第71回 皐月賞(G1)

4月24日(日)東京競馬場 芝2000m

 1988年以来、久々に東京競馬場を舞台に行われる皐月賞。その88年は9番人気の2勝馬・ヤエノムテキが優勝。さらに2着には14番人気のディクターランドが入り、枠連しかなかった当時でも6940円という波乱の決着になった。今年は弥生賞を制したサダムパテックが実績では一歩リードしているが、下馬評は上位拮抗の混戦模様。さまざまな路線を進んできた馬の見応えある対決、クラシック一冠目を手中にするのはどの馬だろうか。
ヴィクトワールピサ

写真:競馬ブック

Check31番人気は近年不振、人気薄を警戒

 1番人気は過去10年【4.1.2.3】複勝率70%と一見好成績だが、近5年にかぎると表にある通り、優勝馬は昨年のヴィクトワールピサ1頭。トータル【1.0.1.3】と期待に応えられない馬が多い。一方で、6番人気以下は過去10年【5.7.2.116】複勝率10.8%だが、ここ5年は【3.5.1.56】同13.8%。好走馬14頭中9頭がここ5年で、1番人気の不振とあわせ近年は波乱の色合いが濃くなっている。

【1番人気馬の成績と6番人気以下の好走馬(過去5年)】
馬名 人気 着順
06 アドマイヤムーン 1 4
07 アドマイヤオーラ 1 4
08 マイネルチャールズ 1 3
09 ロジユニヴァース 1 14
10 ヴィクトワールピサ 1 1
06 メイショウサムソン 6 1
ドリームパスポート 10 2
07 ヴィクトリー 7 1
サンツェッペリン 15 2
08 キャプテントゥーレ 7 1
タケミカヅチ 6 2
09 トライアンフマーチ 8 2
10 ヒルノダムール 6 2
エイシンフラッシュ 11 3

Check2人気なら前走勝ち馬、人気薄は前走凡走馬

 5番人気以内の3着以内馬16頭中、13頭は前走1着馬。人気馬なら前走で勝っていないとこのレースでは苦しい。逆に6番人気以下は3着以内馬14頭中8頭が前走3着以下。敗れて人気を落とした馬が巻き返してくる例が目立つ。前走で負けているのに素質や実績が評価されて再び人気になる馬や、前走で好走しているのに人気にならない馬は馬券の対象になりづらい。

【人気と前走着順の関係(過去10年)】
人気 前走着順 成績 勝率 連対率 複勝率
5番人気以内 1着 5-2-6-15 17.9% 25.0% 46.4%
2着 0-1-1-7 0.0% 11.1% 22.2%
3着以下 0-0-1-12 0.0% 0.0% 7.7%
6番人気以下 1着 2-0-1-27 6.7% 6.7% 10.0%
2着 0-2-1-22 0.0% 8.0% 12.0%
3着以下 3-5-0-67 4.0% 10.7% 10.7%

Check3前走レースはトライアル出走馬

 今年はさまざまなレースをステップにした馬の対決になったが、過去10年の連対馬20頭中19頭は弥生賞、スプリングS、若葉Sという皐月賞トライアルに出走していた馬だった。他の路線は好走しても3着までが多く、連対馬は10年前・アーリントンCをステップにしたダンツフレーム1頭しかいない。また、毎日杯やきさらぎ賞組は3着馬もなし。東京開催になった今年は傾向に変化が出るかもしれないが、例年通りなら皐月賞トライアル組が優勢だ。

【前走レース別の成績(過去10年、主なレース)】
前走レース 成績 勝率 連対率 複勝率
弥生賞 4-3-5-32 9.1% 15.9% 27.3%
スプリングS 4-3-1-49 7.0% 12.3% 14.0%
若葉S 2-3-1-17 8.7% 21.7% 26.1%
アーリントンC 0-1-0-6 0.0% 14.3% 14.3%
共同通信杯 0-0-2-5 0.0% 0.0% 28.6%
京成杯 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
毎日杯 0-0-0-14 0.0% 0.0% 0.0%
きさらぎ賞 0-0-0-9 0.0% 0.0% 0.0%

Check42000mの勝利実績と組み合わせに注目

 皐月賞と同じ2000m戦で勝利がない馬でも好走は可能で、過去5年の連対馬は勝利実績があった馬、なかった馬ともに5頭ずつ。ただ、その5年のうち09年を除く4回は、2000mで勝利実績があった馬同士、または勝利実績がなかった馬同士の決着だった。展開によるものか、路線によるレベル差なのかは不明だが、馬連や馬単なら2000mで勝利のある馬同士か、未勝利の馬同士の組み合わせを狙ってみてもおもしろい。

【1~3着馬の2000m勝利実績(過去5年)】
1着馬 2着馬 3着馬
06 メイショウサムソン ドリームパスポート フサイチジャンク
07 ヴィクトリー サンツェッペリン フサイチホウオー
08 キャプテントゥーレ タケミカヅチ マイネルチャールズ
09 アンライバルド トライアンフマーチ セイウンワンダー
10 ヴィクトワールピサ ヒルノダムール エイシンフラッシュ

第46回 フローラステークス(G2)

4月23日(土)東京競馬場 芝2000m

 3歳牝馬のクラシックの第2戦オークス。そのトライアルレースであるフローラSが東京競馬場の芝2000mで行われる。デビューが遅かった馬、クラシック第1弾の桜花賞に間に合わなかった馬、比較的長い距離が得意な馬などが出走して、上位3着までに与えられるオークスの優先出走権獲得を目指す。昨年は、このレースを勝利したサンテミリオンが、オークスでアパパネと史上初のG1同着優勝の快挙を成し遂げた。フローラSをステップに、オークスではレディパステルが優勝、ローズバト、ベッラレイアが2着するなど、活躍馬を多く輩出しており、今年も見逃せない。過去10年のデータからは、どのような傾向が導き出されるのだろうか。
サンテミリオン

写真:競馬ブック

Check3前走1600m以下で着外の1番人気は危険

1番人気は【3.2.1.4】とまずまずの成績を残している。1番人気で4着以下に敗れた馬の傾向を探ってみよう。前走を1800か2000mを使って1番人気になった馬は【3.2.1.1】とほぼパーフェクト。それに対して、前走が1400か1600mで1番人気になった馬は【0.0.0.3】とすべて着外となっている。また、前走1~3着で1番人気になった馬が【3.2.1.1】と好成績なのに対して、前走4着以下で1番人気になった馬は【0.0.0.3】と散々な結果になっている。前走1800m以上で1~3着馬が1番人気なら信頼してもいいといえる。

【1番人気馬の成績と前走の成績(過去10年)】
馬名 着順 前走 前走距離 前走着順
01 レディパステル 2 ミモザ賞 2000 1
02 ブリガドーン 3 ミモザ賞 2000 2
03 セイレーンズソング 6 フラワーC 1800 3
04 イントゥザグルーヴ 17 500万下 1600 4
05 レースパイロット 2 ミモザ賞 2000 1
06 テイエムプリキュア 7 桜花賞 1600 8
07 ベッラレイア 1 あざみ賞 1800 1
08 レッドアゲート 1 フラワーC 1800 2
09 ミクロコスモス 14 フィリーズレビュー 1400 4
10 サンテミリオン 1 フラワーC 1800 3

Check2フラワーC組が勝ち、2着はミモザ賞組

 前走の距離別の成績では、1800mの重賞フラワーCが過去10年で5勝しており、もっとも勝ち馬を輩出している。また、500万下の中では2000mで行われるミモザ賞が【1.4.1.17】で連対率が21.7%と高い。忘れな草賞は【1.1.0.10】でイマイチ。フラワーC以外の重賞は【1.1.5.11】で3着内率が38.8%と高い。3連単の狙い目は1着フラワーC、2着ミモザ賞、3着フラワーC以外の重賞だ。

【前走レース別の成績(過去10年)】
前走レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
フラワーC 5-1-0-28 14.7% 17.6% 17.6%
フラワーC以外の重賞 1-1-5-11 0.5% 1.1% 38.8%
ミモザ賞 1-4-1-17 4.3% 21.7% 26.1%
ミモザ賞以外の500万下 2-1-2-34 5.1% 7.6% 12.8%
忘れな草賞 1-1-0-10 8.3% 16.7% 16.7%
忘れな草賞以外のOPEN特別 0-1-0-6 0.0% 14.2% 14.2%
新馬・未勝利 0-1-2-29 0.0% 3.1% 9.6%

Check3前走楽勝と前走僅差勝ちは危ない

 前走の勝ち馬との着差(勝利している馬の場合は2着馬との着差)と、フローラSの結果との関連性を探ってみよう。前走2秒以上の大敗を喫した馬は【0.0.0.5】。巻き返すことは難しいようだ。また、前走0秒6差以上で完勝した馬は【0.0.0.7】と不振。あまり勝ち過ぎてもいけないようだ。前走タイム差なしで勝利した馬は【0.0.0.15】と大不振。ギリギリの勝利は、この時期の牝馬にとってダメージが大きいようだ。しかし、前走タイム差なしで敗北した馬は【1.2.1.2】と3回に2回は3着以内に来ている。惜しい敗北を糧にして、このフローラSで結果を残す馬が多いようだ。

【前走の着差別の成績(過去10年)】
前走の着差 成績 勝率 連対率 複勝率
0.6秒差以上で勝利 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%
0.3~0.5秒差で勝利 1-3-0-6 10.0% 40.0% 40.0%
0.1~0.2秒差で勝利 0-1-4-16 0.0% 4.8% 23.8%
0.0秒差で勝利 0-0-0-15 0.0% 0.0% 0.0%
0.0秒差で敗北 1-2-1-2 16.7% 50.0% 66.7%
0.1~0.2秒差で敗北 4-0-0-13 23.5% 23.5% 23.5%
0.3~0.5秒差で敗北 3-2-1-19 12.0% 20.0% 24.0%
0.6~0.9秒差で敗北 0-2-2-29 0.0% 6.1% 12.1%
1.0~1.9秒差で敗北 1-0-2-25 3.6% 3.6% 10.7%
2.0秒差以上で敗北 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%

Check4桜花賞組は厳しい

 過去10年の桜花賞組は7頭が出走して【0.0.2.5】。G1の桜花賞を使って中1週という厳しいローテーションのためか、出走数は少なく、結果もあまりよくない。フローラSで3着と健闘したセンターアンジェロ(03年)、イクスキューズ(07年)に共通するのは、桜花賞で勝ち馬とあまりタイム差がついていないということ。桜花賞で勝ち馬とのタイム差が1秒までならフローラSでも勝負になり、それ以上離されると厳しい傾向にある。

【前走桜花賞組の成績と桜花賞での成績(過去10年)】
馬名 着順 桜花賞の着順 桜花賞の勝ち馬とのタイム差
01 ポイントフラッグ 5 13 1.3
フローラルグリーン 8 14 1.5
02 ツルマルグラマー 8 10 1.0
03 センターアンジェロ 3 9 0.9
レイナワルツ 13 14 1.3
06 テイエムプリキュア 7 8 1.1
07 イクスキューズ 3 5 1.0

Check5母父サンデーサイレンスは鬼門

 偉大な種牡馬サンデーサイレンスは、このレースとの相性があまりよくない。産駒の成績は【1.2.2.19】で勝率4.2%とイマイチだ。さらに母父としてのサンデーサイレンスは【0.0.0.7】で、7頭が出走してすべて着外。国民的アイドルホースのユキチャン(08年7着)や前年の阪神JF3着馬ベストクルーズ(10年4着)も結果を残せなかった。また、世界的名種牡馬Mr. Prospectorもこのレースでは母父として【0.0.0.4】と不振だ。

【母父別の成績(過去10年、4頭以上出走or2連対以上)】
母父馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率
アンバーシヤダイ 2-0-0-0 100.0% 100.0% 100.0%
Last Tycoon 1-1-0-1 33.3% 66.7% 66.7%
モガミ 1-0-0-3 25.0% 25.0% 25.0%
トニービン 0-2-0-5 0.0% 28.6% 28.6%
Sadler's Wells 0-1-0-3 0.0% 25.0% 25.0%
ノーザンテースト 0-1-0-5 0.0% 16.7% 16.7%
ヘクタープロテクター 0-1-0-4 0.0% 20.0% 20.0%
サンデーサイレンス 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%
Mr. Prospector 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%
Woodman 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
Seattle Slew 0-0-0-4 0.0% 0.0% 0.0%

第8回 福島牝馬ステークス(G3)

4月23日(土)新潟競馬場 芝1800m

 牝馬路線の拡充を目的に、2004年に創設されたこのレース。2年後の06年には5月中旬にヴィクトリアマイルが創設され、ローカル重賞ながらもG1のステップレースとしての役割も担うようになった。これまで、本競走からヴィクトリアマイルに直行して好走したのは、09年の優勝馬・ブラボーデイジー1頭で、ヴィクトリアマイルは2着。しかし、今年は小回り・右回りの福島から、直線の長い左回りの新潟に変更され、本番と近いコース形態になった。例年より関連性が高まる可能性も十分にある、注目の一戦だ。
レジネッタ

写真:競馬ブック

Check3単勝ひと桁台後半に注目

 創設以来の7回で、単勝5倍を切った馬がわずか4頭しかいないという、混戦模様のレース。好走馬が多いのは5倍から15倍未満で、勝ち馬7頭中6頭はこのゾーンの馬だ。特に7.0~9.9倍は連対率44.4%の好成績。該当馬がいれば積極的に狙いたい。また、単勝10倍台後半には好走馬不在で、穴を狙うならさらに人気薄に注目するのが良さそうだ。

【単勝オッズ別の成績(過去7年)】
単勝オッズ 成績 勝率 連対率 複勝率
~4.9 0-0-1-3 0.0% 0.0% 25.0%
5.0~6.9 2-1-3-14 10.0% 15.0% 30.0%
7.0~9.9 2-2-0-5 22.2% 44.4% 44.4%
10.0~14.9 2-1-2-9 14.3% 21.4% 35.7%
15.0~19.9 0-0-0-9 0.0% 0.0% 0.0%
20.0~29.9 1-1-1-15 5.6% 11.1% 16.7%
30.0~49.9 0-2-1-13 0.0% 12.5% 18.8%
50.0~ 0-0-0-22 0.0% 0.0% 0.0%

Check2前走はハンデ戦優勢?

 優勝馬7頭中5頭が、前走中山牝馬Sの出走馬。今年はその中山牝馬Sが阪神1800mに変更になるとともに、レース間隔も詰まってしまった。ただ、今年は福島牝馬Sも阪神1800mと同じ外回りコースで、似たコース形態で行われるという点は例年と同じ。今年も中山牝馬S組には注目したい。また、その中山牝馬S組も含め、勝ち馬はすべて前走でハンデ戦に出走していた馬。馬単、3連単の1着候補ならハンデ戦組を警戒したい。

【優勝馬の前走レース】
優勝馬 前走
04 オースミコスモ 2 1 中山牝馬S 9 1
05 メイショウオスカル 1 1 中山牝馬S 9 2
06 ロフティーエイム 7 1 野島崎特別 2 2
07 スプリングドリュー 9 1 愛知杯 9 13
08 マイネカンナ 3 1 中山牝馬S 13 2
09 ブラボーデイジー 7 1 中山牝馬S 7 6
10 レジネッタ 5 1 中山牝馬S 11 5

Check3斤量は54キロが狙い目

 別定戦ながらハンデ戦並みに斤量差がつく年もあるレース。算出方法に変化もあるが、今年は登録全馬が53~55キロに収まっている。中でも注目は3年連続で優勝馬を出している54キロ。【4.5.3.30】と連対馬14頭中9頭を占め、連対率21.4%も優秀だ。53キロは【0.0.2.30】と連対なし、55キロも【1.0.1.17】にとどまっており、54キロの好成績との差は明らか。

【斤量別の成績(過去7年)】
斤量 成績 勝率 連対率 複勝率
52kg台 1-0-1-1 33.3% 33.3% 66.7%
53kg台 0-0-2-30 0.0% 0.0% 6.3%
54kg台 4-5-3-30 9.5% 21.4% 28.6%
55kg台 1-0-1-17 5.3% 5.3% 10.5%
56kg台 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
57kg台 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
58kg台 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%

Check4長い直線を生かす差し馬に注目

 今年は新潟競馬場の外回り1800m。2006年以降、このコースで行われた1000万条件以上のレースは11レースあり、そのうち7レースの優勝馬が「差し」た馬だった(競馬道GT8の脚質分類による)。また、2着馬も11頭中8頭が「差し」。長い直線を存分に生かせる差し馬に注目だ。ただ「追込」になると2着1回、3着1回のみと末脚不発の傾向。あまり後ろからになる馬では苦しい。

【新潟芝1800m脚質別の成績(1000万以上、2006年~)】
脚質 成績 勝率 連対率 3着内率
逃げ 2-0-2-6 20.0% 20.0% 40.0%
先行 2-2-5-25 5.9% 11.8% 26.5%
差し 7-8-3-49 10.4% 22.4% 26.9%
追込 0-1-1-35 0.0% 2.7% 5.4%

第16回 アンタレスステークス(G3)

4月24日(日)京都競馬場 ダ1800m

 ダート得意の猛者が京都競馬場に集結して行われるアンタレスステークス。開設当初はハンデ戦として行われていたが、03年より別定戦に変更。それ以降は、03年のゴールドアリュール、04年のタイムパラドックスなど、ダート界に名を残す名馬が優勝している。比較的人気馬同士の決着が多いが、何年に1度は大波乱となり、ピットファイターが勝った05年は3連単が115万馬券、ワンダースピードが優勝した08年は3連単が52万馬券の決着となった。今年は実力馬が順当に力を発揮するのか、それとも穴馬が台頭して大荒れとなるのか。過去10年のデータから、傾向を探っていこう。
ダイシンオレンジ

写真:競馬ブック

Check3フェブラリーS組が強い

 ステップレースはマーチSが最も多く【1.4.4.53】。62頭が出走して、勝ったのはスマートボーイのみで、あまり信用ができない。マーチSからの間隔は中3週だが、今年は東日本大震災の影響で中1週となってしまい、出走馬は少なくなりそうだ。最も結果を残しているのはG1のフェブラリーS。ゴールドアリュールやピットファイターが勝利し、3着内率が5割を超える。約2カ月ぶりのレースとなるが、さすがにG1出走馬だけあって、実力を発揮する傾向にある。また、交流重賞のダイオライト記念も【1.1.1.3】と相性が良く、3着内率が50%を誇る。

【前走レース別の成績(過去10年、出走馬6頭以上)】
前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率
フェブラリーS 2-1-2-4 22.2% 33.3% 55.6%
コーラルS 2-1-1-19 8.7% 13.0% 17.4%
マーチS 1-4-4-53 1.6% 8.1% 14.5%
条件戦 1-1-1-17 5.0% 10.0% 15.0%
ダイオライト記念 1-1-1-3 16.7% 33.3% 50.0%
名古屋大賞典 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%

Check24歳と6歳が強く、5歳はイマイチ

 年齢別で最も勝率が高いのは5頭の勝ち馬を輩出している6歳。複勝率は4歳が29.5%、6歳が26.3%に対して、5歳は半分以下の11.8%。さらに7歳も【0.1.0.22】と不振で、09年にワンダースピードが2着した以外は、すべて着外に終わっている。

【年齢別の成績(過去10年)】
年齢 成績 勝率 連対率 複勝率
4歳 3-4-6-31 6.8% 15.9% 29.5%
5歳 2-2-2-45 3.9% 7.8% 11.8%
6歳 5-3-2-28 13.2% 21.1% 26.3%
7歳 0-1-0-22 0.0% 4.3% 4.3%

Check3穴をあけるタイプは4コーナー5番手以内

 複勝率は1~3番人気が43.3%、4~6番人気が23.3%、7番人気以下が10.4%と、ほぼ人気通りに結果となっている。そこで、どのようなタイプが穴をあけるのか調べてみた。7番人気以下の馬券圏内は10頭。そのすべてが4コーナーを5番手以内で通過している。ズバリ人気薄の先行馬が狙い目だ。

【7番人気以下で3着以内の馬と4コーナー通過順位(過去10年)】
馬名 人気 着順 4角通過順位
01 スマートボーイ   7 1 1
タマモルビーキング 12 3 2
02 アルアラン     13 2 1
ワンモアマイライン 9 3 5
03 ディーエスサンダー 9 3 5
05 オーガストバイオ  10 2 2
サワノブレイブ   12 3 5
08 ワンダースピード  7 1 3
ドラゴンファイヤー 8 2 5
09 ボランタス     11 3 5

Check4大穴は巨漢馬を狙え

 過去10年で2ケタ人気の馬券圏内は5頭。そのすべてに共通するのは486キロ以上の「巨漢馬」ということだ。芝馬に比べてダート馬はパワフルたタイプが多く、馬体重のあるケースが多い。しかし1~3着馬30頭のうち、ちょうど半数の15頭が馬体重が485キロ以下であることから考えると、この記録は突出しているといえる。

【10番人気以下で3着以内の馬と馬体重(過去10年)】
馬名 人気 着順 馬体重
01 タマモルビーキング 12 3 488
02 アルアラン 13 2 494
05 オーガストバイオ 10 2 502
サワノブレイブ 12 3 486
09 ボランタス 11 3 528

Check5川田、藤岡佑、内田博に注目!

 このレースは前年3着以内のジョッキーが、再び3着以内に来るケースが多い。過去10年で6度もそのパターンがある。今年もそうなると仮定すると、昨年ナニハトモアレで2着の藤岡佑、フサイチセブンで3着の内田博には注目だ。また、川田は09年ウォータクティクス、10年ダイシンオレンジと連覇中で、3連覇の偉業に挑む。

【連続して3着以内に入った騎手(過去10年)】
騎手 1年目   2年目
武豊   02年1着 03年1着
安藤勝己 04年1着 05年1着
岩田康誠 06年3着 07年1着
安藤勝己 07年2着 08年3着
小牧太  08年1着 09年2着
川田将雅 09年1着 10年1着

第143回 天皇賞(春)(G1)

5月1日(日)京都競馬場 芝3200m

 以前は超一流馬の活躍が目立った春の長距離王決定戦。2~3着にも上位人気馬が入る平穏な年が比較的多かった。しかし近年は路線の多様化などにより、荒れ模様のレースに様相は一変。3連単導入後の6回のうち、4回が20万馬券以上。05年には190万馬券、そして昨年も90万馬券と、特に穴党にとっては注目の欠かせない一戦になっている。今年もヴィクトワールピサ、ブエナビスタという現役を代表する2頭が不在。しかし一方で、非常に層の厚い4歳世代に加え、長距離実績十分の5歳以上の実力馬がずらりと顔を揃えた。果たしてどんな結末が待っているのだろうか。
ジャガーメイル

写真:競馬ブック

Check3近年は不振の1番人気

 以前は1番人気が非常に安定しており、連対こそ外しても02、03年までは3着は確保する馬が多かった。しかし04年にリンカーンが13着に敗れると、以降、優勝したのは桁違いの強さを誇ったディープインパクト1頭。3着もアサクサキングスのみで、その04年以降の7年では【1.0.1.5】だ。そしてこの7年間の勝ち馬は1~3番人気か2桁人気かという両極端。4~5番人気は好走しても2~3着までに終わっている。また、2番人気、4番人気の連対率、複勝率が高く、馬連や3連複ならこのあたりを軸にする手もある。

【人気別の成績(過去7年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気 1-0-1-5 14.3% 14.3% 28.6%
2番人気 2-2-0-3 28.6% 57.1% 57.1%
3番人気 1-0-0-6 14.3% 14.3% 14.3%
4番人気 0-3-2-2 0.0% 42.9% 71.4%
5番人気 0-0-2-5 0.0% 0.0% 28.6%
6番人気 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%
7番人気 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%
8番人気 0-0-1-6 0.0% 0.0% 14.3%
9番人気 0-0-0-7 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気以下 3-2-1-50 5.4% 8.9% 10.7%

Check2超人気薄なら阪神大賞典や大阪杯以外の組

 2桁人気の3着以内馬は10年で6頭。いずれも、前述の1番人気不振がはじまった04年以降の好走馬だ。各馬の前走を見ると、大阪-ハンブルクC3頭に日経賞2頭、そして地方のダートグレード競走が1頭。関西で行われるステップレースの中でも出走馬が多い阪神大賞典組、大阪杯組からは2桁人気の好走馬は出ていない。この両レースから好走した15頭のうち、6番人気以下だったのは03年の1~2着馬、ヒシミラクル、サンライズジェガー(ともに阪神大賞典)で、残る13頭は5番人気以内。阪神大賞典、大阪杯組なら5番人気以内、2桁人気を狙うならそれ以外の路線に注目だ。

【10番人気以下の好走馬】
馬名 人気 着順 前走 人気 着順
04 イングランディーレ 10 1 ダイオライト記念 4 2
05 スズカマンボ 13 1 大阪-ハンブルクC 3 3
ビッグゴールド 14 2 大阪-ハンブルクC 7 1
07 エリモエクスパイア 11 2 日経賞 7 10
09 マイネルキッツ 12 1 日経賞 7 2
10 メイショウドンタク 16 3 大阪-ハンブルクC 5 11

Check3少数精鋭の関東馬

 東西別では関東馬【4.2.0.27】、関西馬【6.8.10.101】と、過去10年の3着以内馬30頭中24頭を関西馬が占める。しかし、勝率や連対率では関西よりも関東優勢。出走馬全体の5分の1ほどしかいないにも関わらず、10年で4頭が優勝。ここ2年は関東馬の連勝で、昨年はジャガーメイルとマイネルキッツが1、2着を独占した。今年も登録馬24頭中4頭しかいないが、少数精鋭の関東馬は見逃せない。

【東西別成績(過去10年)】
所属 成績 勝率 連対率 複勝率
関東馬 4-2-0-27 12.1% 18.2% 18.2%
関西馬 6-8-10-101 4.8% 11.2% 19.2%
【関東馬の好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 騎手 調教師
02 マンハッタンカフェ 2 1 蛯名正義 小島太
04 イングランディーレ 10 1 横山典弘 清水美波
ゼンノロブロイ 4 2 オリヴァー 藤沢和雄
09 マイネルキッツ 12 1 松岡正海 国枝栄
10 ジャガーメイル 2 1 ウィリアムズ 堀宣行
マイネルキッツ 4 2 松岡正海 国枝栄

Check4サンデー系、ミスプロ系は不振?

 他のレースでは大活躍していたサンデーサイレンス産駒がなかなか勝てなかったG1で、96年の初出走後、初勝利は99年のスペシャルウィークまで待つことになった。その後は3勝を重ね計4勝を挙げたものの、今は「サンデーサイレンス系」が不振。勝ち馬は皆無で、2着も一昨年のアルナスライン(父アドマイヤベガ)1頭だけに終わっている。また、今年はトゥザグローリーなどの人気馬がいる「ミスタープロスペクター系」も2着1回、3着1回まで。もしサンデー系ともども崩れてしまうと、今年も大波乱の決着になるかも?

【父馬別の成績(過去10年)】
父馬名 成績 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス 3-2-1-20 11.5% 19.2% 23.1%
オペラハウス 2-1-0-5 25.0% 37.5% 37.5%
チーフベアハート 1-1-0-1 33.3% 66.7% 66.7%
サッカーボーイ 1-0-3-4 12.5% 12.5% 50.0%
ホワイトマズル 1-0-1-2 25.0% 25.0% 50.0%
ジャングルポケット 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
フレンチデピュティ 1-0-0-2 33.3% 33.3% 33.3%
トニービン 0-1-0-5 0.0% 16.7% 16.7%
ブライアンズタイム 0-1-0-5 0.0% 16.7% 16.7%
アドマイヤベガ(SS系) 0-1-0-2 0.0% 33.3% 33.3%
リアルシャダイ 0-1-0-2 0.0% 33.3% 33.3%
スキャターザゴールド 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
ビッグストーン 0-1-0-0 0.0% 100.0% 100.0%
ダンスインザダーク(SS系) 0-0-1-15 0.0% 0.0% 6.3%
エルコンドルパサー 0-0-1-5 0.0% 0.0% 16.7%
マーベラスサンデー(SS系) 0-0-1-5 0.0% 0.0% 16.7%
ステイゴールド(SS系) 0-0-1-2 0.0% 0.0% 33.3%
マンハッタンカフェ(SS系) 0-0-1-0 0.0% 0.0% 100.0%