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第47回 七夕賞(G3)

7月10日(日)中山競馬場 芝2000m

 サマー2000シリーズの開幕戦・七夕賞。今年は震災の影響により、中山競馬場での開催になる。同じ中距離のG1・宝塚記念から間隔がない上、G3のハンデ戦ということもあって、上がり馬から古豪まで多くの馬にチャンスがある一戦だ。また、79年から04年まで、1番人気馬が26連敗を喫したことでも有名なレース。05年、ダイワレイダースの優勝で連敗記録に終止符は打たれたものの、その後も難しいレースが続いている。特に昨年は、1番人気・サンライズベガの単勝支持率12.61%(6.3倍)で、過去10年の重賞競走では3番目の低さ。今年も難解なレースになりそうだが、そんな七夕賞の過去の傾向を振り返ってみよう。
2010年7月七夕賞(G3)ドモナラズ

写真:競馬ブック

Check31番人気馬の軽視は禁物!?

 冒頭でも触れた連敗記録の印象が強い1番人気馬。しかし、過去10年では【2.2.2.4】で6頭が馬券圏内。
人気が割れるハンデ重賞で、もっとも人気を集めた馬でも単勝3.1倍(06年ダイワレイダース)なら、決して悪くはない成績だ。連敗が止まった05年以降の6年では4頭が3着以内で、特に3着まで関係する3連複を購入する際は、連敗記録を頭から消し去って予想にあたりたい。
また、1番人気馬が3着以内に入った6回は、他の上位人気馬も同時に馬券に絡む傾向にある。昨年こそ1、2番人気の3着同着で、馬券の組み合わせとしては上位人気同士が成立しなかったが、他の5回は3連複で最高でも6100円。1番人気馬を買うなら、人気馬をもう1頭絡めた組み合わせを狙いたい。

【1番人気馬の成績(過去10年)】
馬名 着順 単オッズ
01 トーヨーデヘア 13 4.4
02 コイントス 3 4.1
03 ウインブレイズ 2 3.6
04 メジロマントル 5 3.4
05 ダイワレイダース 1 3.1
06 コンゴウリキシオー 2 3.5
07 ヴィータローザ 4 4.7
08 カネトシツヨシオー 6 3.4
09 ミヤビランベリ 1 4.6
10 サンライズベガ 3 6.3
【1番人気好走時の上位馬人気(過去10年)】
1着 2着 3着 3連複
02 3 4 1 6,100円
03 6 1 3 2,980円
05 1 8 3 3,330円
06 3 1 2 1,590円
09 1 4 2 3,780円
10 11 6 1、2 12,600円

Check24歳馬とベテランは不振

 歴戦の古豪が多数出走するハンデ重賞。7歳以上の出走数が過去10年で47頭と多いが、勝ったのは06年のメイショウカイドウ1頭だけ。勝率はわずか1.9%、複勝率ですら9.6%と低く、高齢馬を積極的には狙いづらい。また、4歳馬も06年のコンゴウリキシオー(2着)の1連対のみで、3着も2頭止まり。こちらはクラス替えで降級があるためか、出走数自体が少ないとはいえ、充実期を迎える4歳馬の成績としては物足りない。

【性齢別成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン 10-8-11-105 7.5% 13.4% 21.6%
4歳 0-1-2-8 0.0% 9.1% 27.3%
5歳 4-3-4-27 10.5% 18.4% 28.9%
6歳 5-2-3-23 15.2% 21.2% 30.3%
7歳上 1-2-2-47 1.9% 5.8% 9.6%
0-2-0-6 0.0% 25.0% 25.0%
4歳 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
5歳 0-1-0-3 0.0% 25.0% 25.0%
6歳 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
7歳上 0-0-0-0

Check3重ハンデ馬が好成績

 前週のラジオNIKKEI賞は重ハンデ馬の成績が今ひとつの傾向だったが、この七夕賞は逆に重ハンデ馬が好成績。連対率では57キロ以上が30%を越えてくる。3着以内ならもう少し軽い馬でも重ハンデ馬に近い成績になり、55キロ台、56キロも複勝率は35%台と上々だ。全体としては、ハンデが重ければ重いほど勝率が高く、軽くなるにつれ、好走しても2着まで、あるいは3着までの確率が高くなる。ただ、ここ3年のうち2回は52~53キロの軽量馬が勝っており、傾向に変化が出ている可能性がある点には要注意。

【斤量別成績(過去10年)】
斤量 成績 勝率 連対率 複勝率
~51kg 0-0-0-16 0.0% 0.0% 0.0%
52kg台 1-1-0-15 5.9% 11.8% 11.8%
53kg台 1-2-2-18 4.3% 13.0% 21.7%
54kg台 0-1-1-25 0.0% 3.7% 7.4%
55kg台 1-2-3-11 5.9% 17.6% 35.3%
56kg台 2-2-3-13 10.0% 20.0% 35.0%
57kg台 4-2-2-12 20.0% 30.0% 40.0%
58kg~ 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%

Check4近年は関西馬優勢に

 中央競馬全体の傾向として関西馬が優勢になった90年代以降でも、この七夕賞は特に関西馬が強いとは言えないレースだった。しかし、06年以降は関西馬が5連勝と様相が一変。91年から05年までの15年で9頭しか好走がなかったのに対し、06年以降の5年で10頭が馬券圏内に絡んでいる。また、この5年間では、関東馬【0.3.3.42】連対率6.3%に対し、関西馬【5.2.3.21】連対率22.6%と、好走確率でも大きな差がある。

【関西馬の好走馬(過去20年)】
馬名 人気 着順 厩舎
91~05年 91 シーキャリアー 6 1 高橋直
95 フジヤマケンザン 2 1 森秀行
98 セイントリファール 9 3 大久保正陽
99 サンデーセイラ 4 1 菅谷禎高
ロングワールド 14 3 長浜博之
00 ロングカイウン 7 1 長浜博之
01 マイネルタンゴ 4 2 佐々木晶三
04 チアズブライトリー 8 1 山内研二
05 トーセンダンディ 8 2 森秀行
06~10年 06 メイショウカイドウ 3 1 坂口正大
コンゴウリキシオー 1 2 山内研二
07 サンバレンティン 6 1 佐々木晶三
アドマイヤモナーク 2 2 松田博資
08 ミヤビランベリ 7 1 加藤敬二
09 ミヤビランベリ 1 1 加藤敬二
ホッコーパドゥシャ 2 3 村山明
10 ドモナラズ 11 1 音無秀孝
サンライズベガ 1 3 音無秀孝
バトルバニヤン 2 3 池江泰郎

第16回 プロキオンステークス(G3)

7月10(日) 京都競馬場 ダート1400m

 96年にはじまったプロキオンS。ダート短距離のトップクラスの馬が参戦して、毎年ハイレベルの戦いを繰り広げている。02年の優勝馬スターリングローズ、05年のブルーコンコルドがともに同年のJBCスプリントを優勝。昨年2着のサマーウインドもJBCスプリントを制している。このレースで好走することは、ダート短距離界のチャンピオンの資格を手にするといっても過言ではなく、要注目のレースだ。これまで阪神競馬場のダート1400mで行われていたが、今年は中京競馬場の改修工事の影響で大幅な番組変更があり、京都競馬場のダート1400mで争われる。そこで過去10年のデータと、京都競馬場ダート1400mのオープンクラスのデータから、傾向を探っていく。
2010年7月プロキオンS(G3)ケイアイガーベラ

写真:競馬ブック

Check31番人気と牝馬が安定

 1番人気が【5.4.1.0】と圧倒的に強く、4着以下になったことがない。過去10年の馬連で2000円を超えたのはわずかに2回で、06年の2890円と、03年の4620円。10番人気以下の人気薄は、63頭中わずかに3着が2回で、人気薄の出番はほどんどない。また牝馬はあまり出走しないが、【3.2.1.5】で複勝率が54.5%と好走確率が高い。

【人気別成績(過去10年)】
性別 人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 5-4-1-0 50.0% 90.0% 100.0%
2 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
3 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
4~6 1-3-2-24 3.3% 13.3% 20.0%
7~9 2-1-3-24 6.7% 10.0% 20.0%
10~ 0-0-2-61 0.0% 0.0% 3.2%
牝馬 1 1-1-0-0 50.0% 100.0% 100.0%
2 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0%
3 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0%
4~6 1-1-0-2 25.0% 50.0% 50.0%
7~9 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
10~ 0-0-1-3 0.0% 0.0% 25.0%

Check2前走は交流重賞かオープン特別

 前走のクラス別成績では、地方の交流重賞に出走した組が【3.4.2.15】で複勝率37.5%と好走している。オープン特別組も【6.5.7.58】で複勝率23.7%と善戦している。それに対して重賞組は【1.0.1.27】と分が悪く、1600万下も【0.1.0.13】で結果を残せていない。

【前走クラス別成績(過去10年)】
前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率
中央 1600万下 0-1-0-13 0.0% 7.1% 7.1%
オープン特別 6-5-7-58 7.9% 14.5% 23.7%
G3 1-0-0-17 5.6% 5.6% 5.6%
G2 0-0-1-7 0.0% 0.0% 12.5%
G1 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
地方 交流重賞 3-4-2-15 12.5% 29.2% 37.5%
その他 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%

Check3欅S組のほどほど人気を狙い打て!

 前走のレース別成績では、オープン特別の欅S組が圧倒的に出走数が多く、【4.3.5.23】で複勝率34.3%と内容もよい。それ以外では10頭以上出走馬を送り出したレースがなく、また3着以内に3頭以上輩出したレースもない。欅S1~3着の馬は【3.2.2.4】とまずまず信頼できる。また、欅Sを使ってプロキオンSで4~9番人気の馬は【2.3.1.10】で複勝率37.5%。欅S組の中から、ほどほどの人気の馬を狙う手もある。

【前走欅Sの人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-0-1-0 50.0% 50.0% 100.0%
2 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
3 0-0-1-4 0.0% 0.0% 20.0%
4~6 0-2-1-4 0.0% 28.6% 42.9%
7~9 2-1-0-6 22.2% 33.3% 33.3%
10~ 0-0-2-8 0.0% 0.0% 20.0%

Check4逃げ、先行が圧倒的に有利

 直線が320mと短く、しかも坂がない京都のダートコース。好走条件は前で競馬することだ。過去10年の京都競馬場ダート1400mのオープンクラスのレースで、先頭で直線を迎えた馬は【5.6.4.10】複勝率60.0%と好走確率が高い。6番手以降になると成績が悪くなるので、5番手ぐらいまでを確保できる馬を狙いたい。

【4コーナー通過順の成績(京都ダート1400m、過去10年、オープンクラス)】
4角位置 成績 勝率 連対率 複勝率
1番手 5-6-4-10 20.0% 44.0% 60.0%
2番手 2-6-4-24 5.6% 22.2% 33.3%
3番手 3-4-3-24 8.8% 20.6% 29.4%
4番手 1-2-4-10 5.9% 17.6% 41.2%
5番手 7-2-3-17 24.1% 31.0% 41.4%
6番手 2-1-0-20 8.7% 13.0% 13.0%
7番手以降 5-4-7-160 2.8% 5.1% 9.1%

Check5ジョッキーは秋山真一郎、武豊を信頼

 ジョッキー別の成績では、秋山真一郎騎手が最多の3勝を挙げており、武豊騎手、幸英明騎手、小牧太騎手らが2勝で続いている。関西リーディング上位の常連の中では四位洋文騎手、川田将雅騎手、福永祐一騎手らが未勝利だ。

【騎手別の成績(京都ダート1400m、過去10年、オープンクラス、1勝以上)】
騎手 成績 勝率 連対率 複勝率
秋山真一 3-0-0-5 37.5% 37.5% 37.5%
武豊   2-2-1-9 14.3% 28.6% 35.7%
ペリエ  2-2-0-3 28.6% 57.1% 57.1%
ルメール 2-1-2-2 28.6% 42.9% 71.4%
幸英明  2-1-1-14 11.1% 16.7% 22.2%
小牧太  2-1-0-11 14.3% 21.4% 21.4%
安藤勝己 1-2-2-8 7.7% 23.1% 38.5%
池添謙一 1-1-2-14 5.6% 11.1% 22.2%
和田竜二 1-1-2-11 6.7% 13.3% 26.7%
岩田康誠 1-1-1-11 7.1% 14.3% 21.4%
藤田伸二 1-1-1-8 9.1% 18.2% 27.3%
熊沢重文 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
佐藤哲三 1-1-1-2 20.0% 40.0% 60.0%
渡辺薫彦 1-0-0-4 20.0% 20.0% 20.0%
武幸四郎 1-0-0-5 16.7% 16.7% 16.7%
柴原央明 1-0-0-3 25.0% 25.0% 25.0%
河内洋  1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
吉田豊  1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%