスプリンターズSを共に好走しており、注目度の高い一戦といえる。過去5年のレースのデータを振り返り、今年の傾向がどのようになるのか考えよう。
2010年8月キーンランドカップ(G3)ワンカラット

写真:競馬ブック

Check11番人気が勝っておらず、2番人気が好調

 単勝1番人気に支持された馬は過去5年で勝っていない。G1で連対実績があり、後にG1馬になるローレルゲレイロ(07年11着)やキンシャサノキセキ(08年3着)でも勝てなかった。対照的に2番人気は【2.1.1.0】で複勝率100%とパーフェクト。ここは素直に2番人気を狙おう!

【人気別成績(過去5年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 0-1-2-2 0.0% 20.0% 60.0%
2 2-2-1-0 40.0% 80.0% 100.0%
3 0-0-1-4 0.0% 0.0% 20.0%
4 2-0-0-3 40.0% 40.0% 40.0%
5 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
6 0-1-0-4 0.0% 20.0% 20.0%
7 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
8 0-0-1-4 0.0% 0.0% 20.0%
9 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
10 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
11~ 1-1-0-27 3.4% 6.9% 6.9%

Check23歳牝馬と6歳牝馬が強い

 夏の重賞らしく、牝馬の成績がよい。牡・セン馬が【2.3.2.48】に対して、牝馬は【3.2.3.16】。勝率、連対率、複勝率、すべてで2倍以上の成績を残している。牝馬で中では【1.2.0.4】の6歳と【1.0.1.2】の3歳が好走確率が高い。一方、牡馬は3歳が5頭出走してすべてが4着以下と不振だ。

【性齢別成績(過去5年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン 2-3-2-48 3.7% 9.3% 14.6%
3歳 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 0-1-0-4 0.0% 20.0% 20.0%
5歳 1-0-1-7 11.1% 11.1% 22.2%
6歳 0-2-1-19 0.0% 9.1% 13.6%
7歳以上 1-0-0-13 7.1% 7.1% 7.1%
3-2-3-16 12.5% 20.8% 33.3%
3歳 1-0-1-2 25.0% 25.0% 50.0%
4歳 1-0-0-4 20.0% 20.0% 20.0%
5歳 0-0-2-4 0.0% 0.0% 33.3%
6歳 1-2-0-4 14.3% 42.9% 42.9%
7歳以上 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%

Check3連対馬は3枠より外!

 過去5年の札幌芝1200mの枠順別の成績では、1~3枠が4~8枠に比べて成績がよい傾向にある。ところがこのキーンランドカップでは1枠と2枠がやや不振で1、2着馬がいない。この2つの枠は1番人気に支持された馬が4頭おり、07年ローレルゲレイロ(1枠11着)、08年キンシャサノキセキ(1枠3着)、10年ビービーガルダン(1枠4着)、09年グランプリエンゼル(2枠4着)と、すべてが3着以下に敗れている。

【枠番別の成績(過去5年)】
枠番 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
2枠 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
3枠 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
4枠 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
5枠 1-0-0-8 11.1% 11.1% 11.1%
6枠 1-2-0-7 10.0% 30.0% 30.0%
7枠 1-2-0-7 10.0% 30.0% 30.0%
8枠 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%

Check4函館スプリントS組は人気馬を信頼

 最も出走馬が多いのはUHB杯組だが【1.1.0.22】と凡走が目立つ。最も好走馬が多いのは【1.2.4.12】の函館スプリントS。5年連続で3着以内の馬を輩出している。函館スプリントS組で3着に入った7頭は、すべて1~3番人気。函館スプリントSを使っても、キーンランドSで4番人気以下だと結果を残せていない。

【主な前走のレース別成績(過去5年)】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
函館スプリントS 1-2-4-12 5.3% 15.8% 36.8%
UHB杯 1-1-0-22 4.2% 8.3% 8.3%
アイビスサマーダッシュ 1-1-0-9 9.1% 18.2% 18.2%
マイラーズC 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
クイーンS 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
札幌日刊スポーツ杯 0-1-0-2 0.0% 33.3% 33.3%
CBC賞 0-0-1-1 0.0% 0.0% 50.0%
安田記念 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%

Check5同年のヴィクトリアマイル出走馬に注意

 古馬牝馬で3着以内に入った馬はこれまで6頭おり、それらの傾向としては、同年のG1、ヴィクトリアマイルに出走していることだ。6頭中4頭が該当しており、厳しいG1を経験したことが、このレースに生きているようだ。なお、ヴィクトリアマイルの成績は7、8、11、15と散々なので、気にする必要はない。

【好走した古馬牝馬のヴィクトリアマイルとの関連性(過去5年)】
馬名 キーンランドC ヴィクトリアマイル
人気 着順 人気 着順
06 チアフルスマイル 4 1 9 8
シーイズトウショウ 1 2
ビーナスライン 2 3
07 アグネスラズベリ 2 2 11 11
10 ワンカラット 2 1 13 7
ベストロケーション 8 3 12 15