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第46回 関屋記念(G3)

8月7日(日)新潟競馬場 芝1600m

 真夏のマイル重賞・関屋記念。猛暑の中で行われることも多いが、古馬ローカル重賞では唯一の芝1600m戦とあって、毎年数多くのマイラーが顔を揃えている。特に近年は多頭数ばかりで、過去6年のうち5回はフルゲート18頭の激戦。そして出走馬には、05年2着のダイワメジャー、06年3着のテレグノシスといったG1馬が見られるほか、07年には後にG1馬となるカンパニーが優勝。ここ2年も、G1で2着の実績があったスマイルジャック、レッツゴーキリシマが優勝するなど、ローカルのG3としてはハイレベルのメンバーが揃うレースだ。今年はどんな結果が待っているのか、過去の傾向を振り返ってみたい。

Check11番人気が複勝率90%! しかし2桁人気の激走も……

 過去10年、1番人気が【4.2.3.1】で連対率60%、複勝率90%の好成績。2番人気【2.1.0.7】、3番人気【0.1.2.7】で、上位人気の中でも特に1番人気馬の安定感は光っている。好走した1番人気馬9頭中8頭に共通するのは、前走で重賞に出走していたこと。残る好走馬1頭は前走オープンで、着外敗退を喫した昨年の1番人気・スピリタスは前走が1600万勝ちだった。
一方で、近年は2桁人気の好走馬も多く、04年以降では08年を除き、毎年3着以内に入っている。ただ、同一年に2頭が好走した05年は3着同着だったため、馬券の組み合わせとしては2桁人気馬が2頭以上絡んだことはない。1番人気が安定していることもあり、2桁人気馬が絡んでも3連単で超大穴にまで至ることは少ないレースだ。

【1番人気馬の成績(過去10年)】
馬名 着順 前走レース 人気 着順
01 エイシンプレストン 3 北九州記念(1800m) 2 1
02 マグナーテン 1 NSTオープン 1 1
03 アドマイヤマックス 3 安田記念 6 2
04 ブルーイレヴン 1 金鯱賞 6 2
05 ダイワメジャー 2 安田記念 2 8
06 テレグノシス 3 安田記念 5 9
07 カンパニー 1 天皇賞(秋) 9 16
08 マルカシェンク 1 ダービー卿CT 1 8
09 ヒカルオオゾラ 2 エプソムC 1 2
10 スピリタス 6 湘南S(1600万) 1 1
【2桁人気の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 3連単 前走レース 人気 着順
04 ロードフラッグ 10 2 七夕賞 2 6
05 インセンティブガイ 12 3同 28,530円 岡部幸雄騎手引退記念 4 5
ニューベリー 10 3同 13,320円 米子S 4 3
06 カンファーベスト 14 1 491,010円 新潟大賞典 8 13
07 マイケルバローズ 12 3 84,710円 米子S 5 9
09 マイネルスケルツィ 13 3 56,290円 谷川岳S 2 4
10 リザーブカード 10 3 130,640円 ダービー卿CT 9 7

Check24歳、5歳は出走頭数に注意

 年齢別では4歳【3.2.5.11】連対率23.8%、5歳【3.6.1.37】同19.1%が他を一歩リード。特に4歳は複勝率47.6%と、その半数近くが馬券圏内に絡んでいる。この4歳、5歳に特徴的なのは、各年の同世代出走頭数によって、好走馬が出るか出ないか、その結果が分かれていることだ。表にある通り、4歳馬が3頭以上出走した年は必ず連対馬を出し、1頭の年は最高でも3着まで。5歳馬は4頭以上出走すれば連対馬があり、3頭以下なら好走なし、という具合である。出走数が多ければ好走馬が出やすくなるのは確率上当然ながら、ここまできっちり分かれていれば注目にも値するデータになる。

【4歳馬の年別出走頭数と好走馬(過去10年)】
4歳頭数 3着以内馬
01 1頭 エイシンプレストン・3着
02 1頭 ビッグフリート・3着
03 3頭 オースミコスモ・1着、アドマイヤマックス・3着
04 3頭 ブルーイレヴン・1着、マイネルソロモン・3着
05 5頭 ダイワメジャー・1着、インセンティブガイ・3着
06 1頭
07 1頭
08 0頭
09 3頭 スマイルジャック・1着
10 3頭 セイクリッドバレー・2着
【5歳馬の年別出走頭数と好走馬(過去10年)】
5歳頭数 3着以内馬
01 4頭 マグナーテン・1着
02 5頭 ミデオンビット・2着
03 4頭 エイシンハリマオー・2着
04 3頭
05 2頭
06 5頭 ダイワバンディット・2着
07 6頭 シンボリグラン・2着
08 6頭 マルカシェンク・1着、リザーブカード・2着、タマモサポート・3着
09 7頭 ヒカルオオゾラ・2着
10 5頭 レッツゴーキリシマ・1着

Check3マイル戦でも外枠有利

 新潟コースといえば直線1000mの内枠不利、外枠有利が有名だが、関屋記念はマイル戦でも外枠有利。過去10年では、1、2枠合わせて【1.0.2.30】連対率3.0%に対し、5枠から外はいずれも連対率15%以上。特に04年以降は外有利の傾向が強くなり、08年の枠連8-8など、毎年1頭は必ず7枠、または8枠から連対馬が出ている。連対率などからも、この04年以降の外枠有利は明らかだ。

【枠番別成績(過去10年)】
期間 枠番 成績 勝率 連対率 複勝率
過去10年 1枠 0-0-0-16 0.0% 0.0% 0.0%
2枠 1-0-2-14 5.9% 5.9% 17.6%
3枠 2-1-1-14 11.1% 16.7% 22.2%
4枠 0-1-0-17 0.0% 5.6% 5.6%
5枠 1-2-3-13 5.3% 15.8% 31.6%
6枠 0-4-1-14 0.0% 21.1% 26.3%
7枠 3-1-2-18 12.5% 16.7% 25.0%
8枠 3-1-2-19 12.0% 16.0% 24.0%
04年~ 1枠 0-0-0-12 0.0% 0.0% 0.0%
2枠 0-0-1-12 0.0% 0.0% 7.7%
3枠 1-0-0-12 7.7% 7.7% 7.7%
4枠 0-0-0-13 0.0% 0.0% 0.0%
5枠 0-1-3-10 0.0% 7.1% 28.6%
6枠 0-4-0-10 0.0% 28.6% 28.6%
7枠 3-1-2-13 15.8% 21.1% 31.6%
8枠 3-1-2-13 15.8% 21.1% 31.6%

Check4休養明けと前走凡走馬を狙え!?

 過去10年の3着以内馬のうち、前半の01~05年は前走が7月以降だった馬が16頭中11頭で、前走が3着以内だった馬も16頭中10頭。05年までは、順調に使われ、なおかつ前走も好走していた馬が中心になるレースだった。ところが、06年以降はこの傾向が一変。表にある通り、前走が7月以降だった馬は15頭中2頭、そして前走が3着以内だった馬はたった1頭しかいない。06年から新潟開幕週のオープン特別がなくなった影響も大きそうだが、近年は間隔の開いた馬や、前走で凡走していた馬の好走が目立つレースになっている。

【3着以内馬の前走(過去5年)】
馬名 人気 着順 前走レース・着順
06 カンファーベスト 14 1 5月6日 新潟大賞典 13
ダイワバンディット 8 2 7月9日 七夕賞 13
テレグノシス 1 3 6月4日 安田記念 9
07 カンパニー 1 1 10月29日 天皇賞(秋) 16
シンボリグラン 3 2 2月25日 阪急杯 5
マイケルバローズ 12 3 7月1日 米子S 9
08 マルカシェンク 1 1 4月6日 ダービー卿CT 8
リザーブカード 5 2 5月11日 都大路S 14
タマモサポート 8 3 4月13日 福島民報杯 13
09 スマイルジャック 2 1 6月7日 安田記念 9
ヒカルオオゾラ 1 2 6月14日 エプソムC 2
マイネルスケルツィ 13 3 5月3日 谷川岳S 4
10 レッツゴーキリシマ 6 1 11月21日 福島記念 7
セイクリッドバレー 2 2 6月13日 エプソムC 4
リザーブカード 10 3 4月4日 ダービー卿CT 7

第43回 函館2歳ステークス(G3)

8月7日(日) 函館競馬場 芝1200m

 6月に新馬戦がはじまり、デビュー戦を迎えた2歳馬たち。最初に行われる重賞が、この函館2歳ステークスだ。これまでの勝ち馬からシャダイソフィア(82年)、エルプス(84年)、マイネルマックス(96年)、アグネスワールド(97年)らが後にG1馬となっている。果たして09年生まれで最初の重賞ウイナーになり、同世代のライバルに一歩先行するのはどの馬か。過去10年のデータから傾向をひも解いていく。
2010年8月函館2歳S(G3)マジカルポケット

写真:競馬ブック

Check37枠を中心に外枠が強い

 枠順別の成績は7枠が圧倒的に強い。連対率30%で複勝率にいたっては45%と抜群の数字を残している。それ以外では、複勝率だと8枠が30%、1枠と6枠が20%を超えている。デビューしたばかりの若駒だけあって、揉まれずにすんなり競馬ができる外枠の成績が良いようだ。

【枠順別成績(過去10年)】
枠番 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 2-1-0-10 15.4% 23.1% 23.1%
2枠 0-0-2-13 0.0% 0.0% 13.3%
3枠 1-1-0-14 6.3% 12.5% 12.5%
4枠 0-1-0-17 0.0% 5.6% 5.6%
5枠 1-1-1-14 5.9% 11.8% 17.6%
6枠 1-2-1-15 5.3% 15.8% 21.1%
7枠 5-1-3-11 25.0% 30.0% 45.0%
8枠 0-3-3-14 0.0% 15.0% 30.0%

Check2牝馬限定の新馬戦を勝った馬が狙い目

 新馬戦が始まってから2カ月弱しか経っていないこともあり、前走は限られている。新馬戦を使った馬と、オープン特別のラベンダー賞組が、出走馬数では圧倒している。新馬戦組の成績は【7.4.7.59】だが、牝馬限定の新馬戦だと【3.0.0.2】で5頭出走して3勝と好成績を残している。

【前走のレース別成績(過去10年)】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
新馬 7-4-7-59 9.1% 14.3% 23.4%
ラベンダー賞 2-5-1-27 5.7% 20.0% 22.9%
未勝利 1-1-2-18 4.5% 9.1% 18.2%
マリーゴールド賞 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
フレッシュCh 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

Check3ラベンダー賞組を買うなら1~3着馬

 前走ラベンダー賞の成績は【2.5.1.27】だが、その傾向はどうなっているか。ラベンダー賞1着馬は【2.2.0.4】で連対率50%。2着馬は【0.2.1.5】、3着馬は【0.1.0.1】で共にまずまず。ところがラベンダー賞4着以下だと【0.0.0.17】で全滅。ラベンダー賞で3着までに来ていないと厳しい。また、ラベンダー賞1着で函館2歳Sも勝利したのは05年のモエレジーニアスと、07年のハートオブクィーンの2頭でどちらも地方所属馬だ。

【ラベンダー賞の着順別成績(過去10年)】
ラベンダー賞の着順 成績 勝率 連対率 複勝率
1着 2-2-0-4 25.0% 50.0% 50.0%
2着 0-2-1-5 0.0% 25.0% 37.5%
3着 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
4着 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
5着 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
6~9着 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
10着~ 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%

Check4芝の稍重を経験した馬が強く、前走ダートは不振

 他の競馬場とは異なり、若干特殊な洋芝を使用している函館競馬場。前走の馬場状態別の成績を見てみる。芝の良馬場に比べると、芝の稍重の方が多少成績が良く、時計のかかる馬場に強いタイプが来る傾向にある。また、芝【10.9.9.80】に対して、ダートは【0.1.1.28】と不振。前走ダートを使って函館2歳Sで馬券に絡んだのは、01年3着のヘルスウォールと02年2着のトーホウアスカで、共に牝馬だった。

【前走の馬場状態別成績(過去10年)】
前走馬場状態 成績 勝率 連対率 複勝率
芝・良 9-7-7-72 9.5% 16.8% 24.2%
芝・稍重 1-2-1-7 9.1% 27.3% 36.4%
芝・重 0-0-1-1 0.0% 0.0% 50.0%
ダ・良 0-1-1-20 0.0% 4.5% 9.1%
ダ・稍重 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
ダ・不良 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%

Check5前走で好位置をキープした馬が強い

 2歳戦でしかも短距離の場合、スピードが他の馬とは違うために、一人旅の逃げ切り勝ちが多いイメージがある。前走の脚質別で見た函館2歳Sの成績を探ってみる。前走逃げた馬は複勝率12.2%で、それほど成績はよくない。逃げ馬の後ろで競馬をした先行馬が複勝率31.4%と高い数字を残している。函館2歳Sで好走するためには、逃げずに我慢できて、それでいて器用に好位置を確保できる必要があるようだ。

【前走の脚質別成績(過去10年)】
前走の脚質 成績 勝率 連対率 複勝率
逃げ 1-3-1-36 2.4% 9.8% 12.2%
先行 8-6-8-48 11.4% 20.0% 31.4%
中団 1-1-1-17 5.0% 10.0% 15.0%
後方 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
マクリ 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%