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第47回 札幌記念(G2)

8月21日(日)札幌競馬場 芝2000m

 夏のダート王決定戦から、芝中距離のハンデ重賞、そしてG1のステップレースへ。施行条件の変遷とともに、札幌記念はレースの性格も大きく変えてきた。現在の時期に芝2000mのG2として行われるようになったのは97年のこと。同年のエアグルーヴをはじめ、セイウンスカイやアドマイヤムーン、さらに昨年のアーネストリーなど、優勝馬には実績馬や後のG1馬が数多く名を連ねている。サマー2000シリーズの第4戦にも指定されているが、夏の中距離王決定戦というよりは、秋を見据えるこのレース。過去の傾向を振り返ってみたい。
2010年8月札幌記念(G2)アーネストリー

写真:競馬ブック

Check1若い馬ほど強い!

 年齢別の成績では、勝率、連対率、複勝率のいずれも3歳がもっとも高く、7歳以上がもっとも低くなっている。それだけではなく、3歳から4歳、5歳と年齢が高くなるに連れて好走確率が次第に低くなってゆく傾向。3歳の出走があればまず3歳馬、不在なら4歳と、若い馬から順に検討を進めるのが的中への近道だ。ただ、6歳以上の好走馬5頭中4頭は7番人気以下。穴馬候補を探すなら、6歳以上も軽視は禁物だ。

【年齢別成績(過去10年)】
年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
3歳 3-1-1-8 23.1% 30.8% 38.5%
4歳 4-2-3-15 16.7% 25.0% 37.5%
5歳 3-5-3-28 7.7% 20.5% 28.2%
6歳 0-2-0-22 0.0% 8.3% 8.3%
7歳上 0-0-3-30 0.0% 0.0% 9.1%
【6歳以上の好走馬(過去10年)】
馬名 性齢 人気 着順
02 トウカイポイント セ6 10 2
05 ファストタテヤマ 牡6 12 2
コイントス 牡7 13 3
09 サクラオリオン 牡7 4 3
10 アクシオン 牡7 7 3

Check23~4番人気は不振

 G2の定量戦という条件からは上位人気が強そうなイメージで、実際に1番人気は連対率60.0%、2番人気連対率40.0%と重賞の水準を上回る。ただ、3~4番人気は不振で、あわせて【0.0.5.15】と連対なし。5番人気は【2.2.0.6】と上位人気に匹敵する成績を残しているだけに、3~4番人気の不振は気にかかる。なお、3~4番人気の好走馬5頭中4頭は、前走も同じ北海道開催(函館、札幌)に出走していた。春以来となる実績馬の出走や好走も多いレースだが、この3~4番人気は狙うなら順調に使われている馬で、それも3着候補までになる。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 3-3-2-2 30.0% 60.0% 80.0%
2 3-1-1-5 30.0% 40.0% 50.0%
3 0-0-3-7 0.0% 0.0% 30.0%
4 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
5 2-2-0-6 20.0% 40.0% 40.0%
6 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
7 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
8 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
9 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
10~ 0-3-1-39 0.0% 7.0% 9.3%

Check3差し馬を買うなら関西馬!?

 前週に行われるクイーンSは逃げた馬の好成績が目立つレースだが、この札幌記念は特に逃げ優勢という傾向はない。競馬道GT8の脚質分析では、好走確率が高いのは先行した馬、そして好走馬の実数が多いのは差し馬となっている。また、4コーナーを先頭で通過した好走馬は4頭いるが、マツリダゴッホやローエングリンなど、いずれも芝中距離以上のG1で3着以内の実績を持つ馬だった。 脚質でもうひとつ注目したいのは、4コーナー7番手以下からの好走馬8頭中、7頭が関西馬ということ。全体でも関東馬5連対、関西馬15連対と関西馬優勢ではあるが、特に差し馬ではこの傾向が色濃くなる。

【脚質別成績(過去10年)】
脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 1-0-2-6 11.1% 11.1% 33.3%
先行 3-3-1-15 13.6% 27.3% 31.8%
差し 6-6-7-63 7.3% 14.6% 23.2%
追込 0-1-0-19 0.0% 5.0% 5.0%
【4コーナー7番手以下からの好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 騎手 通過順 位置 厩舎
02 トウカイポイント 10 2 勝浦 11-10-13-11 (北)後藤
05 ヘヴンリーロマンス 9 1 松永 8-9-11-8 (栗)山本
ファストタテヤマ 12 2 秋山 11-13-12-10 最内 (栗)安田伊
06 アドマイヤムーン 1 1 武豊 10-11-11-9 大外 (栗)松田博
07 サクラメガワンダー 3 3 岩田 9-11-11-10 大外 (栗)友道
08 タスカータソルテ 5 1 横山典 9-8-8-7 大外 (栗)藤原英
09 ブエナビスタ 1 2 安藤勝 10-12-12-8 大外 (栗)松田博
サクラオリオン 4 3 秋山 13-12-12-8 (栗)池江郎

Check4馬体重の大幅増減も軽視禁物

 02年にテイエムオーシャンがプラス38キロで優勝するなど、馬体重の大幅増減を苦にせず好走する馬が多い。また、同じ2桁の増減でも10キロ少々にとどまるよりは、むしろ16キロ以上の増減があった方が好成績という珍しい傾向だ。±15キロ以上の馬で【2.2.0.7】連対率36.4%。昨年もプラス22キロのロジユニヴァースが2着になっており、体重の大幅増減だけをたよりに馬券候補から外してしまうのは危険だ。2桁増減以外なら、マイナス4~9キロと少し減ってきた馬が好成績。

【馬体重増減別成績(過去10年)】
増減 成績 勝率 連対率 複勝率
+20kg~ 1-1-0-1 33.3% 66.7% 66.7%
+15kg~+19kg 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0%
+10kg~+14kg 0-0-0-11 0.0% 0.0% 0.0%
+4kg~+9kg 2-2-2-21 7.4% 14.8% 22.2%
-3kg~+3kg 2-2-7-39 4.0% 8.0% 22.0%
-9kg~-4kg 4-4-0-16 16.7% 33.3% 33.3%
-14kg~-10kg 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
-19kg~-15kg 0-1-0-4 0.0% 20.0% 20.0%
~-20kg 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
±15kg以上計 2-2-0-7 18.2% 36.4% 36.4%