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第28回 エプソムC(G3)

6月12日(日)東京競馬場 芝1800m

 グレード制が導入された84年に、イギリス・エプソム競馬場との交換競走として創設されたエプソムC。以後、前後する安田記念や宝塚記念の施行時期変更でレースの性格は微妙に変化していったが、現在は春の東京開催を締めくくる最終週、安田記念の翌週、宝塚記念2週前の施行。両G1と間隔がないため、東京の重賞ながらローカル重賞の間をつなぐような位置づけになっている。条件的には荒れそうなイメージもあるが、過去10年の傾向はどのようになっているのか、振り返ってみたい。
2010年6月エプソムC(G3)セイウンワンダー

写真:競馬ブック

Check3人気薄ならベテラン牡馬の3着狙い

 単勝オッズで3倍を切っていた馬は【0.2.1.1】と過去10年未勝利。1番人気で勝った昨年のセイウンワンダーは360円、03年のマイネルアムンゼンは340円と、一見ちょっと危なそうなオッズのほうが勝っている。ただ、優勝馬10頭中9頭、連対馬20頭中19頭が単勝15倍未満。あまり大穴狙いはできない。また、単勝20倍を超える馬は好走しても3着まで。その3着になった6頭のうち5頭は6歳以上の牡馬で、3連単で穴馬を狙うならベテラン牡馬の3着づけがオススメだ。

【単勝オッズ別成績(過去10年)】
オッズ 成績 勝率 連対率 複勝率
~1.9 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%
2.0~2.9 0-2-0-1 0.0% 66.7% 66.7%
3.0~4.9 3-0-1-4 37.5% 37.5% 50.0%
5.0~6.9 1-3-1-7 8.3% 33.3% 41.7%
7.0~9.9 3-2-0-10 20.0% 33.3% 33.3%
10.0~14.9 2-3-1-14 10.0% 25.0% 30.0%
15.0~19.9 1-0-0-13 7.1% 7.1% 7.1%
20.0~29.9 0-0-3-15 0.0% 0.0% 16.7%
30.0~49.9 0-0-0-24 0.0% 0.0% 0.0%
50.0~99.9 0-0-2-34 0.0% 0.0% 5.6%
100.0~ 0-0-1-27 0.0% 0.0% 3.6%
【単勝20倍以上の好走馬(過去10年)】
馬名 性齢 人気 着順
01 バンブーマリアッチ 牡6 14 3
02 ジェミードレス 牝5 10 3
03 エーピーグリード 牡8 18 3
05 ダイワレイダース 牡6 7 3
08 グラスボンバー 牡8 12 3
10 キャプテンベガ 牡7 9 3

Check2好走馬の中心は上位人気の4~5歳馬

 Check1で挙げた単勝20倍以上の好走馬は6歳以上が多かったが、人気馬も含めた年齢別成績では4~5歳馬が優勢で、連対馬20頭中17頭を占める。3着以内馬のうち、4歳馬10頭中8頭が4番人気以内、5歳馬11頭中10頭が5番人気以内。逆に6歳以上の好走馬9頭で5番人気以内だったのは3頭のみと、4~5歳なら上位人気馬、6歳以上なら穴馬という色分けになっている。一昨年は6歳で2番人気のシンゲン1着、同じく6歳で3番人気のキャプテンベガ3着だったが、これは過去10年の中では例外的な結果だ。

【性齢別成績(過去10年)】
性別 性齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン馬 4歳 4-3-3-33 9.3% 16.3% 23.3%
5歳 5-5-0-35 11.1% 22.2% 22.2%
6歳 1-1-3-34 2.6% 5.1% 12.8%
7歳上 0-1-3-35 0.0% 2.6% 10.3%
牝馬 4歳 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
5歳 0-0-1-3 0.0% 0.0% 25.0%
6歳 0-0-0-3 0.0% 0.0% 0.0%
7歳上 0-0-0-0 0.0% 0.0% 0.0%

Check3関西の騎手は人気で狙え!?

 騎手別の成績では10年で8~9回とコンスタントに騎乗していながら、50%以上の複勝率を記録する後藤騎手横山典騎手の好成績が目立つ。また、蛯名騎手が唯一の2勝騎手で、この3名の騎乗があれば今年も注目したい。また、関西所属騎手は芹沢騎手が5番人気(01年アドマイヤカイザー1着)で馬券に絡んだ以外、好走はすべて1~2番人気馬。特に07年以降、1~2番人気馬に騎乗した関西騎手は2勝、2着3回と活躍が目立っている。

【騎手成績(過去10年、連対騎手)】
騎手名 成績 勝率 連対率 複勝率 3着以内時人気
蛯名 2-1-0-5 25.0% 37.5% 37.5% 4、1、3
後藤 1-2-2-4 11.1% 33.3% 55.6% 7、3、7、1、9
横山典 1-1-2-4 12.5% 25.0% 50.0% 7、1、4、3
藤田 1-1-0-4 16.7% 33.3% 33.3% 2、2
福永 1-1-0-1 33.3% 66.7% 66.7% 2、1
田中勝 1-0-0-8 11.1% 11.1% 11.1%
北村宏 1-0-0-8 11.1% 11.1% 11.1%
大西 1-0-0-5 16.7% 16.7% 16.7%
芹沢 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
武豊 0-2-0-3 0.0% 40.0% 40.0% 1、1
勝浦 0-1-1-2 0.0% 25.0% 50.0% 3、12
松岡 0-1-0-4 0.0% 20.0% 20.0%

Check4新潟大賞典、都大路S組の好走多し

 前走の出走競馬場別に成績を調べると、前走も東京で走っていた馬は【1.6.2.41】と好走して勝ち切れない傾向。同じ左回りの中京(今年は開催なし)も不振、しかし新潟組は好成績と明暗が分かれている。また、京都からの転戦馬も好走馬が多い。この新潟、京都組の好成績を支えるのが新潟大賞典組と都大路S組で、過去10年で3頭以上の3着以内馬を出しているのはこの2レースのみ。新潟大賞典組は【4.2.2.30】、都大路S組は【3.0.3.13】だ。

【前走競馬場別成績(過去10年)】
前走競馬場 成績 勝率 連対率 複勝率
福島 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
新潟 4-2-3-29 10.5% 15.8% 23.7%
東京 1-6-2-41 2.0% 14.0% 18.0%
中山 0-0-0-16 0.0% 0.0% 0.0%
中京 0-0-1-17 0.0% 0.0% 5.6%
京都 4-1-4-35 9.1% 11.4% 20.5%
阪神 1-1-0-3 20.0% 40.0% 40.0%

第47回 CBC賞(G3)

6月12日(日) 阪神競馬場 芝1200m

 1965年に設立されて以降、頻繁にレース条件が変更されてきたCBC賞。最近では、1990年に芝1200mのG2として6月に行われるようになり、1996年にはスプリンターズSのステップレースとして、暮れの中京競馬に開催時期が変更となった。さらに、2006年に開催時期を再び6月に戻し、G3のハンデキャップ競走に変更された。中京競馬場が改修工事を行っているため、昨年は京都、今年は阪神競馬場を舞台に行われる。6月開催となった2006年以降のデータと、過去10年に阪神競馬場芝1200mで行われた重賞データから、レースの傾向を探っていく。CBC賞の優勝馬は、のちにG1で活躍する馬が多く、2002年優勝馬サニングデールが2004年の高松宮記念を制覇、2008年優勝馬スリープレスナイトは同年のスプリンターズSを制している。今年はどの馬が優勝し、短距離界に名乗りを挙げるのだろうか。
2010年6月CBC賞(G3)ヘッドライナー

写真:競馬ブック

Check31番人気は危険、単勝5.0~9.9倍が狙い目

3連単は過去5年で3回10万以上の配当になっており、ハンデ戦らしく荒れている。1番人気は【0.0.0.5】と全滅だが、2~5番人気が【3.3.3.11】で複勝率45%と健闘している。オッズ別に見ると、毎年のように上位人気が拮抗しており、4.9倍以下の馬は5年間で4頭しかおらず、すべてが着外に敗れている。5.0~9.9倍が【3.3.3.14】で複勝率39.1%と安定している。一方、50倍以上は【0.0.0.23】と壊滅的で、極端な穴馬の出番はないようだ。

【オッズ別の成績(過去5年)】
オッズ 成績 勝率 連対率 複勝率
4.9以下 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%
5.0~ 6.9 0-2-1-7 0.0% 20.0% 30.0%
7.0~ 9.9 3-1-2-7 23.1% 30.8% 46.2%
10.0~14.9 0-1-0-8 0.0% 11.1% 11.1%
15.0~19.9 0-1-1-4 0.0% 16.7% 33.3%
20.0~29.9 1-0-0-7 12.5% 12.5% 12.5%
30.0~49.9 1-0-1-13 6.7% 6.7% 13.3%
50.0~99.9 0-0-0-16 0.0% 0.0% 0.0%
100.0以上 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%

Check2前走1400or1600mの距離短縮組が強い

 前走の距離別成績の傾向はどうだろうか。CBC賞と同じ1200mのレースを使った組よりも、長い距離を使っていたほうがよい結果を残している。前走1200mは【1.2.2.45】で複勝率10.0%に対して、1400m組は【4.2.1.21】で複勝率25.0%、1600m組は【0.0.2.5】で複勝率28.6%と優勢の傾向だ。前走のレース別なら【0.0.2.3】のヴィクトリアマイル(1600m)が好成績を残しており、テレビ愛知オープン(1200m)は【1.2.1.20】で複勝率16.7%とイマイチ、京王杯SC(1400m)は【1.0.0.11】で2007年にブラックバースピンが勝利した以外は全滅だ。

【前走の距離別成績(過去5年)】
前走距離 成績 勝率 連対率 複勝率
1000m 0-1-0-1 0.0% 50.0% 50.0%
1200m 1-2-2-45 2.0% 6.0% 10.0%
1400m 4-2-1-21 14.3% 21.4% 25.0%
1600m 0-0-2-5 0.0% 0.0% 28.6%
1700m 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0%

Check34、6歳が中心で5歳は不振

 性齢別の成績では牡・セン馬が複勝率16.7%なのに対して、牝馬は複勝率18.2%とほぼ互角。牡牝ともに共通しているのは、4歳と6歳が活躍しており、5歳が不振で19頭出走して2着が1回のみ。3歳と7歳以上は牡・セン馬なら買えるが、牝馬はあまり出走してこない。

【性齢別成績(過去5年)】
  年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
牡・セン馬 3-5-3-55 4.5% 12.1% 16.7%
3歳 0-2-0-3 0.0% 40.0% 40.0%
4歳 1-1-0-9 9.1% 18.2% 18.2%
5歳 0-1-0-11 0.0% 8.3% 8.3%
6歳 2-0-0-13 13.3% 13.3% 13.3%
7歳以上 0-1-3-19 0.0% 4.3% 17.4%
牝馬 2-0-2-18 9.1% 9.1% 18.2%
4歳 1-0-1-5 14.3% 14.3% 28.6%
5歳 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%
6歳 1-0-1-4 16.7% 16.7% 33.3%
7歳以上 0-0-0-2 0.0% 0.0% 0.0%

Check4勝負どころで動ける馬を買え!

 脚質別の成績では、追い込み馬にとっては厳しい結果となった。4コーナーを9番手までで通過した場合は、複勝率が20%以上あるが、10番手以降は5.1%と激減する。短距離は追い込み馬が活躍するイメージがあるが、このレースに限ってはそうでもなく、直線に入るまで後方で待機していると届かない。

【4コーナー通過順別成績(過去5年)】
4角位置 成績 勝率 連対率 複勝率
1番手 1-0-0-4 20.0% 20.0% 20.0%
2番手 1-0-0-4 20.0% 20.0% 20.0%
3~4番手 2-3-0-11 12.5% 31.3% 31.3%
5~9番手 0-2-4-17 0.0% 8.7% 26.1%
10番手以下 1-0-1-37 2.6% 2.6% 5.1%

Check4ウォーニング、タイキシャトル産駒が安定している

 阪神競馬場の芝1200mで行われた重賞データから、傾向を探ってみた。種牡馬別の成績ではサクラバクシンオーが1、2着馬を最も多く輩出しているが、
【3.4.1.20】で複勝率は28.6%であまり高くない。
【1.2.3.3】で複勝率66.7%のウォーニング、
【2.0.1.3】で複勝率50%のタイキシャトルが好走確率が高い。
また、ダンスインザダークはのべ6頭出走していずれも4着以下。短距離で強かったジョリーダンスやマルカフェニックスでも好走できなかった。

【種牡馬別の成績(阪神芝1200mの重賞、過去10年、1勝以上or4頭以上出走)】
種牡馬 成績 勝率 連対率 複勝率
サクラバクシンオー 3-4-1-20 10.7% 25.0% 28.6%
フジキセキ 2-0-2-8 16.7% 16.7% 33.3%
タイキシャトル 2-0-1-3 33.3% 33.3% 50.0%
ウォーニング 1-2-3-3 11.1% 33.3% 66.7%
サンデーサイレンス 1-1-1-16 5.3% 10.5% 15.8%
Distant View 1-1-0-3 20.0% 40.0% 40.0%
Cozzene 1-1-0-2 25.0% 50.0% 50.0%
Fuji Kiseki 1-0-1-0 50.0% 50.0% 100.0%
フレンチデピュティ 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
Pine Bluff 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
Henny Hughes 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
ニホンピロウイナー 0-1-0-3 0.0% 25.0% 25.0%
ダンスインザダーク 0-0-0-6 0.0% 0.0% 0.0%
リンドシェーバー 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%

Check4岩田康誠、小牧太、川田将雅に注目

 騎手別の傾向では、上位にリーディングの常連が占めた。岩田康誠小牧太の元地方ジョッキーがともに2勝しており、しっかり追える騎手が結果を残している。また、関西若手No.1の呼び声が高い川田将雅や、四位洋文、武豊、藤田伸二、横山典弘ら実力者も上位に名を連ねている。短距離は馬の能力が重要と言われているが、騎手の役割も大きいようだ。

【騎手別の成績(阪神芝1200mの重賞、過去10年、1勝以上)】
騎手 成績 勝率 連対率 複勝率
岩田康誠 2-0-1-4 28.6% 28.6% 42.9%
小牧太  2-0-0-4 33.3% 33.3% 33.3%
川田将雅 2-0-0-1 66.7% 66.7% 66.7%
四位洋文 1-2-1-4 12.5% 37.5% 50.0%
武豊   1-1-0-4 16.7% 33.3% 33.3%
藤田伸二 1-0-2-3 16.7% 16.7% 50.0%
横山典弘 1-0-1-1 33.3% 33.3% 66.7%
松岡正海 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
吉田稔  1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
後藤浩輝 1-0-0-1 50.0% 50.0% 50.0%
リスポリ 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
山田和広 1-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%