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第60回 ラジオNIKKEI賞(G3)

7月3日(日) 中山競馬場 芝1800m

 春のクラシック戦線に間に合わなかった素質馬や、クラシックに出走したが結果を出せなかった馬などが出走するラジオNIKKEI賞。例年、秋以降の飛躍を目指す3歳馬が福島競馬場に集結して開催されていたが、今年は震災の影響で中山競馬場で行われる。05年までは「ラジオたんぱ賞」というレース名だったが、06年から現在のレース名に改称され、負担重量が別定からハンデ戦へと変更された。ハンデ戦となった過去5年の傾向から、レースを分析していく。
2010年7月ラジオNIKKEI賞(G3)アロマカフェ

写真:競馬ブック

Check3単勝5~7倍の馬が中心

 ハンデ戦になって以降、1番人気は【0.0.1.4】と苦戦している。それに対して2番人気は【1.2.1.1】で複勝率80%とかなりの好成績を収めている。単勝オッズなら、5.0~6.9倍が【1.2.1.4】でちょうど複勝率5割で最も成績がよい。また、7.0~19.9倍が【4.1.2.20】で複勝率25.9%と健闘している。馬券的には5~7倍を中心に、7~20倍を押さえにするとよい。

【単勝オッズ別の成績(過去5年)】
オッズ 成績 勝率 連対率 複勝率
~4.9 0-0-1-4 0.0% 0.0% 20.0%
5.0~6.9 1-2-1-4 12.5% 37.5% 50.0%
7.0~9.9 2-0-1-8 18.2% 18.2% 27.3%
10.0~14.9 1-1-0-4 16.7% 33.3% 33.3%
15.0~19.9 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
20.0~29.9 0-0-0-13 0.0% 0.0% 0.0%
30.0~49.9 0-1-1-13 0.0% 6.7% 13.3%
50.0~ 0-1-0-11 0.0% 8.3% 8.3%

Check256キロ以上の人気馬は危険

 斤量別の成績では、重すぎず軽すぎない53~55キロが【3.4.3.40】と中心。50キロ以下は3頭出走してすべて着外で、軽すぎる馬はあまり信用できない。56キロ以上は【1.1.1.10】とまずまずだが、その中で1番人気に支持された3頭は、すべて着外。3着以内に入った3頭の人気は、5、6、4。重いハンデならあまり人気のない馬を狙いたい。

【斤量別の成績(過去5年)】
斤量 成績 勝率 連対率 複勝率
49kg 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
50kg 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%
51kg 0-0-1-1 0.0% 0.0% 50.0%
52kg 1-0-0-11 8.3% 8.3% 8.3%
53kg 1-1-1-17 5.0% 10.0% 15.0%
54kg 1-2-0-15 5.6% 16.7% 16.7%
55kg 1-1-2-8 8.3% 16.7% 33.3%
56kg 1-0-1-6 12.5% 12.5% 25.0%
57kg 0-1-0-4 0.0% 20.0% 20.0%

Check3青葉賞組は買えるが、ダービー組は見送り

 過去5年の勝ち馬の前走はエーデルワイスS(1000万下)と青葉賞が2頭ずつ、マカオJCT(500万下)が1頭。青葉賞組は4頭出走して2頭が勝っており、好走確率が高い。青葉賞でダービーの出走権が取れず、ひと息入れてこのレースに出走してきた馬は、要注意だ。一方、ダービー組は【0.0.0.5】と不振。大目標の後のレースになるため、お釣りがない状態での参戦になり、力を発揮できないようだ。3歳ダート馬の春の最大目標となるユニコーンSを使った馬も【0.0.0.5】とよくない。

【前走レース別の成績(過去5年、主なレース)】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
エーデルワイスS(1000万下) 2-1-0-12 13.3% 20.0% 20.0%
青葉賞 2-0-0-2 50.0% 50.0% 50.0%
マカオJCT(500万下) 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
プリンシパルS 0-2-0-2 0.0% 50.0% 50.0%
白百合S 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
夏木立賞(500万下) 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
NHKマイルC 0-0-2-2 0.0% 0.0% 50.0%
500万下(平場) 0-0-2-11 0.0% 0.0% 10.0%
葵S 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
ダービー 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
ユニコーンS 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%

Check4前走は条件戦を勝った馬か、オープンor重賞で敗れた馬

 前走の着順から好走馬を探ってみよう。前走1着でラジオNIKKEI賞の馬券に絡んだ馬は5頭おり、そのすべてが500万か1000万下の条件戦。前走敗れて馬券に絡んだ馬は10頭おり、その内8頭がオープンもしくは重賞、残りの2頭は1000万下のエーデルワイスS。前走の着順別では4着が【1.1.1.3】と安定しており、7着が【1.0.1.2】、そして17着が【0.1.1.1】と健闘している。

【前走着順別成績(過去5年)】
前走着順 成績 勝率 連対率 複勝率
1着 2-1-2-19 8.3% 12.5% 20.8%
2着 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
3着 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%
4着 1-1-1-3 16.7% 33.3% 50.0%
5着 0-1-0-4 0.0% 20.0% 20.0%
6~9着 1-0-1-12 7.1% 7.1% 14.3%
10着以下 1-1-1-22 4.0% 8.0% 12.0%

Check5無敗でなければオープン以上の経験が必要

 前走の格や結果はそれほど重要視されないが、レース経験は必要だ。3着以内に入った馬15頭の内、12頭が1600m以上のオープンか重賞に出走した経験があった。残り3頭の内、ロックドゥカンブとダイバーシティは2戦2勝。つまり、条件戦しか経験がなく、負けたことがある馬は狙いづらい。また、8頭が1600m以上のオープンか重賞で掲示板の実績があった。

【好走馬の重賞orオープン出走経験(過去5年)】
馬名 着順 重賞orオープン出走経験 前走
06 タマモサポート 1 スプリングS(1800m)4着 青葉賞(2400m)7着
ソングオブウインド 2 なし 夏木立賞(2000m)1着
ステラマドレード 3 チューリップ賞(1600m)8着 500万下(2000m)1着
07 ロックドゥカンブ 1 なし マカオJCT(2000m)1着
スクリーンヒーロー 2 スプリングS(1800m)5着 エーデルワイスS(1600m)4着
イクスキューズ 3 クイーンC(1600m)1着 NHKマイルC(1600m)17着
08 レオマイスター 1 ニュージーランドT(1600m)5着 エーデルワイスS(1600m)10着
ノットアローン 2 若葉S(2000m)1着 白百合S(1800m)5着
ダイバーシティ 3 なし 500万下(1800m)1着
09 ストロングガルーダ 1 プリンシパルS(2000m)8着 エーデルワイスS(1600m)1着
サニーサンデー 2 プリンシパルS(2000m)17着 プリンシパルS(2000m)17着
ストロングリターン 3 毎日杯(1800m)6着 葵S(1400m)4着
10 アロマカフェ 1 青葉賞(2400m)4着 青葉賞(2400m)4着
クォークスター 2 プリンシパルS(2000m)2着 プリンシパルS(2000m)2着
レト 3 ニュージーランドT(1600m)3着 NHKマイルC(1600m)7着

Check6前走2000mを使った馬は信頼できる

 前走の距離別では、2000mが【1.3.1.4】と圧倒的に強い。それに対して、ラジオNIKKEI賞と同じ距離の1800mは【0.1.1.15】とあまり成績がよくない。1800mのレースでは、オープンの白百合Sが【0.1.0.9】と不振だ。おそらく左回りの白百合Sと、右回りのラジオNIKKEI賞は、条件が異なるため、関連性が薄いようだ。

【前走距離別の成績(過去5年)】
前走距離 成績 勝率 連対率 複勝率
1200~1400m 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
1600m 2-1-2-28 6.1% 9.1% 15.2%
1800m 0-1-1-15 0.0% 5.9% 11.8%
2000m 1-3-1-4 11.1% 44.4% 55.6%
2100m~2400m 2-0-0-16 11.1% 11.1% 11.1%

第18回 函館スプリントS(G3)

7月3日(日)函館競馬場 芝1200m

 サマースプリントシリーズの開幕を飾る函館スプリントS。シリーズが設定された06年には、このレース2着のシーイズトウショウが初代王者に輝いた。その後3年はシリーズチャンピオンの出走がなかったものの、昨年はここを勝ったワンカラットが続くキーンランドCも制し、5年ぶりに出走馬からチャンピオンが誕生した。もちろん今年も、シリーズの行方を占う上で重要な一戦になるはず。また、08年の優勝馬・キンシャサノキセキが秋にスプリンターズSで2着に好走するなど、サマースプリントシリーズのみならず、秋のG1にも繋がる重要なレースだ。そんな函館スプリントSの傾向を振り返ってみよう。
2010年7月函館スプリントS(G3)ワンカラット

写真:競馬ブック

Check3牝馬は1着、牡馬は2~3着

 この時期は肌寒い日すらある函館だが、このレースは夏に強いとされる牝馬が牡馬を圧倒。過去10年の優勝馬10頭中8頭が牝馬で、特に4、5歳の牝馬は勝率50%以上と抜群の好成績を残している。対して牡・セン馬は2着9回、3着10回と、2~3着20頭中19頭。出走頭数も多いため、複勝率では牝馬37.5%に対して牡・セン馬17.5%と見劣るものの、馬単や3連単の2~3着候補としては牝馬よりも牡・セン馬を狙いたい。また、牡牝込みで6歳以上になると勝ち切れない傾向にある。

【性齢別成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン 2-9-10-99 1.7% 9.2% 17.5%
3歳 1-1-2-9 7.7% 15.4% 30.8%
4歳 0-1-2-13 0.0% 6.3% 18.8%
5歳 1-1-2-23 3.7% 7.4% 14.8%
6歳 0-4-3-25 0.0% 12.5% 21.9%
7歳上 0-2-1-29 0.0% 6.3% 9.4%
8-1-0-15 33.3% 37.5% 37.5%
3歳 1-0-0-4 20.0% 20.0% 20.0%
4歳 2-0-0-2 50.0% 50.0% 50.0%
5歳 4-0-0-3 57.1% 57.1% 57.1%
6歳 1-1-0-3 20.0% 40.0% 40.0%
7歳上 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%

Check2勝ち馬は上位人気中心

 1番人気が連対率60.0%、2番人気も同50%と、重賞としては上位人気の好走確率が高い部類に入るレースになる。特に牝馬の上位人気は安定しており、1~3番人気合わせて【6.1.0.3】勝率60.0%、連対率70.0%。また、勝ち馬10頭中8頭は3番人気以内。06年に13番人気で優勝したビーナスラインの印象が強烈だが、6番人気以下から好走した9頭のうち、そのビーナスラインを除く8頭は2~3着。基本的には1着候補には上位人気を据え、穴なら2~3着のヒモ穴狙いが良い。

【人気別成績(過去10年)】
性別 人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 3-3-0-4 30.0% 60.0% 60.0%
2 3-2-0-5 30.0% 50.0% 50.0%
3 2-0-1-7 20.0% 20.0% 30.0%
4 0-0-3-7 0.0% 0.0% 30.0%
5 1-1-2-6 10.0% 20.0% 40.0%
6~ 1-4-4-85 1.1% 5.3% 9.6%
牝馬 1 2-1-0-0 66.7% 100.0% 100.0%
2 3-0-0-3 50.0% 50.0% 50.0%
3 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
4 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%
5 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
6~ 1-0-0-11 8.3% 8.3% 8.3%

Check3「切れる」馬は来ない?

 洋芝で「重い」とされる函館の芝コース。09年は札幌で代替されたが、こちらも同じく洋芝だ。そんなコースの影響か、前走時の上がり3ハロンタイムに注目すると、過去5年の好走馬で、前走上がり3位以内の脚を使っていたのは06年3着のブラックバースピンのみ(前走CBC賞・重馬場・上がり3位で1着)。特に勝ち馬は、前走で上がり5位以下だった馬ばかりが揃っている。「前走はメンバー中最速の上がりで……」などと注目される馬もいるが、このレースにかぎってはそんなタイプの過信は禁物だ。

【3着以内馬の前走上がり3Fタイム順位(過去5年)】
1着馬 2着馬 3着馬
06 ビーナスライン 14位 シーイズトウショウ 4位 ブルーショットガン 10位
07 アグネスラズベリ 5位 サープラスシンガー 4位 ブラックバースピン 3位
08 キンシャサノキセキ 7位 トウショウカレッジ 4位 キングストレイル 10位
09 グランプリエンゼル 9位 タニノマティーニ 13位 ブラックバースピン 16位
10 ワンカラット 5位 ビービーガルダン 10位 アポロフェニックス 9位
【前走上がり3Fタイム3位以内の好走馬(過去10年)】
馬名 函館スプリントS 前走
人気 着順 上がり順位 レース名 上がり順位
01 タイキトレジャー 1 2 1位 UHB杯 3位
02 サニングデール 3 1 1位 ファルコンS 2位
05 ボールドブライアン 6 2 4位 バーデンバーデンC 1位
07 ブラックバースピン 4 3 8位 CBC賞 3位

Check4短距離路線組中心、マイル組ならG1路線

 前走レース別の成績では、CBC賞と高松宮記念、芝1200mの重賞をステップにした好走馬が多い。特にCBC賞は、現在の施行時期になったのが06年で、過去10年のうち5回しかないにも関わらず好走馬は最多の7頭。昨年もワンカラット1着(CBC賞3着)、アポロフェニックス3着(同7着)と2頭が好走するなど、毎年連対馬を輩出しており、今年も注目は欠かせない。 また、前走マイル組の好走馬6頭中5頭はG1出走馬。残る1頭、ゴールデンロドリゴは前走こそマイルのダービー卿CTだったが、それ以前は14戦続けて芝1200mに出走していた馬で、これは少々特殊な例。マイル組なら前走G1出走馬に絞っていいだろう。

【前走レース別成績(好走馬複数輩出、過去10年)】
前走 成績 勝率 連対率 複勝率
CBC賞(6月) 2-3-2-16 8.7% 21.7% 30.4%
高松宮記念 2-2-1-6 18.2% 36.4% 45.5%
京王杯SC 1-0-1-9 9.1% 9.1% 18.2%
NHKマイルC 1-0-1-2 25.0% 25.0% 50.0%
テレビ愛知OP 1-0-1-11 7.7% 7.7% 15.4%
安田記念 1-0-1-3 20.0% 20.0% 40.0%
バーデンバーデンC 0-1-1-5 0.0% 14.3% 28.6%
【前走1600m出走の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走
01 ブレイクタイム 4 3 安田記念2着
02 タイキトレジャー 2 2 マイルCS3着
03 ビリーヴ 1 1 安田記念12着
04 ゴールデンロドリゴ 8 2 ダービー卿13着
05 ディープサマー 3 3 NHKマイル13着
09 グランプリエンゼル 1 1 NHKマイル3着