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第11回 アイビスサマーダッシュ(G3)

7月17日(日)新潟競馬場 芝1000m

 日本で唯一の直線コース・新潟競馬場の芝1000mで行われるアイビスサマーダッシュ。今年で創設11年目になるが、以前の夏後半から06年に施行時期が繰り上がり、近年は夏の新潟開催開幕を飾るレースになった。直線コースというだけでなく、1000mの重賞も中央競馬ではこの1レースのみ。スピード自慢の韋駄天が、開幕週の絶好馬場を舞台に毎年激しい争いを繰り広げている。また、サマースプリントシリーズの第2戦としても注目され、07年の優勝馬・サンアディユ、08~09年に連覇したカノヤザクラはシリーズチャンピオンに輝いた。今年はどんな快足馬がタイトルを手中にするのか。過去の傾向を振り返ってみたい。
2010年7月アイビスサマーダッシュ(G3)ケイティラブ

写真:競馬ブック

Check31~2番人気は前走好走馬を

 人気別では1~3番人気が連対率、複勝率でほぼ互角。ただ、上位人気合計11連対はやや物足りず、信頼性の見極めが重要になる。特に1~2番人気で特徴的なのは、前走好走馬が連続して好走する確率が高いこと。1~2番人気で3着以内に入った9頭のうち、8頭が前走でも3着以内だった。逆に、4着以下に敗れた11頭中、8頭は前走でも4着以下。前走凡走の1~2番人気馬が巻き返す可能性も低い。なお、3番人気の好走馬4頭の前走着順は1、4、11、5着。馬券圏外からでも巻き返せる。
また、牝馬が【8.4.4.42】と多く好走しているレースだが、牝馬の1番人気は08年エイムアットビップ16着、そして昨年メリッサ18着と、ともに大敗。前走4着以下の1~2番人気や、牝馬の1番人気がいれば、疑ってかかると買い目を絞りやすくなる。

【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
2 3-1-1-5 30.0% 40.0% 50.0%
3 1-3-0-6 10.0% 40.0% 40.0%
4 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
5 0-1-2-7 0.0% 10.0% 30.0%
6 1-1-2-6 10.0% 20.0% 40.0%
7 2-0-0-8 20.0% 20.0% 20.0%
8 1-0-0-9 10.0% 10.0% 10.0%
9 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
10~ 1-1-2-59 1.6% 3.2% 6.3%
【アイビスSDで好走した1~2番人気馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走レース 着順
01 メジロダーリング 2 1 函館スプリント 1
カルストンライトオ 1 3 北九州短距離 1
02 カルストンライトオ 2 1 小倉日経 3
ブレイクタイム 1 2 NSTオープン 2
04 カルストンライトオ 1 1 函館スプリント 3
05 ウェディングバレー 2 2 新潟日報賞 2
07 ナカヤマパラダイス 1 2 CBC賞 2
08 カノヤザクラ 2 1 CBC賞 5
09 アルティマトゥーレ 2 3 テレビユー福島 1

Check2休養明けは不振

 休養明けの馬は不振で、特に新潟開幕週になった06年以降はその傾向が顕著。中9週以上で出走した馬のうち、06年以降の22頭で好走したのは07年13番人気1着のサンアディユ(前走4月・京葉S12着)1頭しかいない。凡走しているのが人気薄ばかりなら仕方ないが、5番人気以内にかぎっても、表にあるとおり10年で13頭、5年で10頭が4着以下に敗退。Check1の傾向に加え、上位人気全体として「休養明けの不振」は頭に入れておきたい。

【休養明け・5番人気以内の出走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走
03 サーガノヴェル 2 10 12/15 CBC賞
05 カルストンライトオ 1 4 03/27 高松宮記念
カフェボストニアン 3 11 10/24 福島民友C
06 ホーマンテキーラ 5 4 04/15 京葉S
ステキシンスケクン 2 12 05/07 NHKマイル
07 アイルラヴァゲイン 3 4 03/03 オーシャンS
サチノスイーティー 4 5 05/03 かきつばた記念
ジョイフルハート 2 14 01/07 ガーネットS
08 サープラスシンガー 5 4 11/23 京阪杯
クーヴェルチュール 3 5 10/21 福島民友C
エイムアットビップ 1 16 05/11 NHKマイル
09 コスモベル 5 8 03/29 高松宮記念
10 ショウナンカザン 4 14 03/28 高松宮記念

Check3開幕週でも外枠有利

 新潟直線・芝1000mといえば、内枠不利で有名なコース。しかし同時に、荒れた芝の内を走らされることになる内枠が不利、という印象もある。しかしこのレースでは、06年に開幕週に移動した後の5年間でも、優勝馬4頭が7、8枠。残る勝ち馬1頭も5枠、そして連対馬を見ても5頭中4頭が5枠より外から出ており、開幕週になっても内枠不利、外枠有利の傾向に変わりはない。ただし、3着には1~2枠からも3頭。馬券も外枠から売れがちな傾向だけに、3連複や3連単の3着候補なら内の馬を拾ってみてもおもしろい。

【枠番別成績(過去5年)】
枠番 成績 勝率 連対率 複勝率
1枠 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
2枠 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%
3枠 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
4枠 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
5枠 1-1-0-8 10.0% 20.0% 20.0%
6枠 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
7枠 2-0-1-11 14.3% 14.3% 21.4%
8枠 2-2-0-10 14.3% 28.6% 28.6%

Check4G3組は1~2着、オープン特別組は2~3着

 前走のクラス別成績で好走馬が多いのは、オープン特別の【2.6.5.48】、そしてG3の【5.2.0.28】。この数字からもわかるように、G3組が馬券に絡む好走をすれば100%連対し、「好走時の勝率」も70%超。一方で、オープン特別組で好走した13頭中11頭は2~3着止まりで、「好走時の勝率」は15.4%にしかならない。複勝率はオープン特別組、G3組ともに20%少々で互角だが、3着以内での着順が重要な3連単は、オープン特別組とG3組を区別したフォーメーションを組むのが得策だ。

【前走G3、オープン特別の好走馬(過去10年)】
前走クラス 馬名 人気 着順 前走レース 着順
G3組 01 メジロダーリング 2 1 函館スプリント 1
03 イルバチオ 6 1 関屋記念 5
04 カルストンライトオ 1 1 函館スプリント 3
07 ナカヤマパラダイス 1 2 CBC賞 2
08 カノヤザクラ 2 1 CBC賞 5
シンボリグラン 10 2 函館スプリント 7
09 カノヤザクラ 3 1 CBC賞 11
OP特別組 01 シンボリスウォード 4 2 札幌日刊 5
カルストンライトオ 1 3 北九州短距離 1
02 カルストンライトオ 2 1 小倉日経 3
ブレイクタイム 1 2 NST 2
03 ティエッチグレース 5 2 バーデンバーデン 1
04 ネイティヴハート 4 3 NST 2
06 マリンフェスタ 3 2 バーデンバーデン 4
07 サンアディユ 13 1 京葉S 12
クーヴェルチュール 5 3 バーデンバーデン 1
08 アポロドルチェ 6 3 バーデンバーデン 1
09 アポロドルチェ 6 2 バーデンバーデン 8
10 ジェイケイセラヴィ 3 2 バーデンバーデン 5
マルブツイースター 16 3 米子S 12