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第47回 小倉記念(G3)

7月31日(日)小倉競馬場 芝2000m

 夏の小倉開催における名物レースとして親しまれている小倉記念。昨年までは夏の小倉開催3週目に行われていたが、変則開催の今年はその開幕週に「小倉競馬場開設80周年記念」競走として行われる。ローカルのハンデ重賞らしく、上がり馬の活躍あり、歴戦の古豪の活躍もありと難解な一戦。06年には3連単101万馬券、一昨年にも97万馬券が飛び出すなど、穴党には注目の欠かせないレースだ。また、過去5回のサマー2000シリーズチャンピオンのうち、06年1着のスウィフトカレントなど4頭がこのレースでポイントを稼いでおり、シリーズの行方を占う上でも注目は欠かせない。そんな小倉記念のデータを分析してみよう。
2010年8月小倉記念(G3)ニホンピロレガーロ

写真:競馬ブック

Check3人気薄の激走に注意

 過去10年の人気別成績では、1番人気が【2.3.1.4】、2番人気が【2.2.0.6】で、連対率はそれぞれ50%、40%。ハンデ重賞としては悪くない成績といえる。ただ、ここで注意したいのは近5年の傾向で、05年までは8月中旬に行われていたが、7月下旬~8月上旬になった06年以降、人気薄の好走が急増している。01年~05年まで、3着以内に入った6番人気以下の馬は3頭で、その3頭にしても2着1頭、3着2頭。しかし06年以降は優勝馬5頭中3頭が6番人気以下で、3着以内では過半数の9頭を占める。冒頭にも触れたように3連単101万馬券や97万馬券という大波乱もあり、「過去10年の傾向」以上に近年は荒れ模様のレースになっている。今年は変則開催で夏の小倉開幕週になるが、施行時期は近5年と同じだけに、穴馬の激走には要注意だ。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 2-3-1-4 20.0% 50.0% 60.0%
2 2-2-0-6 20.0% 40.0% 40.0%
3 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
4 2-1-0-7 20.0% 30.0% 30.0%
5 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
6 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
7 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
8 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
9 1-0-3-6 10.0% 10.0% 40.0%
10~ 1-0-2-47 2.0% 2.0% 6.0%
【1~3着馬の人気(過去10年)】
8月中旬 01 02 03 04 05
1着 2 5 4 1 1
2着 3 6 1 2 2
3着 5 3 9 8 3
7下~8上 06 07 08 09 10
1着 4 6 2 16 9
2着 7 7 1 1 4
3着 9 10 11 9 1

Check2前走ハンデ戦出走馬が活躍

 人気別成績と同様に、01~05年と06年以降で傾向に変化が出ている要素として、前走出走レースの負担重量がある。01年~05年の3着以内馬15頭のうち、前走でハンデ戦に出走していたのは01年3着のマヤノアブソルート(前走1600万1着)と、03年1着のロサード(前走新潟大賞典16着)2頭のみだった。しかし06年以降は表にある通り、15頭中12頭が前走ハンデ戦出走馬。そのうち10頭が前走から増減なし、または斤量減。前走がハンデ戦、かつ斤量が増えていない馬は特に要チェックだ。なお、前走がハンデ戦以外だった好走馬3頭のうち、2頭はG1(安田記念、宝塚記念)で1頭は1000万条件。前走1600万~G2組は、ハンデ戦出走馬しか好走がない。

【前走ハンデ戦出走の好走馬(過去5年)】
馬名 斤量 人気 着順 前走レース 斤量 人気 着順
06 スウィフトカレント 55 4 1 日経新春杯 54 6 2
ヴィータローザ 57.5 7 2 新潟大賞典 58 6 12
ニホンピロキース 54 9 3 博多S 57 6 4
07 サンレイジャスパー 53 6 1 マーメイドS 54 5 2
ニホンピロキース 54 7 2 七夕賞 54 4 5
08 ダイシングロウ 56 1 2 博多S 57 1 1
ケンブリッジレーザ 52 11 3 博多S 55 8 6
09 ダンスアジョイ 55 16 1 目黒記念 55 9 13
ホッコーパドゥシャ 56 1 2 七夕賞 56 2 3
クラウンプリンセス 53 9 3 米子S 52 7 1
10 ニホンピロレガーロ 56 9 1 新潟大賞典 56 6 3
バトルバニヤン 57 4 2 七夕賞 57 2 3

Check3馬体の絞れた馬に注目

 汗をかき馬体が絞れやすい時期でもあり、夏バテが気になる時期でもあり。馬体重の増減をどう捕らえるか難しいが、このレースの過去10年では-8kg~-4kgの好走確率が高く、【3.3.3.20】で連対率20.7%。好走馬数が多いのは±2kgだが、【5.5.5.48】で連対率は15.9%と、絞れた馬よりは好走確率が低くなる。そして+4kg~+8kgは【2.2.1.27】連対率12.5%とさらに低い。ひと桁の増減であれば、絞れているほど好成績という傾向だ。ただし、2桁減はすべて着外。2桁増も3着1回にとどまり、2桁の変動は増減ともマイナス材料になる。

【馬体重増減別成績】
増減 成績 勝率 連対率 複勝率
+10kg~+14kg 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
+4kg~+8kg 2-2-1-27 6.3% 12.5% 15.6%
-2kg~+2kg 5-5-5-48 7.9% 15.9% 23.8%
-8kg~-4kg 3-3-3-20 10.3% 20.7% 31.0%
-14kg~-10kg 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%

Check4間隔を開けた馬の巻き返しに要注意

 好走馬の前走着順を見ると、前走1~3着馬が10年で7勝、2着7回の14連対。まずは前走好走馬に注目したい。ただ、同じ「好走」でも馬券圏内を外した前走4~5着馬は2着1回、3着1回止まり。そして前走6~9着は連対なしの3着3回に終わっている。このあたりを狙うくらいなら、むしろ10着以下に大敗を喫していた馬の巻き返しに期待したい(5連対)。好走した5頭に共通するのは、いずれも前走凡走から間隔を開けて立て直しをはかっていたこと。一昨年、16番人気で優勝したダンスアジョイ(単勝6470円)も、目黒記念13着から2ヶ月の間隔を取った馬だった。今年も、これに該当する出走馬がいれば要注意。不在なら、穴を狙うにしても、前走で好走しながら人気の盲点になっている馬に注目だ。

【前走2桁着順から巻き返した馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走レース 人気 着順
02 イブキガバメント 6 2 4.20 オーストラリアT 4 11
03 ロサード 4 1 5.18 新潟大賞典 4 16
06 ヴィータローザ 7 2 5.6 新潟大賞典 6 12
08 ドリームジャーニー 2 1 6.8 安田記念 11 10
09 ダンスアジョイ 16 1 5.31 目黒記念 9 13